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2020年04月20日 12:57雑感全体に公開

王様の耳はロバの耳

 nori300さんの日記を拝読して、強く賛同しました。そりゃね、僕も人間ですから感情がありますよ。それが、日記の端々に棘となって出てしまっていることもね。荒れないように荒れないように、気持ちをできるだけ穏やかにしながら書いているつもりではありますけど。
 そんななら書かなきゃ良いのだけれど、空気の入った風船と同じように、どこかをおさえるとどこかが飛び出すわけで・・・
 「王様の耳はロバの耳」を思い出しました。知っています?いますよね・・・イソップ寓話の。僕は理髪師が秘密を吐いたのが、裏庭に掘った穴だと思っていたのですが、ものによると葦だとか。どっちでも良いんですけどね。このサイトを、その穴だとか葦だとかにしてはいけないのだなあとふっと思ったんです。僕もしていたなあと。
 そこで、これから、過去レコも増えてきているので「これまでに経験した危機(危険)」なんていうのを思い出しながら記してみようかなと考えました。
 山での遭難や滑落、道迷いなどのレコを拝見するのって、結構好きなんです。(山だけじゃなくてもね)面白半分じゃなくて、自分の間接的経験として。だから、遭難検証報告などもよく読みます。それでどのくらい経験値が高まるかはわかりませんけど、知っておいて損はない・・・
 まず今回は、20年以上前に新潟と福島の県境にある奥只見川の奥へ渓流釣りに出かけたときのことを記します。
 8月下旬でした。仲間と3人でキャンプしながら渓流釣り。夕方まで川を遡りながら釣りをしていたところ、すっかり暗くなってしまい、このまま川伝いに歩くのは危険だと判断しました。右側の崖を登っていけば、そう遠くないところで車道に出られるというぐらいの地形は頭に入っていたので、登り始めます。藪をかき分け、雑木林を抜け、かれこれ1時間ほど。陽はどっぷりとくれて真っ暗。たぶん、ペンライトぐらいは持っていたのかも知れませんが、それを出すのもめんどう。汗びっしょり。腕や顔は傷だらけ。
 だんだん不安になってきて仲間が「大丈夫なのか?」と言い始めます。3人の中で僕が一番の経験者で2人を連れてきた手前、任せておけ!と強がって進みます。プライドっていう奴ですね。
 やがて、藪が切れ、崖下に見えたのは道ではなくて川の流れ。
「あれ?」自分達が何処へ出たのかまったくわからなくなってしまいました。僕の頭の中の地図はぐちゃぐちゃです。でも、そこを降りるしかないので、とにかく、再び河原へおります。辺りを見回すと、遠くに灯りのようなものがぽつんと見えます。それを目指して夢中で進む。気持ちはすっかり遭難者。
 ようやくたどり着いたそこは、運動会で使うようなテント。人はいないけどライトがひとつぶら下がっていました。たすかった〜とすぐ近くにあった林道へ出て、キャンプ地まで下り事なきを得たのです。
 それ以来、仲間からは、「あのときはなあ、死ぬかと思った」と散々言われる始末。「死ぬ」は大げさだろうと思いましたが。あんな目に遭わせたので言い返せません。
 3〜4年後にもう一度、一人で同じ場所に行ってみました。そして、暗くなってから上った崖。「ああ、ここを登ったんだよな」と思いながら、そこを過ぎて川を2〜3分遡ると、「あれ?」見たことのある風景が。
 そうです。1時間ほど藪の中を遡った挙げ句、おり立った河原です。
 力が抜けました。あの時、藪の中をまっすぐ進んでいるとばかり思っていたのに、左へ左へ旋回していたのです。そして河原を歩いていれば数分の所に1時間以上かかって下りていたのでした。
 ものすごいサバイバルだったと思っていたことがおかしくて笑い出してしまいました。
 先日、TVで八甲田山での軍の大量遭難を取り上げ、検証している番組を見ました。そこでも、目隠しをして歩くと、人は同じ所を旋回するという実験をしていました。それを見ながら、あの奥只見のサバイバル(?)を思い出していました。
 長々と、くだらない話にお付き合い頂きありがとうございました。
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コメント

RE: 王様の耳はロバの耳
こんにちは。

登山で同じ地点に戻ってしまうことをリングワンダリングというそうですね、ヤマレコの用語集にもありました。

https://www.yamareco.com/modules/yamainfo/word.php?wid=439

今のところ経験はありませんが、酷い徒労感なのでしょうね。

私も、遭難やセルフレスキューを取り上げた書籍が大好きです〜
各地の遭難事故の情報を集めていた『りんどうの会』Webサイトが最近閉鎖になり、とても残念です。

そんな情報が好きなのは、自分自身が山行中に捻挫したり鎖場やヤセ尾根で怖い思いをしたことがあるからです。

ビビりなので、鎖場やヤセ尾根を目にすると戦慄します(^^ゞ
安全に通過する自信がないからです多分。

そんななので、ある登山インストラクターさんの有償動画を購入して、おっかない場所でも落ちない技術を学ぼうとしたりしています。
2020/4/20 17:42
RE: 王様の耳はロバの耳
showさん
 コメントをありがとうございます。
 あ、やっぱり「りんどう・・・」ご覧になっていたのですね。私も毎日見ていました。毎朝、最初に開いていたサイトでした。ここのところ閉鎖になって、「どうしたの?管理者がコロナ?あるいは自粛かも?」なんて寂しく思っていました。
 リングワンダリングて言うんでしたか。聞いたことありますが、忘れていました。道迷いの記録を見ると、よく、「同じ所を歩いている」というのが出てきますよね。
 この前の、八甲田山遭難の検証を見るまで、自分の身に起こっていたなんて考えてもいませんでした。
 
2020/4/20 19:09
グルグルワンダリング
todora5502さん こんばんは。

初めまして、ですが最近よく日記を拝見させて頂いています。日高市で日和田山のすぐ近くの様ですね。ほとんど毛呂山町の坂戸市の端っこの我が家からも日和田山が見えて、また一番登っているので親近感あるお山です。

奥只見のサバイバル(笑)、とても興味深く拝見しました。そして同じくTVでの八甲田山大量遭難の番組も観ていたのです。自分も経験した事があったので、思わずコメントさせて頂きました。

私は大学でワンゲル部だったのですが、1年生の時に雪山合宿で福島の吾妻山を山スキー、ワカン、アイゼンなど使って縦走しました。2パーティに分かれ、行動したのですが、吾妻山はのっぺりした地形でしかも吹雪いてきてホワイトアウトに。その時は1年だったので先輩に付いて行くだけだったのですが、当時はGPSも無く、コンパスだけが頼りでしたが、前後左右が良く分からず、自分達がどこに居るのかも分かりません。1時間位山スキーで歩いていたのですが、雪の上にスキー跡(シュプール)を見つけ、それを辿れば次のポイントに行ける、とコースリーダーは判断しましたが、いつまで歩いてもどこにも着きません。そして何だか一度見た様な岩が。実は自分達のシュプールを追いかけていたんです。TVでもやっていましたが、同じ様にすこしずつ左にずれて行き、大きな円でリングワンダリングをしてしまっていました。さすがに先輩達も行動停止させ、その場に待機。ビバーク覚悟でしたが時差行動していたもう一つのパーティが気づいてくれ、1時間後に無事に合流して目的地まで辿り着けました。翌朝はすっきり見渡せとても美しい雪原でしたが、遭難は隣りあわせと言う事が身に染みた経験でした。

随分長い話を書いてしまって申し訳ありません。興味深い話だったので、ついつい自分の過去話をしてしまいました。今、ヤマレコで過去レコキャンペーンやってるせい? (^^;  また地元話も日記で楽しみにしています。
2020/4/20 20:58
Re: グルグルワンダリング
yuzupapaさん コメントをありがとうございます。
 さいたま市から坂戸へ移られ、お住まいだということで、すぐ近くだなあと思っていました。
 最近、山は自粛していますので、レコが書けずに日記を書くようになりました。ご高覧いただいているということで嬉しく思います。
 さて、八甲田山の検証、ご覧になっていらっしゃったのですね。やっぱりリングワンダリングの経験がおありとのこと、興味深く拝読させていただきました。ホワイトアウトなどで見えなくなって進んでいると足跡を見付け、これを辿れば!と辿るが、同じ所に出てしまう、つまり足跡は自分達のものだった、という記録を見たことがあります。同じですね。
 ホワイトアウト、怖いです。自分は「これがホワイトアウトか!」という状態に1度だけ行き当たりました。登山ではなく、スキーの時でした。志賀高原の高天原スキー場でした。ホワイトアウトで足下すら見えず(つまり、1mも視界がなかったということですね)、強風。風が強くて自分が止まっているのか、滑っているのかも分かりません。風が体にぶつかって、滑っているときの感覚と同じなのです。立っていても、何も見えず傾斜が分からないので平衡感覚がとれずに転がってしまいます。それでも、毎年訪れていたスキー場なので、どの辺に何があるのかはある程度知っているので、ゆっくりと下へ下へと進んでレストハウスに着くことができました。戻ってきた時には、まるで車酔い、あるいは目隠しをされてぐるぐると回転させられたような気持ちの悪さ・・・怖かったです。あれが、登山中であったなら、間違いなく遭難死をしていたなと思います。ですから、八甲田山の記録を見たときに、あの時の怖さがよみがえってきて震えてしまいました。PTSDでしょうか。
 皆さんも、きっと色々なご経験があるのでしょうね。そんな話をお聞かせいただければ面白い(面白がってはいけないかな)のではないか、じゃあ、まず自分の経験からということで記してみました。 yuzupapaさんの体験談、しっかり受け止めさせていただきました!
ありがとうございました。
追記:ところで、リングワンダリングは何故左に回るのでしょうね。右利きだから右足が強くて、右足で蹴るので左に回るのかなとおもいましたが、じゃあ左利きの人は反対に回るのか?そんなことは無いな、地球の自転と関係ある?北半球は低気圧なども左渦だから?じゃあ、南半球だとリングワンダリングは右回り?調べてみたら分かるでしょうかね。
2020/4/20 21:39
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