絶景の北穂高岳
- GPS
- 40:33
- 距離
- 36.7km
- 登り
- 1,931m
- 下り
- 1,919m
コースタイム
- 山行
- 5:32
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 6:18
- 山行
- 7:49
- 休憩
- 4:27
- 合計
- 12:16
天候 | 1日目(30日)AM 晴 PM 粉雪 2日目( 1日)AM 雪 PM みぞれ 3日目( 2日)終日快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰路 上高地→新島々→松本、高速バス松本→阪急梅田 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●涸沢〜北穂高岳 ・天候、気温等により難易度は大きく異なります。 ・特にインゼルから上部は斜度が非常に高くなるため、凍結している状態で滑落すると止まらないようです。 ・陽が高くなるとぐさぐさになり滑落しても止まりやすくなると思いますが、雪崩の危険が増します。 <雪崩について> ●雪崩の兆候 ・今回は4月30日から5月1日の間の降雪は稜線で約40cmの新雪となったそうです。涸沢では10cm。(朝一の状況のため最終的にはもう少し積もったと思います) ・涸沢に駐在されている長野県警より、1日は表層雪崩の危険が高い為、北穂高沢、小豆沢の通行を控えるよう指導が出されました。 ・5月2日は朝から快晴となり、引き続き表層雪崩の危険はあるとのことでしたが通行自粛の指導はなくなり、自己責任でとのこと。 ・北穂高沢の積雪は陽射しを浴びて溶け始め、ぐさぐさの状態となっていきます。 ●雪崩発生 ・9:30過ぎより下山を開始し、インゼルを過ぎたあたりで、左後方から1回目の表層雪崩が起きました。ざーっと幅10mくらいの雪崩が数百m流れていきました。 ・それから5分後、今度は右後方から同じような規模の雪崩が発生し、私の右わきから前を通過して下方へ流れていきました。丁度登ってきておられた登山者1人が巻き込まれ、腰から上が出た状態で50mくらい流されました。 ・状況を聞くと、雪崩を真正面から受けて仰向けにひっくり返ると雪に埋もれてしまうので、下方を向いて流れに乗るようにしたとのことでした。怪我もなく、そのまま登り返されていきました。 <気温> 1日目(4月30日) 18:00 涸沢 △2℃ 2日目(5月1日) 0:30 涸沢 △2℃、12:00 3℃ 3日目(5月2日) 4:00 涸沢 1℃ |
その他周辺情報 | 小梨の湯 600円 ※携帯の充電サービスあり(100円/回) |
写真
感想
GWの北アルプス。
今回は涸沢をベースに、北穂、奥穂を2泊3日で登る予定でした。
当初は29日INと考えていましたが、29日と1日が荒れる予報となったため30日INとし、1日は場合によっては停滞して2日にどちらかに登れたらよいという考えで行動しました。
<1日目(4月30日)>
快晴のもと、涸沢に到着してから次第に天候が悪化。強風に備えて雪のブロックを積み上げてテントを張りましたが、その後の降雪で吹き溜まり状態となり、深夜に起きて除雪するはめに。
<2日目(5月1日)>
停滞の日。午後から天気は回復の予報でしたが雪は降り続き、次第にみぞれに変わっていきました。長野県警のみなさんが雪崩の危険があるため北穂、奥穂への登頂を控えるよう呼びかけておられました。
何人かの警察の方々に話を伺いましたが、翌日2日の状況は今後の天候と気温次第ではあるが、降雪が早く収まり、気温が低い早朝なら雪崩のリスクは低いのではないかとのコメントを頂きました。なんとも判断が難しい状況でしたが、北穂に焦点を絞り検討を進めます。
夕方、ようやくみぞれも止んだので北穂高沢を1/4くらいまで偵察に行って、イメージをつけました。その後、涸沢小屋の下で滑落停止訓練も実施。
<3日目(5月2日)>
不安を抱えながらのスタート。しかし、雪質は適度に締まっていて、気温上昇によって柔らかくはなっていくものの、自分にとっては滑落の危険はないと感じられたので登りつめていきます。
M字インゼルを過ぎて最大斜度となる部分も無事通過。松涛岩から最後の急斜面はまだ半分凍結した状態でしたが、ピッケルがしっかり噛んでくれるので安心して山頂に到着しました。
北穂山頂。
槍から東西に延びる稜線とその向こうの地平線一杯に連なる白い峰。
振り返ると奥穂を核としてジャンから西穂への稜線、吊り尾根から前穂の北尾根。
360℃の絶景にしびれました。
その後、下山時には目の前で2回の表層雪崩が発生。命の危険を感じる規模ではなかったものの、自然の脅威を見せつけられました。雪崩を見ない時間帯に涸沢まで下山完了すべきだったと後悔。
北穂や奥穂を始め各地で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。改めて安全第一の山登りを続けていきたいと感じました。
tubataroさん、こんにちは。
あの急斜面で雪崩にあうと怖いですね。特に早朝はかなり下まで流されそうです 天気が悪くて停滞した様ですが、新雪の北アルプスの景色は素晴らしいです でも何事も怪我無く下山できてこそ言えることですが。。。
2日は僕もゴールデンウィーク唯一の登山日でしたが、薄曇りぽかったですね。朝日の写真が無いのは曇っていたのでしょうか?
Futaroさん、ありがとうございます。私の経験不足で、雪崩のリスク度合いや自分のスキルレベルを測りかねた3日間でした。結果的には十分対応できる環境だったのかなと今振り返ると思いますが、その時点ではかなり判断に悩みました。単独の怖さでもあり醍醐味でもあると思うのですが、最悪のことを想像しならがら行くか撤退かを考え続けることはよい経験になったのではと思います。
そうそう、2日は日の出の時間帯はまだ上空は雲に覆われていてご来光を拝むことはできませんでした。またの楽しみにしておきたいと思います。
遅ればせながら北穂登頂おめでとうございました。今年の奥穂界隈は何かとトラブル続きでしたが(お互いに)ご無事だった事にはホッと致しました。
今までになく攻めた登山に、写真を見てる自分も登ってみたくて体がウズウズしてきます 涸沢方面は人の多さにどうも足が進まないのですが、GW明けならば多少は緩和されてるかもしれないので、tubataroさんのレポを参考に一度計画してみたいと思います
nagisukeさん、こんにちは。
ありがとうございます。今年のGWは本当にややこしい天気でしたね。色々と不安を抱えながら自分なりにリスクも考えて登ることができたかなと思っています。(nagisukeさんのレベルには到底かないませんが)雪山は怖いという気持ちを忘れず、毎年半歩づつくらいレベルを上げた挑戦をしていきたなと思っています。GW明けの涸沢、、、融雪が一気に進みそうですね。またレコを楽しみにしています。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する