2024年は、私にとって実りの多い年だった。と言っても何か具体的な成果があった訳ではなく、新たな一歩を踏み出した一年かと思う。まず、年の始めに土師器の勉強を始めた。とある考古サークルでたまたま寺沢氏の新刊を取り上げることになり、寺沢氏の庄内、布留式土器編年を学ぶことからはじめて、関西考古界の重鎮のー氏の庄内式土器再考というテーマの朝日カルチャー講座を、大阪まで出向いて受講し、お茶会を含め色々と質問に答えて頂き、そのかいもあって大阪府文化財センター、福岡市埋蔵文化財センターや大阪府柏原市の歴史博物館の土師器資料の閲覧をすることができた。無論、そのためには発掘調査報告書の中から具体的に閲覧リストを提出しなければならず、とりわけ福岡市では、関連論文と発掘調査報告書との突き合わせが容易でなく夜なべ作業が続いたが、勉強になった。実際の閲覧は、それぞれの埋蔵文化財センターや博物館の資料の保管状況など、今日の埋蔵文化財センターや博物館の抱える問題の一旦を見る思いであった。また、この間、閲覧を却下された経験もあり、素人と軽く見られないように野帳を常時携帯して様々な記録を取るようにアドバイスされ、それ以降野帳に、博物館の展示のスケッチやメモ書きなどをするような習慣がついたのは、大きな収穫だった。
また、４月始め頃、韓国の百済国関連遺跡と博物館のツアーに参加し、はじめて海外の遺跡ツアーに参加、漢城など四ヶ所の王都と関連博物館の資料を見学した。中でも全州博物館で見た松菊里遺跡の資料は日本の弥生時代そのものだった。いかに大きな影響を受けたかわかるものだ。
秋の縄文文化研究会の遺跡見学会では、静岡県東部の愛鷹山山麓の旧石器や縄文時代草創期の遺跡巡りと出土品の閲覧ができ、通常ではなかなか見られないように石器や土器などを手にとって見る機会を得られ、とても貴重な経験を得ることができた。
また、11月には、福岡市の九州歴史資料館で開催された筑紫君磐井一族展と関連シンポジウムを聴講し、朝鮮半島やヤマト王権との関係について考えを深めることができた。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する