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Yamareco

記録ID: 441623
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
白馬・鹿島槍・五竜

残雪の五竜岳・唐松岳縦走(遠見尾根〜八方尾根)

2014年05月03日(土) 〜 2014年05月04日(日)
情報量の目安: S
都道府県 富山県 長野県
 - 拍手
体力度
8
2〜3泊以上が適当
GPS
36:50
距離
28.4km
登り
3,013m
下り
3,072m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

3日(土)
 05:45 五竜とおみスキー場ゴンドラ駅
 08:15 地蔵ノ頭
 10:20 中遠見山
 13:30 五竜山荘(テン泊)
4日(日)
 05:55 五竜山荘
 07:10 五竜岳
 10:20 五竜山荘再出発
 13:15 唐松岳頂上山荘
 14:00 唐松岳
 15:15 丸山
 16:15 八方ケルン
 16:45 八方池山荘
 18:25 八方尾根スキー場ゴンドラ駅
天候 3日:晴れのち曇り一時雨
4日:晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2014年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
タクシー 自家用車
中央高速・安曇野IC往復
五竜とおみスキー場駐車場(無料)
八方尾根スキー場から五竜とおみスキー場までタクシー(\2,300)
コース状況/
危険箇所等
 五竜とおみスキー場、八方尾根スキー場ともに下の方のゲレンデには全く雪がなくゲレンデ直登が上り下りとも基本になりますが、雪の無いゲレンデは意外と歩きにくく、距離は長くなりますが林道状の迂回コースを辿った方が歩き易く安全です。雪のある部分はアイゼンを着けてゲレンデの端を登下降することになりこちらは快適に歩けます。
 遠見尾根は全般的にまだしっかりと雪が残っており眺望を楽しみながら快適な稜線歩きを満喫できます。最後の白岳への登り返しは雪渓のトラバースとなるのでストックよりもピッケルの方が安心です。
 五竜岳へは早朝の内は雪も適度に締まっておりアイゼンとピッケルが良く効いて歩きやすいですが、午後になって腐りだすと相当イヤらしいことになりそうです。また稜線上はすれ違いのできるポイントが少ないので登山者と下山者が込み合う時間帯は相当な待ち時間が必要になりそうです。
 五竜山荘から唐松岳頂上山荘までの稜線は大半が雪が消えて夏道歩きとなりますが、途中何カ所かアイゼンが欲しくなる場面に出合い、脱着のタイミングが難しですが面倒がらずにこまめな脱着が安全だと思います。最後の大黒岳の登下降は岩場と鎖場の連続になるのでしっかりとした三点支持での登攀技術が必要になります。
 唐松岳へは山荘から少しの間は既に雪が消えて頂上への登りの雪も午後だったせいもあり腐りきってステップも崩れて歩きにくい状態でしたが、特別狭い尾根でもないので特に危険なところはありませんでした。
 頂上山荘から八方池山荘までは半分近くが雪の無い夏道歩きで、険しいところも少ないので早めにアイゼンを外してしまいました。広い尾根部が多いので雪のあるところは踏み跡が思い思いに広がっており視界が悪いときには注意が必要になりそうです。
 下山後に大町のアルプス第一交通に電話して10分程度でタクシーが来てくれました。駐車場に戻った後はタクシーの運転手さんに途中で教えていただいた十郎の湯(\600)に寄って汗を流しました。その後少し小腹を満たしてから白馬道の駅で夜中の1時まで車中仮眠をとってから帰路に着いたところ、結果的に丁度良い渋滞回避となり高速・一般道ともに渋滞ゼロで家までスンナリと帰宅できたので、朝からテントやシュラフを干してその日の内に後片付けまで出来ました。
せっかく早朝に着いたのでゴンドラは使わずに登り始めます。
ゲレンデ下部はこんな感じで写真には写っていませんが周りは桜が満開でした。
目指す頂はこの時点では望めません。
せっかく早朝に着いたのでゴンドラは使わずに登り始めます。
ゲレンデ下部はこんな感じで写真には写っていませんが周りは桜が満開でした。
目指す頂はこの時点では望めません。
ゲレンデにはふきのとうが一杯。
丁度旬のようで、早朝に摘んでいる方に数名お会いしました。
ゲレンデにはふきのとうが一杯。
丁度旬のようで、早朝に摘んでいる方に数名お会いしました。
早速カモシカにも会えました!
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早速カモシカにも会えました!
雪が出てきたのでアイゼンを装着してゲレンデの端をドンドン登ります。
雪が出てきたのでアイゼンを装着してゲレンデの端をドンドン登ります。
中央がゲレンデトップでその右手上が地蔵ノ頭。
中央がゲレンデトップでその右手上が地蔵ノ頭。
地蔵ノ頭。
五竜岳から唐松岳までの頂が見えてきました。
五竜岳から唐松岳までの頂が見えてきました。
そのものズバリの山座同定盤?がありました。
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そのものズバリの山座同定盤?がありました。
見通しの良い疎林の中を一気に登って稜線に出ます。
見通しの良い疎林の中を一気に登って稜線に出ます。
一ノ背髪。
この辺りでゴンドラ一番組の方々が追い付いて来られました。
一ノ背髪。
この辺りでゴンドラ一番組の方々が追い付いて来られました。
遠見尾根稜線が伸びたその先に五竜岳を望む。
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遠見尾根稜線が伸びたその先に五竜岳を望む。
二ノ背髪
結構な雪庇もあり注意が必要。
結構な雪庇もあり注意が必要。
小遠見山の手前の分岐。
ピークには寄らずにそのままスルー。
小遠見山の手前の分岐。
ピークには寄らずにそのままスルー。
続々と登ってこられます。
陽射しが強く気温も高いので皆さん軽装です。
続々と登ってこられます。
陽射しが強く気温も高いので皆さん軽装です。
鹿島槍ヶ岳も近くに見えてきました。
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鹿島槍ヶ岳も近くに見えてきました。
そして目指す五竜岳。
まだまだアップダウンの繰り返しが続きます。
そして目指す五竜岳。
まだまだアップダウンの繰り返しが続きます。
中遠見山。
雪庇伝いに尾根を行きます。
雪庇伝いに尾根を行きます。
中央に五竜岳を挟んで、鹿島槍ヶ岳から唐松岳までパノラマで。
中央に五竜岳を挟んで、鹿島槍ヶ岳から唐松岳までパノラマで。
本日のテン場の五竜山荘は五竜岳の右手の白いコルを超えた先です。
五竜岳の上にだんだん雲が湧いてきた。
本日のテン場の五竜山荘は五竜岳の右手の白いコルを超えた先です。
五竜岳の上にだんだん雲が湧いてきた。
と思ったらあっと言う間に山頂が雲に隠れた。
と思ったらあっと言う間に山頂が雲に隠れた。
最後の白岳への登り返し。
雪渓のトラバースのトレース上に米粒のように先行の登山者が見えます。
最後の白岳への登り返し。
雪渓のトラバースのトレース上に米粒のように先行の登山者が見えます。
雲の中に見えなくなったコルへ向かってもう一息。
この時点でとうとう小雨がパラついてきました。
雲の中に見えなくなったコルへ向かってもう一息。
この時点でとうとう小雨がパラついてきました。
見返すと麓は晴れていそうなのに?
見返すと麓は晴れていそうなのに?
山荘に着いたら、小雨の中ライチョウがお出迎え!
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山荘に着いたら、小雨の中ライチョウがお出迎え!
小雨の中でのテント設営で少し濡れて体を冷やしたので、早々に寝袋に潜り込んで一杯やりながらテントを叩く雨音を聞きながらウトウトしていると外で歓声が聞こえるので、テントから頭だけ出すと雨も上がりアーベンロートに染まる五竜岳が見えました!
外は一気に冷え込んでいたので、軟弱にそのまま直ぐにシュラフへあと戻りと相成りました。(笑)
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小雨の中でのテント設営で少し濡れて体を冷やしたので、早々に寝袋に潜り込んで一杯やりながらテントを叩く雨音を聞きながらウトウトしていると外で歓声が聞こえるので、テントから頭だけ出すと雨も上がりアーベンロートに染まる五竜岳が見えました!
外は一気に冷え込んでいたので、軟弱にそのまま直ぐにシュラフへあと戻りと相成りました。(笑)
そして翌日の日の出。
雨こそ上がったものの一晩中結構な強風でテントが終始バタついていましたが、お蔭で昨夕には雨が氷結してフライのファスナーが開かなかったのが解消されてすんなりテントから出られました!
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そして翌日の日の出。
雨こそ上がったものの一晩中結構な強風でテントが終始バタついていましたが、お蔭で昨夕には雨が氷結してフライのファスナーが開かなかったのが解消されてすんなりテントから出られました!
モルゲンロートに染まる五竜岳。
スッキリ晴れ渡り風も収まり出し絶好の登頂日和です!
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モルゲンロートに染まる五竜岳。
スッキリ晴れ渡り風も収まり出し絶好の登頂日和です!
一晩風雪に耐えてくれた我が家にも朝陽が当たり出しました。
一晩風雪に耐えてくれた我が家にも朝陽が当たり出しました。
朝一番でテントに荷物を残して軽荷で山荘前から五竜岳に登ります。
朝一番でテントに荷物を残して軽荷で山荘前から五竜岳に登ります。
ちょっと登ると山荘が遥か下に。
その先に今日歩く稜線と唐松岳が綺麗に見えます!
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ちょっと登ると山荘が遥か下に。
その先に今日歩く稜線と唐松岳が綺麗に見えます!
鹿島槍へと続く稜線。
鹿島槍へと続く稜線。
山頂までもうひと登り。
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山頂までもうひと登り。
見返すと続々と登って来られます。
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見返すと続々と登って来られます。
山頂までもう一息。
山頂までもう一息。
山頂は朝一番の登頂者で大賑わい!
写真撮っていただいた方ありがとうございます。
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山頂は朝一番の登頂者で大賑わい!
写真撮っていただいた方ありがとうございます。
白馬方面。
鹿島槍方面。
黒部方面。
南を一望。
北を一望。
真ん中に写っているのは富士山?!
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真ん中に写っているのは富士山?!
一旦テントに戻って、快晴の元で朝からビールのロング缶を空けつつゆったり朝食をとってからテントを撤収しました。
一旦テントに戻って、快晴の元で朝からビールのロング缶を空けつつゆったり朝食をとってからテントを撤収しました。
すっかり気持ちよくなり、再出発したのが10時を過ぎてしまいました。
前半は大半が夏道。
すっかり気持ちよくなり、再出発したのが10時を過ぎてしまいました。
前半は大半が夏道。
稜線前半はあまり雪が無い。
稜線前半はあまり雪が無い。
やっと半分くらい?
この後が急登が多く大変でした。
やっと半分くらい?
この後が急登が多く大変でした。
見返すと雪庇の根本とは言え結構嫌な所を抜けてきます。
見返すと雪庇の根本とは言え結構嫌な所を抜けてきます。
今にも雪崩そう?
今にも雪崩そう?
大黒岳への登りの岩場。
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大黒岳への登りの岩場。
五竜岳から辿って来た道を見返す。
五竜岳から辿って来た道を見返す。
一つ越えてからあともう一つ。
一つ越えてからあともう一つ。
やっと唐松岳頂上山荘に到着。
やっと唐松岳頂上山荘に到着。
山荘から頂上は目と鼻の先。
雪が残っているのは上半分程度。
山荘から頂上は目と鼻の先。
雪が残っているのは上半分程度。
で、あっと言う間に頂上。
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で、あっと言う間に頂上。
白馬方面。
写真撮っていただいた方ありがとうございます。
写真撮っていただいた方ありがとうございます。
五竜岳から辿って来た稜線を一望。
五竜岳から辿って来た稜線を一望。
山荘とテン場。
八方尾根の下りは左手のピークから。
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山荘とテン場。
八方尾根の下りは左手のピークから。
さて下山開始。
まずは山荘裏を左手に登り返しです。
さて下山開始。
まずは山荘裏を左手に登り返しです。
唐松岳を見返す。
唐松岳を見返す。
最初の内はまだ雪がありますが...。
最初の内はまだ雪がありますが...。
丸山ケルン辺りからは、雪が消えたり残っていたりです。
丸山ケルン辺りからは、雪が消えたり残っていたりです。
八方池はまだ雪の下でした。
八方池はまだ雪の下でした。
おなじみの人面ケルン。
おなじみの人面ケルン。
遠見尾根から五竜岳の全景。
手前の八方尾根が完全な夏道。
遠見尾根から五竜岳の全景。
手前の八方尾根が完全な夏道。
八方池山荘。
ここで一息ついて再度アイゼンを装着して雪のゲレンデを一気に駆け下ります。
八方池山荘。
ここで一息ついて再度アイゼンを装着して雪のゲレンデを一気に駆け下ります。
無事下山。
ここからタクシーを呼んで五竜とおみスキー場まで戻りました。
無事下山。
ここからタクシーを呼んで五竜とおみスキー場まで戻りました。

感想

 今シーズン最後の雪山として、せっかくの連休なので少し遠出して五竜岳から唐松岳を縦走してきました。
当初の予定では、この縦走の後に車で移動して白馬岳を日帰りピストンの予定でしたが連休後半は天気が崩れるとの予報に従い一泊のみの縦走で終えることにしました。
 期待していた積雪は、このところの気温上昇の影響か五竜岳から唐松岳の間の稜線では半分ほどが夏道で少々残念でしたが、もし大黒岳の辺りに中途半端に雪が残っていたならばかなり厳しいものになっていたと思われ、結果的に自分の技量では丁度良かったのかと思いました。
 八方尾根は更に雪が少なく半分以上を夏道歩きとなり、登りではなく下りにしておいて良かったと思います。スキー場のゲレンデ歩きの距離も五竜の方が短いので尚更正解だと思います。それにしても、雪の無いゲレンデの下りがこんなに大変とは思いもしませんでした。登りでは感じませんでしたが、枯草や石ころに足を取られて何度か転びそうになり、ダブルストックは必須だと感じました。
 初日の五竜山荘でのテン泊ではまさかの雨に会いこの時期想定外のフライのファスナー(夏用)が凍って開かなくなったのには驚きましたが、残雪期と言えども雪山を舐めてはいけないとの良い教訓になりました。
 登り下り共にゴンドラ・リフトを使わずの登山となり、結構な長丁場を縦走装備で歩いたので今シーズンの夏山に向けて良いリハビリとなりました。
 歩いている間は概ね天候にも恵まれ五竜岳の山頂では素晴らしい360度の絶景を堪能出来、今シーズンも無事に雪山納めの山行を気持ち良く終えることが出来ました。

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体力レベル
3/5

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