北アルプスどっぷり涸沢穂高岳ツアー
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- GPS
- 78:18
- 距離
- 42.7km
- 登り
- 2,934m
- 下り
- 2,928m
コースタイム
- 山行
- 6:36
- 休憩
- 1:09
- 合計
- 7:45
- 山行
- 14:29
- 休憩
- 3:25
- 合計
- 17:54
- 山行
- 9:32
- 休憩
- 2:06
- 合計
- 11:38
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
素晴らしい整備に感謝 |
その他周辺情報 | ひらゆの森 |
写真
感想
YAMAPデータから転載
2022夏 北アルプスどっぷり涸沢ツアー
2022/10/10追記
ファンのyoutuber「あどちゃんねる」のあど隊長がこのレポの2週間後の北穂高岳をほぼ同じ時間帯で登ってました。アフターのお風呂、ノンアルビール、トンカツ定食まで同じでした(笑)
2022年9月14日(水)〜2022年9月17日(土)
3日間しかない会社の夏休み、9月の3連休と合わせて3泊4日の涸沢テン泊ツアーを組みました。穂高の懐にどっぷり3日間テント泊して穂高の山々をめぐる計画です。今回同行したのは還暦を迎えたトレラン、フルマラソンをたしなむアスリートHさん、Sさんのお二人。3人合わせて170歳のオッサン珍道中となりました。
〇9/13 茨城→沢渡駐車場
・私が通常勤務のため還暦のお二人には私の単身赴任先である下館まで電車で向かってもらい、私の車でピックアップ。そのまま沢渡駐車場を目指します。
〇9/14 上高地〜涸沢 快晴
さすが平日、沢渡の市営第三駐車場もがらがら。バスターミナル近くに悠々駐車。しばし仮眠をとってバスターミナルへ。ソロの方を誘って4人でタクシー。ラグジュアリーなアルファードタクシーで快適。釜トンネルもちょいフライング気味に開けてもらって5時過ぎには上高地到着。4600円/一人1150円也
今回は河童橋を渡って嘉門次小屋に寄り道して通勤道路に合流。明神、徳沢、横尾と順調に進み本谷橋からの急登にヒイヒイ言いながら涸沢に到着。テントもまばらでコンパネも使い放題。テントを設営して涸沢ヒュッテ名物おでんと穂高の山々を肴に生ビールをぐびぐび。至福のひと時ですね〜。テントに戻って夕食、翌日のおにぎりを作って18時頃就寝。
〇9/15 涸沢〜奥穂高岳 快晴
3時半起床。4時半登山開始。ずいぶん早いですがSさんが「どうせならジャンダルムじゃん」という何とも恐ろしい提案で早めにスタートです。涸沢小屋側から目指すもルートを間違えてガレを直登(汗)。後続隊にずいぶん抜かれるが綺麗なモルゲンロートに気を取り直して正規ルートに合流。初のザイテングラートは慎重に進めばそれほど危険は感じませんでした。穂高岳山荘はバイトさん達がキャッチボールしたり屋根に干した布団にくるまって読書したり平和な時間が流れてましたね。ここでおにぎりを頬張って補給完了。いよいよ奥穂高へチャレンジ。小屋の脇からいきなり急登ですからね。慎重に登って8時半に奥穂高岳到着。快晴無風の頂上は穏やかで360度のパノラマに感動です。
西を見れば目の前に笠ヶ岳、その奥に薬師岳、手前に黒部五郎岳、去年登った水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳、天空の滑走路もくっきり。北には槍ヶ岳が鎮座、東には燕岳から続く表銀座をたどって大天井岳、横通岳、常念岳、蝶ケ岳のどうとうたる勇姿が。まさに北アルプスのど真ん中。圧倒的な景色に心を奪われます。そんななか長靴で登ってくる登山者がいます。聞けば長靴のみで三百名山制覇にチャレンジされてるそう。少し話をさせていただきましたが、非常に元気な方でそのまま西穂高へ縦走するとか。ジャンダルム大丈夫ですよ、行けますよ〜と近所のコンビニにでも行くようなセリフに背中を押されて?それならウマノセだけでも見てみようかとSさんとジャンダルム方向に進むことにしました。ここでHさんは留守番です(すみません)。
ちなみにこの長靴の方、「長靴・三百名山」で検索してみてください。逆境をはねのけ素晴らしいチャレンジをされております。
何度もyoutubeで見たウマノセ。映像の何倍も怖かった。必死にそして冷静に降りて無事基部まで到達。ふぅとため息をつくも「どーすんのこれ?」と見るだけだったはずが気付いたら降りきってましたよ。じゃあ行けるところまで行ってみるべと口とは裏腹に進む足取りは軽い軽い。その先はガレの急降下。浮石だらけなのでホールドをしっかりと確認しながら慎重にいけば大丈夫。鞍部に到着すると目の前には通称「ロバの耳」が聳えます。ロバの耳というのは後で知りましたがここもなかなかですね。思わず「いや、どーも」と茨城弁を連発ですよ。
仕事柄、電柱に登って災害時の電力復旧などに長年携わってきたので三点支持や高所での所作などは身についております。ただ、それは安全帯があっての話。生身の体でこの崖っぷちを行くのはあまりにリスキーだと正直思います。それでも先行者やSさんと励ましあいながら進むことを決意。まずホールドから。掴む岩を目で確認して掴んだらゆすって動かないかを確認。これを手足すべてのホールドで実践します。仕事では「足場よし」と呼称します。しっかりしたホールドを確保し三点支持さえ守っていれば落ちることはまずありません。そしたら恐怖でがけにへばりついた体をそっと離してください。周囲が見えるようになります。次の足掛かり、手掛かりを見つけたらまた同じことの繰り返し。はやる気持ち、焦る気持ちで2点支持にならぬよう冷静に。危険だからケガをするわけではありません。油断するからケガをするのです。
中腹のトラバースの高度感には縮みますね。てっぺんのナイフリッジを跨いだらジャンダルムの基部へ鎖で急降下。目の前のジャンダルムは直登が難しいので一旦真後ろまで回り込みます。これ西穂側への続く鎖場を降りる必要があるのですが同行していた3人とも最初分からず変なところから登ろうとしたりウロウロ。西穂から縦走されてきた方に正規ルートを教えていただき無事ジャンダルム登頂を果たしました。天使様が目に入ってきたときは興奮と感動で歓声をあげてしまいました。それにしても静かで穏やかな山頂。来た道を振り返るととんでもないことになってますがあの岩ドームのてっぺんにいるのかと思うと感慨もひとしおですね。
しばし頂上を楽しんだら今度は戻り。来た道をたどって慎重に冷静に。鎖に全体重が掛からぬようなるべく岩を掴んで進みます。ウマノセを登り終えるころには終わってしまった感と無事に戻ってこれたという安堵感が心地よく押し寄せてきました。奥穂高の頂上で留守番してたHさんと合流、いろいろな登山者と話が出来て退屈しなかったとおっしゃってましたがほんとすいません。そのまま穂高岳山荘でラーメンを食べてTシャツと手ぬぐいをゲット。帰りは涸沢小屋でビールと煮込みで乾杯!
その後テントに戻り夕食とおにぎりを済ませ持参したウイスキーをきゅっとやったらそのまま寝てしまいました。
〇9/16 北穂高岳〜横尾 快晴
今日は北穂高岳ピストンと下山。出来れば小梨平か徳沢まで降りる計画です。
昨日と同じヘッデンをつけてスタート。涸沢小屋の東側の登山道から取りつきます。これがなかなかの急登でぐんぐん標高を上げます。途中途中ザイテングラートより危険かな?と思われる個所もしばしば。涸沢カールから登る場合、奥穂高岳より北穂高岳のほうが難易度は高いと思います。途中、全く違う方向に進む若い男女がいましたがクライマーだったみたいで遠目にギザギザの稜線に挑む姿がちょうど自分たちと同じペースで登ってくるものだからHさん、Sさんともに応援しながら登っていきました。その後頂上で声かけさせていただきましたが、お二人ともまだ大学生ぐらいで街で見たらとてもクライマーには見えないお洒落な若者でした。ちょうど息子と同じぐらいかな?
北穂高小屋のテラスはあまりの絶景に言葉を失うほどでした。北側からは南岳へ続く大キレットの稜線が一望でき、そのスケール感に圧倒されます。昨日のジャンダルムで調子に乗っていつかは行ってみたいと思ってみたり。さて、この小屋では目的がありました。それは淹れたてのコーヒーを頂くこと。早速注文、500円はスタバより安いですね。このロケーションなら1000円でも安いぐらいですよ。絶景を見ながら頂くモーニングコーヒー。最高級なひと時を過ごしました。その後はバッジを購入して下山。気の抜けない急坂を慎重に降りました。クロユリスラブの下りに大きな不安を抱えていたHさんですが、途中ですれ違った女性がを回避できるルートあるかもよ?とのヒントを頼りに一応ルートを探すことに。するとまっすぐ降りる沢筋が。早速降りてみると未踏の沢らしくたまたま晴天が続いて枯れているだけのような様子。土壌も柔らかく靴が埋まりますが歩けないこともない。慎重に進むと見事にくろゆりスラブを回避して無事登山道に合流できました。続いてHさんも無事合流。そのまま涸沢小屋まで戻ってカレーライスでランチ。
その後、テント場まで戻ってマイホームを撤収。今日は金曜日。この日から入山する登山者が多くコンパネは売り切れ状態。自分たちが使っていたコンパネは近くにテントを張った新入居者に喜んで引き取ってもらい返却する手間が省けました。
時間的に小梨平は諦めて涸沢の絶景に後ろ髪惹かれる思いで下山開始。途中すれ違いが多くて益々時間が押してしまい、徳沢も諦めて横尾にテントを張ることにしました。せめて徳沢のお風呂と生ビールを期待してましたが横尾の静かな雰囲気も良かったですね。持ってきた食材をふんだんに使って簡単な宴会をしてこの日も19時には就寝しました。
〇9/17 横尾〜上高地〜日立
この日はゆっくり。7時半に横尾を出発。途中徳沢ではコーヒーソフトをチョイス。シナモンが効いて美味しいですね。そんな平和な時間を過ごしていると・・徳沢を出てすぐそれは起きました。走っていたHさんが石に躓き派手に転倒。ストックを持っていたため受け身が取れず地面に強打した鼻と膝から流血が。さっそく応急処置を施します。鼻は絆創膏でオッケー。膝は傷口は小さいものの傷が深く血がたらたら止まらなかったので、大きな絆創膏の上から包帯できつく縛り止血。いずれも骨には異常なしと判断しこのままゆっくり進むことにしました。そしたら遅れた分を取り戻すとまたHさんが走り出す(笑)。もう迷惑だからやめてくれと私(笑)。そんなこんなで上高地まで戻ってお土産を購入してバスターミナルへ。ちょうど出発するタイミングだったみたいで係員の方がバスの出発を遅らせて私たちの乗車券を発券して乗せてくださいました。他の乗客の皆さんを待たせてしまって申し訳ないやら恐縮しながら乗り込みました。
帰りはひらゆの森で4日ぶりのお風呂〜。併設のレストランでとんかつを頂きさっぱりすっきりして帰路につきました。
あっという間に過ぎた4日間。すべて晴天に恵まれこれ以上ない山行になりました。奥穂高岳や北穂高岳からの絶景、穂高岳山荘のラーメン、北穂小屋で飲んだコーヒー、涸沢キャンプ場、横尾キャンプ場の素晴らしいロケーション、おでんと煮込み、まさかのジャンダルム、涸沢の水で割ったウイスキー、横尾の朝に作ったたらこスパゲティ、どれも贅沢でかけがえのない時間を過ごすことが出来ました。しばらくは余韻を楽しみつつ来年のテント泊もじっくり考えていきます。それまでは日帰り登山ですね。
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