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そのうち最も高い山が、石鎚山の西にある二ノ森（1929m）である。それを知っただけで、ぜひ登りたい山となった。
だが、どこから登るのにもアプローチが長い。結局、新居浜から日帰りすることを考えて、車で丹原町の落合から中山川、さらにその支流の鞍瀬川沿いの道を最奥の集落保井野に行き、堂ガ森、二ノ森と登ることにした。5月の中旬ともなれば新緑も美しいに違いない。
保井野は平家落人伝説が残る集落だが、戦後間もなくの頃まではわずかな畑（常畑）で雑穀や裸麦を栽培し、その周辺部の林野を利用して切替畑（焼き畑）を開き、木炭や薪をつくる暮らしだったという。
登山口は集落よりさらに1.5�劼曚匹里箸海蹐砲△辰拭Ｅ仍蓋�から沢沿いに樹林帯を通り越して尾根筋を目指して広葉樹の雑木林をジグザグとのぼって尾根に出る。から池と呼ばれるところだ。そこから尾根に沿ってシャクナゲ帯の急登を登る。残念ながらシャクナゲの季節にはまだ早く、つぼみはまだ硬い。水呑場の標識のところで、一息入れる。
面河村の梅ヶ市からの登山道合流点に達すると急に展望が開けた。稜線は笹原に覆われ、眼下には面河ダムの水面が光っていた。
「喘（あえ）ぎつつ尾根にいづれば笹原の照り輝けり新緑の海に」
堂が森から鞍瀬の頭、二ノ森と続く稜線の南側は笹原が広がり、笹尾根を快適な足取りで進む。それとは対照的に北側は大きく切り落ちている。アケボノツツジが岩肌に咲いているのが見えた。どうやら、今年は１〜２週間開花期が遅かったようだ。
五代ガ森への稜線と主稜線との分岐点の五代の別れから振り返ると、堂が森は堂々とした姿を見せる。
「尾根づとふ笹原の道たどりゆく緑の風を頬にうけつつ」
そこから鞍瀬の頭の腹をトラバースして、痩せ尾根をたどると二ノ森の山頂である。
山頂からは石鎚の雄姿が大きく眼前に迫って見える。ただ、面河側の山容はいつも見慣れた石鎚山とは違い、山頂の神社がギリシャの神殿のように見えるのも面白い。
「石鎚の峰にまします宮代の神殿のごと砦のごとし」
再び堂が森へと引き返すが、手近なところにアケボノツツジが咲いているのを発見し、写真に収める。
二ノ森から保井野の登山口まで標高差1400m近い下りである。頂を極めた満足感なのか心に生じた余裕なのか、登りとは別の景色が見えた。
「とりどりの葉色葉型を楽しみつ新緑のなか山をおりゆく」
（参考資料）データベース『えひめの記憶』中山川上流域の山村
「愛媛県史 地誌�供陛賤重貮堯法幣赦�63年２月29日発行） 第二章 周桑平野 第四節 交通・集落 五 中山川上流域の山村」
https://www.i-manabi.jp/system/regionals/regionals/ecode:2/32/view/4557
（山行記録）2005年5月14日
8:40保井野登山口 10:38水呑場 10:54梅ヶ市からの登山道合流点 11:30堂ヶ森 13:08二ノ森 14:31堂ヶ森 16:39登山口
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