白峰三山→強風悪天候のため間ノ岳で撤退
- GPS
- 17:42
- 距離
- 18.1km
- 登り
- 2,447m
- 下り
- 2,415m
コースタイム
車→奈良田==(始発増発バス)==広河原
広河原8:05-(大樺沢ルート:雪渓あり)-10:10二俣10:25-13:02小太郎分岐13:25-14:00肩ノ小屋14:15-14:55北岳15:30-16:30北岳山荘(泊)
7月15日
北岳山荘4:50-5:25中白根山5:30-(途中で友人リタイア)-6:25間ノ岳6:30-7:37北岳山荘(大休憩)9:00-10:30北岳10:35-11:10肩ノ小屋11:25-11:57御池右俣分岐12:10-13:10白根御池小屋13:55-15:30広河原
広河原16:40==(最終バス)==奈良田→奈良田→車(友人を新富士駅で見送り)
※友人のペースに合わせてこまめに休憩
天候 | 7/14 曇(肩ノ小屋から上はガスガスで視界20mほど) 7/15 曇(前日以上の悪条件+横殴りの強風:特に間ノ岳は厳しい条件でした) |
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過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
●広河原への入山は山交タウンコーチの夏山バス(始発3便では全員乗れず、私たちは広河原から戻ってくる増発バスを待つことになり、1時間暇つぶし) ●縦走せずに広河原に下りたため、帰りは16:40発の最終バスで広河原から奈良田へ ●片道運賃は1,000円+マイカー規制協力金100円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●大樺沢ルート 今回はルート再開したての二俣までは大樺沢ルートを登りました。 雪渓を標高差100mくらい登りましたが、アイゼン無しで登ってる人もいました。 (基本、軽アイゼン装着で安心して登ることをおすすめ) 八本歯のコルへの雪渓直登コースもアリンコの粒に見えるほど多くの人が登っていましたが、アイゼン・ピッケル無しの人が多いように見えました。 (雪が緩んでいたから良いようなものの、気温が下がって固く締まったら危険極まりない) ●右俣ルート 二俣から少し登ったところに一部雪渓が残っていましたが、ノーアイゼンでも大丈夫です。このあたりからはずっと続く急登にペースがガタ落ちする人が続出します。(遅れる友人を途中で待つ間にじっくり登山者観察できました) 小太郎分岐手前の雪渓はもう登山道からは消えており、問題ありません。 ●稜線(小太郎分岐〜肩ノ小屋) 信州側からの風が強くなるので、防風装備(体温を持っていかれない服装)してください。 ●稜線(肩ノ小屋〜北岳〜北岳山荘〜間ノ岳) 視界20m程度のガスガスと信州側からの横殴り強風(15〜20m)でした。特に間ノ岳あたりでは一瞬でザックカバーが剥がされてしまうほどの風雨。 ●北岳山荘 今回は初めて食事付(朝は弁当)で利用しました(7900円)。 連休だったため、当初蒲団1枚に2名と言われましたが、悪天のおかげ?で宿泊者はそこまで増えず、蒲団1枚に1名で快適に寝れました。 山荘に隣接して夏季期間中は昭和大学の診療所が開設されます。今回調子を崩した友人がちょっとお世話になりました。 ●広河原 登山届をアルペンプラザ2階で提出しました。 新しくとてもきれいな会館です(登山おみやげグッズやアイスクリームも売ってます) ●奈良田 とても良い温泉があるのですが、今回は帰り時間の関係で入りませんでした。ちょっぴり残念。温泉だけでなく白旗史郎記念館があり、南アルプスの素晴らしい写真が沢山あります。入浴後にぜひ涼みがてらどうぞ。 |
写真
感想
“登山を始めた友人に3000m稜線漫歩をプレゼント”
大学時代の友人が登山に興味を持ち始めたことをキッカケに実現した今回の山行は、富士山に次ぐ日本第2位の標高を持つ北岳3193m、そこから気持ちのよい稜線で繋がる日本第4位の間ノ岳3189m、そして農鳥岳3026mと一粒で三度美味しい南アルプスの人気コースを奈良田を起点にしたコース。
私が登山に興味を持って2年目だった4年前の秋に、テント背負って縦走した際に感動した、北アルプスとは違った骨太な姿をこの友人にも見せてあげたい。
ということで、金曜日の最終のぞみで新大阪からやって来た友人を東京駅でピックアップし、奈良田へ。
今回のポイントはやはり奈良田を起点にするということ。
広河原へ入るといえば芦安からというのが一般的ですが、奈良田起点なら
・下山時間の自由度が増す(奈良田→広河原、広河原→芦安のバス時間や接続を気にする必要なし)
・バス代は1,100円しかかからない(芦安基点だと3,300円必要)
ということで、4年前に感じたこの起点パターンを試すこととしました。
夜中3時半に現地到着。すでに第1駐車場は満車で第2駐車場へ車を停め、始発5時半まで1時間ちょっとの仮眠で体調を整えました。
周囲の車からの出発準備をする音で目覚め、我々も準備をしてバスの順番待ちへ行くと、すでに50名以上の順番が。
結局始発便はバス3台だったんですが、これに乗れず(乗れなかったのは我々含めて20名ちょっと)、始発が広河原から折り返す臨時便を待つこととなり、広河原スタートは朝8時となってしまいました。
当初は一番時間のかかる白根御池小屋コースを予定していましたが、どうやら大樺沢コースが再開したとのことで、友人に一番負担をかけない、このコースを選択(友人は昨年白馬大雪渓を登った経験があるようなので雪渓歩きも大丈夫そうだし)。大樺沢から見上げる北岳はガスに包まれ、バットレスも拝むことは出来ませんでしたが、雨が降る雰囲気はなさそうでひと安心。
標高2000mを超えたあたりから、コースの視界が拓け、八本歯のコルまで一直線に伸びる雪渓が出現。ここで私は今回も万能なチェーンスパイクを装着。本当に着脱簡単で軽量・コンパクト、モンベルで売り切れになるわけですね。
(雪渓登りも軽快サクサク、次々登る人をパスしてあっと言う間に二俣到着)
二俣でチェーンスパイクを外し、友人が登ってくるのを上から眺めて待ちながら、八本歯のコルへ向かう人々の列を眺めていると、ピッケルはおろか、ツボ足で登ろうとしている人も見える。幸い雪が緩んでいるから良いけど、上部の斜度がキツくなるところとかで、もし雪面が締まっていたらどうするんだろう? 途中で引き返す方が大変なことになるのに、よくやるなあと。
二俣からは右俣の急登で小太郎尾根分岐まで標高差600m強。本日一番しんどい箇所でしょう。それぞれ自分のペースで登りながら、途中で待ち合わせることにしたんですが、下ではまあまあの歩きだった友人のペースがガクっと落ちたよう。標高が上がるにつれ、疲れと睡眠不足から軽い高度障害とバテかもしれません。
(まあそれでもコースタイムのちょいプラス程度では登っていたので、心配しすぎるほどのことでも無いなと)
小太郎尾根分岐までは、30分登っては友人待ち20分ってな感じで、待つ間に通過する人をじっくり観察したり、話をしたりしてたんですが、ここはやはり登りの核心部なようで、ヘロヘロバテバテで一歩がなかなか出ない人がけっこういました。
小太郎尾根分岐へ出ると、信州側からの風とそれに乗ったガスが次々流れてきて、ここより上の眺望は期待薄な雰囲気。それでも友人を待つ間にガスの流れも少し薄まり、ちょうど良く友人が到着したタイミングでは、鋸岳がクッキリ見えたり、花崗岩の白さに日光が照ってなんとなく甲斐駒の全貌がうっすら確認できる一瞬があったりと、ここまで頑張った友人にほんのチョッピリの感動かも知れませんが、眺望があって良かったです。
もうここから先はガスガス、真っ白な山行。
午後2時にようやく肩ノ小屋に到着。屋外テーブルで友人を待つ間、さて北岳山荘まで行けそうか、縦走を諦めてここで泊まるべきか? 判断に迷うところです。
隣のテーブルの人達は北岳山荘のテント場を目指すようだし、まだまだ北岳山荘方面へ装備を背負って向かう人がけっこういるし、友人本人も北岳山荘に向けて出発することに迷いはなさそうだったので、少々遅い時間の到着になるけど大丈夫そうかと、14時15分に肩ノ小屋を出発。
視界はますます悪く、過去に2度登ったことがある私も手前の偽ピーク(と呼んでも良いぐらいなピーク)へ登ってしまうぐらい先がよく判らないルートにてこずりながらも、3時前にようやく北岳山頂に到着。
ここで友人を待つ間に山頂は無人となり、まだしばらく登ってきそうにない雰囲気だったので、山頂を一人占めにしての一杯を堪能(看板から離れた一番高い岩の上で)。そうこうしていると友人を含む数名がようやく到着(みんな偽ピークを本物と間違えて写真撮ったりしていたそう)。山頂で30分以上ノンビリしている間に人も増え、北岳山荘へ向かう人たちと一緒に真っ白な稜線を北岳山荘に向けて下山。本当なら目の前に最高にカッコイイ間ノ岳への長い立派な稜線の風景が拡がるポイントなんですが、本当に残念。
夕方4時半に山荘到着。この頃にはガスも少し落ち着いてきて、山頂は見えないまでも景色を少し堪能でき、また富士山の山頂もチョッピリ顔を覗かせるタイミングにも遭遇できました。この時間帯だけが稜線での唯一の至福なひとときとなったのでした。
3連休の北岳山荘は、布団1枚に2名でと言われたんですが、幸か不幸か生憎のこの天気で山行を取りやめたり、肩ノ小屋で断念した人が多かったのか、結局蒲団1枚に1名のスペースでゆっくり出来ました。
2日目は北岳山荘から一気に農鳥を越えて大門沢を下降して奈良田までのロング縦走予定(私だけプラス広河内岳ピストンのつもり)。 早朝出立が肝心と、消灯前には寝てしまいました。
そして2日目の朝。
天気は快方どころか、前日以上のガスガス。おまけに物凄い強風。これはヤバイ。
頼んでいた弁当を受け取り(間ノ岳山頂で食べるつもりで)、雨具、ザックカバーもしっかり準備して5時前に山荘を出発。
前日以上の信州側(進行方向右側)からの強風と細かい雨、そして視界20mほどのガスガス状態。間ノ岳方面に出る人は少ないようだったので、友人から見える程度の距離を保つことを心がけながら、まずは中白根山へ。
前日からの調子悪さが回復しないのか、友人のペースは上がりません。天候が悪すぎてのんびり休憩する気もおこらず、とにかく間ノ岳へ向けてすすんでのですが、中白根山から10分ほどのところで、とうとう友人がリタイア。歩けないというほどではないけど、とても農鳥縦走できる状態ではないし、無理するものでもない、ということでここで先に北岳山荘へ戻ってもらい、私だけはとりあえず間ノ岳山頂を踏んですぐに引き返すこととしました。
そうと決まれば、もうサッサと間ノ岳ピストンだけして(ノンビリ休憩する気にならない悪天、おまけに間ノ岳付近ではザックカバーが簡単に外れてしまうぐらいの物凄い横風)、友人の待つ北岳山荘へ引き返して7時半すぎに到着。
友人はやはり調子が悪く、山荘に隣接の昭和大学診療所で診て貰い、山荘に戻って蒲団で寝ているところでした(そこまでのシンドさに気づけなくてゴメン)。
山荘に戻ってから、食べていなかった弁当を食べるために食堂に行くと、斜め向かいの席に、見覚えのある顔の方が。 誰だったかな?とりあえず声をかけて、いろいろ喋っていると、ようやく思い出しました。昨年末に鳳凰三山に忘年山行した際に薬師小屋でご一緒した山岳写真が趣味のお兄さんでした。こういう再会があるのも山での楽しみのひとつです。
縦走を断念して広河原に下ることになるので、広河原から奈良田へのバス時間を調べると最終は夕方4時40分。時間的には焦る必要はありません。
山荘で友人の回復をのんびり待ち、9時に北岳登り返しルートでの下山スタート。
北岳山頂までの登りは、相変らずの強風悪天で友人も大変そうでしたが、北岳を越えると、風も少し収まり、高度を下げるにつれ暖かくなってきたのも手伝ってか、友人のペースも徐々に回復。
下りは大樺沢ルートではなく、御池ルートを選択し、暖かな白根御池小屋の前の大きなベンチでランチをし、小屋を2時前に出発。トラバース道から最後の下り斜面に差しかかるあたりで友人も完全復活し、最後の下りは快調にコースタイムよりもかなり良いペースで広河原まで帰ってくることが出来ました。
友人はこの日のうちに家(兵庫)まで帰るため、奈良田で温泉という訳にもいかず、汗拭きシートで身体を拭いて着替えだけして、そそくさと車で新富士駅へ。
夜8時前に友人と新富士駅で別れ、新東名で帰るべ と思ってたら、御殿場〜大井松田間が事故通行止。けっきょく箱根の山を越えて帰ることとなってしまったのでした。
当初予定していた1泊2日縦走計画は
結局、悪天と友人の体調不良でピストンとなってしまいましたが、もし好天だったとしても私のペース基準+αで計画したプランだったので、果たして友人が山を楽しんで稜線歩きできるプランじゃなかったのではないか? 自分中心ペースに友人を巻き込もうとしてしまってたんじゃないか? と今更ながら反省してます。
(人一倍の気ぃ遣いな友人だったから、尚更 そこに配慮を欠いてしまってた自分に反省)
でも、北岳山頂からのドデカイ間ノ岳の構図、友人に見せたかったなあ。
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