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日記
大石遺跡展関連講演会シリーズ最後は、「縄文時代中期農耕」に関するもので、講師は、会田進氏(八ヶ岳縄文楽会、元長野県考古学会長)。これまでの縄文農耕論の学史を振り返り、また近年の土器圧痕研究や植物考古学の進展を踏まえて、様々な観点から縄文農耕をどうとらえるべきか？果たして農耕と言えるのか？などについて持論を述べられた。農耕をどう定義するかにより、見解が変わってくるが、大陸各地では縄文早期にあたる一万年前から農耕の歴史がはじまり、五千年前の縄文時代中期には、西アジアやエジプトで王朝が開かれていた。欧州でも六千年前には、農耕牧畜が伝播しているので縄文社会に何らかの栽培行為がはじまっても全くおかしくない。クリも栽培と見れば果樹も農耕の一種ではある。しかし西アジアの小麦や羊、東アジアのイネ、アワ、キビのような生活を限られた作物に依存するような農耕社会は日本列島には訪れなかった。そのような作物になる野生種は存在しなかったので、あくまでも生活を支える多種多様な食料資源の一つだった。栽培と言っても集落周辺の肥えた土地に豆などを育てれば種子が大きくなって行くことは十分あり得るし、栽培品種化したかどうかは、DNAを調べる必要があるだろうが、まだ炭化種子などからは検出されていない。今のところドメスティケーションの段階はまだ低く、野生種採取に少し人手が加わった少し進んだ状況と言うしかなさそうだ。
3月８日(土)八ヶ岳美術館「大石遺跡」��
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