僕の山登りは宿題から始まったⅡ

2016年08月29日 12:28登山全体に公開

　３０年近く前からの宿題だった白馬大雪渓からの白馬岳山頂到達から僕たちの山登りが始まったのは６年前。それから北アルプスを主にあちらこちらの山を目指した。
　たった今、｢大岩壁｣(笹本凌平著･文芸春秋社)を読み終えた。ひたすらナンガ・パルバットの冬季初登頂をめざす物語なのだが、その人間模様にハラハラドキドキさせられ一気に読み終えてしまった。実際の冬季初登頂は今年の２月下旬に達成されているがこれはそれ以前の2015年12月まで雑誌に連載されていたものなので、まだ登頂が達成される前に書かれたものだ。現時点で冬季登頂が残されている8000m峰はK2だけだとか・・・
　さて、本題に戻ると｢Ⅰ｣でも書いたようないきさつで始めるようになった僕たちの山登りだが、登るペースは一般の人たちよりもかなり遅い。山と高原地図などに示されている標準タイムでは到底登れないのだ。それは年齢を重ねたからではなく、若いころから歩くスピードが遅かったのだ。そのことを実感したのが20～30歳代初めに参加した国民の運動能力を調査するために文科省が行う体力テストの時だった。
　学生時代に競技スポーツをやってきた僕は、いろいろな種目で年齢以上のデータが出たが、唯一｢急歩｣だけ、60歳代の値を下回っていた。実施内容の詳細は忘れてしまったが、とにかく｢ひたすら歩く｣という種目だった。一生懸命歩いているのに、どう考えても僕の倍以上の年齢だろうと思われる人たちに次々と追い抜かれていくのだ。そういえば、そのころは道を友達と並んで歩いていても、いつの間にか僕が遅れて小走りで追いつくなんていうことが普通にあった。あのころから「僕は歩くのは遅い」と常に感じていたのだ。
　そんな歩みの遅い僕は他人と同じルートを縦走するのにも日程を余計に取らなければならない。そんなこんなで、到達できなかった頂がこの数年間でいくつかあった。
　谷川岳オキの耳　これは体調が思わしくなく、2000mに満たない山だったがなんだか生あくびが出て頭痛が起こり、吐き気ももよおしてトマの耳までで断念した。おそらく高山病の症状なのだが、2000mに満たない山でも体調によっては症状が出るということに驚いた。ここはずっと宿題として残っていたが今年、娘と西黒尾根から登って達成。
　五竜岳　9月下旬に遠見尾根から登ったが途中から降雪、足の痙攣もあり途中ビバークも考えたが妻もいたので何とか山荘までと思い、ハイマツに足を取られ転がりながらも暗闇の中(あの時転がって崖から落ちていたら今は生きていなかったなとあまりの無謀さに恐ろしくなる)、ヘッドライトをたよりに五竜山荘へ到着、予定のテン泊をせず、山荘に泊めてもらい翌日はめちゃくちゃな筋肉痛に襲われ、頂へ向かわずに唐松岳へ。結局、五竜岳は宿題として残ってしまった。
　北穂高岳　涸沢にテントを張り、そこから北穂、奥穂へのピストンの予定だったが、一日、強い雨の日があって奥穂だけ登頂。北穂は宿題として残る。
　常念岳　昨年晩秋に蝶ヶ岳～常念岳に出かけたかったが、日程の都合で蝶ヶ岳ピストンのみになってしまったので宿題として残る。
　鳳凰三山　今年GWに計画したが天候不良のため、当日朝急遽別の山に変更し、宿題。でも、7月末に宿題達成。
　薬師岳　今年の黒部源流行の当初計画には入っていたが日程の関係で最後の最後に外して宿題。
　双六岳　同じく今年の黒部源流行の計画には入れてあったが疲労を考えて、前日にパスを決め宿題として残す。
　妙高山　本当は今日登っている予定だったが、台風の影響で風が強そうなのと、妻の体調不良で今後の宿題。
　このように宿題がかなり残っている。いろいろと登りたい山もあるので、宿題だけに取り組むわけにはいかないが、計画の合間に少しずつかたずけていきたいと思っている。
　僕たちが山に登れなくなるまでにあとどのくらいの時間が残されているのか、それはわからない。かなり年配の方たちも山でお会いすることがあるので、まだまだ登れるかも？なんて思うこともあるけれど、こればかりは人それぞれ、トレーニング次第、何とも言えないなあ。
　果たして宿題はすべて片付くことになるのだろうか？

2016-08-29 僕の山登りは宿題から始まったⅠ

2016-08-30 山わずらい

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