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言い換えれば、ひざ下までのニッカーボッカーには、ニッカーホースと呼ばれる膝上までの長靴下が必需品なのである。
ところが、ウールの靴下は、どうしてもかかと部分やつま先が登山靴と擦れて穴が開いたり、雨や汗などの水分で縮んで窮屈になったりと、一種の消耗品と言っていいものである。
現に最初に買った安価な白いウールのニッカーホースは、すぐにダメにしてしまった。当然、長いだけソックスより高価だから、これでは不経済だと思っていると、耳よりの話を聞いた。つま先とかかとのない長靴下が売っているというのだ。
早速、登山用品店に行くと、土踏まずのところだけある独特の形のニッカーホースが売っているではないか。スウェーデン製だという。まだまだ「舶来品」という言葉が生きていた1960年代のことである。外国製といえば高級なものというのが一般的な感覚で、高校生の私などは外国の製品を買ったことも、身に着けたこともなかったのだった。
確かに普通の登山用靴下より少し値が張ったが、しっかりした網目で、いかにも丈夫そうだ。店主が言うのには、脱脂処理がしていない太めの毛糸を使って編んであるので、温かいばかりでなく、濡れにも強く、収縮もしにくいという。即断即決、購入する。
以来、季節を問わず山に行くときは、必ず履いていったが、朝露の笹原を歩いてぐっしょりぬれてもさほど冷たさを感じないし、厳冬期も厚手なので保温性も申し分なかった。ただ、次第にくたびれてきたので、いつごろからかゴムひもを縫い付けてずり落ちないように工夫していた。
このニッカーホースは、かれこれ40数年使ったから断捨離の対象外で、まだ手元にある。一度、オールドファッションスタイルで記念登山でもしてみたいものだ。
なお、冬用の登山手袋も未脱脂ウールのものを愛用した。こちらは、二対手元にあって、今も現役である。
注:未脱脂ウール(バージンウール)について
未脱脂羊毛(みだっしようもう)とは獣脂を抜かない状態の毛のことです。羊の毛には多くの獣脂が含まれておりますが、この脂を抜かない、刈り取ったままの羊毛をこのような呼び方をします。https://www.chiyo-weaving.com/wool
ニッカボッカとは懐かしいです。登山を始めた頃はほとんどの人がニッカだったので、それには当然ニッカホースでした。
私は当時はハンガリーのハンガロテックスの手袋と靴下を使っていた記憶がありますが、今となっては何一つ残っておらず、fengsanさんの道具を大事にされる姿勢に脱帽です。
ハンガロ手袋は使い始めにわざわざ洗って目を詰めるために縮める作業をした覚えがあります。
思出話で失礼しました。懐かしいお話ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
古い山の道具をいつまでも使っていたのは、貧乏性だからでしょうね。
私の冬用手袋もハンガロテックスだと思います。ただ、残念ながらいつ頃どこで買ったか明確な記憶がありません。
ただ、振り返って見ると、最近の安けりゃいいという購買姿勢と違って、買うなら一級品をという精神はもっていたみたいだなあと、しみじみ思うこの頃です。
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