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写真��大伽耶の装身具
写真�Ｉ敢儼和静瓠�冠帽、装身具
久しぶりに佐倉の歴博にー「伽耶」展を見に行く。コロナで延期になったものが韓国側の協力もあり、ようやく開催されたという。
会場に入ると、伽耶の特産である鉄製品が目を引く。大きな馬冑や蛇行状鉄器などは最近、紀伊風土記の丘や群馬県立歴史博物館などでも見たものと似ている。これらは5世紀後半のもので年代も似ている。おそらく伽耶からのものだったろう。「魏志韓伝」では「弁韓の鉄」と記されるものが、3世紀後半には大成洞の巨大王墓となって金官加耶国が生まれていく。甲冑や武器、馬具など豊かな鉄製品がガラスケースの中で見学者を取り囲む。今ではすっかり錆びているものも当時はピカピカ光り、当時の倭人を魅了したことだろう。また周囲の展示ケースでは日本の須恵器のもとになったような陶質の土器がずらりと並び、金官加耶のみでなく阿羅伽耶、小伽耶、大伽耶などの土器が並ぶ。また弥生時代に弥生人が海を渡った勒島（ぬくど）出土の弥生土器など海上交通と交易の様子を示す。
つぎに大成洞や他の伽耶地域の王墓も5世紀以降発展し、王墓からは豊かな装飾品や金属製品が出土している。
4世紀には伽耶は当時の通商ルートに乗り、中国や北方遊牧民族などの文物を受け入れた。
5世紀になると金官伽耶は高句麗の圧迫などもあり衰退し、代わって内陸で洛東江以西にある「大伽耶」国が成長し、伽耶地域の盟主となり、北方民族や中国、琉球―南西諸島などの文物と交易関係にあった。高霊池山洞4４号墳（5世紀後半）からは32以上の殉葬槨があった。殉死者は36人以上あったらしい。この時期に大伽耶はピークに達していたらしい。王墓からは豪華な金銅製品ー環頭太刀、金銅製冠、馬具、金製耳飾りなどのアクセサリー類が多数出土している。一方、倭国との交流も盛んで巴形銅器や近年韓国でも出土の多い筒形銅器、土師器など倭国と関係の深い出土品も多数ある。この頃になると倭国に多数の渡来人が活躍するだけでなく、倭人や渡来人の子供たちが朝鮮半島に進出し、交易業務などに携わっていたと思われる。栄山江流域を中心に南部各地に倭系の前方後円墳型の墳丘墓が出現し、九州と関係の深い横穴式石室に似た石室がみられ、両地域のはざまで活躍した人々の姿の一端を垣間見ることができる。5世紀後半には高句麗の南下に対して伽耶諸国は百済とともに新羅を支援して496年には対高句麗戦勝利を祝って白雉を新羅に送っている。479年には「荷知王」が中国の文献に唯一記録のある南斉に使者を送っている。
5世紀には大伽耶などの王墓から倭系の甲冑などの武具が副葬される例がある。また群馬の剣崎長瀞西（先週訪問）遺跡からは大伽耶系の耳飾りが出ている。剣崎長瀞の積石墓や朱楽は渡来人の遺跡らしい。
6世紀になると東から新羅、西から百済からの圧迫があり、大伽耶は次第に衰退し、新羅に統合されてしまう。6世紀には百済系や新羅系の遺物が多くみられるようになった。伽耶が最後に頼った南江流域にある山清生草古墳群9号墳からは須恵器や鏡など倭系の副葬品がみられる。大陸との交渉に活躍した倭系の人々の姿が浮かび上がる。
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