![]() |
数多くのモーツァルトの伝記が、彼の他殺説に言及している事は一般に知られている。
本書はデービット・ワイスのミステリー小説で1974年、西島洋造 訳により立風書房より出版された。
他殺説の主流はハプスブルグ王家の宮廷主席楽長 サリエリを殺害犯人とする説で本書のテーマでもあるが、その内容は後の1984年公開の映画『アマデウス』で広く知られている。
映画『アマデウス』の粗筋は、本書の理解を助けても決してネタバレにはならないが、映画を未だ観てない人もいるだろうからここでは控える。
小説と映画は発表の順序が逆だが、後発の映画『アマデウス』を先に観ておくと本ミステリー小説『モーツァルトの暗殺』が、より面白く読めるのではあるまいか。
蛇足だが、もう一つの他殺説はモーツァルトが後援者ファン・スィーテン伯爵と共に加盟していたとされるフリーメーソンの秘密の暴露を懸念した伯爵自身を殺害教唆者としている。
そしてモーツァルトが、フリーメーソン思想を宣伝するかの様な歌劇『魔笛』を作曲公演したことを殺害動機の一つとして挙げている。
それにしても、伝記によるモーツァルトの臨終前後の2、3年間の悲惨さと、周辺の人々の冷酷さには慄然とするものがある。
だが、死の床にあるモーツァルトのために唯一人東奔西走して尽くした料理店主ディーナーまでも、実は謀殺の共犯者とするフリーメーソン殺害説を信じたくはない。
もし、そうであれば彼の35年の短い生涯で、既に亡き母親と義妹ゾフィ以外に自分のために尽くしてくれた人が誰一人無かったことになり、余りにも救いがない話ではないか。
三大交響曲の作曲を手早く終わらせ『魔笛』を書き終えたモーツァルトは、一曲の童歌を作り子供を膝に抱いて、その曲を口づさみながら目に涙を浮かべていたといわれる。ainakaren
ainakarenさん、こんばんは。
そうですね、墓地もわからないままですね。
色々な死亡説が有りますが、私の思うのには「病気説」ではないでしょうか?
死亡後30数年以上のある日、ローベス(医学博士)が循環器か心臓疾患と結論づけています。
でも、ainakarenさんの「他殺説」も考えられますね。
「魔笛」は彼が生涯の最後に完成させたオペラですが
今も名曲の一つとして愛されていますね。
cprrescueさん、こんばんは。
コメント深謝です。
モーツァルトの墓は、無いと伝えられていますね。
心機能不全で血液循環が停止すると死亡しますが、その原因について諸説があり、そこに人為的な関与の有無まで疑われる状況があったのでしょうね。
特定の関与説を信じてはおりませんが、死の床で未完に終わったK626の鎮魂ミサを聴くと、不条理と魂を揺さぶる激しい怒りが聴こえるようです。
ケネデイ大統領の葬儀を思い出しました。ren
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する