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これはひょっとすると少し快復に向かうかもしれないと期待が持てそうに見える。以前ラグドールの方も極端に痩せて、もうだめかもと思ったことがあったが、この時は獣医さんに連れて行く事無く回復させることができた。
翌日になり、私は夜自宅に居ることができ、妻は夜遅くまで帰ることができなかった。
ベルがトイレへ行き、また机の下で横になっている。下痢になったらしく結構汚れているので、タオルを濡らし拭いてやろうとすると、やはりそこはそれ元来気高いネコなので直ぐに嫌がり、立ってその場から逃げるようにゆっくり歩き出してしまった。
私は少し追いかけてもう一度拭いてやろうとすると、今度はいきなりドタッと倒れ、背中を床に着け声を出すこともできず苦しそうにもんどりうち始めた。口を開ききりものすごい形相になり苦しんでいる。私はどうすることもできずに青くなり、「ゴメン大丈夫か、ゴメン大丈夫か」と言うだけしかできない。1分位してゼェゼェ肩で息をしながらよたよたと這うように机の下へ戻っていった。
私はその姿を見て、もう直ぐにでも死んでしまうと思い妻の携帯に電話して、事の経過を話し焦らないで早く戻ってくるように告げた。
1時間くらいして、妻が玄関を開け「ベル」と入ってきた。妻はかなり興奮しているので落ち着かせてから部屋へ通した。
先程の形相が余りにも鬼気迫るものだったので、この1時間私はもたないかも知れないと思っていたが、まだベルは机の下でゼエゼエ肩で息をしている。
部屋を真っ暗にしていたので携帯の明かりだけで机の下のベルを妻に見せると、「ベル大丈夫、ベル大丈夫」と声をかけるが、目はうつろで苦しそうにゼエゼエとやるばかりだ。しばらく二人で床に座り、ただじっとベルのそばで様子をみていた。
ラグドールのヌーもいつの間にか同じ部屋へ来てじっと座っている。ただヌーはベルの方を見ることは無く、ずっと反対側へ顔を向けたままなので、背中に手をやり「ヌー」と声をかけると、固まったまま辛そうにしている。
一度、立つのもおぼつかない身体で、ゼエゼエ肩で息をしながら、ヨロヨロ自分で歩いてトイレまで行った。ガサガサ砂を掻く音が聞こえる。そしてまたヨロヨロと戻ってきて私の前でドタッと倒れそのまま横になった。私に何かできることは無いだろうか。ベルは私に何かを伝えたいのだろうか。そぉっと手をベルにあてた。しばらくするとむくっと立ち上がり、またヨタヨタと今にも倒れそうな足取りで机の下へ戻りドタッと倒れるように横になった。
ずっと同じ部屋へ居ると、そういった自分の姿を見られるのが嫌なのか何なのかは解らないが、動こうとしてしまう。二人で隣の部屋へ行きベルをそっとして置いてやることにした。
翌日から私は出張で4日間家を空けなければならない。しかしベルは朝までもたないだろう。そのまま二人で床に横になったまま、今後の事を相談しながら朝を迎えた。妻は自分は今隣の部屋へ行くことができないから、私に行ってくれと言う。朝になり、もうおそらくベルは息を引き取っているであろう。そう思い隣の部屋へ行き机の下を見ると、なんとまだ苦しそうにゼエゼエとやっている。もう顔中ヨダレだらけになってしまったようだ。
妻に「まだ生きてるぞ」と声をかけ、私はベルの側へ行き横になり、ベルの手に私の人差し指をそっと当て、これで本当に最後になるだろうと思い別れを告げた。ベルはゼエゼエとしながら目はうつろなままだ。そのまま私は仕事へ出かけ、妻には仕事を休んでもらった。
つづく
すいません、2〜3話位にするつもりで書き始めたのが、又ものすご〜く長くなってしまいます。
jazzyさん、こんにちは。
昔、私の実家にも約15年いっしょに暮らした、トラねこの「チコちゃん」がいました。 チコちゃんは老衰で他界したのですが、私もそのチコちゃんを思い出し、涙ウルウル
w-koboriさん、こんにちは
私はヤマレコの草稿を書くときはいつも大体、
外出中に手書きして、帰ってからPCへ打ち込んでいます。
しかしこの辺りから、もうやばくなって
外出中には書くことが出来なくなったのでした。
jazzyさん、こんばんは。
多分私も、外出中に
jazzyさんのベルちゃんへの想いがすごく伝わってきます。
話全く変わりますが、ベルちゃんはすごくかわいいですね。
とりあえず手書きでは、ほぼ終わったのですが
PCに打ち込むのがまた大変で、、
ベルは中々表情のあるやつで、その4に比べた写真を載せてみました。
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