おだやかな稜線歩き【双六岳〜笠ヶ岳】
- GPS
- 60:00
- 距離
- 53.2km
- 登り
- 4,255m
- 下り
- 4,263m
コースタイム
- 山行
- 11:51
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 12:43
- 山行
- 9:20
- 休憩
- 1:37
- 合計
- 10:57
- 山行
- 8:41
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 9:56
天候 | 3日間晴れ。稜線は無風か微風で、たまに弱風〜強風が定期的に来る。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口から10分でワカン。わさび平小屋まで数回のデブリ越え。 小池新道分岐前後〜標高2000m付近までワカンでデブリ越え多数。 標高2000mから上の雪は硬くてほとんど潜らないのでアイゼンで快適。 稜線はアイゼンの刃が全部刺さる位のアイスバーンでスリップ注意。 踏み抜き罠と終始雪庇とクラックは当たり前なので注意。 秩父岩〜笠ヶ岳区間は富士山で例えると七合目付近のアイスバーン。普通に歩くとアイゼンの刃が5〜10mm程度しか刺さらない所が多数なのでスリップ厳重注意(アイゼンの刃を研いでおけばもっと刺さる) 雪面の状況は3日間スノーボール1つ転がるのも目撃しない程安定してた。 |
その他周辺情報 | 平湯温泉ひらゆの森。500円。最終受付20時30分で21時まで。 |
写真
装備
個人装備 |
水食料込で約16kg達成
ウィペット
ツェルト
アイゼン
ワカン
マット180と90
ダウンハガー800♯0
スコップ
地獄ゴーグル
ハクキンカイロジャイアント2個
|
---|---|
備考 | アイゼンを研いで尖らせピッケルもあればもっと安心して歩けたと思う。 |
感想
今冬はずっと2月の北岳に登るのを目標にしてたけど雪の少なさにガッカリしたので来年にします。雪の多い所で思い付いたのが2年前の3月に新穂高から大ノマ乗越まで上がって腰ラッセルしてテント泊した記憶です。
2月9日にスキー装備でチャレンジしましたがスキー板を担いで兼用靴でのガチガチに凍りついたデブリ越えの大変さに撤退。現地で学習したので今回は軽さにこだわりました。(水食料ワカン込.合計16kg)
今回のデブリ越えは新雪がまた少し積り前回より楽でした。なにより登山靴とワカンの組合せはデブリ越えに最適だと思った。
登りの進み具合で双六岳か笠ヶ岳か決めようと思ってましたが、登りの大変さから早々に双六岳に決めた。稜線に登り上がった時点で日没が迫ってましが、ツェルト泊より断然小屋まで行った方が翌日の余裕が出来るのでヘッドライトで足元を照らしGPSとコンパスで確認して小屋方向の星を見ながら進んだ。
一度這松地帯の踏み抜きでバランスを崩して山側に倒れたら、そのまま踏み抜いた足を支点にしてコンパスの様に谷側にクルっと滑ったのには肝を冷やした。以降は踏み抜いても転ばないストックワークで歩いたので稜線での転倒は無かった。
到着して冬期小屋のなかなか開かない凍り付いた硬い扉が開いた時はとても安堵した。初日にここまで来れたら双六岳は行けたも同然だ。
寝袋に入りながら珈琲を飲み、地図を開き明日のルートを考える。
槍ヶ岳と笠ヶ岳どちらもコースタイムは似た様なものだ。
しかし西鎌尾根は去年の7月に歩いた時に槍に上がる最後が急だった記憶があり、ビビって千丈乗越から下る自分がイメージ出来るし、穂先も危険なので上がりたくない(笑)
笠ヶ岳は行けたとしても3日目に天候が崩れると大ノマ乗越以外の下山ルートは考えてないので戻れなくなるリスクがある。
天気予報は…明日から三日以上晴れで天候の急変は無いので笠ヶ岳方向に決定した。
方向と書いたのは何かあれば引き返す気満々だからです(笑)
翌日の朝にウエストバックのみで身軽に双六岳に登頂してから笠ヶ岳方向に出発した。出だしに記憶違いで沢を下り過ぎたので登りが大変だった。
稜線に乗り上げた時には早くも汗だくです。
風は無風に近く、もう少し風が吹いてくれたらとか贅沢な事を思っていた。
しかし太陽が照り付けても足元の雪が緩む事は無かった。
今まで富士山以外はウィペット(ピック付きストック)で問題無かったけど今回はピッケルが必要だ。
ピッケルが必要な場面は滑落停止動作での剛性。ウィペットは刃もシャフトも弱くて雪面に力が伝わらない感じなのです。北岳の大樺沢で何百メートルもテストして止まらなくて冬ズボン破った経験あり。
アイゼンも尖らして来ればもっと刺さりが良くて楽だし安心だったと思う。
急な傾斜の所は滑ったら終わりと自分に言い聞かせながら慎重に足を運んだ。
這松地帯とかでたまに踏み抜くけど、それは稀でほとんどがアイゼンの爪を利かせて歩けたので予定どうりに歩けたと思う。
アイスバーンのリスクは有りましたが、体力の消費度を考えると今回は好条件だったと思う。今後、双六小屋〜笠ヶ岳の稜線でテント泊して笠ヶ岳を狙う人とかにアドバスするとしたら…
双六小屋〜秩父平までなら岐阜県側の西斜面なら傾斜が緩いので少し下った樹林帯で泊れば安心だと思う。いいポイントが定期的に現れる。一番のお勧めポイントは秩父平手前の広く傾斜が緩い所。反対に秩父岩を過ぎると休む所も気を使うほど雪が固くなり傾斜がある。等高線を見れば分かると思う。
今回は三日間静かな稜線を歩き、三日間穏やかな太陽に照らされて、日焼け止めを何回も塗ったのに鼻の皮がひび割れてメロンパンみたくなったり、行動中はアメしか受け付けないほど弱りましたが、今も達成感で満たされている。
【動画は55秒です】穴に腰まで落ちるシーンが撮れた(笑)油断禁物です。
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