【過去レコ】唐松岳・五竜岳 ↑八方尾根 ↓遠見尾根
- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.9km
- 登り
- 1,718m
- 下り
- 2,027m
コースタイム
- 山行
- 5:20
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 6:25
天候 | 1日目:晴れのちくもり 2日目:くもり一時晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
会社→富山IC→糸魚川IC→R148→白馬八方尾根スキー場(高岡から約3時間) |
その他周辺情報 | 五竜山荘に宿泊 https://hakuba-sanso.co.jp/yamagoya/goryusanso.html 下山後の温泉は白馬龍神温泉・おぶや →その後、閉店となったようです |
写真
感想
【1日目】
一昨年に続いて2回目の参加となる会社登山部山行(昨年の赤岳は新婚旅行と重なって参加できなかった).会社まで妻に送ってもらい,5時過ぎに高岡を出発.今回もバスはとなみ観光交通.車中ではリーダーのAさんから「4日前に牛首の岩稜付近で滑落死亡事故があった.五竜山頂直下にも危険個所がある.気をつけて行きましょう」との注意がある.
糸魚川ICで北陸道を降り,国道148号を南下して,白馬方面へと向かう.8時に八方尾根スキー場に到着.ゴンドラリフトアダム,アルペンクワッドリフト,グラートクワッドリフトを乗り継げば,一気に標高1850mの八方池山荘前まで上がることができる(土曜日であり,リフトの待ち時間を心配していたが,朝早いためか(?)全く待たずに乗り込むことができた).リフトの足元もお花畑になっており,登山道上での花々に期待が持てる.
八方池山荘前のトイレで用を済ませ,全員が揃ったところでスタート.八方池まではトレッキングコースになっており,登山者のみでなく,高山植物目当てのハイカーも多い.路傍に咲く花の写真を撮りながらのんびり歩くと第三ケルンへ至る.八方池を眼下に眺める展望地であるが,残念ながら白馬三山の上部はガスに隠れてしまっている.ここで全員の集合写真を撮り,ひと息ついたら,次の集合場所は唐松岳頂上山荘であることを確認して,再スタート.
唐松岳は学校集団登山の対象にもなるようで,3つの学校の生徒さんが下山中で,やり過ごすのに時間がかかるが,気持ちよく挨拶してくれるので,こちらも元気をもらうことができる.八方池の次のチェックポイントは下ノ樺,上ノ樺であるが,特に標識や標柱はないので,気付かないままに通過してしまう.扇雪渓にはまだ大きな雪田が残っており,絶好の休憩地になっている.
チングルマとイワカガミが競演する灌木帯を抜け出たドーム状のピークが丸山で,丸山ケルンがある(どこで別れたのか分からなかったが,丸山へは登山ルートと下山ルートがあり,下山ルートを経て丸山へ至った).ガスがますます濃くなってきた.展望は全くないので,頂上山荘を目指すほかない.
尾根上部は次第に細くなり,露岩帯もあるが,危険性はない.なおもガスの中を進むとひょっこり唐松岳頂上山荘に出る.立ち止まると体が冷えてきたので,長袖シャツとさらにフリースを着込み,山頂を目指す.
山荘の横にコマクサの群生地があり,その脇を通って頂上へと向かう.15分とあっという間に山頂へと到達する.もちろんガスで何も見えない.頂上の標柱と,三角点で記念写真だけを撮り,すぐに小屋へと戻る.山頂往復を加えても今回の歩行時間は3時間弱であり,唐松岳往復のみなら日帰りでも十分可能である.いつか天気の良い日に再訪したい.
小屋の中でトイレ(協力金200円)とピンバッジ購入を済ませてから,集合場所に戻ると全員が揃っており,あとの人たちは唐松の頂上へは行かないとのことだったので,急いで昼食を頬張る.
カメラとステッキをザックにしまい,山荘前の稜線を五竜岳に向かう.山荘前の賑わいはどこへやら,グッと人が少なくなる.すぐに牛首の険しい岩稜帯へと突入する.先日,死亡事故が起きた場所でもあり,心してかかろう.鎖場が数ヶ所連続するが,一歩一歩は難しいものではなく,三点支持で慎重に行けば問題ない.意外にも恐怖心はさほど感じない(足を踏み外したら死んでしまうという箇所はないように思ったが,これはガスで下が見えなかったからという意見もあった).
鎖場をやり過ごせば,危険箇所はなくなる.カメラを再び取り出して,写真撮影も再開.最低鞍部(正確にはどこが最低鞍部であったのか判然としないが)まで下り,その少し先で休憩を取る.早起きのせいか,低酸素の影響か,頭痛がしてきたので,ここで早めに頭痛薬を飲んでおく.
五竜山荘まではあとどれくらいだろうか?ガスで目標が見えないので,精神的には辛い稜線歩きとなる.
Fさんと一緒にトップバッターで山荘入り.部屋を案内してもらい,荷物整理,着替えをして一息つくと,三々五々皆がやってきた.例年のごとく,宴会が始まる.夕食は19時40分からとのことで,時間は随分とある.日の入り前にカメラを持って山荘の前に出ると,ガスが切れたり,また出てきたりの繰り返し.それでも時折,五竜の山頂部が見えたり,唐松岳や毛勝三山が顔をのぞかせてくれ,カメラに収めることができた(小屋の位置からは剱・立山は五竜山頂部の後ろになり見えない).
19時半過ぎから食堂でカレーライス,味噌汁,フルーツポンチの夕食をいただき,20時には床に就く.途中2度ほど目が覚めたが,山小屋での夜にしてはぐっすり体を休めることができた.
【2日目】
4時に起床し,早速出発準備.小屋の朝食は5時からで並んだ順であるが,5時にはかなり混雑するようなので,山頂往復の後に朝食を食べる計画となる.装備はヘッドライト(歩き始める頃にはすでに明るくなっており使用しなかった),ペットボトルとアミノバイタルゼリー(フリースのポケットの中)にカメラのみ.準備運動をし,全員揃ったところで4時35分に小屋を出発.今日もガスで全く展望はないが,途中一瞬ガスが晴れ,岩峰の上から太陽が昇ってくるのを拝むことができた.露岩の斜面を登ってゆく.鎖場も3ヶ所ほどあるが,牛首の鎖場に比べれば何のその.焦らずに岩場に取り付けば乗り越すことができる.
鹿島槍ヶ岳へと続くキレットとの分岐点で,1羽のライチョウとご対面し写真に撮る(すぐにどこかへ行ってしまい,後続の人たちは見られなかったよう).分岐点から数分で待望の五竜岳山頂に到達.眺望は得られないが,百名山であり,手強いアルペンムードの山と言われる五竜岳の山頂を踏めただけでも大満足.
全員での記念写真を撮ったら,気を引き締めて慎重に小屋へと戻る.キレットへ向かうと思われる大きなザックの人と何人かすれ違ったが,さすがにこのルートに足を踏み入れる勇気と技術はまだない.鎖場を終えた辺りでガスが晴れ,双耳峰が美しい鹿島槍ヶ岳を眺めることができる.鹿島槍もいつか必ず登ってみたい山だ.
山荘に戻ったら早速,朝食.ひと登りしてきた後でもあり,腹ぺこ.ごはんとみそ汁をおかわりした.朝食後,荷物をまとめ,弁当をもらって8時過ぎに小屋を出発.白岳まで登ると,鹿島槍・唐松・毛勝・僧ヶ岳の眺めがよい.何ヶ所か鎖のある岩場もあるが,今までの鎖に比べればやさしい.西遠見には20mほどの残雪の雪渓が残っており,天然クーラーから涼を得ることができる.
大遠見山にて温かいコーヒーでひと段落したら,再び下山にかかる.ガスで展望もないのでここからはカメラをザックにしまっていくことにする.中遠見へは標高差約80mの登り返しがあり,ここに来ての登りだけにしんどいものがある.小遠見は山頂を巻く.小遠見まではトレッキングの人も多い.ここまで来たら,アルプス平まで下ってしまおうかとも思ったが,丁度よいベンチがあったので,ここで小屋でもらった弁当を食べることにする.また頭が痛くなってきたので,弁当と一緒に鎮痛剤も.どうも高い山に来ると頭痛のすることが多いようだ(低酸素?疲労?寝不足?)
あとはトレッキングコースとして整備された道を地蔵ノ頭を経てアルプス平までのんびり歩く.
途中,ガスの切れ間に白馬杓子岳の台形状の山頂を見ることができた.五竜アルプス山野草園には数々の高山植物が植えられていてお花畑になっているが,人工的に植えられた高山植物というのは何だか違う気がする.
アルプス平駅で先着3人組と合流し,4人でテレキャビンに乗り込む.もし,このゴンドラが無く,歩いて下山することを考えるとゾッとするほどの高度差を一気に降りる.妻に下山報告のメールを打ち,コカコーラで乾いた喉を潤す.
「おぶや」で汗を流していたら,雷雨となり,早く下りて良かった,とつくづく感じた(翌日の新聞で「14時50分<=風呂に入っていた時間>,白馬岳の稜線で落雷にあった60代夫婦が行方不明」との記事を見付け,さらに背中が寒くなった).
隣の道の駅でそばと「野沢菜餃子」を土産に購入し,15時過ぎに富山へ向けて出発.やはり帰りに車の運転をしなくて済むのが,会山行の良いところである.『交渉人真下正義』がVIDEOで流れており,これを見たり,ウトウトしながら高岡までゆったり戻る.帰ってきてからも,1泊登山に行ってきたとは思えないほどの元気さが残っている.最近のジョギングの成果もあるかもしれない.
2日目は五竜山頂から考えると標高差1300メートルの下りであったが,サポーターが効いたか,アミノバイタルプロ(一袋約200円!)が効いたか分からないが,心配していた膝痛に悩まされることがなかった.サポーター+アミノバイタルは今後もハード山行の貴重な『お供』にしていきたい.
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