槍ヶ岳〜砂漠のオアシス殺生ヒュッテ


- GPS
- 54:21
- 距離
- 40.0km
- 登り
- 2,877m
- 下り
- 2,872m
コースタイム
上高地 6:35
明神分岐 7:20-7:35
徳沢 8:30-8:45
横尾 9:35-11:20
槍沢ロッジ 12:30
9日
槍沢ロッジ 5:40
ババ平 6:10
水俣乗越分岐6:30-6:40
天狗原分岐 7:25-7:40
坊主の岩屋 8:35-8:45
槍ヶ岳山荘 9:50-10:10
槍ヶ岳 10:40-10:45
槍ヶ岳山荘 11:10-11:40
殺生ヒュッテ12:00
10日
殺生ヒュッテ6:30
槍沢ロッジ 8:20-8:30
横尾 9:30-10:20
徳沢 11:05-11:15
明神分岐 12:00-12:10
上高地 12:45
天候 | 8日:晴れ 9日:晴れ 10日:曇り〜晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
※注意:昨年まで主流(?)だった足湯公園駐車場はバス停が廃止されてます。 足湯に車を止めますと上のバスターミナルまで歩くことになります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
非常に有名なコースです。整備は万全で全く危ないところは有りません。 槍の穂先も屋根にハシゴで登れるくらいの技術(?)が有れば問題なく登れます。 但し、この時期全コース人々々です。しばしば渋滞します。足が速くてもコースタイムを大幅に短縮することは難しいです(他の人に迷惑がかかります)。 当然ですが、トレランの方はこの時期はNGです。 ※山小屋の状況は非常に厳しいのものが有ります。この時期このコースの最大の難所は山小屋です。 |
写真
感想
殺生ヒュッテに行ってきました(?)
今回、当初の予定では槍から穂高への3泊4日のこの夏最大の山行を計画していました。
この時期この場所ですから山小屋泊まりは避けたかったのですが、私の体力とコースの難易度を考えるとテント泊には無理が有り「危険を承知で」敢えて小屋泊まりで計画しました。
結果は敢えなく惨敗。初日の槍沢ロッジの混雑は想像以上で、寝床の幅は一人50Cm以下、布団1枚に3人から4人、寝返りも打てず寝るどころでは有りません、全く寝られないまま朝を迎えました。
前夜もほぼ不眠で車を走らせ入山したため2日続いての徹夜では、この年ではとても山に登れる様な状態では有りませんでした。
このまま下山も真剣に考えたのですが、あまりに悔しいので槍だけは登ってやろうと思い必死になって進みました。
這々の体でたどり着いた槍の肩。予想通り人々々・・・登山ブームとは聞いていましたがこれほどとは・・・・過去10数回槍には来ていますが、こんな沢山の人は初めて見ました、数百人はいたのでは無いでしょうか。
何とか人が途切れるのを見つけて槍の穂先へ、頂上滞在5分ですぐに引き上げました。
槍の肩まで降りてきて思案。この先南岳小屋、穂高岳山荘の混雑は火を見るより明らか。
穂高への縦走はモチベーションも最悪で即中止。このまま上高地まで下山したいけど、今日の体調ではとても無理。
槍ヶ岳山荘もこの様子では1,000人くらい入るのでは・・と思えるような状況。
ツェルトは持っているけど、非常用の超小型シェルターでビバーク専用。完全に進退窮まってしまいました。
そこへ天からの啓示、殺生ヒュッテは穴場だよ〜〜〜。以前何かで読んで頭の隅にひっかかっていたようです。
よし!殺生ヒュッテに行ってみよう!
槍の肩から20分足らず、こんな近くにそんな穴場が有るの〜?
恐る恐る入ってみると、なんと良い雰囲気。まるで山小屋のよう。(当たりまえか?でも北アルプスでは貴重)
静かな受付に声をかけると、出てきた受付の人が優しくて可愛らしい若い娘さん(だから良いといっているわけではありませんよ)
予約無しでももちろんOK、気持ちの良い受け答えで、案内された寝床はこの時期考えられないような広々ゆったり。結局その夜私は畳何畳ものスペースをゆったり使って、自宅にいるような気持ちで熟睡できました。
(もちろん別料金の個室ではなく、大部屋ですよ!
話を戻して、小屋での午後のひととき。
昼には小屋に入ってしまいましたので時間はたっぷり、昨夜の疲れを取るため寝てしまおうかと思ったのですが、小屋の前のテラスのベンチが最高の展望台、槍の穂先に登っている人が見えるくらいの近さで有りながら、槍の肩からみたズングリした槍ではなく、いかにも「槍」と言った端正な姿に見えます。
残念ながら穂高は前穂の北尾根の一部しか見えませんが、南岳への稜線がよく見えます。下を見れば槍沢を行き来する人がすべて眺めら、こんな大展望がテラスから広がります。
何より良いのはほとんど人が来ないこと、周囲の喧噪から隔絶され、ここだけ全く違う時間が流れているようです。
時が経つのを忘れ2時間くらいいたでしょうか?あっという間でしたが・・・。
すっかり元気になったので、すぐ上に見える東鎌尾根の道標が気になり登ってみました。
ゆっくり歩いて15分ほど、東鎌尾根の稜線は期待通りの大展望でした。北アルプス南部の山々がすべて見えます。
槍はすぐそこに北鎌尾根を従えて堂々とそびえています。表銀座の山々、常念岳が立派です。
今回逃してしまった穂高の峰々、ジャンダルムまではっきり見えました。
ちょっと惜しかった気もしましたが無理して進まず正解だったかなと思えてきました、これが歳の功かな?(笑)
ゆっくり景色を堪能して満足してヒュッテに戻りました。
夕食までの一時、暮れなずむ景色を見ながら、小屋の旦那さん(一見怖そう)、元気な兄ちゃん(山強そう)そして受付の可愛いお嬢さん(意外に山女?)等小屋のスタッフの方々や同宿した人たちと楽しく談笑しました。
30年位前の奥秩父の山小屋にいるような不思議な安堵感を覚えるような、古き良き山小屋の時間が流れていました。
今回の山行が失敗から大成功に変わりました。
翌朝、予報通り山頂はガスの中槍は見えませんでしたが、大満足の山行が出来、登って来たときとは打って変わって意気揚々と元気に槍沢を下って帰りました。
殺生ヒュッテの方々本当にありがとうございました。
今回、計画段階で山小屋利用を躊躇したのですが、まだお盆の最盛期ではないと、完全に甘く見ていました。
教訓です。この時期、北ア人気の山域は山小屋が最大の難所です。甘く見ていると取り返しの付かないことになります。2,3日寝なくても大丈夫な体力が必要です。
でも、世の中悪いことばかりではありません。殺生ヒュッテのような救いのオアシスが他にもあるかもしれません。
(以上、すべて個人的な感想です。特定の山小屋を非難したりする気は全くありません。山小屋と言う性格上来る客を拒むことは出来ず、小屋の許容量以上に客が集中してしまい大変な中すべての小屋のオーナー、スタッフの方々が苦労され少しでも快適に過ごせるよう努力されていることは重々承知しており感謝しております)
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