春夏秋冬、定点撮影のために訪れていた峠があります。
マイページに掲げている写真がそれです。
戦後、今でいう民活を利用して甲府のお大尽様が奥秩父の山から
木を切り出すために開いた林道の中ほどにあります。
初めは人力、ワイヤー式のブルドーザー、油圧式のブルドーザー。
米軍から払い下げられた全輪駆動のトラックも投入されました。
しかし峠でディファレンシャルギアが壊れ放置されました。
60年の歳月がバンパーを土に埋め、荷台には二代目の木が生えています。
タイヤはグレートブリテンです。
地元の人はこの残骸をウエポンダッジと呼びます。
撮影の合間に笹藪でキジ撃ち。
すると地面を揺るがす、どっど、どっど、という音が聞こえてくる。
かみさんがみていました。
防火線の上から巨大な牡鹿が駆け下りてくる。
トラックの直前でマンガのように前足が地面に埋もれる勢いで止まった。
異変、異臭に気がついたよう。
牡鹿はあたりを見回し、かみさんと目が合う。
くるりと回れ右をして、また、どっど、どっどと元来た道を駆け上がっていきました。
私はこの姿勢で踏みつけられたら一生の恥だとそればかりを心配していました。
やはりキジ打ちは野生動物を見習い、見晴らしの良い、どちらにも逃げれる場所を選ぶべきだ。
私が初めて訪れたのは30年近く前でしょうか。
それから数年間春夏秋冬訪れて定点撮影をしました。
当時はキャブと荷台の間から木が生えていましたが、今は荷台からの木にとって代わりました。
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