楽しそうですが、行動中の注意力低下が心配でもあります。
山では音楽を聴くのではなく、音楽が聴こえるのです。
音楽が心に湧き上がる瞬間があり、それは決して幻聴でもなく聴覚現象でもありません。
その時、眼前の風景が心に湧き上がる音楽に呼応し、心を揺さぶります。
今回の日記は久しぶりに音楽の話題ですが、音盤史の話題とも言えるかも知れません。
CDの商品化がソニーとフィリップスにより企画されたとき音盤一枚の収録時間の目安として、ベートーベンの交響曲第九番の演奏時間が達成目標にされたのは有名な話です。
曲の途中、況して楽章の途中での演奏の中断は音楽鑑賞の気分を著しく損ないますから、クラシックファンの心情を反映した仕様企画ですね。
遠い昔、SP盤時代だった10代の頃ですが、親戚の家でベートーベンの交響曲第五番 「運命」のSP盤レコードを聴かせてもらったことがありました。
記憶も朧げですが、確か12インチSP盤4枚組のアルバムでした。
演奏時間が「第五」の3倍に近い「第九」のSP盤アルバムが何枚組になるのか、夫々の楽章の演奏時間を配慮すると想像もつきません。
LP盤の時代に入手した「第九」のアルバムが数組ありますが、一例を除いて12インチLP盤 2枚組で別の曲が第4面(2枚目B面)にカップリングされています。
演奏途中の中断回数は2回と、恐らくSP盤の6~7分の1程の筈ですから当時としては相当な進歩でした。
写真は、前述で一例として除いた12インチLP盤 一枚の「第九」アルバムです。
カール・ベーム指揮、ウィーン交響楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団による録音ですが、無理を承知でLP一枚に詰め込んだレコードです。
33RPMのLP規格を維持したまま、規格を上回る長時間の全曲を一枚に収録しています。
音盤中心近くのラベル間際までカットされ、楽章の切れ目も盤面に目視できません。
途中の中断回数が一回だけで済むのは好いのですが、その中断点が第三楽章の途中なのが難点でした。
技術的にA面とB面の収録時間のバランスが、必要だったのでしょう。
SPからLPへ、そしてCDアルバムに至る音盤史にも、色々興味深い側面がありますね。
このアルバムの演奏と録音ですが、きびきびと明快なテンポでありながら豊かな情緒と強固な構成力を併せ持つウィーン風味のドイツ的名演〜、モノラルで音量レヴェルはやや低いですが、音質は決して悪くはありません。
古き良き戦後昭和の時代〜、1957年6月の録音です。
近年、「第九」を音盤で聴く機会は少ないですが、LPプレーヤーが無いので手持ち3枚のCDアルバムの中から、年に一度ぐらいは聴きたいと思います。ainakaren
*写真は、EPIC NLC 9009 リリース 1958年 日本盤(MONO)
*音楽関連ヤマレコ日記 https://www.yamareco.com/modules/diary/8042-category-7
30cmLP200枚と機能しているレコードプレーヤを持っていますが、殆ど聴きません。
wakaさん、こんにちは〜
コメント深謝です〜
私も、LPプレーヤーを処分したのでLP盤が聴けません〜
メインのCDプレーヤも処分し、簡単なボーズのCDラジオでCDを時々聴きます〜
老化による難聴で音質の良し悪しが判らなくなりましたが、音楽や音色には却って敏感になったような気がしています〜
アナログ録音器による録音の場合で、製造工程全てがアナログ機器の場合は、絶対的にCDよりLPの方が音が良かったですね〜
クシャミをしても針が飛びそうな、微妙なLPプレーヤーには神経を使い、苦労しましたが今では懐かしいです〜ren
うちにもフルトヴェングラーの第九あります。高校生の時買ったやつ。三楽章の真ん中ですっと終わるんでした。久しぶりに聞いてみよう。
yoneyamaさん、こんにちは〜
コメント深謝です。
フルトベングラーの第九は、もしフォンタナ盤でしたら凄い盤ですよ。
戦時中(1942年)のベルリンフィル定期演奏会の録音で、歴史的大名盤です。
他のレーベルでも、同じ音源ありかも〜 もし、その盤でしたら大切にしてください。
聴力が老化でダメになったら、音質の良否が判らなくなり却って音楽と音色に敏感になりました。
歳をとると良くなることも、少しは有るのかなぁ〜と思ってます。ren
興味深く拝読いたしました。
私は,中学生の時からクラシック音楽を生きがいとしており,特に最近は,コンサートに足を運ぶ日々です。今月は,メスト指揮/クリーヴランド管弦楽団の5公演全てに行ってきました。これは,ベートーヴェンの交響曲全曲を演奏するプロジェクトであり,世界最高の演奏による第9を聴いたばかりです。
自宅では,専らCD(3000枚以上保有)を聴き,掲出のベーム指揮の第9も持っています。しかし,SPやLPは持っていなく,私のオーディオシステムにプレーヤーをつないで再生したらどんな音になるのか,大変気になるところです。
「山で音楽が聴こえる」というのは同感でして,歩いていると,マーラーやストラヴィンスキーが流れてきます。ときに演歌やポップス,CMソングも・・・。不思議ですね。人間黙々と作業(山行)をしていると,そういう風になるのでしょうか。
eclatさん、こんにちは〜
コメント深謝です。
私も、中学時代にSP盤のクラシック音楽で音楽道に入りました。
モノラルLPの時代に、単体音響パーツを組立てる自作オーディオ道楽に嵌り、モダンジャズにも嵌りました。
LPがステレオになってしまった時、片方のチャンネル用に同じオーディオ装置をもう1台自作することが不可能で、仕方なく市販コンポーネント機器の組み合わせに転向しました。
原音再生忠実度は落ちましたが、機器やケーブルの入れ替えやチューニングによるオーディオ道追求に手法を変えました。
60年代後半になって、リリースされる新録音のステレオLPの音質が低下し始めました。
デジタル録音機が普及し、LP盤製作に使われ始めたのが原因でした。
そうした状況は、CDが開発されデジタル録音機の性能が向上するまで続きました。
結論的には、アナログ録音機の性能が最高点にあった50年代後半から60年代前半のLP盤の音はCDを凌駕します。
その違いはハイエンド装置(特にLPプレーヤー)である程、明瞭です。
現在はデジタル録音機の性能が、アナログ録音機に近いまで向上していますから、中級以上のコンポーネント器機の組み合わせで聴けば、CDもLPも耳当たりは違っても同じ程度には聴こえると思います。
〜と云っても、今では聴力の老化で聴き分けられませんが〜 、それでも今後、LP盤の人気が回復して行くだろう〜、とは予想できます。
私も、山では音楽が聴こえます。
不思議とクラシックばかりで、モダンジャズは聴こえません。
逆に音楽を聴いていると、風景が目に浮かびます。
例えば「冬の旅」をテオ・アダムのバスで聴いていると、荒涼とした冬の原野が見えてくるのです。ren
https://www.yamareco.com/modules/diary/8042-detail-31242
ainakaren 様
御丁寧に返信いただき,ありがとうございました。
LP盤も質の低下があったのですね。昨今,LPが再燃し,クラシックはもとよりポップスでも新譜のLPが発売されているのを見て驚きました。
私も,ケーブル類(キンバーセレクトなど。)やコンセントの見直しなどアクセサリー系にこだわっています。装置は,デノンのフラグシップモデル,ダリのエピコンです。
山と音楽を何かの形でむすびつけられないかなと考える日々です。
eclatさん、LP盤の質の低下というより、デジタル化による録音機の質の低下ですね。
「デジタルだから音が良い」は「コンピューターだから間違いが無い」と同じセオリーの大嘘なんですね。
最初に購入したHifiが売り物のデジタル録音LP盤を聴いた瞬間に、それが判りました。
それにCDも、初期は酷い音でしたからね。
それでも安価なコンポで聴き比べると、LPよりCDのほうが派手なドンシャリ音がして、世間では大好評でしたけどね。
近年まで書斎と居間にメインとサブのコンポ(2CH)が夫々あって、LPプレーヤーは書斎だけにありましたが、書斎のメインは耳の老化で不要になり、全て処分しました。
今はサブだけなのでCDしか聴けませんが、これは家人が使い、私は面倒なのでボーズのCDラジオで聴くことの方が多いです。
書斎CDの最終システムは、CD=フィリップス・スタジオ仕様とスピーカー=JBL S4700でしたが、その前のCD=ティアック・ハイエンド、スピーカ=JBL 4343が一番私好みでした。
因みに残してある居間のサブ・オーディオは、大きい音は出ませんがJBL 4343に相似形の音の出るJBL LE8Tアルニコで、CDはティアック VRDS 25です。
コンセントは医療機器用だし、ケーブル類も全てアクロテックの8Nを含むハイエンド品ですが、耳の老化で「猫に小判」となりました。
家人が聴きますが、私は滅多に聴きません。
山では、聴こえる音楽に素直に心を澄ます〜のが、好いと思います。ren
こんな記事を見つけてしまいました〜
https://www.rollingstone.com/music/news/owning-music-buying-vinyl-cds-downloads-streaming-w521504
さてさて、如何なることやら〜ren
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