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写真⓷薮塚および太田市内の埴輪展示
金山城跡ガイダンス施設の展示と史跡金山城跡の見学を終えて、今日最後の訪問先の高山彦九郎記念館に向かう。
高山彦九郎については全く知らなかった。こういう知られざる重要人物もいるのだと思うが、今日のメインは彦九郎ではなく廃館後、一部の資料が移管された「薮塚歴史民俗資料館」の資料だ。これらは資料館の二階に展示されている。
この薮塚歴史民俗資料館の最大の目玉は「石田川式土器」である。世良田駅周辺を走った時に「石田川」を渡った記憶があるが、この石田川遺跡出土土器はいわゆるS字口縁甕で東海地方西部から人が移動してきたことを示すもの。弥生時代末から古墳時代初頭においてこうした農耕文化・技術の先進地帯である東海地方からのヒトの移動とそれにより地域開発の進展は関東や東北南部における大きな出来事だった。薮塚歴史民俗資料館は、市町村合併の過程で廃館となったが、存続を望む声も大きく、資料の一部が高山彦九郎記念館に移されて二階で展示されることになったようだ。
また石之塔遺跡も薮塚の遺跡でこれの一部は今回の「縄文時代の太田」にも出展されている。ここでは異形土器などそれ以外の出土品も見ることができた。
また薮塚や太田市内の古墳の埴輪も多く展示されている。薮塚歴史民俗資料館の存続の訴えの意味がよくわかる展示だった。
参考１）高山彦九郎について（太田市HP）
■高山彦九郎をご存知ですか
高山彦九郎は上野国新田郡細谷村（現群馬県太田市細谷町）で生まれた、江戸時代中頃の勤王思想家で、幕末の勤王の志士たちに大きな影響を与え、明治維新を導いた人物です。
生涯を旅に過ごし、京都･江戸・郷里を拠点に全国各地を遊歴、公家・武士（大名・家老・諸藩士など）･学者（国学者･儒学者・蘭学者など）･文化人（画 家・歌人・俳人など）・剣術家・神官・商人・農民など様々な階層の人々と交流、その様子を地域の歴史・地誌・習俗・民情などとともに克明な日記に記録して
います。
第２次世界大戦以前は彦九郎の一側面が強調され、小学校の教科書にも載っていましたが、現在では、一部の高校日本史教科書に取り上げられているだけで、多くの人から忘れられてしまっています。
彦九郎は時代によって人物評価が著しく変わりましたが、太田市では平成５年（1993）の高山彦九郎没後２００年記念事業実施を契機として、その人物像 を現代的に再評価する機運が高まり、平成８年（1996）５月に太田市の施設として高山彦九郎記念館が開館しました。そして、平成９年（1997）５月に は記念館を会場に彦九郎生誕２５０年記念事業が開催されています。
高山彦九郎はこんな人
高山彦九郎は江戸時代の延享４年(1747)５月８日上野国新田郡細谷村（現群馬県太田市細谷町）に農民である高山彦八正教の次男として生れました。名は正之、字（あざな）は仲縄、号は赤城・金山、通称を彦九郎といいます。蒲生君平・林子平とともに寛政期に先駆的な政治理念を抱いた一人です。
１３歳の時『太平記』を読んで、「（建武の）中興の志業の遂げられざるを見て、慨然と発奮し、功名の志しあり」と、水戸彰考館総裁杉山忠亮の『高山正之伝』は伝えています。１８歳になると学者を志し、置手紙を残し、帯刀して京へ遊学しました。京では漢学者の岡白駒に学んでいます。伊勢崎でも村士玉水などから垂
加神道の尊王思想の影響を強く受けたとされます。
彦九郎２７歳（安永２年）からの厖大な日記が残されています。日記の記録から蝦夷地（北海道）、四国以外ほぼ全国に及ぶ旅をしています。日記にはその土地の地誌や里談、自然災害、うちこわしなどの社会状況、忠義・孝行などの伝聞のほか、極めて多数に上る人々との、幅広い交流が記録されています。江戸では、蘭学
者前野良沢・儒学者細井平洲簗次正服部栗斎京では、高芙蓉大村彦太郎・公家の岩倉具選・芝山持豊。水戸では立原翠軒藤田幽谷など多岐にわたる人々に及んでいます。
彦九郎は多くの人々との間を交流し、情報の媒介者として、全国をくまなく遊歴した旅の思想家です。寛政３年(1791)７月１９日、京を立ち、九州へと旅を続けた後、寛政５年（1793）６月２７日筑後国（現福岡県）久留米の森嘉膳（嘉善）宅で自刃し、４７歳（数え）の生涯を閉じます。
彦九郎の自刃後各地で彦九郎を敬慕する尊王の人々の動きが現われます。江戸中頃の幕藩体制崩壊の兆しの中で、近代を告げる彦九郎の尊王思想の先駆的な行動と実践は、吉田松陰・高杉晋作久坂玄瑞・中岡慎太郎・西郷隆盛を始めとする幕末の志士達に強い影響を与え続けました。
参考��廃館となった薮塚歴史民俗資料館について（朝日新聞記事）
集客だけで測れぬ文化財受け継ぐ使命 進む再編、問われる存在意義
有料記事現場へ！
編集委員・宮代栄一 千葉恵理子2024年9月12日 17時00分
現場へ！ 危地にある博物館��
その場所は更地になっていた。群馬県太田市にあった「藪塚本町歴史民俗資料館」。2021年に老朽化を理由に閉鎖され、取り壊された。収蔵されていた遺物の一部は今、江戸期に活躍した地元出身の勤王思想家・高山彦九郎の記念館の２階で公開されている。
耐震化工事なども難しい状況だったといい、「藪塚の展示は元々考古資料中心。引っ越ししたと思ってもらえれば」と市文化財課資料館係。だが実際に訪れると、１館での異なるジャンルの同居は違和感がぬぐえない。
博物館再編の動きはほかでも見られる。千葉県は20年策定の「千葉県立博物館の今後の在り方」に基づき、千葉県立中央博物館の大多喜城分館（大多喜町）と大利根分館（香取市）を地元自治体へ委譲する方針だ。
同県は2000年代以降、安房博物館を館山市に、上総博物館を木更津市に委譲するなど、県立博の再編を図ってきた。今後は県立中央博物館（千葉市）に機能を集約し、「専門性を生かしつつ、研究成果をわかりやすく、迅速に県民に還元する博物館活動を目指す」と県文化振興課学芸振興室の立和名明美室長（59）。
現在、大利根分館は休館中。委譲について県は「協議中」とするが、香取市に聞いたところ、「担当課がわからない」。一方、大多喜城分館は一部休館中で、町は委譲受け入れを決めている。しかし、同町には文化財担当が会計年度任用職員１人しかいないため、新たに学芸員を採用し、「どのような常設展を作るか」を考えるところからのスタートになりそう。町は「博物館の中身については、お話できる段階にはない」と話す。
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