穂高連峰 北穂高岳東稜
- GPS
- 56:00
- 距離
- 33.9km
- 登り
- 1,788m
- 下り
- 1,777m
天候 | 雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
東稜へつめるルンゼ内は浮き石が多い。 |
写真
感想
大学の夏休みを利用して、北アルプスの北穂高岳の東稜の登攀に行ってきた。初めての北アルプスのバリエーションルートだけに期待と緊張感が混ざる落ち着かない気持ちである。長年夢見たバリエーションルートだ。東稜を登攀する日の午後に天気は回復してコンディションは最高だった。
1日目
初日は上高地から横尾までの平坦な道をひたすら歩く。ふだんは青森県周辺の山ばかりの我々にとって梓川沿いにアルペン的な岩稜や岩壁、雪渓を従えた穂高の山並みは新鮮であった。今回は北穂東陵ではなく屏風岩を登攀しよう!などと冗談もでるほどメンバーは山容に見とれていた。横尾山荘に着き、テントを設営してC1とする。雨がポツポツと降り出し、明日の天候に不安を抱えながらも夕食を済ませて来るべき明日の登攀に備えて就寝した。
2日目
2日目は早朝から雨が降っていて気持ちが萎えていた。涸沢まで雨で涸沢小屋で天候回復を待つ。テレビの天気予報では午後から晴れるとなっているがそれが疑わしいほどのガスに覆わて、雨も本降り状態であった。登山道から東陵方面まで行く道で天気を判断するとして仕方なく出発する。東陵への分岐は鎖がかかる一枚岩のあるところが目印で、そこを右に進む。踏み跡はまばらで、コンパスで方向を確かめ、持参した分岐からの写真を頼りに行くが、ガスのために東稜へ詰めるルンゼがわからない。東稜の真下へ着いたが詰めるルンゼの候補が2つあり、どちらが本物かをパーティーで議論する。二手に分かれて偵察するものの、確かな証拠が得られない。ところが、ガスが晴れてきて東稜が見えてきた!そのおかげで詰めるルンゼがわかり、安堵する。東稜へつめるルンゼは浮き石が多く、落石に十分な注意を払う必要がある。東稜へあがったらゴジラの背までは巻いても稜線上を行っても大丈夫だった。ゴジラの背は高度感があり、滑落は致命的となるのでロープを出した方がいいと感じた。残置ハーケン、ボルトは豊富ですが、古いのもあるので要注意。ロープはシングルで登攀した。カムがあるとなおよいと思う。東稜のコルへは懸垂下降で降りたが、巻き道もある。コルから北穂高岳山頂へは稜線上を右へ巻くように意識して登り、そうすると大キレットからの一般登山道に合流する。そして、待望の北穂高岳の山頂に着いた。この日は北穂高岳小屋に素泊まりで泊まり、C2とした。
3日目
3日目は南稜の一般登山道を下山する。天気も良く、ご来光も見ることができた。左手に昨日登攀してきた東稜を見ながら下る。まあ、よくあんなところを登ってきたものだと我ながら感動に浸っていた。涸沢で朝食をとり、長めの休憩を取る。穂高連峰に囲まれた青空の涸沢カールはとても気持ちが良い。涸沢〜横尾までの登山道で偶然、高校山岳部の同期と1年ぶりに会い、あまりの奇遇に驚いてしまった。彼女は大学の登山サークルで北穂高岳を一般登山道から登るようである。13時頃に無事に上高地に着き、温泉に入った。
今回は充実した登攀となった。来年の夏はもっと規模の大きい登攀を成功させたい。
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