鹿島槍ヶ岳〜五竜岳〜唐松岳



- GPS
- 211:50
- 距離
- 26.7km
- 登り
- 3,419m
- 下り
- 3,042m
コースタイム
- 山行
- 5:30
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 6:40
- 山行
- 4:30
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 5:10
- 山行
- 8:30
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 9:40
- 山行
- 2:50
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 3:00
天候 | 曇り〜雨〜晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
八方⇒八方駅(バス) 八方駅⇒信濃大町駅(電車) |
コース状況/ 危険箇所等 |
鹿島槍ケ岳〜五龍岳〜唐松岳(ヘルメット着用) |
その他周辺情報 | 下山後のおすすめ温泉・食事情報 温泉:「心笑館(ここえかん)」JR信濃大町駅から車で15分信濃大町エネルギー館前 http://cocoekan.jp/onsen/onsen.html 食事:「わっぱら家」(お蕎麦) https://tabelog.com/nagano/A2005/A200502/20003910/ 前日泊り:「農家民宿ごほーでん」安曇野ICから2キロ ツイン一泊6〜7千円 https://www.0263826820.com/plan/ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ヘルメット
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感想
3年ぶりの本格的な縦走、岩場あり鎖ありのルートということもあり、不安度MAXで迎えたお盆連休初日。通常は2泊3日の行程である後立山連峰の扇沢〜爺〜鹿島槍〜五竜〜唐松を今回は3泊4日(プラス前泊つき)で歩く。大型の台風が週半ばに過ぎ去り、天気予報はまずまずである。
初日は扇沢より柏原新道をひたすら登る。天気は薄曇り。大阪に比べて断然涼しいとはいえ、少し歩いただけで全身から汗がしたたり、入念に塗った日焼け止めも一瞬のうちに流れる。樹林帯を1時間ほど進むと眼下に扇沢駐車場が見えて来る。250台が駐車できる無料スペースはお盆休みには前日の21時頃には満車になってしまうらしい。しばらく登ると稜線沿いに種池山荘の赤い屋根が見えて来る。順調に登り続け、予定通り12時前に種池山荘に到着。“焼きたてピザと生ビール”の看板の誘惑に危うく負けそうになりながら、持参した行動食で昼食タイム。ベンチで隣に座った地元のお兄さんから大町のお勧め温泉とレストランを教えてもらい、早くも、下山後のランチはソースカツ丼か天ざるか、と盛り上がる。ハイマツに覆われた稜線を緩やかに登り、爺ケ岳山頂へ。残念ながら山頂は雲に覆われ視界はほぼゼロ。登頂の証拠写真を撮って冷池山荘への道を下る。山小屋は思ったほどの混雑はなく、2階の4人用スペースを確保でき、快適な談話室で生ビールで乾杯。至福のひと時。
2日目の天気予報は曇りのち雨。小屋を背にして進むと所々お花畑が広がる。鹿島槍南峰への登りから霧が濃くなり小雨も降り始めたため、雨具とザックカバーを装着する。この日の行程は3時間半と短く、昼前には到着の予定ではあるが、後半は今回の難所の1つ八峰キレットである。鹿島槍北峰から急な下りが始まり、ここでヘルメットを装着。来る難所に向けて緊張感が高まる。キレットに差し掛かる頃にはさらに視界が悪くなる。幸か不幸か切り立った崖から下の景色は全く見えず、高度感で脚がすくむということは無かったが、それでもやはり、「もしここで脚を踏み外したら・・・」などと考えてしまうと心臓の辺りが冷やっとなる。自分の足下のみに意識を集中させ、滑らないように慎重に一歩一歩進む。キレットを無事通過し小屋に到着した頃には雨が本降りになっていた。自炊室に陣取り焼酎片手にくつろぐ中、事務室の傍らで固い表情で膝を抱えて座る2人の男性が目についた。後に得た情報によると、その日朝8時頃にキレット付近で30代の男性が滑落し、未だ行方不明の状態だという。2人の男性は同じパーティーの仲間であったと思われる。もし何もなければあの方々も我々と同じように笑顔で酒を酌み交わしていたはずだ。そしてまた、あそこに膝を抱えて座っているのが自分だった可能性もあり得るのだ。山は楽しい。しかし常に危険と隣り合わせであることを忘れてはならない、とあらためて身が引き締まる思いがした。
3日目の朝、朝食前に小屋の外に出て思わず歓声をあげる。眼下には雲海が広がり、朝日に照らされてそびえる鹿島槍、雲の向こう正面には剣岳も見える。やっぱり山はいい。本当に来れて良かった。なんだか胸がいっぱいになる。この日はキレット小屋から五竜岳を経て唐松山頂小屋までの8時間の行程である。快晴の中スタートし、鹿島槍を背にお花畑を進む。昨日までのリベンジとばかりに、道中写真を撮りまくる。五竜岳の登りに差し掛かった時、目の前に待ちこがれた雷鳥の姿が!カメラを向けても逃げることなく写真に収まってくれた。五竜山頂までは長い岩場が続く。八峰キレットほど切立った難所は無いが、鎖が無く、ホールドを探してじりじりと進むのはなかなかの集中力を要する。長い岩場を登り終え、山頂に立つ。達成感につつまれたのも束の間、今度は長い下りの岩場が待っていた。12時過ぎに五竜山荘に到着。出発からすでに6時間経過、長い岩場を超えてきた脚はかなり疲労を感じ始めている。唐松山頂小山までは地図で見る限りそれほどの難所も無さそうである。もう一踏ん張り、と気を取り直してスタートする。しかし、この日の本当の試練はここからであった。久しぶりの樹林帯の平坦な道を進むと、地図上では行程の3分の2辺りに表示されている大黒岳に思いのほか早く到着。「あれ?意外に近くない?」・・・そこから岩場を登り、下り、また登る。牛首の難所の始まりである。登っても登っても、一山超えるとそこにはさらに高い岩場がそびえる。試練の連続。まるで人生のようだ。心は既に半分折れ、脚が上がらない。全員疲れ果てて唐松山頂小屋に到着。小屋は八方ゴンドラから3時間程で来れる便利な立地とあって、親子連れや山ガールで激込み状態。外に出て暮れてゆく夕日の中ビールで乾杯、一日の疲労を労い合う。
最終日は朝一で唐松岳山頂へ。3日間歩いてきた山々に別れを告げる。9時33分のバス乗車をめざして、帰路を急ぐ。のどかなお花畑と湿地帯の広がる八方尾根をずんずん下って、時間通りゴンドラ乗り場に到着。白馬駅より大糸線で大町に移動し、地元お兄さんお勧めの温泉につかり汗を流し、隠れ家そば処で天ざるをいただく。15時過ぎに松本駅にて解散。
雨にも降られたが全行程を通して天候はまずまず、素晴らしい景色を堪能できた。常に完璧なペース配分でリードして下さったTさん、どんな時もカメラを手放さず素敵な写真をたくさん撮って下さったSさん、有能なシェルパを努めてくれたU氏、最高のメンバーに恵まれ、4日間無事に歩き通せたことが何より嬉しい。本当にありがとうございました!(N.U.)
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