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前興行で講師の福島県文化振興財団＝埋蔵文化財センターの三浦武司氏が川俣町前田遺跡について話をされた。ここは、低湿地遺跡で三島町の荒屋敷遺跡同様、大量の木質系遺物ー漆塗りの木胎漆器や櫛、編み組製品などが出ているようだ。最近の発掘調査なので、保存その他以前とは格段に違う対応をしたのだろう。他に埋葬人骨や木柱140本、うち六本はカヤ、残りの大半はクリのようだ。また木の実や葉っぱ、キノコ、昆虫なども検出、中期終わりから晩期の遺跡らしい。約4800年ほど前らしい。ケンポナシのすくい具やムラサキシノブ属の刈り払い具、ガマズミ属の土掘り具、ニシキギ属のーマユミか？ー弓なども出ているようだ。そのあと縄文時代のウルシ、漆についての解説があり、そのあと町長の挨拶があり、正式な講演会が始まった。
講演は今回の大谷川の埋れ木の発見が沼沢火山との関係あり、いかに火山研究と、縄文社会の研究にとって重要かを話された。まず埋れ木がフレッシュで樹皮もついており、沼沢火山の噴出物も木にめり込むようについていてしかも表だけで裏にはついていない。樹木の精密なAMS年代測定に加えて同位体年欄年代測定を行い、極めて高精度の年代を出せたこと、坂下町の埋れ木の年代測定と比べ、およそ一冬ないし二冬の時間差を持って沼沢火山起源と思われる洪水ないしは土石流により、二つの埋れ木が生じたこと、この時間差を沼沢火山による只見川のせき止めとその決壊という事態を想定する火山学、地質学の研究者の見解が示される。
また考古学からは、沼沢火山が発生した5500年ほど前以前の大木６式古段階の遺跡分布と火山爆発後の遺跡分布＝大木６式新段階の遺跡分布を比較、火砕流などの範囲では、遺跡がなくなり、その外側に遺跡が移行していること、また、火砕流エリアに遺跡が戻るのにかかる時間経過がどのくらいかなど、現代の雲仙普賢岳の範囲の植生回復過程などと比較検討している。
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