八ヶ岳。赤岳〜横岳〜硫黄岳へ周回。
- GPS
- 10:06
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 1,470m
- 下り
- 1,462m
コースタイム
- 山行
- 5:07
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 5:56
- 山行
- 3:37
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 4:13
天候 | 2月11日:快晴、風強し 2月12日:晴れ、風収まっていく |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
美濃戸口の八ヶ岳山荘にてチェーン装着(SUV+スタッドレス)ビビりなので・・ 11日は祭日だったため、それなりの台数が赤岳山荘の駐車場にあった この日は四駆+スタッドレス+チェーンは少数だった 八ヶ岳山荘から林道に入るとしばらく全く雪がない。カーブを曲がり沢の橋に向かう下り坂は、いきなり凍結道路になる。無防備に突っ込むと怖い思いをすることに。 途中全く雪のない部分も結構ある。雪の部分は轍を追うと運転しずらい。轍の真ん中と端にタイヤを乗せて走るとハンドルを取られず快適。この日はチェーンなくても行けたかな・・ 美濃戸口の八ヶ岳山荘の駐車場は500円/日 美濃戸の赤岳山荘の駐車場は1000円/日(坂を上がって赤岳山荘の前で車を止めると、いつものおばちゃんが集金に出てくる) |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは美濃戸口の八ヶ岳山荘、美濃戸の赤岳山荘の前にある(私はコンパスでネット申請) 赤岳山荘駐車場から南沢/北沢分岐まで: 雪山用靴で進む。分岐でチェーンアイゼン装着 分岐から行者小屋: 概ね雪の上を歩く。次第に雪が増えていく。山の斜面をトラバースしながら標高を上げる。その後、一旦河原に出たが、すぐに樹林帯の夏道に戻った。今年は河原ではなく樹林帯を抜けて行者小屋に向かうトレースだった。行者小屋での準備はいつも手がかじかむので、風を避けるためにこの樹林帯の中でチェーンアイゼンから12本爪アイゼンへ換装。昼ご飯も済ませた(この日は行者小屋はあまり風がなく、昼ご飯や装備の換装をしても良かった) 行者小屋から赤岳展望荘: 中岳と阿弥陀岳のコルへ向かう登山路と文三郎尾根への登山路との分岐から急登が始まる。中岳からの尾根と文三郎尾根が合流する手前あたりから風が厳しい。合流地点以降は特に厳しい その先の竜頭峰への岩場は岩陰で風が収まるが、厳しい登りが続く。下りとの交錯に要注意。非常に細いステップ(右下は崖)の上を数か所登るので、細心の注意を払う必要がある 赤岳山頂から展望荘への下りは急なので、アイゼンとピッケルを効かせて慎重に下ること 赤岳展望荘から横岳: 3つの難所がある。日の出ルンゼ、鉾岳のトラバース、横岳のカニの横這い 文三郎尾根から赤岳を目指す最後の岩場部分に対処できれば、この3つの難所も対応可能と思う 展望荘から地蔵尾根への分岐を越えて二十三夜峰の登りに取り付くまでは風が厳しい。その後は北西の風が尾根に阻まれ、日の出ルンゼを登りきるまで風に悩まされることは少ない。ただし、常に右側斜面への滑落の危険があるので慎重に。日の出ルンゼは左側の岩伝いに上がり、上部をトラバースして進むのが安全 鉾岳のみ左側へ巻いてトラバースするが、その他は右に巻いて進めばよい。ただし、鉾岳の左側への下降は要注意。岩にザックをぶつけバランスを崩さないこと。その他の右側を巻く場合も、右側へ滑落しないよう慎重にトラバースすること 横岳から硫黄岳: 横岳山頂からカニの横這いのくさりが出ていることを確認する。万一、雪に埋まっている場合は、痩せ尾根を越えていかざるを得なくなる。ここを過ぎれば、硫黄へは快適な尾根歩き。ただし風の通り道なので強風に備えること 硫黄岳から赤岳鉱泉小屋: 硫黄山頂標から左前に見えるケルンを目指す。ケルンの先にトラバースしながら下降するルートがある。気を抜かずトラバースすること。ここを過ぎれば、分岐標までは問題ない。分岐から赤岳鉱泉方面へ下る。シリセードのショートカットがいくつもあるが、個人的には二足歩行でのトレースをお勧めする 赤岳鉱泉から赤岳山荘: 気持ちの良い緩やかな雪道の下り。結構長いが、楽しいトレッキングコース 南沢と北沢の分岐から行者小屋または赤岳鉱泉小屋までの登りは、個人の趣味でノーアイゼン、チェーンアイゼン、本格アイゼンの選択を。行者小屋または赤岳鉱泉小屋から先は本格アイゼン、ピッケル、ヘルメットを強く推奨 |
その他周辺情報 | コンビニ: 諏訪南ICを降りてすぐにファミマがある。過去に早朝オープンしていないことがあったので、事前に調達しておくのが安全 日帰り温泉: 今回は展望荘で八ヶ岳山荘の入浴券をもらったので初めて利用した 八ケ岳山荘: 汗を流すには手っ取り早くていい。入浴料500円 J&N: 八ケ岳山荘の向かいにある。オシャレで若い人にはこちらがいいかも。入浴も食事も可能。700円(税抜き)。食事をすると入浴は半額の350円。今回はランチのみで利用した http://j-and-n.jp/ 八峯苑・鹿の湯:600円、0266-66-2131、10時−21:45、 http://happoen.jp/hotspa/higaeri.html もみの湯:500円(17時以降300円)、0266-74-1729、10時−21:30、 http://www.lcv.ne.jp/~mominoki/mominoyu.html 延命の湯:市外820円、0551-36-6111、10時−23時 http://www.spatio.jp/hotspring/ |
写真
感想
計画している熊野古道歩きがなかなか実現できない。5泊6日で雨の降らないタイミングを見計らっているのだが、なかなか天候が安定しない。今週も後半が崩れる予報になり断念。
火曜日と水曜日は晴れそうなので、代わりに山へ出かけることに。久しぶりの鳳凰山か赤岳に的を絞り、最終的に赤岳から硫黄岳への周回にした。30年以上前に泊ったことがあるように思うものの、記憶が曖昧な展望荘に泊ることにして、1泊2日で出かけた
初日は展望荘までなので、ゆっくりスタート。といっても尾張の実家を5時半に出発。最近、足の疲労感が半端ないので、少しでも歩く距離を減らすべく赤岳山荘まで車で進むことにした。結果的にはこれが大正解で、帰りの林道歩きで足が痛くなってしまい、赤岳山荘がやっとだった
行きは行者小屋までスローペースなりにもそれなりに歩けたが、そこから先の文三郎尾根の急登で途端に足が動かなくなった。何とか文三郎尾根を登り終えて竜頭峰への急峻な岩場に入ると、緊張感で足の疲労感もどこへやら(笑)
岩場に入る手前で、自分のすぐ斜め上にヘリがホバリングしてレスキュー隊員3名がヘリから下りるという場面に遭遇し、別な緊張感も加わり、赤岳山頂までは意外とすんなり着けた
展望荘でチェックインすると、平日で宿泊者も少ないので大部屋で自由にスペースを使うべく大部屋を予約したのに、宿泊者が少ないので逆に個室に押し込められ、3人部屋に3人という想定外の展開に・・。幸いなことに相部屋の人たちは良い人で、何より鼾をかく人がいなかったのでぐっすり眠ることができた
レスキュー隊員3名も展望荘に宿泊することになり、地上と連絡を取り合っていた。改めて思う。山に「自己責任」などというものはあり得ないと。遭難すれば、このようにレスキュー隊員が命のリスクを冒してまで救助や遺体回収に向かう。レスキュー隊員にも家族はいるのだ
本人が「自己責任で登っている」と言おうが、ひとたび遭難してしまえば救助隊が出動せざるを得ない。本人は自己責任で登っているから放っておいてくれというつもりかもしれないが、登山計画から逸脱すれば救助隊は出動せざるを得ないし、家族も捜索願いを出して出動を要請する
今回は真行寺尾根と県界尾根の間の大門沢に落ちたようで、場合によってはレスキュー隊員は登山道のない斜面をスノーバーやロープを使って下っていくことになる。現にそのような装備を持っていた。遺体回収もその場でヘリに吊り上げることができれば良いが、ヘリで上げられない場合は、ラッセルしながら遺体を回収可能な場所まで移動することになる
誤解のないように言っておくが、今回の事故に遭われた方のことではない。自己責任で登ると豪語する人が万一このような事態になった時に本当に「自己責任」と言い張れるのだろうかということである。もし主張するのであれば、臓器移植の意思表示のように免許証に「捜索無用」と記入すればよい。あるいは、捜索不要である旨を家族などに伝え残しておくべきだろう。それでも遺体放置はできないので、レスキュー隊は出動するのだろうけど・・
今回は2回目の厳冬期縦走だったが、1回目よりはすんなりとできたというのが実感だ。初めて挑むときは、降雪後でトレースがない場合を想定し、雪のないシーズンに2回下見を行い、ルート取りをしっかりと頭に入れたし、直近のレコを読み漁り状況把握にも努めた
今回は1回目のレコを復習して臨んだが(備忘録として本当に助かる)、1回目に比べると用意周到さにおいて見劣りする。慣れや慢心は怖い。今回のレスキュー隊出動の事故に直面し、気持ちを新たにした次第だ。これからも自分にとっての挑戦的な山行は続けていくつもりだが、十二分な準備とベストコンディションでの決行を心掛けたい
王道ルート、好天引けてなによりです。
横岳の通過、しょっぱそうです。
山渓出版の「雪山登山ルート集」のグレーディングによると赤岳から横岳は技術の難易度は北岳より上です。
やはりピンさんみたいに積雪期歩く前提で下見しないと歩けません。
写真拝見する限りでもここ嫌らしいなって思いますもん。
西穂もそうですが八ヶ岳、南アルプスなら3,000m峰の核心部のようなところに簡単に取り付けてしまうんですから。
南アルプスは核心部に着くまでテン泊装備背負わなければエントリーすらできませんし、たどり着けない人はそもそも核心部挑戦する資格すらないと直視させられます。
それが本来の雪山の姿なんじゃないかと思います。
八ヶ岳はなまじっかアクセス楽な分、入山者が多くなってしまいその分遭難事故増えてしまうのは仕方ありません。
来週山岳会の人たちと南八ツのバリエーション歩くのでふんどし締めてかからんとならんですね。
今回は気象協会の山頂の天気予報がバッチリ当たりました。
1日早くても遅くても、ダメでした。まさにどんぴしゃの2日間でした。
天候に恵まれて、今回も無事に周回することができたというのが実状です。
それと、展望荘や赤岳鉱泉小屋の冬期営業がなければ、とてもできません。
好条件が揃い、多くの人が入ってトレースを作ってくれるお手頃な八ヶ岳や西穂だからこそ、私も厳冬期に足を踏み入れることができ、素晴らしい体感をすることができます。
それにしても、赤岳のピストンだけでも相当難易度が高いのに、本当に多くの老若男女が訪れているのには毎回驚かされます。
文三郎尾根から赤岳直下の最後の岩場を皆さん上り下りしているわけですから、あそこを通過できれば横岳への縦走も十分可能と個人的には思います。だから私のようにちょっと無理して踏み込む登山者も多くなり、時々事故も発生してしまうのでしょう。
私のような年寄りは、こういうコースを年1回できれば天に感謝です。
レスキュー隊にご厄介にならないように四季折々の山を楽しみたいと思っています。
天気に恵まれ、素晴らしい展望ですね。
また、赤岳〜硫黄岳の縦走は、スリルもあって楽しめますよね。
さて、自己責任はないとのこと、耳が痛いですね。
よほど気に入った山を除くと、基本的に行ったことのない山・レベルアップした山に登りたくなるし、基本的にソロか子ども連れだし、アイゼンが壊れても先に進んでしまったり、一つ間違えると遭難するような登山をしているなと自分で思います。
自分のレベルにちょうどかプラスアルファの登山をするからこそレベルアップするという側面もあるだろうけど、危なっかしい登山をしているんだろうなと改めて思いました。
雪山などで夏道を外れて藪こぎすると登山道整備のありがたさがわかりますし、多くの方に支えられて登山できているんですよね。
特に意見や自戒や意思表明があるわけではないのですが、ちょっと心にズシッときたので、つらつらと書いてみました。
遭難しないように、入念に準備をする、なにかの判断の際に心にブレーキを掛ける、といった心がけなんですかねぇ。
統計的には、遭難率、死亡事故率のトップは60代+男性+ソロです。
年寄りの冷や水的な山行の多い自分に対して、自戒の念を込めて書きました。
「自分のレベルにちょうどかプラスアルファの登山をするからこそレベルアップする」ことは当然のことです。それがなくては上達はありません。
装備も計画も技術・経験もしっかりしているeurekapapaさんのような山ならよいのです。問題は無謀な登山です。典型的な例は、TVにもたまに出てくる富士山登山などです。
半袖・短パン・スニーカーのような軽装で、観光ついでに登るような人を見かけます。取材陣が考え直すように諭しても、自分の勝手だろと言わんばかりに先へ進む人たちです。
どれだけ周到に計画し準備しても、不幸にして事故は発生するものです。
普段から登山道整備されている方々、事故の際に出動する山小屋のスタッフや山岳ボランティア、地元レスキュー隊などの方々に思いを馳せながら、状況を適切に判断して山を楽しめば良いと思います。
私もまだまだプラスアルファの山に挑んでいきたいと思っています。
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