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記録ID: 214740
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無雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

南八ヶ岳 赤岳から横岳・硫黄岳

2012年08月09日(木) 〜 2012年08月10日(金)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
19.0km
登り
1,737m
下り
1,739m

コースタイム

8月9日
4:40美濃戸口5:30−6:30美濃戸山荘6:40−9:45行者小屋10:00−11:20中岳のコル(昼食)12:20−14:00赤岳14:20−15:00赤岳天望荘
8月10日
赤岳天望荘6:10−8:00三叉峰8:10−8:50横岳9:05−9:30硫黄岳9:40−11:15赤岳鉱泉11:30−13:10美濃戸山荘13:15−13:55美濃戸口
天候 8月9日:晴れ・曇り
8月10日:晴れ・曇り
過去天気図(気象庁) 2012年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス
【往路】前夜発 21:50秋葉原(夜行バス:毎日アルペン号八ヶ岳)−4:40美濃戸口
【復路】美濃戸口14:55発(長距離バス:毎日アルペン号八ヶ岳)−19:00新宿
以前(ここでは約25年程前を指します)、信州方面への山行は23:55や00:1などの夜行列車に乗り時間によっては地元駅で仮眠や朝食をとったりして朝一番のバスで登山口に入っていた。
そののりで23:54の快速ムーンライト信州号で茅野で下車。朝食をとった後に始発の諏訪バスで美濃戸口に入る・・・計画だった。
ところがなんと、8月9日当日は6:40茅野発のバスが無い!?(お盆週ならあるのだが)当日の始発は9:35分。そんな時間まで待てない、というより私の足ではそんな時間ではその日中に小屋に辿り着かない。かといってタクシー代5,000円は払えない。お盆の前週に休みをとれたことが逆に仇になるとは・・・どうしよう?
途方にくれながらネットを検索していた私に救いの手を差し伸べるかのように出てきたのは「毎日アルペン号 美濃戸口高速バス直行便」の文字。「これだ!」迷わずネットで予約。往路は秋葉原駅前からシャトルバスに乗り、竹橋の毎日新聞社で下車。「ほんとは新聞記者だったんだけど配置換えで已む無く旅行関係の部署に来ちゃった」んだろな、と思わせる男性職員さんによる受付を済ませた後、各方面行きのバスに別れ出発。この日のバスは「銀河鉄道号」。バスなのに鉄道・・・ま、いいか。そこそこ足元も余裕があり、ウィークデーで客も少なめだったことから快適でした。
帰りも同じ毎日アルペン号を利用。往復で予約したところ八ヶ岳山荘のお風呂利用券がもらえました。14:55美濃戸口発という絶妙の時間。私の足で間に合うか、間に合ったとしてもお風呂に入る余裕があるか、少々不安でしたが出発の約1時間前に到着することができ、入浴後の一杯も楽しむことができました。
なによりも下山後の疲れた身体に鞭打つことなく新宿まで座って帰れるのは最高ですね。これで往復9,500円は、JRで特急を使うことを考えれば十分に安い値段設定だと思います。欲を言えば、夜行列車にある独特の風情・・・どこと無く気だるい雰囲気、つまみのさきイカの匂い、車中で飲んだ酒が寝不足も相俟って軽い吐き気を催しながら朝飯を食べるときのあのちょっとした不快感、それが誘発するこれから登る山への軽い恐怖感・・・などひっくるめたあの風情がそこにはもうない。などというのは贅沢であって便利さと引き換えになくすものは必ずあるものだ。同じ値段でどっちを選ぶか?と聞かれれば当然便利で快適な方を選びます。
コース状況/
危険箇所等
【初日】
バス到着後、ロビーの一部が開放されている八ヶ岳山荘を使わせてもらい朝食(おにぎり、あんぱん)をとり、登山届けをポストに入れて出発。美濃戸山荘までは林道歩きとなります。自家用車であれば美濃戸山荘までは行くことができます。
行者小屋まで気持ちの良い樹林帯を歩き、ここからが登り本番ですが特段危険な場所は無く高度を稼ぎつつ中岳のコルへ。ここで時計を見て愕然。「なんでこんな時間かかってるんだろ」コースタイム4時間のところ、何と休憩含め6時間もかかっている。いくらなんでもかかりすぎだ。
自分の体力の無さにあきれながら、本日の宿泊地である赤岳天望山荘までの時間を逆算。遅くとも15時までには着きたい。昼飯を摂ると阿弥陀岳に行く時間が無い。阿弥陀岳に行くと昼飯を摂る時間が無い・・・。「阿弥陀岳パス。ガスってきたし」何と昼飯を選択。良心の呵責に(若干)駆られながら、震災のときにパニック買いしたトップバリュの醤油ラーメンにやはりトップバリュの魚肉ソーセージをぶち込んで食す。よく見るとラーメンの消費期限は1年以上経過していた。
中岳のコルからは岩稜となるが特段の難所もなく赤岳山頂へ。気のせいかごろごろいってるお腹を気にしつつ、明らかに薄くなった空気にあえぎながらようやく到達。残念ながらガスで展望は無かったがほぼ四半世紀ぶりに到達した感激に浸りつつピークを後に赤岳天望荘へと急いだ。
【2日目】
赤岳天望荘から硫黄岳手前にかけては岩稜であり、狭い尾根の片側あるいは両側がスッパリと抜け落ちたスリルのあるルートが続きますが、くさり、はしごが整備されており特段の技術を要するところはありません。
1箇所だけ天望荘から5分程北に行った地獄の頭は両側が切れ落ちたピークで、高度感もあり、高所恐怖症の私には勇気を要しましたが、3点支持をしっかりとすれば問題は無いでしょう。
横岳から硫黄岳にかけては岩稜とともに高山植物も多く咲き誇りまさに「楽園」です。天気もよく、南北中央アルプスの大展望も望め「来て良かった」と強く感じられました。
硫黄岳から赤岳鉱泉にかけての下りも快適です。赤岳鉱泉から来し方を振り返れば硫黄岳、横岳の威容が印象的でした。
美濃戸口にある八ヶ岳山荘。お風呂も気持ちよかったです
2012年08月09日 05:37撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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美濃戸口にある八ヶ岳山荘。お風呂も気持ちよかったです
あんな遠くまでいけるのだろうか。(美濃戸山荘−行者小屋間)
2012年08月09日 06:47撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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あんな遠くまでいけるのだろうか。(美濃戸山荘−行者小屋間)
あんな高くまでいけるのだろうか
2012年08月09日 06:51撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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あんな高くまでいけるのだろうか
あんな険しいところ歩けるのだろうか
2012年08月09日 09:30撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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あんな険しいところ歩けるのだろうか
目標はまだまだ遠い
2012年08月09日 09:53撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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目標はまだまだ遠い
主峰赤岳。どっしりとしてます
2012年08月09日 11:10撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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主峰赤岳。どっしりとしてます
可憐な高山植物が
2012年08月09日 13:57撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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可憐な高山植物が
高山植物2
2012年08月09日 13:59撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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高山植物2
赤岳山頂付近より阿弥陀岳を振り返る(パスっちゃいましたが)
2012年08月09日 14:38撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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赤岳山頂付近より阿弥陀岳を振り返る(パスっちゃいましたが)
26年振りに赤岳山頂を踏む。隠れて思わずガッツポーズ
2012年08月09日 14:39撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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26年振りに赤岳山頂を踏む。隠れて思わずガッツポーズ
今夜の宿泊地である赤岳天望荘
2012年08月09日 14:57撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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今夜の宿泊地である赤岳天望荘
雲海の彼方に富士山を望む。ご来光は拝めませんでした
2012年08月10日 04:57撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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雲海の彼方に富士山を望む。ご来光は拝めませんでした
来し方を振り返る。赤岳
2012年08月10日 06:30撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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来し方を振り返る。赤岳
これからの険しい道程
2012年08月10日 06:30撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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これからの険しい道程
赤岳から横岳に至る稜線(半分だけ写してしまった方、ごめんなさい)
2012年08月10日 06:58撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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赤岳から横岳に至る稜線(半分だけ写してしまった方、ごめんなさい)
横岳山頂より槍・穂高を望む
2012年08月10日 07:34撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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横岳山頂より槍・穂高を望む
同じく乗鞍
2012年08月10日 07:34撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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同じく乗鞍
同じく甲斐駒・仙丈
2012年08月10日 07:34撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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同じく甲斐駒・仙丈
中央アルプス?
2012年08月10日 07:35撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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中央アルプス?
言わずと知れた富士の山
2012年08月10日 07:35撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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言わずと知れた富士の山
奥秩父方面
2012年08月10日 07:35撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
8/10 7:35
奥秩父方面
横岳から硫黄岳にかけてのなだらかな稜線
2012年08月10日 08:13撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
8/10 8:13
横岳から硫黄岳にかけてのなだらかな稜線
赤岳、阿弥陀岳ごしに権現そして南アルプスを望む
2012年08月10日 08:13撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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8/10 8:13
赤岳、阿弥陀岳ごしに権現そして南アルプスを望む
槍・穂高ズームで
2012年08月10日 08:14撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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槍・穂高ズームで
剣・立山ズームで
2012年08月10日 08:15撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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剣・立山ズームで
乗鞍もズームで
2012年08月10日 08:15撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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8/10 8:15
乗鞍もズームで
甲斐駒・北岳
2012年08月10日 08:16撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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8/10 8:16
甲斐駒・北岳
富士山ズーム
2012年08月10日 08:16撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
8/10 8:16
富士山ズーム
横岳山頂。なんとなく26年前の記憶が・・・
2012年08月10日 08:18撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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8/10 8:18
横岳山頂。なんとなく26年前の記憶が・・・
硫黄岳火口方面
2012年08月10日 09:44撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
8/10 9:44
硫黄岳火口方面
硫黄岳山頂から阿弥陀・赤岳・横岳の稜線
2012年08月10日 09:44撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
8/10 9:44
硫黄岳山頂から阿弥陀・赤岳・横岳の稜線
天狗岳ごしに蓼科を望む
2012年08月10日 09:46撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
8/10 9:46
天狗岳ごしに蓼科を望む
下山途中、赤岳鉱泉より硫黄岳を仰ぐ
2012年08月10日 11:42撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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下山途中、赤岳鉱泉より硫黄岳を仰ぐ
同じく横岳を仰ぐ
2012年08月10日 11:56撮影 by  Canon EOS Kiss X4, Canon
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8/10 11:56
同じく横岳を仰ぐ
撮影機器:

感想

八ヶ岳は私にとって節目、或いは転機とでも言うようなタイミングで登ってきた「特別な」といっては言い過ぎかもしれませんが、やや意味合いの異なる山かも知れません。
高校生の時分、仮入部した体育会系の部活の練習がきつくて速攻退部。やることがなくて「山でも行くか」と入部したワンダーフォーゲル部の最初の秋合宿で初めて登った山が北八ヶ岳でした。「ハイキングに毛が生えた程度」とたかをくくっていた私でしたが、病み上がりの体調不良と、同輩K君の意地悪?で使用しないテントまで持たされたキスリングの重量にも悩まされ、麦草峠からダッシュする先輩たちにまったくついていけず「もう二度と行くものか」と退部を考えたが他にいくところも無く結局卒業までお世話になりました。
大学に入学しスキューバダイビングをするつもりだったのに「ワンゲル部?幹事長候補だね」と経験者と見れば全ての新入生に同じセリフで勧誘していたD先輩の甘い一言に惑わされふらりと参加した山のサークル。早めにお暇しようと思っていたにも関わらずとりあえず南八ヶ岳の山行に参加したのは6月。「あれが大同心、それが小同心、そして私は隠密同心」というM先輩の意味不明の駄洒落を延々と聞かされ、ついに笑ってしまうまで洗脳された挙句、大学4年間をそのサークルに捧げることになったのでした・・・・
それから26年を経て、今回、南八ヶ岳に行くことにしたのは別にたいした意味を持たせたかったのではないのですが、ただ山歩きを再開したのはいいが、低山での度重なるシャリバテ?と思われるヘロヘロ症、ほぼ毎回悩まされる両膝裏の痛みを思うに正直言って「大丈夫かな?」という気持ちがあったのは事実。南八ヶ岳を歩くことでどの程度、自分が回復したか、今後またアルプスを初めとする高山に登れるのか、を図る試金石との意味合いもありました。
結果から言えば、不安だった岩場も楽しむことができ、少し自信が蘇りました。もっとも健脚なら1日で歩ける距離を小屋泊りし、サポートタイツやストックを買ったり、と以前ならかけなかったお金もかけた成果かもしれませんが。
天気もまずまずだったこともありますが、やっぱり八ヶ岳はいい山ですね。展望あり、達成感あり、高山植物あり、いろんな意味で手頃感もあって。
これでまた次も山に行きたくなった、来て良かった、そう思える山行でした。

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