某ジムにてツインゲートビナでのトップロープから墜落事故が発生した。
暫時事故に関するコメント等を読んでいた所、ウィップラッシュ現象が原因ではないかという意見がありそれに同調する意見も多かった。
正直ウィップラッシュ現象が原因だとする事故報告について懐疑的であり、2014年の発売直後から革新的だ!としていち早く購入して愛用している身からすると使用者の市民権を奪われてしまったようで心苦しい。
今回を基にウィップラッシュ現象についても改めて調べてみようと思った。
そこで、とりあえず詳しく紹介していたのが冒頭URL記事。
https://www.ropelab.com.au/carabiner-gate-mass/#attachment%20wp-att-2451/0/
初めに、日本においてウィップラッシュ現象を紹介する時に、このウィップラッシュとフラッター現象を混合して書かれる事があるが、カラビナを叩きつけた時に慣性によってゲートが開く現象をウィップラッシュ、ロープがすばやく流れた時に、振動がカラビナに伝わりゲートも開いてしまう現象がゲートフラッターだ。
だと。思う。ブラックダイヤモンドの公式HPでの紹介ですら「 墜落時の振動によりカラビナのゲートが一瞬開いた状態(ウィップラッシュ現象)」と紹介してるので正直自信がない。
Flutterの意味が「飛行機の機体は一種の弾性体であり、飛行中に翼などに起こる弾性振動は低速時には空気の力で減衰されるが、ある限界以上の高速になると空気の力で逆に翼の振動を助長し、振幅が加速的に増大して翼が破壊され大事故の原因となる。(wikipedia)」であり、whiplashは「鞭打ち」なのだから間違ってないと思うのだけれど、あまりにも間違った記述が多い。ゲートフラッターという言葉がそもそも聞き慣れずに混同して考えられて浸透してしまったのかもしれない。
ゲートが破断して墜落するケースならともかく、大抵のロープが外れて落ちる事故の原因は、この記事で紹介されているようにロープに対する捻じれ効果によってロープが外れるケースの方が圧倒的に多いと思っている。
【事例紹介URL】
https://r2roperescueropeacce.wixsite.com/office-r2/climbtips1
例を挙げるとマラ岩のブルースパワーなどはロープ方向や岩の形状などによって正しくセットされた状態でも外れてしまうケースがある。
基本的にカラビナは壁に対して平行な状態で使用される事を前提としていて、平面的な考えによって作られている。
もし、カラビナとロープ間で捻れが生じた時に立体的な動きになり、想定と異なる方向からロープがゲートに関わってしまい外れる事は珍しくない。
まず最初に教わる危険行為「逆クリップ」は立体的な状態にしてしまう最たる例だ。
今回のケースで仮説を立ててみたのだけれど、ベアールが販売している「10.2mmロックアップスクール」は末端が折り返しになっていてロープとカラビナがほぼ固定された状態になっている。
https://www.lostarrow.co.jp/store/g/gBE11514001/
ロープがキンクしていた場合、ロープのキンクに逃げ場がないので、そのままカラビナを捻じれさせてしまうのではないだろうか。
大型クレーン車などのフックなどもワイヤーのキンクを逃がす為に、フックには回転を解消するための機構があり、スピード競技などに使用するオートビレイ機のフックにもそれは備わっている。
捻じれる事によりツインゲートが外れるかは検証していないのでわからないが、捻じれを殺せないのでロープの消耗もかなり速くなってしまうのではないだろうか?
というか安全環付きビナでも2枚にしていたのに、何故ツインゲートなら1枚でも大丈夫という事にしてしまったのだろう。。。グリベル社製ツインゲートの問題というよりはベアール社の製品構成にこそ問題があるような気がしています。
ツインゲートの汚名を晴らすためにも、メーカーが先頭に立ち、早急に原因を追求してほしいと思うところだ。
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