唐松岳・風に吹かれ 山頂に独り佇む
- GPS
- 06:26
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 976m
- 下り
- 972m
コースタイム
- 山行
- 5:36
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 6:26
天候 | 晴れのち曇り 気温 白馬村7時−12℃ 16時4℃ 山頂−12℃暴風15m/s |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
https://www.happo-one.jp/access/parking/ ・八方アルペン券往復(ゴンドラアダム・アルペン・グラッド)4100円。登山届の提出が必須(コンパス可)。ゲレンデを滑走して下山する際はリフト券が必要。 https://www.happo-one.jp/ticket/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
・八方池山荘〜八方池ケルン:前日の新雪が10〜30cm。先行者のトレースがあり締ってはいたが、踏み抜くのでスノーシュー装着。右手に白馬三山、左手に五竜岳鹿島槍ヶ岳の絶景。 ・八方池ケルン〜丸山ケルン:下ノ樺から急登。先週溶けて締った雪の上に新雪が50cmほど。もろくて歩き難かった。西からの暴風は10〜15m/sで地吹雪を伴う。突風は20m/s。強烈な向かい風はさらに歩き難かった。 ・丸山ケルン〜ヘリポート:アイゼンに換装。岩稜帯の急登が2回。暴風に煽られ北側に滑落注意。また、最後の急登は吹き溜まりで踏み抜くので、南側へ落ちないように注意。雪深いので下まで滑落はしない。 ・ヘリポート〜唐松岳:後立山連峰と立山連峰の絶景。今年は雪が少なく雪庇も小さい。当日最後の登頂者となり山頂独り占め。13時20分に山頂を出発すれば、グラッドリフト最終15時20分に間に合う。 |
写真
感想
13年経った東日本大震災、能登半島地震で被災された方々に、この景色を捧げる。
3月も三週目に入り、大学と高校の二次試験や中学校の卒業式が行われている。小学校や幼稚保育園も卒業の準備に忙しない。児童生徒の入れ替わりと言えば簡単だが。別れと出逢いがある時期。感謝と不安を胸に秘め新たな地へと旅立っていく。
月曜火曜が連休となり、11日月曜は唐松岳へ行き、そのまま北上して柏崎の海岸沿いの旅館に泊まり、12日火曜は妙法寺や弥彦山など花めぐりする予定だった。能登半島地震の被災地域に、些少ながら復興のお役に立ててればと思った。
しかし5日の時点で12日が悪天候予想となりキャンセル。唐松岳のみ行くことにした。その代わり、今年のゴールデンウイークは新潟県の温泉旅館へ宿泊予約をした。昨年も行って楽しかった。温泉も良いしメシも美味いしな。山はどうした?(笑)
前橋を3時20分に出発。八方尾根スキー場のゴンドラ始発は8時で、5時に出発しても充分間に合うのだが、白馬三山と五竜岳のモルゲンと日の出が見たくて早出する。上信越高速道とオリンピック道路が出来る前は、406号をひたすら走って5時間はかかった。
オリンピック道路の日高トンネルを抜けたら、鹿島槍ヶ岳が真ん前に見えた。午前中は快晴予想なのだが、白馬村に入ると朝霧が発生していた。見渡すと一帯の木々は街路樹も含め全て霧氷。気温−12℃で過冷却水滴の朝霧が要因。
天神坂からモルゲンを眺めて白馬大橋へ移動。ちょうど稜線から日の出。太陽の光芒が朝霧と川霧に反射屈折して虹色になっていた。これは虹現象のチャンスと思い、田園地帯へ引き返す。
ちょうど田園地帯に入るところで幻日を発見。路駐して撮影。平日の早朝で迷惑が掛からなかった。幻日は空気中の氷晶によって太陽光が屈折し虹色となって、または光となって現れる現象。約22度離れた太陽と同じ高度の位置に見える。
太陽高度と方位によって虹の現れ方が異なるので、少し南へ移動。幻日環が現れた。太陽が天頂にないので上下に完璧に繋がらないが、素晴らしい大気光学現象。サンピラーやブロッケン、蜃気楼や環水平アークなどを幾度も見て絶景慣れしているが感動した。太陽と虹を同時に見られるのはハロと幻日だけ。
その後は朝霧が漂う田園地帯へ移動。白馬五竜スキー場の東側あたり。雪原を流れる朝霧はきれいだった。結局1時間以上白馬村内をうろうろして、第三駐車場に7時半に到着。装備してゴンドラ駅へ。
すでに20名ほど並んでいた。外国人が多くなった。コロナ以前に戻った。ニセコのように、どんどん金使ってもらうとありがたい。アルペン券を購入して並ぶ。平日でおひとり様でも余裕でアダムに乗れた。
グラードリフト始発8時40分待ちとなり、黒菱平で白馬三山と長野オリンピック女子滑降スタート地点メモリアルを撮影。葛西選手は未だにワールドカップに出場しており素晴らしい。まさにレジェンド。
動き出したグラードリフトに乗る。左手に五竜岳と遠見尾根に鹿島槍ヶ岳の雪景色。素晴らしい。八方池山荘から取り付き。昨日の新雪を鑑みてスノーシューを装着。青空のもと歩いていく。入山者の半分以上がBCの方。
出発してすぐにやすべさんとバッタリ。昨日から山荘泊して早朝出発したが、強風とノートレースで、下の樺で引き返してきたとの事。次の機会があるでしょう。私は暴風も新雪も予想していたので撤退する気など全くない。
八方池を過ぎた辺りで西からの強風と突風。風速は10m/sを越えていた。気温は−8℃だが、体感温度は−15℃くらいかな。下の樺からの急登はテレベータ上げて歩いた。それにしても素晴らしい雪景色。何度も来ているが感動する。
上の樺の急登を越えると丸山ケルンへ。ここでアイゼンに換装。なぜなら岩稜帯に入り足場が狭くなるから。凍傷対策でバラクラバとゴーグルを装着。ここで暴風や時間を気にして引き返す方が多かった。
のんびりと撮影しながら歩いていくので抜かれる。気が付けばヘリポートに着いたときに入山最終者になっていた。立山と剱岳を眺めて山頂へ。先行者は2名だけで山頂手前ですれ違った。唐松岳山頂に13時に到着。ずいぶんのんびりしたな。西風の向かい風だから速くは歩けないのもある。
山頂は15m/sの暴風と気温−12℃。体感温度は−20℃以下。風に吹かれ独り佇む。苦労して三脚立ててザックを吊るして記念撮影。飛ばされずに済んだ。予想通り午後から曇りでガスが立山方面からやってきた。暴風でも山座同定の撮影は習慣化している。
暴風を切り裂いて下山。私の経験から13時20分に山頂を出発すれば、15時20分のグラードリフト最終に間に合う。ヘリポートに登り返して振り向き、立山と剱岳に挨拶。また来年も来れると良いなと。
ひと気のない丸山。尾根からは遥か八方池付近に数名見えるだけ。誰もいない。西日となり影が差す五竜岳と白馬三山。下山も撮影しながら淡々と歩いた。予定通り15時10分に八方池山荘に到着。2時間で下りてきた。リフトとゴンドラを乗り継いで下山。
このスキー場は、アルペン券を買いスキーで下山する際は、リフト券を購入しなければならない。BCの方はアルペン片道券で確かにゲレンデを滑らない。1回券が600円だから、それを買えばいいのかな?数年前にチケット売り場でその話をしたら、午後券を買ってくださいと言われた。6000円もする。正式に問い合わせてみよう。
暮れゆく白馬村をあとにして帰路へ。日高トンネルに入るときにサイドミラーを見たら、来た時と違い鹿島槍ヶ岳はガスの中だった。
やすベーさんレコで唐松岳へ登っているのは前もって知りましたよ。
多くの方が引き返した八方尾根を登って来たのですね、素晴らしい山岳写真を撮りながら下山時間を読みながらいつもながら流石ですね。
山頂に到着時は貸し切り状態、ゆっくりと山岳景色や写真撮りに専念できたでしょう。
お疲れ様でした。
翌日も天気が良ければ雪山から花めぐりになる予定でしたが、北ア日帰りです。前日まで降雪でしたが、低気圧が東へ抜けるのが遅く影響が残って暴風です。分かってはいたので気にしませんでした。逆に風がガスを流しますから眺望は良いだろうと。ただ西側は気圧の谷で曇り気味でしたね。
唐松岳は7回目の登頂ですので、経験から下山期限時刻が分かっていました。山頂には10分ほどしかいられませんでしたが、充分に景色を楽しみました。登りは強烈な向かい風でしたので、早くは歩けませんでしたが、下山は押してくれますので余裕でした。
こんばんは
さすがです。
だてに重さを身に着けてませんね。
これだけの爆風の中を沢山の写真を撮りながらの唐松岳まで行って帰る。
まだまだ行けそうです。
恐れ入りました。
三月になりましたが、寒の戻りで真冬になりました。気温も風も景色も。たぶん5年前だと思いますが、人生で一番強い風を経験したのも唐松岳山頂でした。その時は25m/sの風と30m/s以上の突風で立っていられませんでした。翌日には上の樺でテントごと飛ばされて亡くなった方が居ました。それを新聞で見て無事に帰れて良かったと思いました。3月下旬になれば天気も安定してくると思いますが、17日から20日春分の日の間の山間部は雪予報ですね。
この日、前泊して、やすべーさんと唐松チャレンジしてました。
私は爆風におののき撤退しましたが、あの爆風が「そよ風」とは…😲経験値が違うとはいえ感覚の違いにビックリです。
八方池からの下山は、やすべーさんとは別々に好き勝手に歩いてので、お会いできずに残念。クマさんのようなホンモノのグロさんに会ってみたかったです😅
やすべさんとバッタリしたときに、いらっしゃっていると伺いました。何方だろうと登りながら見ましたが、分かりませんでした。八方池まで行かれたんですね。八方山から強風でしたからね。
先月蔵王山へ行ってきたのですが、気温は−4℃でそれほど寒くは無かったですが、馬の背で猛烈な暴風にあいました。15〜20m/sで刈田岳や熊野岳では真っ直ぐ立っていられませんでした。今まで経験した中では5年ほど前の唐松岳山頂で、25m/sの暴風と30m/sの突風で立っていられず、這いつくばって移動しました。あとは赤岳や乗鞍岳、仙ノ倉山でも経験しました。雨や雪は着たりすれば良いですが、強い風は防ぎようがないので無理と感じたら撤退するのが良いです。人が飛ばされるのをこの目で見てきましたからね。
八方池山荘の上でバッタリ、もしかして来るかな?と思いました。
グロさんが仰っていた朝霧、綺麗ですね。
里が穏やかな朝は、山頂は爆風に変わるのか⁈と思ってしまいました。先月、私の撤退も霧氷が付くほど静かだったのに こればかりは自然なので仕方ありませんが。
はやり山頂まで行ってきましたね。
私は来シーズン、再チャレンジしたいと思います。
お疲れ様でした。
久々のバッタリ、話を聞けば残念でしたね。モルゲンがきれいに見えたからそれで良しとしましょう。また次がありますからね。
下の樺からでもトレースがありましたが、アイゼンの方はかなり踏み抜いていました。私は急登と新雪が分かってましたし、総重量100kg超ですので丸山まではスノーシューです。その先からはアイゼンの換装します。足場が狭くなりますからね。これも幾多の失敗と経験から学びました。
私のカメラの絞りf8〜10設定で、白く明るい雪面ですのでSSが1/400〜1000と短く、暴風がうまく撮影されてません。地吹雪が上がらないとなかなか難しいですよね。ちなみに引き返されて良かったと思います。英断です。丸山までは行けたと思いますが、ヘリポートから先は爆風でした。でも立ってまっすぐに歩けましたからね、ただ気温が−12℃で体感は−20℃以下でしたから厳冬期並みでした。珍しくバラクラバしましたからね。5年前かな、ここで凍傷になりました。それも経験ですよね。次のバッタリは新潟かな。
自動車業界の年度末は繁忙期で、鬼のような忙しさに追われております。今月は日曜休みがないので、月曜休みでの息抜きが救いですね。そこでこの北アの景色です。3月で霞んでましたが、立春後に大量降雪したので、そこそこの雪景色を眺めることが出来ました。気温も風も厳冬期並みでしたからね。台風の定義は風速17m/s以上ですので、現地に居なくてもご理解できると思います。風速ちなみに35m/sを越えると人は飛ばされます。いきなりふわっと持って行かれます。凧のように。滑落より怖いですよ。落ちる行先が分かりませんからね。糸の切れた凧です。
今週火曜キャンセルした新潟は、来週月曜も行きたかったのですが、悪天候で爆風予想ですのでやめました。yamaonseさんも行かれたみかも山へ行く予定です。アカヤシオの開花状況も確認してから行きます。春の花は心躍りますね。
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