憧れの 槍ヶ岳 北穂高 大キレット通過


- GPS
- 54:45
- 距離
- 41.0km
- 登り
- 2,503m
- 下り
- 2,487m
コースタイム
13日 06:43ヒュッテ大槍-07:50槍ヶ岳山荘-08:22槍ヶ岳山頂-09:10槍ヶ岳山荘-大喰岳-10:31中岳山頂-11:35南岳山頂-12:00南岳小屋-14:25長谷川ピーク-15:40飛騨泣き-16:40北穂高小屋
14日 05:10北穂高小屋-05:15北穂高山頂-08:00涸沢小屋-09:20本谷橋-横尾-明神-13:15上高地バスターミナル
天候 | 快晴・午後ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大曲から乗越までは急登が続く。乗越で東鎌尾根に出ると梯子や鎖場があるので注意だが、それほど危険ではない。 槍ヶ岳から北穂高の大キレットについての危険性は説明する必要もないと思います。初心者は絶対にこのルートは来ないようにしてください。 |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
感想
登山好きなら誰もが一度は登ってみたい人気1番の山、槍ヶ岳。
今回の山旅行の前に何度地図や雑誌を開いたであろうか。
お盆明けの山は一気に静かになるというものの、人気の北アルプス、紅葉が始まればまたどっと登山者が行くに決まっているので、この時期の平日3日間に照準を合わせて行ってみたら大正解だった。
9月11日、新大阪を22時30分発の上高地行きの夜行バス「さわやか信州号」に乗車。
上高地に着いたらすぐに登山開始のため、疲労を考慮して3列シートのグリーンカーにした。結果、脚も伸ばせるし、リクライニングもバッチリで4列シートの普通車にせずに良かったとつくづく思った。
バスは定刻よりも早く12日朝6時に上高地バスターミナルに到着。さすがにキーンと空気が冷えていた。これから始まる楽しみな登山を前に、興奮していたせいか熟睡はできていなかったものの、それほど疲れは感じない。
バスターミナルでストレッチをしていると、程なく東京から参加の米ちゃんと岡ちゃんが新宿からのバスでやってきた。彼らもグリーンカー。
久しぶりの再会を喜び合い、軽く行動食、着替え、トイレを済ませ早速梓川沿いに歩き始める。平日のせいかやはり人は少ないようだ。
明神、徳沢、横尾とほぼ平坦で広い道を馬鹿話をしながら歩く。槍沢ロッジで長めの食事休憩。私は持参したバーナーで即席カレーうどん、岡ちゃんはパン、米ちゃんは1000円の冷やしうどんを小屋で注文!
これからがいよいよ登りの始まり。
大曲まで来て、天狗原を目指すか、急登し水俣乗越か迷う。そこで出会った下りのベテラン風の男性に水俣乗越-東鎌尾根を強く勧められる。それでも一同迷っていると、後からきた2名の山ガール乗越を目がけて登り始めたため、男性3名としては男のプライドで、急登+ちょっと危険な東鎌尾根ルートを選択。
この大曲から乗越の峰に出るまでの登りは正直辛かった。強い太陽の光と9月中旬の高山とは思えない暑さで汗が止まらない。
水俣乗越にたどり着くと、先ほどの2名の山ガールは涼しげな顔で休憩していた。この山ガールらも我々と同じくヒュッテ大槍に宿泊とのこと。後に判ったが、一人は富士山登山ガイド、もう一人は上高地で勤務し、休みの日はもっぱら登山というスーパー山ガールであった。
東鎌尾根は鎖あり、梯子あり、見晴らしもよかったのだが、、下を行くルートと違ってなかなか槍の穂が見えてこない。本当に見えてこない。朝からずっと5時間以上歩いていて、一度も槍が見えないのである。槍ヶ岳がどこかに消えてしまった」にかと錯覚するほどに。その後、槍の穂先が見えた時はホッとした。
小屋のヒュッテ大槍に無事に着く。槍をバックに早速撮影。
とてもきれい、いや、きれい過ぎる小屋だ。大正解。しかも空いている。狙いどおり。荷物を置き、着替えて、入り口のテーブルでビール、下界から担ぎ上げたワインで乾杯。そうこうしているうちに17時半の夕食開始。これを読んでいる皆さん同様に、この時間が小屋で一番楽しい時間。ヒュッテ大槍の夕食は噂どおりの美味しさ。特にパスタと鶏のホイル焼きが印象に残った。同じテーブルにはマダム3人組。北海道と福岡から来たそうだ。3名とも相当の山暦。
夕食が終わると、この小屋の特色であるBARタイムの開始、8時半の消灯までゆっくり酒が飲める。しかも安い。次の日もあるので深酒はやめて就寝。
13日、5時に起床。小屋から皆寒い外に出てご来光を浴びる。今日も天気は良さそうだ。5時30分、美味しい朝食をいただき、槍を目指して行動開始。
槍に向かっているという期待感で前日の疲労の残りは感じない。
槍の肩の有名な槍ヶ岳山荘に着くとかなりの人数の登山者がいた。ザックをデポし、いよいよ今回の最大の目的の一つである槍ヶ岳山頂へ。
かなりの高度感はあるが、それほど恐怖は感じずに無事に最後の梯子も登りきる。
中年の登山ツアーの団体の方々はカラビナを使い安全にゆっくりと降りている。
山頂に着くと、何と誰もいない貸切状態!!興奮度マックス!
これから先に穂高を目指すのであまりゆっくりもできずに下山。
まずは大喰岳、中岳の山頂を槍を振り返りながら歩き、今回の2つ目のハイライトである大キレットの入り口の南岳へと向かう。
南岳小屋にてトイレと食事。3人ともカレーライスを注文。大キレットの危険性についての貼紙が食堂に。滑落で死んだら、死ぬ前の最後に口にしたものはカレーライスということになる。
ここから急にガスがかかり始める。鎖、梯子の連続。長谷川ピーク前後は本当に危ない。慎重に慎重に足を進める。バランスを崩して落ちたら一瞬で人生おしまい。
そして飛騨泣き。ほぼ垂直の岩登り。米ちゃんは放心状態。
A沢のコルで北穂高小屋に電話予約。混んでいるが大丈夫とのこと。
目の前にどっしり構えた北穂高の山様。ゴロゴロした大きな石を踏みながらひたすら山頂を目指して北穂を登る。ガスで辺りは薄暗い。寒くなり、1枚長袖を着る。
小屋まであと200mの表示。だが山の登りの200mは本当に長い。
大きな岩を越えると、そこには何と雷鳥がいた。かなり近くにいるのに逃げない。慌ててカメラのシャッターを押す。疲労が一瞬消えた。
疲れた身体で北穂高小屋に到着。宿帳を記入、下駄箱は登山靴でいっぱい。我々が割り当てられた場所は、3階の一番奥。この場所は普段は誰も割り当てないいう。山岳救助隊や、警察の方が泊まるスペースとのことで、ラッキーなことに扉付の個室。
大勢の宿泊者がいるため、食事は3交代制。最後の回を選び、それまで寒い外のテラスでビールで乾杯!一日歩き通した槍から南岳、そして大キレットが眼下に見える。達成感、充実感が疲労を打ち消していく。
ここの小屋の食事も素晴らしい。ヒュッテ大槍も、北穂高小屋も小屋スタッフの接客がとても良くて非常に好感が持てる。自信を持ってお勧めしたい。
14日 最終日。小屋を日の出前に出発し、北穂山頂でご来光に手を合わせる。
一気に涸沢まで急な下りだが、2日分の疲労が膝にきてペースが上がらない。上高地発のバスが14時半のため急ぐ必要があるのだが。。。
それにしても天気がいい。涸沢に着くと山雑誌に出てくるような綺麗な絵葉書の世界。3日間、一滴の雨にも降られていない。
涸沢小屋のソフトクリームも我慢し、ここはらはハイペースで横尾へ。横尾でカップラーメンで小腹を満たし一気に上高地へ。
13時15分、上高地バスターミナル到着。缶ビールで乾杯。解散。
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