赤横硫黄 定番ルートの8の字周回
- GPS
- 11:19
- 距離
- 23.2km
- 登り
- 1,937m
- 下り
- 1,935m
コースタイム
- 山行
- 2:38
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 2:47
天候 | 1日目 晴れ曇り風強し 2日目 曇り晴れ風弱し ただし硫黄岳は平常運転 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
行者小屋テント場一張り1000円水場有り |
コース状況/ 危険箇所等 |
赤岳〜横岳 風弱くてもアイゼンピッケルワーク必要 台座の頭〜硫黄岳 風強く確かな装備と体力必要 赤岩の頭 ジョウゴ沢側に雪庇あり 景色が良くても端に近づかないこと |
写真
感想
前シーズンは横岳にビビって見った南八の定番ルート周回コースにチャレンジ
せっかくなので赤岳鉱泉〜行者小屋区間を加えた8の字ルート
1日目 晴れ曇り風強い
バスに乗り美濃戸口からスタート。北沢ルートを目指します。
美濃戸口〜美濃戸山荘までだけでも全体的に積雪かアイスバーンなのでチェンスパ使うか始めから12爪履いた方が良いです。道路から外れた近道も完全にアイスバーンになってます。つぼ足では無理でした。
北沢ルートは水が流れる箇所が完全凍結してスケートリンクになってます。つぼ足走行する場合は道の端の頼りない積雪部分だけが頼り。
北沢の石堤辺りからしっかりした積雪状況。
初めのうちは晴れ間も見えてましたがこの辺りから曇り気味になり、道中見えるはずの横岳も大同心が精一杯。風も強く林の中でも風が抜けて寒くなってきました。
赤岳鉱泉に到着するとアイスキャンデーがお出迎え。一枚上着を羽織って休憩、中山乗越、行者小屋を目指します。
中山乗越が意外と辛い。高低差的にほぼ登り一択で道標が見えてから登りが急になる。明日硫黄岳から下りてこの登りは嫌だなぁと思いつつ乗越から行者小屋へ。展望台は諦めました。
ちなみにこの周辺は過去に雪崩発生で死者が出たという曰く付きルート。
発生時の説明ではルートを外れてちょっと開けた斜面を歩いたのが原因と思われます。
行者小屋は冬でも水場があるので凄く助かります。値段分の価値あり。融雪の儀式に1時間費やさずにすむのでホント助かります。
早速テントを張りますが横岳や硫黄方面から風が吹き下ろし、どの向きに設置したのやら悩む。普段適当に作る壁を強化してやり過ごす作戦で試してみました(夜半には弱まったので取り越し苦労でした)。
設営後に水を汲んでコーヒー飲んで阿弥陀分岐の道標まで偵察してご飯食べて一日目終了。普段の寒さくらいの予報でしたがそんなに寒く感じませんでした。
2日目 曇り晴れ風弱し
3時起床でグダグダ準備して5:25スタート。5:00目指してたのですがなぜかいつも準備が遅い。改善の必要あり。
まずは文三郎尾根から中岳分岐へ。ここの所の天候的に雪もしまってアイゼンの効きも良い。阿弥陀方面のトレースは全て右側なので左側を歩くようにすれば問題なし。
森林限界辺りまではダブルストックの薄着で攻め、森林限界辺りで稜線スタイルに換装。階段は埋もれ気味ですが鎖はしっかり見えます。
中岳分岐から赤岳は岩雪ミックスの登り。風は弱いのでアイゼン引っかけに注意しつつ二点接地を意識すれば特に問題ありません。ピッケルが雪に刺さらないのだけが問題でしょうか。
11月はキレットから来たなぁとか思いつつさくっと赤岳登頂。確実にレベルアップしてる自分。
では今回のメインディッシュに取りかかります。まずは赤岳から地蔵分岐に降下。下ってて分かりましたが文三郎ルートよりきついです。身体を支えるホールドが無く石がむき出しの直線的な急登が主なので、アイゼンワーク出来ないと文三郎よりも引っかけスリップが多発すると思いました。
積雪期の赤岳は地蔵in文三郎outが多いようですが、個人的には文三郎ピストンの方が確実だと思います。地蔵尾根はスリップ事故も多くヤマレコで点発生雪崩の報告(と言うか巻き込まれた報告)もあるので、定番だからでは無く実力に合せてルートを考えることが必要。
お地蔵様を眺めてから横岳方面へ足を進めます。ルートは11月に偵察済み。ポイントは三叉前にある方向感覚失う美濃戸側トラバース前後と横岳直下トラバース。
二十三夜峰辺りまでは清里側のトラバースで風も弱くレイヤーが暑いくらい。これと言って厳しい所はありません。
明瞭に清里側から美濃戸側にスイッチすると分かる箇所があり、ここが核心部分その1。
岩の下りを進むと雪の斜面をトラバースで進みます。直線でトレースもありますが足下は狭く確かなアイゼンワークが必要。
二点接地で斜面側にピッケル刺せば問題ないですが風が強い。ほぼ西風のみなので風は美濃戸側に意識を集中。
トラバースを渡りきるとな少し赤岳側に戻るような格好で稜線への登り。
ガスに巻かれた状態でここに出くわすと方向感覚狂います(11月の経験)。
今回も「あれ?」と思って「あぁここか」となりました。図上演習不足。
ここから先、ハシゴをちょいと登ると三叉峰到着。山頂は何もありませんが杣添尾根の分岐とコースの目印として重要な地点。
三叉峰〜横岳は広めの稜線が主で問題なし。直前で2つハシゴを登るのでアイゼン引っかけに注意。横岳到着で一休み。ピークはやや清里側に緩い斜面があるので風を避けられます。
ここから先が核心部分その2
ハシゴ下りる→岩を下る→美濃戸側の岩のトラバース(短い)→清里側の雪のトラバース(短い) というコース。
一つあたりの距離は短いので三叉峰前のトラバースよりかは難易度低く感じました。ちょうど硫黄側からの縦走パーティーに出くわし岩を下りた辺りで道を譲る。山頂から来るのが見えてたので余裕持って待てましたが、ガスで見えないとトラバースで鉢合わせて危ない。
清里側のトラバースを越えると台座の頭から硫黄岳までの広い稜線。
今日も硫黄岳は平常運転。そよ風との我慢比べが始まります。硫黄岳から台座の頭まではケルンの陰と硫黄岳山荘くらいしか風を避けて休める場所が無い。
硫黄岳のそよ風に捕まり一瞬前に進めなくなるタイミングもありましたが、ヨロヨロと我慢比べに耐えつつ山頂へ。これでようやく積雪期定番ルートを踏破。
さて、下山するために行者小屋を目指します。
硫黄直下は11月の偵察で「社の奥をオーレン側から行くべき」という説を出したのでその検証に、と思いきや沢山のハイカーがオーレン側を下っていきます。
聞くと「夏道危ないからこちらにした」とのこと。検証するまでも無く積雪期はオーレン側を歩くのが正解のようです。
登りの際は直下にあるミニオベリスクが見えたら左側の岩を登る感じ。
右側の夏道は岩がせり出してタイトなトラバースを要求されます。
さて、ここから先が今回の核心部その3。
2-3月の赤岩の頭は雪崩リスクが高まります(もっともこの一週間の天候的には雪崩リスクは低いと思われる)。
急斜面・まばらな灌木・ルンゼ地形 と来れば雪崩れないはずがありません。
また今回気付いたのですが、ジョウゴ沢方面=登山ルートの直上に雪庇が出来ます。
絶対にジョウゴ沢沿いの端を歩かないようにして下さい。
赤岩の頭から樹林帯へトラバース下降するわけですが、頭の上に小さいとはいえ雪庇があるので正直怖い。雪庇に注意しつつ下降してるとハイカーの頭がこちら側を覗く始末。ピッケル振りつつ「雪庇!」と注意して下がらせました。
まぁこれにも原因がありまして、ジョウゴ沢方面は景色が良く、ついつい端に引き寄せられるハイカーが現れるようです。
繰り返しますが、ジョウゴ沢沿いは雪庇があるので絶対に端に近づかないようにして下さい。
気を取り直して樹林帯で林道歩きモードに換装。一路行者小屋へ。硫黄岳ルートの樹林帯はシリセードで近道した後が無数にあります。迷わないと思いますが注意。
赤岳鉱泉から登りたくない中山乗越を、嫌々乗越して行者小屋到着。さすがに疲れてお茶休憩。
行動食の冷凍ランチパック(メンチカツ)を食べてテント撤収。今回はわりとスムースに撤収完了。南沢を下ります。
南沢ルートは特筆する箇所はありませんが、石や木の根が多く北沢ルートよりも歩きづらい。実際、下り中にアイゼン引っかけで転倒したと思われるパーティーに遭遇。
結構痛そうでしたが大丈夫だというので先を急ぎました。が、このままでは寝覚めが悪い。登ってくるハイカーにテーピングを渡すようお願いして先を進む。
美濃戸口までの林道歩きは行きと同様にアイスバーンを歩きます。つぼ足の人が多かったですがチェンスパあった方が楽。美濃戸口に到着して今回の山行終了。
今回はある程度の難易度のルートということも有り、得るものも多かった山行でした。もうしばらく赤横硫黄を歩いて得たものを確実に身につけたいところです。
まずは…2日目の準備時間短縮だな。
今回も無事下山できておつかれちゃんでした。
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