黒部源流部を巡る
はむぴ
- GPS
- 56:00
- 距離
- 53.3km
- 登り
- 4,470m
- 下り
- 4,470m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 9:50
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 11:00
- 山行
- 7:40
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 9:30
- 山行
- 9:30
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 11:10
| 天候 | 1日目晴れ。2日目晴れ。3日目曇り一時雨または晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2018年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
特になし |
写真
キンコウカ「花茎の高さは、20-40cmになる。葉は根生し、形はアヤメのような剣状線形。花期は7月-8月で、花茎の上に花被片6枚の星型の黄色い花を総状につけ、下方から開花していく。」wikiより
1
イワオトギリ。鷹飼の兄が鷹を治療するための秘密の薬草として使っていたが、それを弟が漏らしたため、斬り殺され、その血飛沫が葉の黒点になっているらしい。でも黒い斑点は見当たらなかった。
コバイケイソウ「有毒であり、全草にプロトベラトリン等のアルカロイド系の毒成分を持つ。誤食すると嘔吐や痙攣を起こし、血管拡張から血圧降下を経て、重篤な場合死に至る」wiki
2
深田久弥も「青天井の大伽藍の中に入ったようである」「素晴らしい景観はどこにでもあるが、ここは類例のないすばらしさである」と絶賛した圏谷からの黒部五郎岳。
3
息をのむ絶景。緑豊かな鞍部に三俣山荘とテン場があり、背後には無機質な鷲羽岳の岩峰が青空に向かって突き上げている。一枚の写真に収まりきらないスケール感である。
4
イワツメクサ「高さ5〜20cm。葉は細長く3cmほど。花期は7〜9月で、白い花を咲かせる。5弁花であるが、真ん中に深い切れ込みが入っているので花弁が10枚あるように見える」wiki
赤牛岳へ続く稜線。読売新道。そして右手奥には黒部ダムの姿がはっきり見える。黒部湖までのコースタイムは標準7時間40分であるが、そこまでかからないような気もする。
2
「日本最後の秘境」と称されるだけあってコバイケイソウの群生が見事だ。あまり黒部五郎小舎周辺と変わらない気もする。最近の少雨で湿地が干上がっているらしい。
2
薬師峠のテン場。結構降りるので、コースタイムは太郎平小屋⇨薬師峠は15分、薬師峠⇨太郎平小屋は25分を見たほうが良さそう。荷物の大部分をデポして薬師岳に取り付く
1
小屋を出たあたりで猛烈な突風とともに大粒の雨が叩きつけ、一時停滞を強いられた。（雨具を薬師峠に置いてきたことを大変後悔する）結局小雨の中、薬師岳小屋を後に。新しく買った登山ズボンの撥水機能だけを信用して進む。
暴風雨をハイマツの影でやり過ごし、徐々に標高を上げていく。途中に壊れた避難小屋があって雨宿りできる的な話を聞いたが、そんなものは見当たらない。（かなり上の方にあった）
避難小屋跡と愛知大学遭難追悼ケルンから山頂までの道のりは、稜線のやや西側についており、東風の暴風を避けられる形で、雨も吹き飛ばされて非常に歩きやすかった。
遭難碑ケルン。南東稜への分岐点にある。確かに下りられそうな稜線だが、トレースが無い上にしきりに岩に「×」印があるので、雪がなければ濃霧でも南東稜に迷いこむことはなさそうだ。
「雨具は必ず携行しませう」という古からの注意書きが身にしみる。軽いんだからデポしないで持って行きましょう。台風で天気が安定しない日ならなおさら・・・
雨か日照りかどちらかにしてほしい
装備
| 備考 | 水は2ℓで十分 |
|---|
感想
1日目
起きたのは4時20分頃。予定時間を過ぎてはいるが、外はまだ暗い。慌てずに準備をし、登山開始。二泊三日の山行である。渇水では、丹沢で残雪を食べ、高妻山では黒くなった雪渓を啜り、川の水を飲み、苦い経験をしている。飲み物は大量に背負うことにした。0.5ℓペットボトル5本、2ℓペットボトル2本の計6.5ℓ。そのせいかザックが肩に食い込んで痛い。上に営業小屋が多いことや、道中に水場があることを事前にリサーチしておくべきだったかもしれない。
4時43分登山開始。樹林帯の急登とはいえ、根っこを掴んだり、ロープを使ったりする場面は無く、体力を温存できるように小股で歩くことができるほどの勾配である。
前にも後ろにも人はいないので、自分のペースで登る。1870m三角点に近づいてきた頃、単独行の女性に抜かされる。熊鈴もつけず、テン泊装備で息も切らさず登ってきた。あとで聞いたが、今日は雲の平まで行くらしい。北アルプス山域はいつでも強者揃いだ。抜かされたとはいえ、三角点に到達したのは6時17分。コースタイム2時間だが、1時間34分で済んだ。三角点を過ぎたあたりから、道が緩やかになる。整備された登山道で、登りは階段となり、丹沢の大倉尾根よりも楽に感じた。晴れてきたので、日焼け止めを塗る。北方には剱岳のピラミッドが見える。至近には薬師岳の雄大な山容が迫る。
8時30分太郎平到着。標準CT5時間に対し3時間47分。太郎平からは、今回登る予定の山々が一望できた。はじめ、北ノ俣岳が黒部五郎岳かと思ったが、そんなには甘くなく、奥の若干灰色の混じった山がそれだとわかり、絶望する。
30分ほどの休憩。カロリーメイトをかじり、トイレに寄り、出発。少し登り、太郎山。山頂にも寄る。色々な高山植物が咲いている。
太郎山からは、木道が続く。緩やかにおり、北ノ俣岳へ向かう。池塘は干からびていた。ハクサンイチゲやチングルマの群生が凄い。雪がうっすら積もったように見えるところもあるほどだ。コバイケイソウも生えており、この山行で一番の高山植物群生地だったように思う。
北ノ俣岳を登りきり、赤木岳の横を抜ける。赤木岳の登り返しはごくわずかだったが、その後の白い岩がゴロゴロしているピークは思いのほか登りがあった。中俣乗越手前にもう一つくらいピークがあったように思う。じわじわと体力が削られる。北ノ俣岳の登り以降、足が重くなってきた。中俣乗越への下りは唯一コースタイムより遅れる。赤木岳からのここまで下り30分はキツい。中俣乗越のあたりからガスにまかれることが多くなる。ガスの合間に2578mピークが見える。ピークというより、山である。律儀に登山道は左側から回るような形で山頂を辿っており、苦行を強いられる。コバイケイソウがよく生えていた。ピークから下り、ようやく黒部五郎岳の登りにとりかかる。急登らしいが、腹を括っているので岩と砂の登山道をサクサク登っていく。黒部五郎岳の肩で、2人の男性の登山者に出会う。下の小屋で一杯やろうと約束を交わし、肩に荷物をデポしてから山頂を踏む。さすがに倒れこみ、空を仰ぐ。青と白が半々の空を背景に山頂標識の写真を撮った。下山にはカールのルートを選択した。水場の辺りからの黒部五郎岳は、コース唯一見せる表情をしている。大迫力の岩壁と雪渓に息を飲む。意識が遠のきはじめた頃、小屋に到着。15時半、予定より45分早い到着だった。ビールを飲むため、所持金を確認すると宿泊費を除くと数千円の残り。心もとなく、どうすべきか悩んでいると先ほどの方がポンと1000円の生ビールをご馳走してくれた。有難い。恩にきます。と感謝した。部屋の仕様上足を向けて寝ることになるので「足を向けて寝れません」とは言えなかった。自分もああなりたい。たった100円のトイレチップも惜しむ自分の吝嗇っぷりを恥じた。
しばらく18時の夕食まで外で歓談。新穂高温泉から登って来る方が多いらしく、折立派は少ない。年配の方の割合が高いため、折立から一日で黒部五郎小屋までというコースどりは驚かれた。おそらく自分以上の健脚者はかの女性のように皆テントを担いでいるのだろう…。それと大変失礼なお話だが、どうも60台前後のおじさま、おばさま方の顔が覚えられず、自分は珍しい若者であるため、向こうは覚えているがこちらは覚えていない事象が多発した。しかも、道中は自分から話しかけ、コースどりを聞いたりどちらからいらしたのか聞いたりしていたので、雑談の中で「さっき言ったよなあ…」みたいな顔を334回ぐらいされ、辛かった。
まあ向こうも若者の見分けはつかないらしいので、おあいこである。ちなみに恩人の顔を忘れてはいけないので、小屋の前でツーショットの記念写真を撮ったのであった…。
なお、小屋の夕食は普通。朝食も普通だった。夕食はそこそこ豪華。あと味噌汁が美味しかったかな。0時くらいに起きてしまったが、まずまず寝れた。
2日目
快晴。半袖で飛び出す。小屋の裏手が三俣蓮華岳への登り口になっているので、すぐ暑くなるだろうとの判断だ。折立8時発の16時黒部五郎小屋到着というクレイジーな健脚を持つ20台後半の男性にしばらく同行させていただき、あっという間に三俣蓮華岳の山頂に立った。
2日目は休足日にしようと思っていたのに、トラバース道を一瞬の迷いもなくスルーして直登してしまった。景色が美しすぎた。もっとよく、もっと早く展望を楽しみたかったのだ。三俣蓮華岳山頂からの景色は期待通りのものだった。
鷲羽に登り、水晶岳まで行き、祖父岳を経由して雲の平。
道中はここに書くよりも写真が語っている。
途中のヘビは驚いた。
雲ノ平は人によって「がっかり」と言う評判もあるくらい。
日本最後の卑怯という仰々しい呼び名の割には普通の溶岩台地である。
あまり展望もよくない。
3日目
台風で荒れた天気が予想されたが、なんとか予定通りいくことができた。
この山行で最もコースタイムが長く、太郎平から折立までは相当足にくるだろうな。
と初日から憂慮していたが、むしろ一番楽だった。
まさに案ずるより産むがやすしである。
健脚（標準的な体力）であれば、雲ノ平から薬師岳を登り折立に下りるのは
特段きつく無いと思われる。
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