4月12日（日）コロナ感染‐日本型対応の行方

2020年04月12日 09:13コロナ・感染症全体に公開

この問題は、いろいろな側面があって、一筋縄ではいかない気がします。これまで「有事法制」にあれほど熱心だった自民党政府が、感染症に限って「人権保護」の観点から強制措置法に消極的なのは、どういうことなのか？経済に悪影響があることで消極的なのか？野党や世論の反対を恐れてそうなのか？

一方、今回の新型コロナ特措法は、2013年の新型インフルエンザ特措法を根拠に急遽導入したもののようですが、日本以外の主要国の感染症対策法令との違いが際立っているのは、今回の新型コロナの前のコロナウイルス問題であるSARS（2003）やMARS（2015）の際に、多くの国では死者が出たのに、日本では流行しなかったために、かなりの死者が出た韓国を含め主要国では厳しい措置の取れる法令が制定されたが、日本ではそうした対応策は取られなかったことが、今回の差が際立つ状況を生んでいると思われます。感染症問題では、日本の対応策が生ぬるくとも、感染者数はわかりませんが、未だに死亡例が他国に比べ、相対的に少ないことが首相や専門家たちが楽観している根拠になっていると思われます。感染症にはまるで「神風」が吹くようなーー。

一方、
戦前の治安維持法などの問題はあるものの、日本の歴史上トップダウンの強権発動はもともと苦手な国民性がある―欧米のような「社会の軍事的構成」の歴史に欠けているーという西欧史学者らの見方もあります。

　今後、この問題の終息後に、今後どうすべきか国会でも議論が進むと思われますが、少なくとも今回強権発動しないのは、「人権」の見地ではなく、あまり金をつぎ込みたくない政府の本音が透けて見えます。政府の言う108兆円対策は、実際は19兆円の「真水」しかない、と経済政策の専門家からは批判されています。

　経済対策も今回のように居酒屋営業8時まで、お酒7時までというのは、真綿で首を絞められるような状況で、いっそのこと営業停止いしてくれたほうがよいという居酒屋も多いようです。

　強権発動なしでこのまま終息に向かってくれればよいのですが、一方、またこれで収束に向かう場合、次にもっと厳しい感染症が来るときには、対応できなくなる恐れもあります。

　官僚・自民党・野党・企業・自衛隊・人権・経済・感染症――この複雑な方程式をどう解くのか？－－議論が深まっていけばよいのですが―――

2020-04-10 4月10日(金）庭の花

2020-04-12 4月12日（日）コロナ関連雑誌

お気に入りした人

人

拍手で応援

拍手した人

拍手

訪問者数：417人