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「山ヤ」という言い方に自分を含める時、なんとなく気後れを感じてしまいます。
もっとガッツリ登っている人たちを山ヤと言うんじゃないだろうか、私のようにハイキングかその延長みたいな感じで登る一般登山者は、含めないのじゃないだろうか。
それでも、まあ「山ヤ」の端くれ、裾野の下のほうだとしても、自分を含めて内向きに「山ヤ」と言ったりすることはあります。
私のもうひとつの趣味はバードウォッチングなんですが、こちらも「鳥屋」と言ったりする時に、同じような気後れを感じることがあります。
いやあ、私なんか歴も浅いし。光学機器も申し訳程度の安物だし、写真も撮らないし。そんなに熱心にライファーを増やそうともしないし。識別なんかも怪しいもんですよ、なんて心の中でたくさん言い訳しながら尻込みしている感じ。
それでも、私は「虫屋」ではないし、フィールドで出会った時にざっくり括ると、やっぱり「鳥屋」なんですよね。
虫も見ないでもありませんが、捕虫網を持っていたりは、しないわけです。かわりに双眼鏡をぶら下げて三脚を担いでいるので、やっぱりメインは鳥です。
そんな感じで、心の中でたくさん言い訳をしながらも”山登りをする人"を広く捉えて、その中に自分を含めて「山ヤ」と言うことにしたのには、実はきっかけがあります。
昔、学生だった時分に、ひょんなことから長谷川恒男さんのお話を聞く機会に恵まれたことがありました。
ヒマラヤとか登る人なんだ、ふーん、くらいの無知な学生だったのですが、自分のやってる”山”と、本物のアルピニストの”山”が全然別物であることくらいは、ぼんやりとわかります。
で、長谷川さんが「若い山ヤの仲間と会えて嬉しい」というようなことをおっしゃって、「いえ、私なんか山ヤじゃないですよ、せいぜい夏の北アルプス縦走をちょっとやるくらいで」と言ったら、「山に登る人は、みんな山ヤだよ」と。
本物のアルピニストに、真っ黒に日焼けしたいい笑顔でそんなことを言われたら、はいと言うしかないじゃないですか。なんかもう、お墨付きというか。ええ、私も山ヤでいいんですね、ありがとうございます!
その時書いて頂いた「日々是好日」というサインは、今でも宝物です。
そんなわけで、”山登りをする人”の中では裾野のほうの、1合目あたりなのかもしれなくても、久しぶりの高尾山6号路で筋肉痛が出たりしようとも。
一応ざっくりと「山ヤ」であると、言うようになったのでした。
もの好きにも山登りなんかが好きな連中のうちの一人であるには、違いありません。
そういえば学生の頃、山登りをする女子学生は「メッチェン」と呼ばれていました。
先輩に「メッチェン!集合!」と呼ばれて「ハイ!」
ランニングや歩荷練習の掛け声も「メッチェーン、ファイッ!オー!」。
うちの学校の中だけかもしれませんが。
自分で「メッチェン」を名乗ったことは、ありませんでしたね…。
私は自分の事を「昭和の山屋」と呼んでます。
今月辺りから西沢渓谷〜鶏冠山に行くと、山屋・岩屋・魚屋・沢屋が居て面白いですね。岩屋と沢屋は微妙に装備が違うだけですけどね。
いつも面白くてためになる記事をありがとうございます。
昭和のと言っちゃうと、なんとなくキスリングに一斗缶やら鉄鍋やら括りつけてニッカボッカで歩いてるイメージが…。
岩や沢の人がお道具をたくさん持って歩いてるのを見ると、かっこいいなあと思います。
西沢渓谷の入り口あたりでは、これからの季節は観光の人も混ざりそうですね。
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