北アルプス・裏銀座と湯俣温泉
- GPS
- 52:28
- 距離
- 32.4km
- 登り
- 2,360m
- 下り
- 2,352m
コースタイム
- 山行
- 5:36
- 休憩
- 3:01
- 合計
- 8:37
- 山行
- 8:03
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 9:05
- 山行
- 2:46
- 休憩
- 1:47
- 合計
- 4:33
時間的に余裕を考慮したプランだったので、途中でチョイチョイ休憩を入れています
天候 | 晴れ(台風前の好天狙いで) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
高瀬ダムまでは一般車禁止のため七倉山荘前から乗合タクシー利用 (入山時は4名で@600円、下山時はジャンボタクシー7名で@500円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
●登山ポスト 七倉山荘の先、通過ゲート手前の登山指導所前にポストあり ●ブナ立尾根ルート(登りで利用) 高瀬ダムから登山口までの間で濁沢を越えますが、数日前の鉄砲水で橋が流されたところを丸太橋の緊急設置で渡れました、ありがたいことです。 登山口から烏帽子小屋まで標高差1200mのキツい急登ルートですが、標高差約100mおきに番号標識があるため、休憩やペースの確認にとても役立ちます。 (登山口:12、権太落とし:9、中間点:6、三角点:4、ゴールが0) ●裏銀座の稜線(烏帽子岳〜真砂分岐) おおらかでアップダウンが少ない、安心して気持ちよく稜線漫歩できる絶景街道です。特にこのルートの最高峰・野口五郎岳は白砂の広大な山頂で大展望地です。 烏帽子岳も三ツ岳もピークは通らないので、できれば踏んでおきたいところです。 (烏帽子岳は特徴的な尖塔山頂、三ツ岳は日本百高山) ●竹村新道(下りで利用 長大で一部危険個所のある健脚向けルート) 真砂分岐から暫くは眺めの良いトラバース道、やがて崩壊地を避ける巻き道に入り、その途中に短い区間ですが斜面崩落していて正解ルートが判りづらい部分が出てきますが、今回はピンクテープがしっかり付いていたおかげで無事に通過できました。 (3年前にここでルート判断に迷って撤退していたので無事にリベンジ) その後も崩落地の縁通過がいくつかありますが、気を付けて歩けば問題なし。 少し前の情報で藪でルート見通しが悪いとありましたが、かなり草刈り整備も進んでいて、難儀する箇所は無くなっていました。整備のおかげです、ありがとうございます。 湯俣岳への登り返しあたりからは、奥秩父あたりの樹林帯ルートや笹原に近い様相になり、危険個所も少なくなりますが、長い下りに足腰が痛めつけられます。 河川の音や硫黄臭がしてくると眼下にエメラルドグリーンな湯俣川が見えてきて、間もなくゴール、青嵐荘になります。 ●高瀬川添いの林道(湯俣温泉から高瀬ダムまで) 梓川沿いを歩く横尾〜上高地に似た(でも人がいない)林道ルートで、ところどころ崩落個所のちょっとした高巻きがある程度のルートです。 午前中はほぼ日陰になるため歩きやすく、3か所あるトンネルが涼しい風で体をクールダウンさせてくれます。 |
その他周辺情報 | ●烏帽子小屋(テントは1張1名で2000円、水は1ℓ200円) テント場は小屋からひょうたん池に下る道沿いに点在する白砂の平坦地を利用します。エリアとしてはかなり広く、また高低差や樹木によって仲間単位にプライバシーを保った落ち着いた幕営も出来そうです。小屋からは一番遠くて下になりますが、池沿いの平坦地は広くて、朝日を池越しに拝めるのでロケーション的には一番でしょう。 ●湯俣温泉・青嵐荘(テントは1張1名で2000円、内風呂1000円、水は無料) 小屋の前、白砂と散林のこぢんまりとしたテント場ですが、トイレと内風呂で小屋を利用できるのが魅力です(内風呂は24時間入れる)。小屋前の蛇口から流れ続ける水はとてもおいしい。 ●湯俣温泉(自噴温泉、噴湯丘) 青嵐荘から湯俣川の上流右岸を15分ほど歩くと所々に蒸気と硫黄臭が漂う見慣れぬ河原になります。すぐ横に水量豊富な湯俣川が流れているにも関わらず、ここを歩くと汗が出てきます。特に硫黄の黄白色や真っ黒な土部分は非常に高温で触ってはいけません。川の向こうに目をやると異様な形の白い噴湯丘がニョッキリと蒸気の中に出現します。地球上の光景には見えない何か得体の知れない物体みたいで不気味。 終点の真っ黒な地面からブクブクとお湯と蒸気を噴き上げるところから下流に川の水を上手く引き入れながら、徐々に温度を下げる上手く配置された自然のまんまな野天風呂をいただけます(設備的なものは何もない河原で服を脱いでそのままイン)。 私は上から3段目あたりがちょうど良い湯加減でした(そうは言っても川の水を手で引き入れないとお尻が熱くなってくる)。上がってタオルで体を拭くと真っ黒になりました。自然のまんまなので、女性は水着着用で行った方が良いでしょう。 ちなみにこの場所は竹村新道の展望台から遥か下に見える場所でした。 (河原の温泉に入る場合は踵のあるサンダル持参が良いでしょう、あと飲み水も) ●七倉山荘(帰りに日帰り風呂と食事で利用 風呂660円、七倉ダムカレー1200円) 車に乗る前に温泉でキレイになれるのはうれしいところです。ここの湯温はかなり高めだと思います(熱くて長湯できませんでした)。 お風呂上りに昼食で七倉ダムカレーなるものを食しました。ルーを堰き止めるご飯を上手く食べないと下流のスイカがカレーまみれになるので慎重に。 |
写真
感想
3年前の夏、会の集中山行で雲ノ平に集合・宴会した後に下る予定だった竹村新道。あの時は七倉尾根から烏帽子までの情報や集中山行企画にばかり意識が行ってたところで思わぬ撤退(崩落地の事を調べずに止む無く引き返し撤退)したことで、日本百高山でのやり残しとなってしまった南真砂岳。
※3年前の記録↓
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1974447.html
今回、日本百高山の未踏残り7座のひとつを確実に落とすことと3年前リベンジを期して、これメインの周回山行に行ってきました。
この周回が出来れば、ずっと気になってた湯俣温泉にも入れるし。
ちょうど台風が北上して3連休を直撃する可能性もあり、前日有給で荒れる前には下山できる日程で木曜深夜に自宅を出発。初日は平日なので七倉山荘の駐車場も余裕でスカスカだろうと思ったら、意外に満車寸前でビックリ。とりあえず登山装備を整え、登山届を出して乗合タクシーで高瀬ダムへ。
鉄砲水で流出した濁沢の橋も急遽の丸太橋で処置されたおかげで濡れずに渡れ、いつもの急登・ブナ立尾根は12から順番に減る番号標識で現在位置や休憩までの目途を計れて、ほぼ同じタイミングで登って休憩する2人組カメラ女子と山談義したり情報交換などで気分転換もできたことで昼前に烏帽子小屋に到着。
(この後も彼女達とは烏帽子岳途中や翌日の野口五郎岳途中で会って、お互いの健闘と安全のエールを交わしたり、ソロ山行ならではの交流を楽しみました)
テント設営して軽く昼寝をした後、軽身で烏帽子岳ピストンし、戻って静かな小屋前で赤牛を肴にビールをやってると、北海道から遠征してきた札幌の労山の方々や、地元大町でゲストハウスをしている面倒見の良さそうな親父さんといろいろな山談義を肴に加えた楽しいひとときを過ごし晴天の初日は終了。
(そうそう、夕方水補給に小屋に行った際に、翌日に竹村新道を予定しているという気さくな女性の方と話ができ、翌日のお互いの健闘を祈りあいました。同じルートを予定する人がいるというのが心強いです)
空けて2日目。
前日以上の晴天、朝日がひょうたん池を明るく照らし、赤牛や三ツ岳をほんのり赤く染め、これ以上ない最高の1日の始まり。この日は湯俣温泉までの長丁場、朝5時半に登山開始で、おおらかで四囲の眺望が最高の裏銀座稜線を気持ちよく登ります。
(右には水晶・赤牛、そして薬師、左には燕・餓鬼、眼下に高瀬湖、前方には白くて広大な野口五郎、そして東鎌・槍・北鎌・穂高、樅沢・双六・笠、振り返ると烏帽子・南沢・不動、針ノ木・蓮華、そして白馬・鹿島槍、立山・剱、北のオールスターがそろい踏みです)
野口五郎小屋に着くと前日に竹村新道を予定していると話をした女性が先着していて、改めて挨拶すると、小屋で仕入れた情報から崩落地を越える自信がなくなり急遽ルート変更で三俣へ向かうことにしたとのこと、残念ではありますが、不安がある場合は極力不安を排除できる計画に切り替えることも大事、潔い判断には敬意を表し、自分は3年前のリベンジを今回果たして、その記録をヤマレコに上げることを約束しました。
(野口五郎山頂で再度顔を合わせ、先発して水晶に向かう後ろ姿を拝見しましたが、とても安定して健脚な足取り、次回竹村新道挑戦は問題なく達成できるだろうと思いました)
さて、真砂分岐からいよいよ竹村新道。改めて気持ちを引き締め、いざ再挑戦。
トラバースから稜線上に出て、崩落地を左から巻く部分までは3年前に経験済、それを懐かしみながらいよいよ崩落トラバース地点へ。事前にネットで見ていた通り、前回には無かったピンクテープが岩にしっかりつけられていて正解ルートへと導いてくれています。距離にして10mかそこらのザレた核心部を慎重に渡って稜線に登りあがって、意外なほどあっさりとクリア。やはり不安の有無で難易度が全く異なるものだと再実感でした。その後も所々崩落地の縁を進むところなどもありましたが、一番の核心部を越えたので気持ちよく南真砂岳へ。
このあたりでちょうど湯俣から登ってくる健脚な人々と何人もすれ違いました。このルートを登ってくるとはスゴい人達だと感心するとともにマイナールートは人に会えることがうれしいもんです。
南真砂岳山頂は正面に北鎌尾根を従えた槍ヶ岳をバッチリ望める展望地、四囲の山々をぐるっと拝みつつ、百高山94座目ゲットを密かに喜びました。
(残るは 北アの抜戸、南アの小太郎、鋸、大沢、中盛丸山、兎 の6座)
南真砂から湯俣岳を通って湯俣温泉まで下る道もひたすら長く、時間には余裕があったので、休憩をチョイチョイ入れつつ15時前に青嵐荘に到着して2日目は終了。
(マイナールートの竹村新道ですが、藪漕ぎ覚悟で下ってみたら意外と草刈りが進んでいて問題なく歩けました。湯俣岳から下は広くて歩きやすい登山道に整備されていました)
青嵐荘でテント受付+内風呂利用オプションを手続きし、晩飯前に内風呂でサッパリし、風呂上がりのBEERと満点の星を楽しんだりで2日目終了。
最終日の3日目。
内風呂が24時間利用できるということで、温泉旅館利用のように朝5時前の朝風呂で体を目覚めさせ、朝食後に湯俣温泉名物の噴湯丘見学&あわよくば野天風呂もと軽身で出かけました。きれいなエメラルドグリーンの湯俣右岸を15分ほどで、地球上の風景とは思えない黄白色や真っ黒な河原から噴き上げる蒸気や湯気、左岸側に屹立する奇妙な形の噴湯丘のある場所に到着。早朝で誰もいないので、ここで素っ裸になってブクブクお湯を噴き上げる場所から川の水で温度調整しつつで手作りの石積み造成の野天温泉を堪能してきました(河原そのものなので、温度調整は自分作業、熱湯の出る土壌は真っ黒なので上がって体を拭くとタオルが真っ黒になる)。
噴湯丘からテントに戻って、撤収後は高瀬ダムまで川沿いのほぼフラットな林道を2時間半歩いてダム堰堤に帰着、ちょうどジャンボタクシーが来ていて7人目ですぐに乗れて七倉山荘へ。そのまま日帰り温泉&昼食(七倉ダムカレー)でゆっくりして大充実の3日間を終了しました。
今回はソロで回ったので、休憩時や小屋前などでいろいろな山好きな方々と楽しい山談義が出来たのも良かったです。
※烏帽子岳山頂からの眺望がコチラ↓
※裏銀座の絶景地、広大な野口五郎岳山頂からの眺望がコチラ↓
※今回の目的地・南真砂岳山頂からの眺望がコチラ↓ これで日本百高山94座目
※湯俣川の噴湯丘と河原の野天湯↓ 誰もいない河原でスッポンポンで源泉堪能
最後に今回の反省点&気を付けたいことを2つ
・プラティパスの寿命
2ℓサイズと手持ちもできる1ℓサイズの2つを山行に使っているのですが、もう何年使っているかもわからないくらい長く使用してきたものが、今回2つ同時に水漏れする状態になって、ザック内が濡れてしまいました。水を入れたすぐは気づかないのですが、長時間水を入れていると透明な入れ物のはずがフニャリと白化して漏れてくる、経年劣化なのでしょうか。長く使い倒していたので天寿を全うしたんでしょうが、気をつけないといけませんね。
・下りの登山靴の締め具合
下りは登りよりも紐をしっかり締めるということを忘れて竹村新道をくだったため、湯俣岳から少し下ったあたりで足指と爪がジンジン痺れて、大幅ペースダウンしてしまいました。しっかり締め付けて下りでの靴の当たりを指先だけにしないように気をつけるということをすっかり忘れてました、これは大反省です。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
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北海道遠征での竹村新道どころではないハード山行、さすがです。
湯俣温泉は良いトコでした。テント泊でも24時間内風呂に入れるのが良いし、青嵐荘はいろいろなお酒メニューが揃っているみたいなので、山を目指さずに温泉&お酒を楽しみに行っても良いなあと思いました。
伊藤新道はまだまだ整備しないと健脚変態な人しか挑めない状況だと思いますが、もう少し整備が進めば挑戦してみたいなあとは思っています。その際はぜひご一緒しましょ(^^♪
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