選んだのは高麗駅スタートの日和田山〜巾着田を含むコース。
日和田山も巾着田も何度となく歩いているので、初めての挑戦には良さそうに思えた。
ルールでは地図とコンパス以外からの情報収集はNGらしいのだが、今回は2回ほどズルをしてスマホのGPSをチェックしてしまった。
1回目は、地図には破線があり、使おうと思っていた道が消えていた時。
下草が生い茂って踏み跡がきれいに消えていた。明らかに歩かれていない。仕方ないので少し戻って別ルートへ移動したのだが、そこがまた難しくて、道の入り口に何の道標もマークもないので探し当てるのに苦労した。
2回目は山道の分岐で「あれ?コンパスの方位磁針、狂ってる?」と思った時。狂っていたのはもちろん自分の方向感覚だった。
そのあとはGPSを見ることなく、地図を片手になんとかコントロールをゲットしつつ、4時間ほどでゴールすることができた。
しかし疲れた。
体力よりもメンタルにくる。
スタートの高麗駅から物見山までは初めて歩くルートだった。
踏み跡とたまのリボンが頼みの知らない道で、尾根、沢、分岐といった地形と地図とを照らし合わせて現在地を読む。
自信がないから、何度も立ち止まっては長考する。
このあたりは暗い林で展望もほとんどない。しかも分岐だらけだ。踏み跡があちらにもこちらにも伸びている。
何度も来ている、知っているつもりのこの山に、こんなにたくさんの知らない道があるんだということを思い知らされた。
いつもは体調や膝の具合と相談しながら歩くのに、次のコントロールに向けて気持ちが焦ってしまい、ペースがめちゃめちゃだ。
頻繁に立ち止まって地図を見るため、時間の遅れを取り戻そうと、ついペースがあがってしまう。
そうして“這うように登ります”がモットーの、足の遅いこの私が、ついに山道を走ってしまった。
走った?この私が山を?!
けど、走れるということは、体は案外軽かったのだ。
トレランの人みたいに山道を走っている自分にびっくりしながら、気持ちは少し浮いていた。ヒャッホウ!私ったら走ってるよ!
よく知っている道に出た後も油断大敵だった。
コントロールは山頂など明快な確認ポイントの”周辺”、つまりちょっと外れた場所や藪の中なんかに設置されている。ちょっと意地悪な感じなのだ。
見落として通り過ぎ、ウロウロと行ったり戻ったりを何度かさせられた。
自信満々でルートを選んだはずが、あっちから行った方が近かったのでは?ということもあった。
疲れはしたが、いつもの山歩きとはまた違った楽しさも感じた。
ルールのあるゲームの楽しさと。それに自分のなけなしの体力を賭ける心地よい緊張感と。
案外なことに、出会った花や景色なんかの写真をいつもと同じくらい撮っていた。
じゃあ、普段はどんな風に歩いているのだろう。
花や景色に気を取られていない時は、おそらく黙々とつまらない事をぼんやり考えながら歩いている。
今回は地図とルートに集中したがために、つまらない事を考えるヒマがあまりなかったかもしれない。
…次回へ向けて。自分用メモ。
・オリエンテーリング用の地図は、もうひとつ大きいサイズにコピーしておいた方が見やすい。
・普段の山行用の地図にも、磁北線を引いておく。
・コンパスのひもを短いものに付け替える。
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