親不知ー白鳥小屋ー栂海山荘ー朝日岳ー雪倉岳ー白馬岳ー鑓温泉ー猿倉


- GPS
- 117:38
- 距離
- 53.9km
- 登り
- 5,693m
- 下り
- 4,518m
コースタイム
JR 親不知駅 7:45―8:45 栂海新道登山口 9:10―ワンダリング―栂海新道登山口 11:05
−2:08入道山−19:00 1070M ビバーク (行動時間 11時間45分
7月22日(天候:霧)
1070M ビバーク地点 6:20―7:10 白鳥小屋 8:30―11:05 蓮華の水場 11:20
―12:10 黄蓮山―13:20 栂海山荘(行動時間 7時間)
7月23日(天候:霧)
栂海山荘 5:05―6:40 サワガニ山― 8:10 黒岩山 8:30―9:20 黒岩平―11:12 アヤメ平
―13:15 吹上のコル13:45ー 朝日岳14:45ー15:30 朝日小屋テン場(行動時間 10時間25分)
7月24日(天候:霧)
朝日小屋テン場 5:35―6:40 朝日岳―10:50 雪倉岳11:08―14:30 三国境―
16:20 白馬岳天空レストラン17:40―17:50 頂上宿舎テン場(行動時間 10時間15分)
7月25日(天候:霧)
頂上宿舎テン場 6:10―8:18 白馬鑓ケ岳―8:30 鑓温泉分岐―10:30 鑓温泉テン場<br>
(行動時間 4時間20分)
7月26日(天候:晴)
鑓温泉テン場 6:05―7:35 小日向のコル―8:30 猿倉バス停(行動時間 2時間25分)
天候 | 曇、霧 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
栂海新道登山口は標識より、親不知側に少し戻った離れた所にある。決して近くにある沢筋や踏み後の赤テープに行かないように。立派な登山道がある。 |
写真
感想
梅雨明けの予報で、日本海から後立山全山縦走を企てましたが、山は梅雨明けとは程遠く、これは白馬の後、鑓温泉経由、猿倉までの敗退記です。
かのウエストンは明治27年にこの親不知海岸を訪れたとき、海抜0mから突き上げる長大な日本アルプス(北アルプス)の基点と宣言しました。扇沢から親不知へ下るコースは、皆さん縦走しているようですが、私は彼の唱えた基点から、その一部の後立山連峰を縦走しようと、予てから思っていました
(上高地までの北アルプス全山では私の力量をはるかに超えてしまいます)。
JR 親不知駅に一人降り立ち、大型トラックが行き交う国道8号線の白線内の端を注意しながら進み、1時間余りで親不知観光ホテルに到着です。ネットで見た登山口標識を確認した後、ホテルの裏の高低差80mの階段を下って、先ずは親不知海岸へ向かいます。ヒスイは見当たりませんでしたが、素足を水に着ける儀式を済ませ、大縦走のスタートです。
登山口標識の近辺には、登山道らしきものが見当たりません
(写真にある脇の苔むした石段は違います。ここを行くとヤブ漕ぎになります)。
やむなく正面の登山道が水で抉れて沢筋のようになっている真ん中にピンで止められた赤テープに誘われて進みます。しかしどう見てもこれは沢です。
登山口に戻り、今度は半信半疑で脇の階段を昇ります。ジグザグに貼られた黄色いテープに誘導されるが如く、さらに踏後を進みます。暫く行くと完全なヤブ漕ぎになり、やはりこれは登山道ではないと悟りました。
営林署の仕業です。高さ100m位まで登ってしまい、GPSで確認すると、
ここを登れば登山道に着きそうだったので、そのまま登ります。
しかし途中何度が泥濘んだ斜面に足を取られ、時間ばかり過ぎてとても進めたものではありません。結局あきらめ、ホテルまで戻って、主に確認したら登山口の横の沢が増水して、親不知側10m位の所に登山道へ通じる梯子を架設してあるから、そこを行ってくれとのことでした。
もちろんそこには立派な登山道があります。おかげで2時間の無駄なアルバイトを強いられ、
結局この日は目的地、白鳥小屋まで着けず、50分手前の1070M 地点の登山道でビバークを余儀なくされました。
後で下山してくる登山者にこのことを話すと、どうやらヤブ漕ぎしてやって来た登山者に会ったとか、
沢筋を間違えて行ったが、戻って登山道を見つけ、20分ロスしたという単独に会いました。
今考えると、初めての山域とはいえ、どう見ても登山道ではないのは明白で、
何故あんなトラップにまんまと引っかかってしまったのか、不思議でなりません。
初日がかなりオーバーワークになってしまったので、二日目は白鳥小屋で朝食休憩した後、栂海山荘までと決め、体力の回復を計ります。ここまでは完全な樹林帯の登りで、眺望は無く標高も1500m程度なので、曇天かつガス模様は大歓迎です。栂海山荘は無人の避難小屋ですが、白鳥小屋と同じく、地元のサワガニ山岳会が管理されていて、床はピカピカでとても快適でした。ここでは千葉出身の蓮華温泉から入山した単独や岐阜出身の単独の先住者が居ました。少し後に関西出身で坂田峠から来た4人の山ガール達が来て、川崎の方?と話しかけられました。
白鳥小屋で私の記したヤブ漕ぎの登山ノートを見たようです。私が神戸に単身赴任していて、
メタボ対策で六甲登山を始めて、山の虜になった経緯など自己紹介から、
山好き同士、山の話題で盛り上がりました。
三日目の前半は、二つのパラダイス、黒岩平とアヤメ平がハイライトです。
7月はお花畑の彼女達が、一斉に私を見て見てと云わんばかりに咲き誇り、
途中通過するいくつかの雪渓が山岳気分を倍化させてくれます。
後半の朝日岳への辛い登りを前にして、吹上のコルで休んでいると、今まで追いつ追われつだった、関西山ガール隊に追い越されます。この後は朝日小屋までついに追いつくことはできませんでした。コルで長い間、一緒に休んでいた一匹の可憐な蝶が、私が出発するとしばらく纏わり付いて離れません。汗と花粉の匂いの成分に共通の物質があるのでしょうか。登山道でハチに気に入られて困ったことは時々ありますが、蝶は初めてです。朝日小屋は朝日岳から270m下にあります。朝日小屋ではテントは3張だけで、殆どが小屋宿泊でした。先の彼女達も。
四日目はしんどい雪倉岳を越えて、三国境から白馬岳、さらに足を伸ばし天狗山荘の予定でしたが、登りが苦手な私にはとても甘い計画でした。朝日小屋から雪倉岳への登りは水平動を使へば、
アップダウンが少なくて楽です。しかし雪渓のトラバースは危険との理由で閉鎖されていました。大変ショックです。
何故ならまた朝日岳へ270m登り返さなくてはならないからです。三国境を過ぎて稜線に出ると、穏やかだった状況は一変します。
西側から吹き上げてくるガス交じりの冷たい強風に、今年のGWの白馬岳大量遭難事故が頭を過ります。報道によれば、遺体は軽装の状態で発見されましたが、ザックには防寒着が入っていたとのこと。防寒着を着る間もなく、急激に体温を奪われたようです。万全を期して直ぐにレイングローブと雨具で頭からスッポリ完全武装です。白馬山荘に着くと、もう体力は残っていません。頂上宿舎でテン泊に予定変更です。白馬山荘の天空レストランでは、昨日の関西の山ガールと再会し、おでんとケーキセットの軽食をしながら、六甲の岩梯子やロックガーデン、ブラックフェース、宝塚の蓬莱峡でのアイゼントレ、はたまたホームグラウンドだった、道場の不動岩、等など懐かしく、ついつい長話しになってしまいます。
五日目はこの縦走の核心の不帰の剣です。鑓温泉の分岐付近で出会った登山者から、午後は天候が崩れるとの情報を得て、天狗山荘まで取り合えず行き、そこでさらに明日以後の、情報を入手してから、場合によっては予備日の一日を使って、天狗山荘で待機することも考えました。しかし今年の梅雨明けは例年と違って、予報は信用出来ません。雨が強くなってくると、弱気の虫が頭をもたげ、いつしか足は鑓温泉に向かっています。
午前中に温泉に着き、テント設営後に贅沢にも朝湯です。岩の割れ目から豊富な湯を自噴する、源泉かけ流し、気温19℃で湯温は42.7℃と、前期高齢者には嬉しい熱湯です。しかも混浴露天風呂ときては不謹慎にも、鼻の下がついつい伸びてしまいます。
六日目の最終日は信越の山並みから昇るご来光付きの朝風呂を堪能して、6時に出発です。3時間40分のコースタイムは私には必要ありません。途中長い雪渓を慎重に下りながらも、先行者をガンガン追い抜き、2時間30分で猿倉バス停に到着。猿倉荘でカキ氷を食し、余裕を持って8時55分の白馬行きバスに乗り込みました。
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