唐松岳〜ライチョウと歩く夏の北アルプス


- GPS
- 08:29
- 距離
- 15.3km
- 登り
- 1,404m
- 下り
- 1,393m
コースタイム
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 1:39
- 合計
- 8:29
天候 | 晴れのちガス、下界は晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・岩稜帯付近の登山道は崩壊により、新たな登山道が整備されていた。 ・当初、五竜岳までのピストンを予定していたが、予想より早く天候が悪化し、唐松岳のみに変更。花観賞と観光登山に切り替えて午前中で下山。午後は市内観光。 ・鎌池〜八方池、木道が整備され歩きやすい。シモツケソウ、ニッコウキスゲ、タカネマツムシソウ、ワレモコウ、オニアザミ、ハッポウタカネセンブリ、クガイソウ、ヨツバシオガマなど咲いていた。 ・下ノ樺〜丸山、クルマユリ、ウマノアシガタ、チダケサシ、オミナエシ、ミヤマアキノキリンソウ、ハクサンチドリなど、特に扇雪渓〜丸山手前は、ニッコウキスゲ、チングルマ、イワカガミ、ムシトリスミレ、アカモノ、ツガザクラなど咲くお花畑がすばらしかった。 |
その他周辺情報 | ・唐松岳頂上山荘へは、南側の戸が入口、北側の戸が出口。中に入るにはマスク着用と消毒。てぬぐい、スタッフサックを購入。 ・白馬駅前の「ふじや」で、から揚げ定食950円、はんごろしキムチ100円の昼メシ。ほどほどの辛さで死なずに済んだ。 ・白馬ハイランドホテルの日帰り温泉「天神の湯」700円。充実したアメニティグッズがあり利用しやすい。平日の昼下がりで貸し切り。 |
写真
感想
8月葉月。梅雨が明けた関東は、今までの梅雨寒が嘘のように真夏日が続く。感染症対策でマスクをしていると、さらに暑さが増す。熱中症対策も万全に。
マスクをしていると小声で話しても、さらに声が届きにくいので、悪口を言ってもバレないと言っている奴がいた。そいつはマスクをしてその話をしていたので、分かっていないのは本人だけなのだ。裸の王様。バカに効くワクチンの開発はコロナの次にお願いしたい。
梅雨明けでも山間部は未だ不安定な気候。夏らしく雲が立ち上がり、ガスに覆われる。夜明けからの早立ちが、気温も低く動きやすい。浅間四阿か北アルプスで悩んだが、昨年はテン泊周回した唐松五竜、今年は五竜ピストンで、夜明け前から行くことにした。天候がやや不安定なので、エスケープは唐松岳のみの予定。
前橋を12時45分に出発。面倒なので最近は、高崎から更埴まで高速。真っ暗な黒菱林道を走り2時間40分で黒菱駐車場に到着。5台程度停まっていた。ヘッドライトを点灯し夜明け前の3時30分に出発。気温18℃で少し蒸し暑い。
真っ暗な黒菱作業道を上がっていく。鎌池で先行者を抜き、先頭に。足元が悪い石敷きの道を歩む。徐々に夜空が明けていく。振り返ると白馬村の夜景と夜明けの東空。
朝餉の匂いに誘われ、八方池山荘に到着。未だ薄暗い後立山連峰を眺めながら木道を歩む。八方山ケルンの方角に、山荘から出発した登山者のヘッドライトが見える。それは夏のホタルのように、ゆらゆらと揺れていた。
明かりを増す東の空。橙色の朝焼け。残念ながら地平線に雲が多数あり日の出は見られない。八方ケルンを通過する頃には周辺が明るくなっていた。八方尾根標高2000mから眺める朝焼けと雲海の素晴らしい朝を迎える。
八方池方面へ下る。木道は朝露に濡れ滑りやすい。白馬三山は主稜線部がガスに覆われている。まだ暗いので花の撮影は下山時にすることにした。まだこの時は五竜に行くつもりだったのだが・・・。
誰もいない静寂の八方池。風が凪ぎ水が鏡と化す。逆さガスの白馬三山。これこれで良い雰囲気。またの機会があるので長居せず急ぐ。ただ下ノ樺で先ほどまで見えていた鹿島槍ヶ岳はガスに覆われ、五竜岳の山頂部もガスで覆われた。
復路の牛首がネックとなりそうなので五竜行きを断念。花観賞の唐松岳観光登山に切り替える。白馬岳の時のように、そうそう上手くいくはずもなく、天気は自然の摂理なのだ。こちらで合わせるのが山を楽しむ秘訣。
そう割り切れば、気持ちも身体も切り替わり、下の樺のお花畑ロードから歩みは失速。稜線に咲く花を見ながら、撮影しながら歩いていく。それでも後続者はなかなか来ないから不思議。
扇雪渓でひんやりと涼しい南風に吹かれる。清涼の息吹を感じて先に進む。その先からはチングルマ、コイワカガミの群生地。満開を過ぎたが、まだ多数咲いていた。ムシトリスミレも多数あり、葉にはムシが貼り付いていた。まさに餌食。
丸山ケルンからは、ガスに覆われた白馬三山、ガスで消えゆく唐松岳が見えていた。東方面は雲海に朝日が差し込み、素晴らしい風景だった。砂礫地から岩稜帯へ。この辺りから山荘泊まりの下山者とすれ違うようになった。みなソフトシェルを着ている。やはり頂上は寒いのだろう。上ノ樺は12℃で半袖でちょうど良かった。
岩稜帯に入ると、稜線南側の登山道が崩壊し通行止め。北側に巻くように新たな道が整備されていた。感謝。チシマギキョウとクワガタソウに迎えられ、山荘手前の分岐に到着。予想通りガスで何も見えない。急激に気温が下がり8℃。薄手を着込む。
心の目で五竜岳を見ながらビクトリーロードを歩んで山頂へ。誰もいない。すぐに山荘泊まりの三名がやってきた。記念撮影し心の目で山座同定する。10分もおらずに下山。
下りて直ぐ前方に、茶色く丸い物を発見。メスのライチョウが砂浴びをしていた。岩の陰からオスライチョウが登場。砂礫をついばみながら歩き、停まっては砂浴びしていた。身体に着いたムシを払い落としている。
狭い登山道でライチョウを跨いで歩く訳にも行かず、一緒に歩いていくことにした。ライチョウの主食は植物だが、残雪期や砂礫地ではアリやクモなども食べるそうだ。
ライチョウの母親は、8月には子育てをしているはずなのだが、このつがいはそんな素振りも無い。卵が孵化しなかったか、ヒナが全滅したか。いずれにせよ、この時期にメスとヒナが一緒ではなく、オスといるのだから居ないのだろう。
そうこうするうちに、岩稜から違うメスライチョウが登場。オスが少し警戒していたが、そのメスはハイマツ帯へ横切って行った。後で聞いた話だが、子のライチョウの目撃談を他の登山者から聞いた。そのメスだろうと推測される。
10分ほど経過したが、なかなか進まない。手を伸ばせば触れるほど近い距離に2匹は居る。サルは警戒するが、ゴリラ顔の黒い野郎には警戒しないのだろう。分岐手前の所までやっと来て、避けるように抜き去りライチョウとお別れ。一緒に歩けて楽しかった。
閑散とした頂上山荘に行き、マスクしたり消毒したりが、こんな山の上でも日常と化していた。ガスに消えたライチョウに再び別れを告げて下山。
9時前に頂上から下山しているので、すれ違う登山者の多いこと。夏休みでもあり、子供たちも登っていた。扇雪渓はガスで登頂を半ば諦めた登山者の憩いの場と化していた。
八方池は、いつかガスが晴れて白馬三山が見えるのではと、他人には邪魔で無暗に大きな三脚を立てているカメラマンや、白馬岩岳マウンテンハーバーに行くには躊躇する人々であふれかえっていた。期待の予兆より大気の予報。
夜明け前で見られなかった花々を観賞しつつ撮影しながらゆっくりと歩く。探せば小さな花まで目が届く。南側は混雑していたので、ゴーロ帯の北側で八方池山荘まで下りた。
リフトなど乗る気も金もなく、鎌池まで歩く。標高を下げた影響で気温も湿度も上昇し22℃で蒸し暑い。黒菱駐車場に戻り、軽く身体を拭いて市街地へ。観光。
白馬駅前の「ふじや」へ立ち寄り昼食。唐揚げ定食950円と、はんごろしキムチ100円。平日のランチタイムだが空いていた。近くの白馬ハイランドホテルの天神の湯で日帰り温泉。手前の急坂は、冬季にモルゲンを見るため立ち寄る天神坂だ。
700円を支払い、ロッカーのカギを受け取り温泉へ。髭剃り、綿棒、おしぼりなどアメニティグッズが豊富で、さすがホテルと思った。平日の昼下がり、こんな時間からホテルの温泉に入る奴などいない。貸し切り。みな仕事している。
露天風呂からの絶景はガスで見えない。先ほどまで唐松岳に居たのだから分かっているのだが、残念。さっぱりして新たな服に着替えて、観光の続き。道の駅白馬へ立ち寄り野沢菜を贖う。いつも買っている無農薬有機栽培の野沢菜が無いので、これで妥協。
少し早いが帰路へ。ガスで見えない五竜岳に再訪を誓い長野市方面へ。深夜から行動しているのでさすがに眠い。時々エアコンを切って暑さに怒りをぶつけながら眠気を飛ばした。残念ながら車はポンコツなので飛ぶほど速くない。
高速を下り見慣れた故郷の道を流す。街路樹には満開のサルスベリが連なり、遠くには積乱雲が立ち上がっていた。鮮やかな紅色の花と真っ白な雲が夏本番を告げていた。
growmonoさん
お疲れ様でした。唐松岳
見事な花図鑑
雷鳥図鑑も楽しいですね!
私も来週あたりに出掛けたくなりました。
有難う御座います。
こんにちは、iiyuさん。
梅雨明けして、最初の休日は北アルプスにしました。今年は新型コロナウイルスもあり、お盆休みのテント泊は避けたい場所ですので、空いている平日に行ってきました。
深夜から出かけまして、夜明け前からの歩きとなり、先行者二名を鎌池で抜くと山頂まで独り旅でした。八方池はガスが白馬三山にかかっていましたが、水面は鏡のようでした。早朝に行くと静かな水面が楽しめます。人が大勢動くと地面も揺れますので影響があります。
鎌池から丸山まで、随所にお花畑があり、まさに高山植物の宝庫です。特に丸山付近ではチングルマとコイワカガミの群生が見られました。ライチョウはびっくりしましたね。ガスガスで山頂から下りて、視界も悪い中にポツンといましたからね。山頂下から分岐手前まで一緒に歩きました。
予想より早くガスがかかり、五竜岳への変更を余儀なくされましたが、良い山旅でした。iiyuさんも天候が良い時にぜひ訪れてくださいね。
growmonoさん おはようございます、
iiyu さんも毎年チャレンジしている唐松岳に一足早く出かけましたか。
夜中の出発は(前橋)応えますね、ほとんど寝ずに登頂ですね8時には山頂早いですね、狙いは五竜にあったのだから当然ですけど、とても真似できませんね、早朝の出しなら黒菱平で車中泊かな?
✿在りガス在り、雷鳥さんの歓迎も、北アの唐松岳ですね、そして、天敵の猿ライチョウ目当てに登ってきたのでしょうねライチョウさんたち子供を捕られないように必死でしょう。
こんにちは、yasioさん。
五竜を目指して深夜から出かけましたが、ガスで断念しました。帰りの牛首の登りは視界が悪いと嫌らしいので、秋にでも持越しします。
日曜仕事から19時に帰って、21時には就寝し0時に起床しました。前橋からノンストップで行くと黒菱には2時間40分あれば着きます。車中泊の方も居ましたね。
私は車中泊で起きてすぐに登り始めるより、家でぐっすり寝て車で長時間移動するほうが良いです。登り初めでの体の負荷が少なくて済みます。身体が寝ている状態ではなく、最初からトップギアでガシガシ歩けますからね。
残念ながら早い天候の崩れで行先を変更しましたが、早朝の朝焼け、多種多様な高山植物、ライチョウとの歩みなど、楽しめた山行きにできました。
下ノ樺でサルを目撃したことはありましたが、岩稜帯の真下まで来ていたのは初めて見ました。ライチョウの卵やヒナを狙っているんですよね。中央アルプスのライチョウ繁殖作戦の失敗は、サルなどからの保護対策が出来ていなかったんですよね。今年は夜間にはゲージに入れるそうです。
growmonoさん、今日は。
冬とは全く違った八方尾根歩きをされてこられましたね!
唐松岳からの展望がなかったのは残念でしたが、たくさんの高山植物が見られて良かったですね。たまには北アにも行きたくなるgrowさんのレコでした。どうもお疲れ様でした。
hareharawaiより
こんばんは、hareharawaiさん。
予想より早いガスの襲来で五竜を諦めて、花観賞です。ライチョウと一緒に歩けましたから、これはこれで良かったのではないかと、思いました。今年は新型コロナウイルスの関係で、営業している山小屋は、マスク着用、手の消毒、入室制限など面倒のことばかりです。夏季休みのピークには訪れることは無いなと、当日改めて思いました。
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