重太郎新道をひーこら登って前穂高岳〜奥穂高岳
- GPS
- 34:38
- 距離
- 27.5km
- 登り
- 2,250m
- 下り
- 2,241m
コースタイム
5:21 上高地BT
6:23 風穴
7:58 岳沢小屋 8:23
9:35 カモシカの立場 9:42
10:17 岳沢パノラマ 10:30
11:17 雷鳥広場
11:42 紀美子平 12:00
12:32 前穂高岳 12:45
13:25 紀美子平
13:55 最低のコル
15:19 奥穂高岳 15:28
15:58 穂高岳山荘
1日目(8/1)
8:22 穂高岳山荘
10:46 涸沢ヒュッテ 11:08
13:11 横尾 13:25
14:16 徳沢 14:28
15:09 明神 15:18
16:00 上高地BT
沿面距離 29.5Km
累積標高 (+)2764mm、(-)2745m
天候 | 1日目:晴れのちガス 2日目:雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
タクシー1台¥4000 (今回5人乗り合いで¥800/一人) バス ¥1200 どこの駐車場に止めたか覚えていたほうがいいです。 帰りの停車バス停名がちょっと紛らわしいし、バスに乗るとき確認されます。 (今回第二駐車場) |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所は重太郎新道〜奥穂高岳山荘の各所、鎖や梯子のあるところ。 涸沢周辺は雪渓がかなり残っていますがアイゼンは使用しませんでした。 (雪切りしていない部分では使用した方が安定します) |
写真
感想
年に1度の山小屋登山。
数ヶ月前からhaya634さんと計画し、目的地を前穂、奥穂、北穂とした。
ルートは重太郎新道を登り、涸沢へ下るもので大概の人にキツイよ〜涸沢から登った方がいいんじゃ・・・
でもこのルートの事故は下りに集中しているようだし、上高地を見下ろす眺めを堪能しながら登れるらしい・・・のでこのルートに決定。
自分にはオーバースペックなルートである。
ヘルメット購入と山岳保険加入で当日に備えた。
前日24時前に第2駐車場の到着し、車中泊。
缶ビール1本を流し込んで睡魔がくるのを待つ。
夜空を見ると星が、明日の好天を祈って眠りに入る。
4:30くらいに準備をしているとタクシーの運転手に乗り合いでどう?と誘われ5人そろった所で出発となった。
同行した人たちは槍へ向う人、自分たちと同じルートで今日中に北穂へ行く人、涸沢経由で行く人、情報交換しながら現地へ向った。
釜トンネルには5時少し前に到着。
まだゲートは閉まっているが観光バス2台とタクシー数台が待機していた。
数分でゲートが開かれトンネルへ突入!
バスターミナルに着くと結構人いますね、平日の朝一番なのに。
登山届けを出していざ出発。
すぐに河童橋。
上高地は10年ぶりくらいだ。
あの時は大渋滞して車がまったく動かず小学生の娘と奥さんと上高地BTから沢渡BTまで歩いたっけ。
よく歩けたなと懐かしく思い出した。
歩き始めは梓川支流の緩やかで透明な流れを見ながら心洗われ岳沢への登山道に入る。
小屋までは樹林帯。
登山道脇にはゴゼンタチバナが群生しており花をつけている。
そして風穴。
岩の隙間の奥には凍った残雪が残っており冷気を出している。
ここで兵庫?だったかな高校生のワンゲル部一行に追いつかれる。
引率の先生としばし話し、昨日まで天候が悪く最終日の今日、前穂までピストンして帰るとのこと。
先に行ってもらい岳沢小屋を目指す。
岳沢小屋手前で展望が開け見下ろすと上高地、奥には乗鞍岳、左手方向には西穂を形成する山々が見える。
間近に見える天狗の頭が印象的だった。
岳沢小屋はテラスが最近増設されたようで、そこで景色を堪能しながら休ませてもらう。
雨が続いたのだろうかスタッフが布団干しをしていた。
この先重太郎新道の過酷な登りが始まるがその前にお花畑を通過する。
振り返ると西穂方面の眺めがすばらしい。
まずは長〜い梯子。
写真でよく見るやつ。
haya634さんに先行してもらう。
梯子はあまり登ったことはないが(家ではよく登る)岩と接近して爪先が少ししか掛からない所に気をつければ問題ないだろう。
この先は落差のある岩場が続く。
小休止していると山ガールに抜かれる。
あれっ、岳沢小屋で布団干していたおねーさんだ。
ちょっとカモシカの立場まで散歩に行ってくるらしい。
スタッフブログ見てますよ〜と言ったらとても喜んでいた。
先に行ってもらい、カモシカの立場を目指す。
道というより、坂と言うより岩場が続く。
展望が開けそうな雰囲気の稜線に出るとさっきのおねーさんがいた。
ここがカモシカの立場ですよ。と教えてもらい、写真も撮ってもらう。
次に来るときは泊まらせもらいます。
続いて岳沢パノラマ。
名前の通り遠くに乗鞍岳、そして焼岳を見下ろし、西穂が迫ってくる感じで疲労もすっ飛ぶ展望。
重太郎新道いいね!
雷鳥広場には雷鳥いなかったので通過し、紀美子平に到着。
ガケの手前に「止まれ」のペイント。
紀美子さんはよくこんなところで落ちずに過ごせたものだ。
ここでお昼にする。
おにぎりを食べているとイワヒバリが近づいたり、遠のいたりの動きで徐々に近づいてくる。
超アップの写真が撮れた。
腹ごしらえが終わるとザックをデポして前穂高に向う。
初穂高である。
気持ちが高ぶる。
両手、両足を使って岩を登る。
両手を使うような状況の方が筋力の分散ができて楽に感じる。
途中、岳沢方面からのガスが急速に上がってきた。
ここまで来て前穂山頂の展望を消されてはたまらない。急ぐ!
山頂手前で風穴で会ったワンゲル部の高校生たちとすれ違う。
ちょっとすかれている様子で下りで手こずっていた、岳沢方面は見えないが涸沢方面はまだ見えたとのこと。
そして山頂の標識を捕らえたがそこは見送り山頂先端方面へ急ぐ。
なんとか見えた。
穂高岳山荘、涸沢ヒュッテ、一部雲に隠れてはいるが北穂方面。
しばらく眺めたあとで山頂標識に戻り証拠写真を撮って下り始める。
ちょっと明神岳方面を写真をと思い足を踏み出すと右方向に雷鳥が飛び出してきた。
「雷鳥だ!」と声に出すと後ろから来たhaya634さんが「こっちにも」と。
ツガイであった。
右方向に飛び出たのは雌で左方向にいた雄の元へ必死に走り、一緒になると何もなかったように高山植物を食べたりしてゆっくり下の方へ消えていった。
何だか嬉しい気分!
紀美子平に戻ると次は吊尾根を通って奥穂だ。
これから下る2人連れの人とルートの話を聞くと「普通じゃない」と言う。
こっちも「普通じゃない」と切り返す。
お互い気をつけましょうと登りと下りに別れる。
この頃にはガスって視界があまり良くない。
これ以上ガスが濃くなると1つ先のペイントマークが見えなくなり×マークが見つかればいいがそのまま進んでミスコースしやすくなるだろう。
吊尾根終盤〜奥穂山頂までがこれまでの疲労と重なり辛かった。
視界がきかないのでこのピークが山頂か?といった感じを2,3度繰り返した。
奥穂山頂に着くとそれまでほぼ無風だったのが強風で超寒い。
石積みの上の祠の登り証拠写真を撮ると早々に穂高岳山荘へ下る。
本来ならすぐそこにジャンダルムが見えるのであろうが残念だ。
穂高岳山荘への下りは疲労の溜まった足にはこたえる。
そして同じくらい寒さがこたえる。
最後の小屋手前の鎖場は慎重に下る。
山小屋の扉を開け、暖気を感じてほっと一安心。
5:30(第2弾)からの夕食前のひと時をストーブ脇のテーブルで缶ビールを飲みながら過ごす。
途中、小屋の診療所の看護士のおねーさんと相席になり話をする。
今日、ジャンダルムまで行ってきたそうだ。
ロッククライミングも少しやっていたことがあって、それが役にたったかなと言っていた。
2年間ネパールの診療所で過ごした後、ここに来ているそうで「すごいな〜」としか言い様が無かった。
夕食後、明日の天気を見て驚き。
雨である。しかも雷付き。
明後日も雨だ。
北穂は断念せざるおえないだろう。
誰もが落胆している。
明朝、再度天候を確認して行動を決めることにする。
ウイスキーを少し飲んで7時半位にには寝た。
朝5時頃起き天気予報を確認。
外はザーザー降り。
高山地方、大雨警報、落雷注意報・・・
何も言うことはない、涸沢に下り下山することに決定。
しかし、その後予報は急展開で雨のち晴れで警報、注意報は無くなる。
だが、雨で濡れた岩山を越えるのは危険と判断し今朝決めた通り下山することに・・・
皆さんザーザー降りのなか涸沢に下って行った。
中には奥穂方面に登っていくツワモノもいた。
自分達は回復傾向の予報だったので雨が弱まるのを待ってから出発することに。
山小屋の中で写真集を見たりで時間をつぶしていると、いつの間にか雨は止んでいた。
雨は止んだが視界のない中、ザイテングラードを下る始める。
少し下るとガスは晴れた。(穂高岳小屋はガスの中で見えない)
さらに下ると雲の隙間からこぼれた日差しがスポットライトのように涸沢ヒュッテを照らしている。
そしてザイテングラードから雪渓に入る頃には時折、前穂が見える位に天候回復した。
涸沢ヒュッテで本日の宿泊予約をキャンセルすると、涸沢カールを眺めながらビールを飲みながらおでんを食べている自分たちがいた。
朝の状況から、今これだけの景色を眺めながら日光を浴びながらここに居ることに、北穂を諦めながらも満足感で一杯だった。
雪渓を下り横尾に到着。
後は平坦な道をひたすら歩くだけ。
昨夜の雨で屏風岩から流れ落ちる百メートルはあろう連続の滝にはちょっとびっくり。
これも雨のおかげで見られる光景と雨に感謝?しつつ上高地の到着。
出発時にタクシーに相乗りした人が行っていた横尾までのダラダラ歩きが絶えられないから重太郎新道で行くんだと行っていたのがなんとなく判る気分になった。
重太郎新道の登りを試して見て下さい。
天気が良ければお勧めです。
重太郎新道を下って岳沢ヒュッテ(今は無し)に泊まった時に小屋のご主人が「事故は下りで起きるから,重太郎新道は登りに使ってよ。」と言っていました。事故が起きると出動しなければならない小屋の切実な声でした。その8年後にテントを背負って登りました。小屋から紀美子平まで実働100分でした。
絶対に安全ですよ。
そうですね。
行く前に登りか下りかネットで色々を調べてみて両方の意見がありましたが、安全性を考えたら登りですね。
登りはきついと言う意見が多いですが、景色を楽しみながらゆっくり登ったのでさほどきつさは感じませんでした。
テント背負って100分はすごいですね!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する