雨の日曜日。我が家の窓からは雨に煙った日和田山が見えています。そしてこれまでの暑さが嘘のように肌寒い日をむかえています。
金曜日に歩いた日和田山〜顔振峠への道迷い検証のための日和田トレイルは、本当なら今日、出かけるはずでした。でも、台風21号の影響なのか、秋雨前線南下の影響なのか、天気予報が思わしくなかったので、金曜日に無理矢理休みを取って日の出前から歩いてきました。
昨年もここに記したのですが、数年前から秋雨前線の南下がどうも早まっているような気がしてなりません。8月中旬以降になるとそのために天候が不安定になるのです。昔からそうだったのに、僕が天候を意識し始めたからそう感じるのでしょうか。
今年も8月中旬に北アルプスの縦走を計画していたものの、天候不安定の予報で下旬に延期したにもかかわらず、さらにそこも風雨・雷雨などの予報で断念せざるを得ませんでした。(他の方のレコを拝見すると実際にガスガスで暴風雨に近かった様です)結局、8月は初旬の2泊3日剱岳への山行だけになってしまいました。
それではあまりにも残念なので、目先を変えて故郷の奥武蔵の山々を歩いてみようと考えました。子供の頃からおにぎりと水筒を持って登り親しんだことの多い山々です。これまで日本アルプスや八ケ岳など高山に目を奪われがちで、あまり目を向けなかった故郷の山々の魅力を再発見できたらという思いも少しわいてきて、縦走でつなげてみようと思い立ったのです。
歩いてみると奥武蔵は、車の通行できる林道や、一般登山道、林業関係者等が使う作業道、獣道などがかなり入り組んでいます。特に北側の稜線沿いは、50年程前「奥武蔵グリーンライン」という林道が整備され、その時、昔からあった山道がかなり分断されてしまったことも原因の一つかもしれません。今回2度歩いてみて、2度とも道迷いをしてしまい、「奥武蔵は難しくてあなどれない」とあらためて感じさせられました。(レコにあげてあるので興味があれば詳細はご覧ください。)
実は故郷の山々を歩いてみて、新たな驚きとして強く感じたことがありました。それは山を歩いているときの僕の目線です。北や南のアルプスなど高山を歩いているときの目線と奥武蔵を歩いている時の目線が明らかに異なっていることに気づかされたのです。高山を歩いているときの僕の目線は完全に「登山客」としてのそれなのに対し、奥武蔵を歩いているときには登山客やハイカーを迎える側の目線になっているのです。ですから、登山道や表示・標識、案内板の整備状況や無法状態のようにつけられている何のための表示か分からない色とりどりのペンキの矢印やマークなどの混在で、山を楽しみに出かけてくる人たちに安心して歩いてもらうには整備が不十分なのではないかと感じてしまうのです。
折しも日和田山のある日高市は昨年「遠足の聖地」を宣言し、内外に発信したばかりです。今回のトレイルでは日高市内の山道はトイレなども比較的整備され、迷うこともありませんでしたが、縦走するには他に3市町の地内も通過します。ハイカーにとって行政区分は関係ないので、トレイルが跨がる自治体が連携しないと整備が行き届かないということになってしまうと感じました。たまたま市行政の中枢に携わる人ともつながりがあるので、昨日会ったときに山道整備について現状を話してお願いをしたところ「他の市町にも連絡をして考えてみよう」ということだったので、今後整備が進むことを期待したいと思っています。
今回、故郷の山々に目を向けて歩いてみたことで、日本アルプスなどの高山と奥武蔵などのような低山では、僕の中での楽しみ方に違いがあるのだなと感じました。
料理に例えるなら、高山は洗練されたフランス料理など西欧の料理を味わう楽しみに近く(といってもそれほど食したことはないのですが感覚的に)、低山は郷土料理や田舎料理などのように洗練された鋭さは無いけれど、ジワジワと味わえる奥の深を感じます。そして、さらに高山では登山道が整備されているので出番の少なかった地図読みの練習にもなりました。
この夏、不安定な天候で高山へあまり出かけられなかったのは、神様が「もっと視野を広くしていろいろな楽しみ方をしてごらん」と僕に教えてくれていたような気がします。
これからは、西欧料理だけでなく、田舎料理もしっかり味わっていきたいなあと思い、レコへのコメントでsnowch さんに教えていただいた「奥武蔵登山詳細図」(吉備人出版発行)を手に取って、山と高原地図や国土地理院1/25000地形図、家にあるガイドブックなどとも見比べて、次の山旅を考えています。特に「奥武蔵登山詳細図」と他の地図などを何種類も比べて眺めると、それだけでもとっても楽しい時間を過ごせています。
今、退職間近の僕は「故郷の山歩きレンジャー」なるものを勝手につくって「自称レンジャーになれるといいな」なんてちょっと夢が頭を持ち上げ始めています。そのためには、もっともっと故郷の山々を歩いて精通し、熟知しなければなりません。そうすればこれから先、体力の衰えとともに高山へ出かけられなくなった時にも楽しめるかなあと思っています。
思い入れが強すぎて長文になってしまいました。最後までお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。
todora5502さん、こんにちは。
私、川越在住なのですが登る山は遠方ばかり。
埼玉県内の山は、ここ数年登っていません。
埼玉県内には奥武蔵・秩父など良い山があります。
今後、私も視点を変えて県内の山を登りたいと思います。
jundaigo さん
コメントをありがとうございます。
おお!川越にお住まいなのですね!!
私も登りたい山は遠方の山々が多いです。登頂を断念したり、登頂してもガスガスで何も見えなかったりして再挑戦したい山も多いのですが、子供の頃からこれまでも何度も登っている山でしたが、今回、天候不安定で出かけられなかった腹癒せ(?)に思いついた縦走でした。そして、その難しさと面白さを感じることになりました。
これからは、高山も、低山も・・・楽しんでいきたいと思います。若干雪山もやるのですが、奥武蔵や秩父あたりの低山なら冬も雪があまりないですし、気候も良さそうですからね。
jundaigo さんもお近くなので是非いらっしゃって楽しんでください!
こんばんわ
「田舎料理を味合うような低山の魅力」・・・北関東在住なので八ヶ岳(北八つだけですが(^_^;))等にはアクセスがいいので夏場は出掛けますが、秋から春にかけては、たまに雪山ハイキングに行くだけで主には里山歩きになります
家から僅か5分ほどに標高500mほどの里山が3座
トレーニングも兼ねてゆるゆる歩いています
里山故に危険が少なく、半日あれば充分楽しめます
秋には紅葉を愛で、冬の落ち葉の道をサクサク歩き、春には早い新緑を楽しむ
身の丈にあった山を選べば、いくつになっても楽しめると思いますので、里山とは長い付き合いになりそうです
air_4224 さん コメントをありがとうございます。
北八ツもいいですね。南の岩稜とは異なった、穏やかな森の美しさを感じます。白駒や北横など積雪期に訪れましたが、雪の無いときにはどういうわけか訪れる機会が無かったので行ってみたいと思っています。
私の家の周りにも奥武蔵の玄関口ということで300〜400mほどの山がたくさんあり、コースも多彩です。遠出をするとどうしても、あっちもこっちもと欲が出てしまいますが、いつでもいけると思うとゆっくり、のんびり楽しみながら歩いて行きたいと思っています。
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