レコ500回記念 残された最後の3000m峰富士山を吉田口富士浅間大社から富士宮口へ縦断
- GPS
- 15:35
- 距離
- 29.9km
- 登り
- 3,140m
- 下り
- 1,575m
コースタイム
- 山行
- 4:45
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 5:56
- 山行
- 6:20
- 休憩
- 3:09
- 合計
- 9:29
天候 | 20日 晴れのち曇り 21日 晴れのち曇り 山頂はガス |
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過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山は富士宮口五合目へ。バスで新富士駅へ。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
装備
MYアイテム |
ちゃむ
重量:-kg
|
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感想
3,000m峰最後の登頂になった富士山。日本の最高峰3,776mの富士山。
どちらかというと眺めて美しい山という印象が強く、余り登りたいと思う山ではなかったのだが、一昨年涸沢岳を登って3,000峰を20座まで登ってしまい残りが富士山一つになってしまうと何故か登らなきゃという思いにつかれてしまった。しかし、昨年はコロナの影響で山小屋も閉じ、入山も禁止され、一年延ばしになってしまった。
今年もコロナの影響は依然として少なくないが、幸い感染防止対策をして小屋も開きバスも運行を始めたので計画を立てて時期を図っていた。
日程を予約したものの、ここへ来て夏の大雨が続き、コロナの感染も拡大の一途、非常事態宣言があちこちに、静岡県まで拡大されることになって、さてどうしたものかと悩みはしたが、何とか天候の方は回復しそうな様子になって思い切って19日の夜行バスに乗り込んだ。
今回は、一般的な五合目までバスで登っての登山ではなく、せっかく登るならと昔の人の富士登山の気持ちを少しでも味わえたらと富士吉田の浅間神社から吉田口登山ルートを標高差3,100mを上り詰める計画にした。
大阪から河口湖へ向かう夜行バスFUJIYAMAライナーに乗り、朝8時過ぎに富士山駅(旧富士吉田駅)に降り立つ。少し雲はかかっているが青空の下にそびえたつ富士山の姿を見上げて、やっぱり見て美しい山だなあと思った。
それでも北口本宮富士浅間大社にお詣りをして気を引き締めて登山を開始。2005年に整備されたという吉田口遊歩道へ入って馬返へ向かう。この道は、馬返しへの車道(古くはこちらが登山道だったそうです)とほぼ並行する歩行者用の道で、富士山麓の樹海の中をだらだらと登っていくものだった。にしても馬返しはもとよりその上にある一合目までのなんと長かったことか。神社の場所がゼロ合目としたら三時間かけて漸く一合目に到着したことになる。
馬返しの駐車場から先は、車で登ってきた人たちも加えて幾つかのグループと後先になって登っていくことができた。
一合目から先は石畳も残る古くから使われてきた登山道そのもので、二合目、三合目と上がるごとに昔の禊所や小屋、祠の跡などがあり、まさに世界遺産指定の根拠ともなった富士信仰の歴史を感じる山旅になった。
宿泊地の里見平★星観荘(標高2,240m位)に着くだいぶ前からガスに巻かれていたようだが、所詮は樹海の中の登行なので余り関係は無い。
初日の宿泊になった星観荘さんは、聞いてみるとその日の客は自分一人だったとか。コロナの非常事態宣言が延長されて多くが予約をキャンセルしたり、日程延長をしてしまったとのことだった。後先になって一緒に登ってきたグループの人たちは下の佐藤小屋か、もっと上の小屋まで頑張ったものだろうと思った。あるいはトレランの人たちはすでに登頂を終えて下ってきているのかもしれない。
そんなことで女将さんとは色々と古い時代の登山の様子なども交えてお話しを伺えて何とも楽しい時間を過ぎさせてもらった。
夕方以降、雲も取れて河口湖や富士吉田の街が見えるようになり、夜景が美しく、里見平の名前通りの眺めとなった。
二日目は、山頂を越えて御殿場口砂走まで下るため早朝4時に出発した。六合目を過ぎ、七合目下辺りで東の空が明るくなり、そしてご来光を迎えた。独立峰の富士から眺めるご来光は、眼下に光る山中湖を従えながら、何とも広々した感じでとても美しかった。またモルゲンロートに赤く染まる山肌や段々畑のように並ぶ小屋もまた美しく登る力を与えてくれたように思う。
そして七合目、八合目と登るに従い、眼下に広がる景色の高度感や広がりも今まで味わったことのないものとなった。流石に北アルプスまでは見えなかったが、それでも八ヶ岳、奥秩父、丹沢の各峰々が姿を現して楽しませてくれた。
残念ながら八合目から上部に入ると雲がかぶり、少し雨粒まで落ちてきて風も強くなったがそれでも下界の景色は結構最後まで望むことができた。
スタートからおよそ5時間で吉田口の山頂、浅間大社奥宮に到着。予定よりも1時間近く早く登ることができた。とは言っても、八合目の辺りから足の痙攣を感じ、二度ほど芍薬甘草湯をアミノバイタルのお世話になりながらの登行だった。
奥宮にお詣りの後、反時計回りにお鉢をまわって最高点の剣ヶ峰へ向かう。ガスで何も見えないお鉢を覗き込みながら最後の登りを詰めるとそこが最高点に建つ気象観測所だった。観測所前の日本最高所の山頂碑の前でガスの中での記念撮影をしたが、富士山の場合、360度の大展望というのは観測所の屋上にでも上がらして貰わない限り得られないのだなあ、としょうもないことに気が付いた。ということはどんなに晴れていても誰一人(観測所を建てたり、メンテをするために屋根上に登った人を除く)日本一の山頂からの360度の大パノラマは見たことがないということなんだと思って変に納得してあきらめもついた。
剣ヶ峰から下って富士宮口の浅間大社奥宮にお詣りして、登頂記念のためありがたい日本一高いと思われる御朱印(普通はどこの神社仏閣でも300円だけど、ここのは特別らしくて1,000円でした)を頂いて山頂を後にした。
下りは、御殿場口からその日の宿泊予定としていた砂走館(標高3,100m)へ下る。山頂から少し下るだけでガスの下に出たのか少しずつ視界が晴れて景色が姿を現してきた。北から登ってきて南側に下っていくので景色も全く反対側で、今度は駿河湾やその先に延びる伊豆半島を眺めながらの下山となった。にしても高いところから見下ろす伊豆半島など丁度地図を反対にして少し斜に眺めたのとそっくりなのでとても面白かった。
伊豆半島の東奥には伊豆大島、相模湾を隔てて三浦半島、更にその先には東京湾を隔てた房総半島の長い帯までが展望できたのには驚いた。
そして下山口から1時間少々(11時25分)で砂走館に到着。思ったよりずいぶん早く到着してしまったので、宿泊をキャンセルさせてもらって一気に富士宮登山口まで下ることにした。
キャンセルのお詫びにと思って購入したコーラの味は最高にうまかった。
その後は、予定していた通り宝永山を経由して宝永火口の下を抜けて富士宮口五合目登山口のバス停まで下った。砂走も一部経験させてもらったし、何とも不思議な宝永火口の景観も眺めたし、まずまずの登山の仕上げにはなったと思ったが、13時発のバスに30分遅れたため、待合室で2時間半も次のバスを待つ羽目になってしまった。
こんなことなら少ししんどいことになっても第一火口縁から第二火口、第三火口を巡って御殿庭を経て須山口登山道を水ヶ辻公園まで下りてバスに乗れば良かったかななんて思ったりもした。
ともあれ、遂に3,000m峰21座を登りきることができた。
定年を間近にして再開した登山。若い頃に登った北岳など南アルプスの5座を除けばそれ以来の十年余りで残りを完登できたということはよく頑張ったなと自分でも思う。
でもこれだから山歩きは楽しいとも言える。一つの目標がこれで達成できたことは事実だが、まだまだ目標はやろうと思いさえすれば幾らでもできると思う。
まあ、歳相応にではあるがチャレンジの気持ちを忘れずにもう少し頑張ってみよう。
振り返ればヤマレコのレコを載せるようになって12年余り(レコ自体は13年前のものから載せています)。今回が500回目のレコ(正確には、前回の屋久島が500回目だったが、残念ながら宮之浦岳に登ることができなかったので今回を記念の登山とした)に当たるのも一つの節目になるのかもしれないと思った今回の富士山登山だった。
【2021年の山行15回目】
今回の歩行距離:30.7km 2021年の累積距離:216.0km
今回の累積標高:3,375m 2020年の累積標高:21,513m
コメント
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レコにも書きましたが、これまで富士山は眺める山で、登る山ではないと思っていました。
ともあれ、最後に一度登ってみようとなった時、折角なのでやはり麓から登ろうと一念発起しました。海抜ゼロメートルの田子の浦から歩かれる方もいらっしゃると聞いていましたので、それに比べればというところで自分的にはチャレンジするのに丁度良かったと思います。
下から登るとはすごいの一言で、僕などは思いも付かないことです。
標高差3100mですか、うーん。体力すごいんですね。
浅間大社から登ったのは、どうせ登るなら江戸時代からの富士講の人々の気持ちになってみようと思ったことからです。まっ、先週の屋久島で宮之浦岳に登れなかった腹いせも少しあったかもしれません。
今回の登山は、体力云々というよりひたすら「我慢」だったでしょうか。
chokusenさんのように難度の高い沢を夏も冬も登られることの方が余程に技術も体力も必要だと思いますよ。
また、ご一緒しましょう
レコ500回記念および最後の3,000m峰おめでとうございます。
今後、更にご活躍されることを期待してます。
私はここ1−2年ガクッと気力が(体力も併せて)なくなってきました。
コロナ禍が無くなりそうもありませんが、涼しくなったらあまり人の行かないところを歩こうと考えています。
お祝いいただき恐縮です。
大ベテランの貴兄には遠く及びませんが、目標を作っては少しずつクリアをしていくように自らを奮い立たせているところです。今回の3,000m峰制覇も一つで、自分も体力が残っているうちにと何とか頑張ってみたものです。自分も身体の方と相談しながらになりますが、いつの日かアルプスの主脈を繋げられたら嬉しいなあと思っています。
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