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2025年10月04日 20:31講演会・研究会全体に公開

?27,28日(土日)石器研究会「関東東海旧石器研究」シンポジウム

石器研究会は1985年設立の旧石器研究者の団体で今年で40周年になり、それを記念して大掛かりな研究集会を企画した。100名以上が集まり、学生や女性参加も全体の4分の一以上となり、学会としては久々に盛況な集まりとなったらしい。予稿集はいねたーネットで配信されたが、素人にはなかなか容易には理解できない内容。とりあえず話を聞けば少しは理解が進みそうなので、土曜日朝から参加した。1976年、50年近く前に東京の野川遺跡発掘調査から始めった武蔵野台地の旧石器編年とその後1978年に月見野遺跡調査後に設定された相模野台地の旧石器編年(相模野編年)をその後新たに調査された多くの遺跡を加味して後期旧石器以前の中期旧石器といわれる星の遺跡に始まって縄文草創期までの長い期間の旧石器時代の変遷を、石器の変遷、石材、環状ブロックなどいくつかの主要なテーマを総勢17名の研究者が論じた。東北大出身で現在東大総合研究博物館に所属する鈴木美穂氏は、「南関東の石器群編年とMISステージ2の環境変動」というテーマで、出土石器構成の変化と気候変動サイクルが連動し、フォレージャータイプの石器構成とコレクタータイプのそれが交互に繰り返していることを述べた。気候変動サイクルと旧石器人の移動距離の変遷が連動しているという見解は妙味深い。ただ、まだ仮説を立てたばかりで論文にできておらず、s予稿集に載せられなかったのは残念だ。星野遺跡の中期旧石器という議論に関しては、土層や炭化物などの年代測定を行っても、出土したといわれる「石器」が本当に石器であるかどうかをどう証明するのか?自然石の可能性も高いので、何人かの専門家に尋ねてみても「難しい」「現状では決め手が見当たらない」と懐疑的だった。
 東北大学では後期旧石器以前の石器の探求で芹沢先生が熱心に追求してきたが、明大の杉原壮介らに「偽石器」とされ、その後「旧石器捏造事件」に繋がってしまった。その後、その流れをくむ東北大学などの研究者の間で後期旧石器以前の石器の探求は続けられ、星野遺跡や大分県の「早水台遺跡」などでかつての発掘調査を見直し作業をして報告書を出しているが、その写真を見ても、今回の星野遺跡と似たような印象を受ける。貝水準が100m以上低下した時代の遺跡の多くは海の底に沈んでいる可能性もあり、そうした遺跡が水中考古学などで発見されていけば、新たな可能性が出てくるかもーー??
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