岩稜の立山〜花の大日三山を縦走【室堂から登り、称名滝へ下山】
- GPS
- 96:00
- 距離
- 21.8km
- 登り
- 1,357m
- 下り
- 2,796m
コースタイム
- 山行
- 5:15
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 6:50
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 9:40
天候 | 8/15 晴れ 午後よりガス多め 【気温】 室堂:17℃ 雄山:13℃ 別山乗越:18℃ 8/16 晴れ後曇り 【気温】 別山乗越:10℃ 奥大日岳:20℃ 称名滝:23℃ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
自宅から約285km 4時間半の道のり。 8/16・立山駅からケーブルカー・バスと乗継いで室堂へ。(2,430円) 8/16・称名滝から称名滝探勝バスで立山駅へ戻り車を回収。(500円) お盆の高速道路。名神の渋滞を避け、中央道に合流して家路に 戻りました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【一ノ越〜立山〜別山乗越】 ・岩の稜線で富士ノ折立を下ると砂礫と這い松の穏やか稜線に 変わります。 ・別山北峰から眺める劔岳が楽しみでしたがあいにくのガスで 残念でした。 【別山乗越〜大日小屋】 ・別山乗越から新室堂乗越までは室堂一帯はもちろん、槍ヶ岳〜薬師岳を 眺めながら一面のお花畑を下ります。 雷鳥平に下るならこちらのコースがお奨めです。 ・室堂乗越辺りから奥大日岳への登りが始まりますが、以後ずーっと 荒々しい岩肌の劔岳が展望できます。 ・アップダウンを繰り返しながら奥大日岳〜大日岳へと向かいますが まさに「花と展望の大日連山」を満喫できます。 【大日小屋〜称名滝】 ・大日平までは岩ゴロの浅い谷地形を一気に下ります。 ・数多い水場も今回は殆ど渇水状態で、水の確保は困難でした。 ・大日平の歩道改良工事は11月下旬終了予定です。 |
写真
感想
昨年、称名滝から大日岳を往復した経験から、少し長くなるが
別山乗越起点なら大日三山を一日で縦走できそうだ。
ならば今年は室堂から立山〜別山〜大日三山をつなげて歩いてみよう。
【8/15】
始発6:00のケーブルカーに乗るため5:00に立山駅に着くと、
すでに切符を求める列ができていたが、何とか始発便で室堂へ
向かうことができた。
山岳リゾートのメッカ・室堂バスターミナルから室堂平へ出ると
素晴らしい青空と絶景が広がってる。
幸い計画より時間に余裕が生まれたので、立山・大日連山に囲まれた
室堂平の景色や花を愛でながら、ゆっくり散策気分で行こう。
お花畑の中で、立山室堂山荘を過ぎた辺りから登りが始まる。
そろそろ登山モードに切り替えよう。
整備された石畳の道を一ノ越に上がると東側の展望が一気に開ける。
黒部の谷を隔てて裏銀座の山並や、笠ヶ岳・槍ヶ岳・後立山が眺望でき、
もうここで引き返しても良いと思えるほどだ。
しかし整備された道は此処までだ。
雄山山頂まで続く急な岩稜に取り付くと早くも所々で渋滞が始まった。
脚が止まるたび胸のすくような絶景を楽しみながら、二ノ越・三ノ越と
小さな祠を過ぎるたび山頂が近づき、やがて急登がつきると一等三角点の
雄山山頂に出る。
足元には日本初氷河?、目の前には裏銀座の山並から北アルプス南部の
名峰、まさに絶景の山頂だ。
今日はゆったり行程なので立山のピークは全て踏んでいこう。
順番待ちで立山の最高峰・大汝山に立つと標高差1500mの眼下に
初めて黒部湖が見え、黒部湖から鋭く立ち上がる針ノ木岳が印象的だ。
大汝山を下り直下の休憩所を過ぎると人もぐっと減って、
近づく劔岳の姿が増々大きくなる。
富士ノ折立直下の平坦地まで来ると眼下に黒四ダムのアーチがはっきりと
捉えられる。縦走路から僅かに外れた立山最後のピーク、富士ノ折立を
往復した後、平坦地でこれから辿る大日連山や劔岳を眺めながら
贅沢な昼食時間を過ごす。
立山最後のピークから真砂岳に向けて下ると、一転して砂礫のなだらかな
稜線に変わる。豊富な残雪に覆われた内蔵助カールに沿って登り詰め
標識の無い?真砂岳から別山へ向かうと増々人影もまばらになる。
真砂沢の雪渓を見て、鞍部から這い松と砂礫の道を登り返すと
立派な祠に「別山」の文字を目にする。
さっそくザックを外して劔岳の展望タイムとするが、あいにく山頂には
しつこいガスがまつわりついている。
今日はゆったり行程なのでコーヒーを飲みながらガスの切れ間を
待つとその瞬間は現れた。
岩の鎧をまとった劔は意外に端正な姿だ。北峰からはもっと美しい
姿が見られるらしいので期待して足を伸ばすが、
この頃からガスが増々濃くなり風も冷たくなってきた。
長居もつらいのであきらめて今日の最終地点・別山乗越に向かう。
、
乗越に建つ剣御前小舎で手続きを済ませすると、なんと10人部屋に
2人という空き具合だ。明日の少々きつい行程に備えて今夜は
しっかり休もう。
【8/16】
早朝の小屋前に出てみると、目覚める前の劔岳がオレンジ色の空を
背景にした後立山のシルエットと共に眺められる。
今日もいい天気になりそうだ。
山の端に輝く朝陽を背にして二日目のスタートだ。
今日は大日三山を越えて称名滝へ下るロングコースになるが、
高度を下げながらの15km程だ。しっかり歩こう。
朝露に濡れた這い松を分けて、尾根下に絡んだ道をわずかに下ると
今日も槍〜穂高や薬師が望まれる。
雷鳥平に向かって下る斜面は一面のお花畑だ。イワギキョウ・キンバイ・エゾシオガマ?・チングルマ・コイワカガミ・コバイケイソウなど
次々現れる花を眺めながら下ると、小さな雪渓とチングルマの大群落を
見る平坦地に出て、左から雷鳥平からの道を併せる。新室堂乗越だ。
さらに室堂乗越まで来ると今度は再び劔岳のお出ましだ。
厳しい早月尾根が山頂へ突き上げている。
目の前に聳える奥大日まではアップダウンもきつそうだが、展望と花に
恵まれた稜線を楽しもう。
広大な高原台地を南北に仕切る様な称名川を眺めながら高度を稼ぐと
やがてハクサンフウロの群生が現れP2511に達する。
後僅かに迫った奥大日岳や、昨日から辿ってきた雄山から続く稜線を
眺めて一息入れよう。
奥大日岳の最高点を捲くようにしてお花畑のような稜線に乗ると
やっと奥大日岳の山頂だ。ゆっくり休もう。
目を凝らすと雲上に浮かぶのは加賀の名峰・白山、振り返る景色は
富山湾の海岸線、そして目の前には梯子が有れば渡って行けそうな距離に
聳える岩の殿堂・劔岳。
絶景を満喫して梯子や鎖場で急降下した鞍部から登り返すと、
這い松に囲まれた岩や池が日本庭園を思わせる平坦地に出る。
ここが「七福園」と呼ばれる場所だろうかと考えながら木道を辿ると
知らぬ間に中大日岳を過ぎて眼下に大日小屋の赤い屋根を見る。
大日岳から眺める劔や北アルプス北部の山並を楽しみにしてきたが、
早くもガスが湧き始め視界を閉ざしてしまった。
大日小屋のベンチに腰を下ろして昼食を摂る間にも増々ガスは濃さを
増し、間近の大日岳さえも姿を見せない。
これでは眺望は期待できないので、今回は大日岳をパスして下ろう。
山腹の絡んだ道から谷間に入るといよいよ大日平まで約400mを
一気に下る。谷底の不規則な岩を踏んでの急降下だ。
疲れも溜まってきたので、より慎重に行こう。
何度も谷を横切るので、本来は水場には事欠かないコースだが
何処も全く流れていない。好天が続いたせいだろうか。
ザクロ谷?を横切るとやがて木道が現れ、平坦な湿原に出る。
大日平だ。
大日平山荘裏にある展望地から不動滝を眺めて休んだ後、
昨年と同じようにガスに覆われて展望の利かない高原台地を辿る。
やがて笹と灌木の中をぬうようになると大日平も尽きて急降下が
始まる。
牛の首から再び傾斜のきつい下りが緩み、やがて水の枯れた
ハンノキ滝を視界に捉えると、しばらくして観光客の声が聞こえる
登山道入口となる称名道路に降り立つ。
後は称名滝の展望台で滝を眺めると今回の山行は終了だ。
豪快に落下する滝を見物したあと、ソフトクリームで渇きを癒して
立山駅行のバスを待つ。
人で賑わう立山と比べると人気が薄いコースだが、室堂から稜線を辿って
一気に称名滝まで歩く今回のコースは、天気にも恵まれて、
展望にも花にも恵まれた期待以上の素晴らしいコースだった。
コメント
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onetotaniさん
おはようございます。
立山縦走お疲れ様でした。
写真のひとつひとつを見るたびに
なんて素敵なところだなと感心するばかり。
いつかは立山行ってみたいと思いました。天気にも恵まれ納得の行く山行でしたね✨
kazu97さん 今晩は。
幸い天気に恵まれ、素晴らしい立山を満喫した二日間でした。
立山三山、大日三山に囲まれたカールや高原台地を眼下にしながらの
稜線歩きは大変楽しいものでした。
さすがに北アルプスを代表する素晴らしいコースでした。
おはようございます。
さすが立山、山の品格が違いますね、
などと深田久弥さんみたいなことを思いながらレコ拝見しました
景色も花も、本当に良いところです。
多くの人が訪れるのもよくわかります。
かつて、山を登っていないころに室堂に泊まったことがあります。
山登れば良かったと、反省してます
totokさん 今晩は。
アルプスでも指折りの景勝地・室堂と立山を満喫してきました。
岩の立山を攀じて這い松と花の大日連山の稜線を辿り、そして日本一の滝・
称名滝へ下る。
天気にも恵まれ、歩き応えのある素晴らしいコースでした。
二日間とも雨に降られないとは
うらやましい〜
二日目は、ガスであいにくでしたが
すでに初日で、心行く眺めを
GETされたのではないでしょうか。
山の一つずつが、大きくて
柔和で、きれいな場所ですね。
登山はのんびり、風景は圧巻。
素敵な休日でしたね。
komakiさん 今晩は。
天気にも恵まれて、素晴らしい二日間を楽しんできました。
立山連峰の稜線から大日連山の稜線をつなげて歩いて、
雰囲気が異なる二つの山域の素晴らしさをより感じました。
山行を強く印象づける眺望も花も素晴らしく、アップダウンの続く歩き応えも
いっそう喜びを感じさせてくれた、大変素敵なコースでした。
onetotaniさん、おはようございます。
私もこのお盆、立山に行って日本三霊山クリアしたいと思っていましたが
あえなく家族に却下されてしまいました。
行ってみたい思いが募るレコありがとうございました。
higurasiさん 今晩は。
さすがに立山は人気の高い山ですね、久しぶりに山で渋滞に会いました。
老若男女、家族連れと人に溢れていましたが、別山に向かうと一気に人影も
少なくなりました。この違いもまた良いですね。
行かれる時は、立山だけでなく大日連山も組み入れてください。
是非お奨めしたいコースです。
素晴らしい写真に素敵なルートありがとうございます。別山乗越から大日三山を経て称名滝が一日で行けるんですね。勉強になりました。9月のシルバーウィークに立山と劔岳をテント泊で計画しかけています。紅葉の立山、劔岳、ワクワクしてきました。
yoshikun1さん 今晩は。
今回歩いて驚きました。ヘルメットを背負って劔を目指す若い女性が
以外にも多いんです。核心部の岩場は渋滞したかもしれませんね。
劔に登られた後は、是非大日三山も計画に入れて下さい。こちらからは常に
早月尾根を従えた劔岳が良く見えます。
その場合は雷鳥沢のテント場から新室堂乗越経由が宜しいかと思います。
9月になると称名道路の通行時間帯や、バスの最終便が早まりますが
充分楽しめると思います。澄んだ秋空の山行をお祈りします。
そういえば、私が劔を登ったのも8月の喧騒が去った9月中頃でした。
はじめまして(?)甘栗旬です。
今さっき立山から帰ってまいりました。
昨日僕は雷鳥沢から別山乗越に出て雄山に縦走してきました。
リアルタイムであの稜線からの景色が・・・
因みに僕のプロフの写真は別山北峰からの剱です。
立山はいつ行ってもいい所だなとしみじみ思いました。
onetotaniさんのレコを見て、来年は雷鳥沢〜大日への縦走予定をロックオンしました。
お帰りなさい。お疲れの所、早速コメントありがとうございます。
北峰から、写真のようなカッコの良い劔岳を眺めるはずでしたが
あいにくのガスで残念でした。しかしそれも贅沢だと思えるような素晴らしい
二日間でした。
立山から大日三山に続く稜線を一気に歩く事で、夫々の魅力がより
強く感じられました。そしてロングコースの先が称名滝って言うのも
素敵な終わり方でしたよ。(自画自賛!)
追伸:改名されたのは何か心境の変化でもあったのですか?
レコが楽しみです。
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