山頂で悪魔がささやく双六岳〜新穂高から鏡平泊で
- GPS
- 17:40
- 距離
- 29.2km
- 登り
- 2,024m
- 下り
- 2,011m
コースタイム
新穂高温泉ロープウェイ12:20−ゲート12:27−わさび平13:25/13:30−小池新道入口13:49−秩父沢14:35/14:41−チボ岩14:55−イタドリヶ原15:20−シシウドヶ原15:51/16:01−鏡平山荘16:50
8月14日
鏡平山荘05:10−日の出鑑賞05:30/05:45−弓折乗越06:17/06:20−リンドウベンチ07:05−双六小屋07:42/07:55−巻き道分岐08:21−中道分岐08:27−双六岳09:19/10:27−(中道経由)−中道分岐12:00−双六小屋12:18−リンドウベンチ13:14/13:21−弓折乗越13:51−鏡平14:29/14:40−シシウドヶ原15:10/15:15−秩父沢16:01/16:05−小池新道入口16:43−わさび平17:00/17:15−新穂高温泉18:20
天候 | 13日:(午後)晴れ〜曇り 14日:(午前)快晴、(午後)晴れ〜曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
アルピコハイランドバス 特急バス 2800円 予約不可、座席定員制なので満席だと乗れません(この日の乗車率は8割くらい) 7月13日〜8月25日運行 http://www.alpico.co.jp/access/express/matsumoto_takayama/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
<登山ポスト> 登山指導センター、ゲート、わさび平小屋にあります。 <道の状況> ■新穂高ロープウェイ〜小池新道入口 バスの場合、新穂高温泉バス停ではなく、終点のロープウェイまで行った方が楽。新穂高温泉バス停で下車の場合も、T字路を左ではなくロープウェイ経由の方がちょっと短縮ルートです。 トイレはロープウェイ乗場2階と、ロープウェイからの橋を渡ったところにあり。 小池新道入口までは舗装と砂利道が交互になっている車道歩き。意外と斜度あります。「お助け風」付近より左岸沿い中は、風穴がずっと続いていて涼しい!炎天下本当に助かりました。 笠新道入口の水場は止まっていることもあり?14日夕方は止まっていました。 ■小池新道入口〜鏡平 基本的にずっとガレ場&林内でもずっと岩の道。土の上を歩くところはほとんどありません…。 非常によく整備されています。石の平らな面が上を向くように並べられていて、石畳あるいは石段のようです。 秩父小沢(秩父沢ではない)は数メートルくらい沢の中を歩きます。飛び石がありますが、増水時は水没するかも。 ■鏡平〜双六山荘 弓折乗越を過ぎると楽しい稜線歩きです。 一部長野側がザレて落ち込んでいるリッジを歩くところがあり、すれ違い・転倒など注意。 ■双六山荘〜双六岳山頂(稜線ルート) 稜線に乗る直前の岩場はマークが少なめ。探しながら登っていたのに、1ヶ所左に曲がるところで直進しかかってしまいました。(すぐ気づいたけど) 稜線に乗ってから山頂直下までは広い尾根。踏み跡は明瞭ですが、ガスの時は要注意。 ■双六岳山頂〜双六山荘(中道ルート) 山頂直下を除き、ゆるゆるとした花いっぱいの道。 晴れていれば全く危険はないですが、道以外の露岩部分が結構あるのでガス時にはルートに注意。 <下山後の温泉> 平湯のバスターミナルから徒歩5分の平湯民俗館内にある露天風呂がお気に入りです。 洗い場などはなく湯船のみですが、オレンジ色に濁った湯がドバドバ掛け流されています。料金は無料(300円程度の寸志)。 入浴前後は民俗館の開け放たれた座敷でのんびり。食事や軽食(ぜんざいアイス300円など)もありますが飲食しなくてもごろごろOK。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ +予備電池
携帯電話
1/25,000地形図 地図プリ
山と高原地図 槍・穂高2011年版
コンパス
笛
雨具 レインウェア上下、折畳傘
保険証
飲料 2L 水1L、麦茶0.6L、ジュース0.3L
食料 4食 昼2、夕1、朝1
行動食 飴、ゼリー、チョコなど
防寒着 フリース、ULダウン
着替え・タオル
筆記具
計画書
非常食 2食
ストック
カメラ
ストーブ
ガスカートリッジ
コッヘル、スプーン
ザックカバー
アルミ寝袋
ライター
ナイフ
熊鈴
予備眼鏡
薬・バンドエイド 痛み止め、消毒薬、テーピング他
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感想
ダンナがお盆休みは飛騨に釣りに行きたいというので、折角「あっち」に行くなら、と便乗登山することに。
彼の休みより早く出発し、新穂高にて現地集合という計画です。
が、前回の乗鞍ですっかり自信をなくしてしまって何日間・どのくらい歩けるかわからないので、ぎりぎりまで行き先に悩みました。
本当は雲ノ平や黒部五郎に行きたい(コバイケイソウの当たり年だし!)けど、今そんな長期山行できるかなあ…。そもそも筋肉痛がまだ治らないし。
西穂も検討しましたがお盆の激混みの中で岩場というのも怖い。
結局花の魅力は捨てがたく、山中1泊で双六までピストンで行くことにしました。
最終的な決め手は、前回乗鞍に行ったときにもらったアルピコの時刻表に「松本−新穂高」の直通バスを見つけたこと。
立川から朝5時半過ぎの鈍行で行けば、新穂高ロープウェイに12時着というもの。
CTを調べると、何とかその日中に鏡平までは行けそうです。
ただ、1泊しか取れないので、2日目は鏡平→双六往復→新穂高と1日でこなさなきゃいけません。
計画書でルート図を作ってみると、1日目の歩行距離は約9km、標高差は登り1200m。2日目など歩行距離約20km、標高差は登り600m+下り1800mもあります。
前回日帰りかつ累積標高差600m足らず(登り・下りとも)でへろへろになった私に、耐えられるのか…。
しかも1日の歩行距離約20kmというの自体、そもそもやったことがありません。
でも悩んでたってやってみなきゃわからない!
1日目で様子を見て、きついようならわさび平泊や弓折岳往復でも仕方なし、とチャレンジすることにしました。
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家から始発では間に合わないので、またもや立川のネットカフェで前泊。
5時半過ぎから鈍行を乗り継ぎ、松本発10時のバスに乗ります。
予定よりちょっと遅れて新穂高に着いたので、12時20分、ロープウェイ駅を出発です。
やはり足以外の筋肉も落ちているのか、普段あまり意識しない荷物の重さが応えます。
わさび平までの林道は意外と高度を上げるので、地味にきつい。
標高が低いところを昼過ぎに歩いたので、林道沿いにずっと続く風穴からの冷たい風には本当に助けられました。
前回のことがあるので、一旦のチェックポイントは秩父沢。
ここまでであまりにも疲労が強いかCTから遅れるようなら、引き返して今回は素直にわさび平泊にしよう。
そう思っていたのですが。
登れば登るほど、テンションダダ上がり!
何か変な物質出てんじゃないの、というくらい調子が上がっていき、シシウドヶ原から上は街で階段上がるよりもすいすいと進み、計画より30分も早く鏡平に着きました。
こないだの乗鞍は一体何だったのか。
鏡平に着いたときは一面真っ白だった槍方面も、夕暮れにはガスも落ちてきて何とか逆さ槍も見れ、夜は夜でくっきりした天の川とペルセウス流星群の名残りが。
夜空を半分くらい横切っていくマグネシウム弾のような火球を見たときには、本当に来てよかったと思いました。
翌日も絶好調!
花が出てくると途端にペースダウンするのはいつものことで、長い行程にもかかわらず少しゆっくりしすぎ。
久しぶりのアルプスの稜線、しかも雲ひとつないすかっ晴れ。
地図でしか見たことのない山々がぜーんぶ見える。
双六岳の山頂は360度、どこ見ても北アルプス。
何故かそれ以外の遠くは霞んでいて、世界には北アルプスしかないみたい。
ここで真剣に悩みました…。
こんないい天気の中、まだまだ歩けるのに、私は戻らなきゃいけないのか。
調子崩したことにして、今日は下山出来ませんとか、言っちゃおうかなー…。
そしたらもっと歩ける、黒部五郎はもう1泊だけでは無理だけど、鷲羽行って三俣山荘泊なら、明日には下りられる…。
そんでわさび平集合にしちゃえばいいじゃない!
そう、ダンナが左俣で釣りたいというので、翌日も2人でわさび平まで来る予定になっていたのです…。
今日新穂高まで下りて、明日わさび平まで日帰り往復。超無駄!
頭の中で悪魔が囁き始めたので、気を落ち着けるためにお茶を沸かして景色を堪能します。
あー、今日下りるなら、せめて三俣蓮華まで行けないかな。昨日会った人が雲ノ平が見えるって言ってたしな。
でもそしたらプラス2時間かあ。歩行距離は何キロになるんだろう…。せめて明日昼ごろわさび平集合にしておけばよかったな。
ゼリーを食べ、パンをかじり、おにぎりをほおばり、最後に焼き菓子とチョコまで食べて、奮闘1時間。やっと悪魔を退散させることに成功しました。
やっぱり夫婦間に徹底的な亀裂と不信を与えそうなことはやめとこう(笑)。
下山の中道ルートはコバイケソウ祭り。
コバイケイソウ、実は単体ではそんなに好きな花ではないのですが、やっぱり群生していると華やかで見ごたえたっぷり。
あっちこっちで写真撮りまくり、鏡平に着いたときには予定の2時間40分遅れ。
結局そこからは一目散に下りたものの、最後の林道の辛かったことといったら。
足の裏にマメ出来ちゃうし、半べそをかきながら何とか2時間遅れまで詰めて新穂高に到着すると、待ちくたびれたダンナがそこに。
「まあ、時間通り下りてくるとは思ってなかったけどねー」
「悪魔と戦ったんだよ!勝ったんだよ!! \(*`∧´)/ 」
「はいはい ̄Д ̄ 」
悩んでいた体調、ふたを開けたら絶好調。
それなのにこれからいいところ!ってとこで帰らなきゃいけないなんて。
天気が悪かったらこんなに悩まなかったのにね。
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この長期好天、ずっと先に行ける人が本当ーにうらやましかったです。
あの先へいつか。絶対に。
待ってろよー雲ノ平!!!
poniさんお久しぶりです。
前回のレコだとおやおや・・・なんか雲行きがというような
感じでしたけど、今回はご自身も書かれているように
終始調子良さそうで読んでて安心しました
poniさんの撮る写真はセンスが良くていつも見てて楽しいですね
こちらこそお久しぶりです〜。
本当に絶好調で、天気も最高で、こんなことならもっと長期のスケジュールを立てればよかったです〜
でも、あんなんだった乗鞍も、ちゃんとリハビリの役にはたってくれたのかもと思いました。
ご心配おかけしてすみません!
写真楽しんでいただきうれしいです
ザックしょったまま屈伸して撮っている甲斐があります
poniさん、こんにちは!
本当に天気が良かったですね
コバイケソウは10年に1度?の超〜当たり年だし
ペルセウス流星群を見るのには稀にみる好条件だったし
双六の山頂付近は携帯の電波は入っていたし
この条件では、夫婦間に亀裂が入らないことが一番だと思いますが、
仮に悪魔の囁きにのせられていても仕方なかったと思いますよ
あっそうそう、poniさんのレコの写真に私が写っていました。
双六池の前でテントを撤収しているの青い服が私で、
その隣の水色の服が途中で知り合った釣人のお兄さんです
コメントありがとうございます
やっぱり乗せられても仕方なかったですよね??
実は鏡平小屋でも3人ほど実体のある悪魔(?)さん達に囲まれていまして…
皆さん、口々に「もったいないよ、下山できないって言っちゃいな!」みたいなのりでした。
もうすごい誘惑だったのですが、なんとか振り切りました。
でも今でもやっぱりちょっと後悔…ronさんのような記録見ちゃうとますますです
「思い出すだけで取り乱す」なんて、やっぱり見ておけばよかったなあ。
超大当たり年は10年周期なのですか
その頃にもまだ行けるかな〜。
頑張らなくっちゃ!
それにしても私の写真にronさんが写っていたとは!
頂上だけでなく、テン場でもニアミス?だったのですね
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