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最近、只見付近の山を歩く機会が増えたことから、只見線沿線を走る機会が多く、「おかえり只見線」という幟とともに、特に浅草岳に登った10月9日は、老若男女を問わず沿線で写真撮影する多数の方を目にした。
こんな光景を見ながら、只見線を撮影する人が増えても、みんな車だし、只見線に乗るわけではないないんだよね〜などと悲観的な思いをしながら車を走らせていた。
しかし、先日朝のラジオで只見線を年間300日撮影するという写真家の星賢孝さんの話を聞いて、只見線の再開通で大事なのは乗ってもらうことではないそうだ。
只見線沿線を走っていると、川沿いの鉄橋を中心に、本当に路線が素晴らしいのがわかるが、その光景の中に列車があるとないとでは、全然光景が異なることがわかった。単に川に浮かぶ橋梁のみならず鉄路に列車が走る光景こそが絶景なのだ。星さんは、「魂が入る」と表現する。このことは写真家の中井精也さんのNHK番組を見ていてもわかる。
只見線の復興は只見線に乗ってもらうことが本質なのではなく、この絶景の只見線を見に足を運ぶ。その通過時間は一瞬かもしれないが、その一瞬の美しさが、来た人の胸の中に一生残る。そして、活性化の点から言えば、見に来た方が地元に宿泊し、食事をして、温泉に入って、お土産を買って、お金を落として行くことが活性化に繋がる。最近ではSNSの効果もあり、インバウンド効果も注目されているらしい。
例えば、只見線沿線は、朝霧の美しさが際立つ路線としても有名だ。ただ、その朝霧は早朝だけで、時間が経過すれば消えてしまう。早朝、朝霧の橋梁を渡る只見線を撮影するには、近県でない限りは前日から、現地に宿泊しないと難しい・・・なるほど。
営業係数ばかりで議論している自分たちの視野は狭いのかもしれまない。ただ、維持費は自治体の重い費用負担となっており、沿線の活性化がどの程度効果が及ぶかというと未知数である。赤字ローカル線をどのように維持していくかという点で只見線の関連事業が成功することは、ローカル線をもつ全国の沿線自治体にとって先進事例となり、地方を勇気づけることになるだろう。そういう意味でも今後の只見線の復興事業に注目していきたい。
※写真は、1枚目は私の車と併走する只見線
2枚目は、名峰浅草岳の稜線上にある鬼ヶ面山。ちょうどこの下に只見線の鉄橋が見える。私が撮影した約1分後に只見線の始発列車が通過した。まさに、千載一遇のチャンスを逃した。
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