大雪山縦走(旭岳→トムラウシ→オプタテシケ。十勝岳は断念)
- GPS
- 44:11
- 距離
- 63.8km
- 登り
- 3,984m
- 下り
- 4,569m
コースタイム
- 山行
- 8:01
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 9:08
- 山行
- 10:51
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 11:53
- 山行
- 13:17
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 14:18
天候 | 7月28日:ほぼ晴れ。旭岳山頂のみ雲 7月29日:ほぼ晴れ 7月30日:ほぼ快晴 7月31回:ガス+暴風 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 飛行機
①新千歳空港からレンタカーで下山ポイントの吹上温泉に向かい、白樺荘横のキャンプ場駐車場にデポ(11時頃空港発、13時半頃吹上温泉着) ②吹上温泉から十勝岳線の町営バスで上富良野駅へ移動(13:51発、14:20着。500円) http://www.town.kamifurano.hokkaido.jp/contents/01soumu/0140sharyo/bus-hp/bus_tokachi-2021.06.05.pdf?updt=20220502 ③上富良野駅から一つ目の信号を右に曲がったところにあるバス停で、ふらのバスの「ラベンダー号」に乗り継いで旭川空港へ移動(14:59発、15:35着。690円) http://www.furanobus.jp/lavender/ ④旭川空港から旭岳線「いで湯号」で旭岳温泉へ移動(15:54発、16:45着。1020円)。いで湯号は旭川駅と旭岳温泉の間を運行している http://www.asahikawa-denkikidou.jp/asahidaek_line/ 旭川空港を基点にして大雪山系を縦走する場合は、④〜②〜③と移動すれば、公共交通機関利用で入山口、下山口と空港との間のアクセスが可能 なお、十勝岳方面へ縦走せず、トムラウシから東大雪国民宿舎へ下山する場合は、国民宿舎から新得駅へバスで移動し、新得駅から予約制バス「ノースライナー号」に乗れば、旭川空港や旭川駅に戻れる。また逆方向の帯広駅に向かい、帯広空港へもアクセスすることもできる。あるいは、新得駅からJRで南千歳経由で新千歳空港にも2-3時間で行ける https://www.takubus.com/都市間高速バス/ノースライナー/ 熊撃退スプレーとガス缶: 飛行機の場合は持ち込めない。当初はフェリーでマイカーを使う計画だったが、直前に飛行機にしたため、現地調達せざるを得なくなった。アマゾンで注文して、配送先を旭岳温泉の前泊宿にしておくことで用意した また、旭川空港内1階のセブンイレブンや到着ロビーの総合案内所でプリムスやEPIなどのガス缶を調達できるとのこと。ハイシーズンは売り切れになることもあるようなので、事前に電話で取り置きを依頼するとよい セブンイレブン:0166-83-5678 |
コース状況/ 危険箇所等 |
大雪山情報: 大雪山に関する情報は以下のサイトにまとめられている http://www.daisetsuzan.or.jp/ 携帯トイレ: 縦走には必携の携帯トイレ。この素晴らしい自然を守って行くためにも、キジ打ちやお花摘みは厳に慎みたい。携帯トイレブースや回収ボックスなどの情報は以下を参照されたい http://www.daisetsuzan.or.jp/trail-news/potable_toire/ http://www.yamatoilet.jp/mtclean/22th_siryo14.pdf 避難小屋・キャンプ場・野営場: 大雪山系には営業小屋はない。避難小屋やテン場などの情報、トイレや水場などの情報は、以下のサイトにまとめられている http://www.daisetsuzan.or.jp/trail-news/hinan/ 白雲岳避難小屋 宿泊事前連絡: 50名定員のところ、コロナで25名に制限しているため、利用に際しては事前連絡が必要。以下のサイトに事前連絡の入力リンクあり。ただし、連絡イコール予約ではない。あくまで混雑状況の把握目的とのことで、混雑時のためにテント持参を要請している。定員オーバーの場合は、夏期常駐の管理人から他のサイトへの移動を要請されることもあるとか・・ 宿泊2000円+協力金1000円 幕営500円+協力金1000円 協力金には手拭いの返礼あり https://www.hakuundake.jp/ <登山道状況> 全般的に危険箇所はないが、以下にポイントを列記 ロープウエイ姿見駅から白雲岳避難小屋: ・旭岳からの下りはザレていて滑りやすい。それに続く雪渓も滑りやすい ・白雲岳分岐にザックをデポして往復する人が多いが、付近に熊が出没しているので、デポはやめた方がよい。万一、熊にザックを移動されたり、荒らされたりした場合は、回収しないこと。一度咥えて唾液をつけたら、自分のエサだという習性があるので、執拗に取り返そうと反撃してくる。以下の福岡大ワンゲルの痛ましい事例が参考になる http://higuma1979.sakura.ne.jp/33jikenn1.html 白雲岳避難小屋からトムラウシ南沼幕営場: ・忠別岳の登りと下りは、藪漕ぎでブイのような虫が異常に多い ・天沼付近及び北沼への登り、さらにトムラウシへの登りは岩ゴロ帯で、ガスると目印を見失って迷いやすい トムラウシ南沼から美瑛富士避難小屋: ・双子池まで断続的に藪漕ぎが続く。特に、三川台の前後の藪漕ぎがひどく、所々道がわかりにくい ・早朝の藪漕ぎは夜露で濡れるので、レインウエアやゲーター着用を推奨 ・日中は忠別岳と同じく虫がひどい ・双子池手前は泥濘が多い ・双子池幕営場からオプタテシケへの登山道が分かりづらい。幕営場からオプタテシケを見上げて、左手方向に水を取れる沢と登山道がある ・急な斜面なので浮石を落石させないように 美瑛富士避難小屋から望岳台、吹上温泉: ・小屋から水場まで断続的に藪漕ぎ ・美瑛富士分岐から望岳台方面へは、トラバースしながら下るが、こちらも断続的に藪漕ぎが続く ・ポンピ沢の渡渉は増水時注意。渡渉後の道を見つけにくい。上流側に少し行くとケルンと木の枝にリボンがあり、そこに標識もある ・望岳台ルートの途中で吹上温泉への分岐がある。分岐後に渡渉があるが、増水時注意 |
その他周辺情報 | コンビニ: 旭川駅周辺または旭川空港にあり 日帰り温泉: 吹上温泉白銀荘:700円、10時〜22時(受付21時まで)。 吹上露天の湯:白銀荘の少し下にある。24時間、無料。混浴、水着OK。ドラマ「北の国から」で、黒板五郎こと田中邦衛と小沼シュウこと宮沢りえが一緒に入ったのがこの露天風呂 美瑛方面に行くと白金温泉もある |
写真
感想
『富士山に登って、山岳の高さを語れ。大雪山に登って、山岳の大(おおい)さを語れ』
層雲峡の命名者でもある土佐出身の明治-大正の文人、大町桂月の言葉。黒岳石室の北にそびえる桂月岳は、この文人の名を冠した頂とか。これまで桂月の名も作品も全く知らなかった
大雪山は旭岳を中心とする表大雪、ニセイカウシュッペ山などの北大雪、ニペソツ山などの東大雪、さらに十勝岳連峰を加えた巨大な山系を形成している。本州の日本アルプスの北海道版といったところか
ところで大雪山系には大雪山という名の山はない。大峰山という名の山がない紀伊半島の大峰山系と同じだ。大峰山同様、どこを登って大雪山を登ったことにするか?多少なりとも縦走したいと考えていた
北の国からシリーズ第二弾。百名山は残り5座。実は、旭岳から白雲岳、忠別岳、化雲岳、トムラウシ山、オプタテシケ山、美瑛岳、十勝岳へと、表大雪から十勝連峰に連なる大雪山系の縦走をもって、百名山の仕上げとすることを夢としてきた
残念ながら詰めが甘く、羊蹄山と幌尻岳を先に済ませておくことができなかった。天候が安定しない今年の北海道で、大雪山系が3日間晴れになりそうな予報となり、大雪山の縦走を優先することにした
予報通り天候に恵まれ、素晴らしい大雪の稜線歩きを楽しむことができた。残念ながら、暴風+横殴りのガスで、4日目の美瑛岳と十勝岳を断念せざるを得なくなり、表大雪とは風景が劇的に一変する十勝連峰の光景を楽しむことができなかった。十勝連峰の別世界については、またの機会の楽しみとしておこう
ところで、オプタテシケの550mの登り返しを越え、3泊目に美瑛富士避難小屋でテン泊したのだが、私と同じくトムラウシの南沼幕営場から縦走してきた3人組と親子(私と同年代の父親と社会人の息子)も一緒だった。親子とは途中からほぼ同じペースで歩き、一緒に小屋にたどり着きテントを並べた
翌日、3人組は悪天により行動を見合わせ、もう一泊避難小屋に留まることにし、私と親子がガスの中を一緒にスタートした
美瑛岳分岐への登りで私が失速し、親子が先に進んだ。高度を上げると次第に風が強くなり、20mを超えるような横殴りのガスを伴う暴風となった。地元出身で北海道の山を登り慣れている親子は、そのまま十勝、富良野への縦走に進んだようだが、無事を祈りたい
私は暴風に煽られ先に進めず、美瑛避難小屋方面へ引き返した。避難小屋で待機して最悪もう一泊するつもりだったが、小屋のすぐ手前で、トラバースルートで望岳台へピストン下山するソロテン泊の方に会い、元自衛隊の経歴を心強く思い、私も一緒に下山することにした
状況変化に対して、前進・停滞・エスケープという三者三様の意思決定となった。あの暴風とガスの中で、視界が不明瞭かつ全身ずぶ濡れになり、体温が奪われた。濡れたせいか、スマホは顔認証出来ず、パスコードの入力も反応しづらくなり、GPSも見られない。大袈裟ながら「ああ、人はこうやって身動きが取れなくなって遭難するんだな」と実感し、引き返すことを決意した次第。私にとっては良い経験になった
今回、旭岳、トムラウシ、十勝岳を個別に登っていれば、百名山ハントは確実に進んだだろう。結果的に十勝岳を取りこぼしたとは言え、3日間の晴天に恵まれ、夢であった大雪山系の縦走を実現できたことはこの上ない喜びだ
大雪の大きさを十分に体感し、本当に素晴らしい縦走だった。残雪期や高山植物が咲き乱れる初夏、さらには紅葉シーズンなど、季節を変えてぜひとも再訪したいと思う
天候悪化により、北の国からシリーズ第二弾は、これで打ち切りとし、予定を切り上げて帰宅した。残りの三座はそのうちに第三弾としてやることとしよう。だけど正直なところ、北海道の山は遠いな・・
真夏のせいかハイマツたちが元気いっぱいのようで、トムラウシから双子池までは一昨年に地元山岳会の方々が大々的に草刈りをしてくれたおかげで、随分と歩きやすくなっていますw
一昨年の9月末、念願だった旭岳〜原始ヶ原までを4泊5日(1日停滞)でスルーしましたが、おっしゃる通り美瑛岳を越えてからの火星探検は見事な景観で富良野岳から原始の森へ原生林を抜けて行くという、素晴らしいものでした♡
紅葉と初雪が同時に見られる秋に、ぜひ再び来訪してみてください。
ちょっと遠いですが、観光地化されていない素晴らしい自然ですよね。
2年前に枝打ちや草刈りがされたことは、レコや現地で見聞きしました
2年もすれば伸びてるだろうなと覚悟していましたが、私にとっては心が折れる藪漕ぎでした
以前はさぞやワイルドで過酷な道だったのでしょうね
見逃した美瑛からの激変景観を含め、季節を変えていつか再訪したいと思います
期待通り、本当に素晴らしい山域でした
相変わらず登山者目線の写真が上手いですよね、行った気になります。
ただ写真とは裏腹に、さすがは北海道の山はスケールが違い、観察・予測・判断の力が試されるんですね。確かに逃げる先が長過ぎます。
しかし何もかもがデカくて笑っちゃいました。奈良の鹿を子鹿ばかりと言った北海道からの観光客を思い出しました。
日高の縦走は熊が怖くてできませんが、大雪だけはぜひとも歩きたかったので、今回実現できて感無量です。今回はちょっと無理をしすぎて、かなり脚に来ましたので、次回はゆとりの日程でのんびりと歩きたいです
今回歩いた縦走路はポピュラーなメジャーコースですが、それでも北アや南プスに比べると、人は少なく、本当に自然の中にいることを感じさせてくれるコースでした
こんな縦走ばかりやっている北海道の人たちは、タフさや逞しさが違うなと実感した次第です
写真を見るとかなりの藪漕ぎで大変そうですが、感想での充実感を読むに、素晴らしい景色・山行だったんでしょうね。
日帰りではなく縦走だからこそ、日常をリセットして気持ちを伸びやかにして味わえるものがあると思いますが、大雪縦走に行ってみたくなりました。
北の国から第3弾、楽しみにしています。
素晴らしい縦走路です。あと半日天候が持ってくれれば、緑豊かな山容から別の惑星のような光景への激変を楽しんで十勝連峰を歩けたと思うと、ちょっと残念でした
仕上げの第三弾は縦走はないので、確実な天候のもとでピークハントを狙います
ひょっとすると第四弾も必要になったり、、
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