八ヶ岳縦走(赤岳〜横岳〜硫黄岳)※山小屋泊のつもりが…


- GPS
- 12:40
- 距離
- 15.2km
- 登り
- 1,490m
- 下り
- 1,477m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道全般に整備されていて危険箇所はありません。 行者小屋〜赤岳、赤岳〜横岳の区間は高度感のある急な岩場が続きますが、鎖場、ハシゴ、ロープが整備されているので慎重に進めば問題ないと思います。 今回歩いたコースでは行者小屋、赤岳頂上山荘、赤岳天望荘、硫黄岳山荘、赤岳鉱泉と山小屋が多数あり、食事やトイレには困りませんでした。 |
写真
感想
10月になり高山に行けるのも今年は最後になりそうなので、ずっと登りたかった八ヶ岳に行ってきました。以前から初めての山小屋泊は八ヶ岳でと決めていて、今回お天気も良さそうな3連休に山小屋を予約をしました。まあ結局は日帰りになってしまうんですが…
3連休は後半2日間の天気予報が良かったので、土曜日は移動のみで美濃戸の駐車場で車中泊。日曜日に早朝から行者小屋経由で赤岳、横岳を縦走して硫黄岳山荘に泊まり、月曜日に硫黄岳から赤岳鉱泉を経て美濃戸に下山する予定を立てました。
土曜日の午後に大阪を出発。時間はあるので高速代の節約のため、下道で長野県に向かい、茅野市付近のコンビニで買い物を済ませて、美濃戸口からの悪路を通って美濃戸の赤岳山荘駐車場に夜12時過ぎに着きました。連休の中日のせいか駐車場はこの時間で既にほぼ満車でなんとか空きスペースに停めて早々に休みました。
翌朝5時に起床すると辺りはまだ暗く、標高1500mの美濃戸は相当な冷え込みでしたが、もう既に出発準備をされている人がかなりいました。私たちも準備をしながら明るくなるのを待ち、6時に駐車場を出発しました。
駐車場から林道を少し歩くと、すぐに美濃戸山荘の前を通って登山口の分岐に出ます。ここから南沢コースに進んで、最初は苔むした樹林帯を歩き、沢沿いに少しずつ高度を上げていくと、やがて視界が開けて八ヶ岳の山々が目に入るようになり、登山口から約2時間半で行者小屋に着きました。
標高2350mにある行者小屋は南八ヶ岳の阿弥陀岳や赤岳への起点になるログキャビン風の綺麗な山小屋で、広いペンチやテント場もあるので大変な賑わいです。目の前に迫る赤岳・阿弥陀岳・横岳の山容が雄大で、ついつい30分以上も休憩してしまいました。
行者小屋からは文三郎道で赤岳を目指しますが、阿弥陀岳への分岐を過ぎた辺りから道はドンドン急登になり、鉄の階段を連続して登ります。途中からのガレ場をよじ登っていくとやがて尾根に出て、中岳から阿弥陀岳の綺麗な稜線が目の前に伸びています。阿弥陀岳に歩いて行く人も沢山居ましたが、私たちは赤岳に向かって更に荒々しくなる岩場をもうひと頑張り。行者小屋から約2時間の11時過ぎに八ヶ岳の主峰・赤岳(2899m)に到着しました。
赤岳山頂は雲ひとつない快晴で、360°のパノラマの展望を沢山の人が楽しんでいました。私たちは山頂の断崖絶壁に立つ赤岳頂上山荘で登山バッチを購入してから、いよいよ今日のメインの横岳へ向けて縦走します。
赤岳からはザレた急坂を下りますが、滑りやすくて両端の鎖を支えにしないと転びそうになります。また足場は脆いので落石させないように慎重に下って40分ほどで赤岳天望荘です。ここからの眺めも最高で富士山や北.南アルプス、前回登った御獄山もはっきりと見えました。
赤岳天望荘から先は横岳への高度感のある岩場が続きます。ハシゴと鎖のオンパレードでどうしても慎重になる上に、横岳方面からすれ違う人が沢山居て、一つのハシゴですれ違う人を10分待って、やっと通れる場面もあったりで、とにかく時間がかかりました。それでもスリルいっぱいの岩場の稜線を楽しみながら歩いて、赤岳から約2時間の13時40分に横岳の最高峰の奥ノ院(2829m)に着きました。
奥ノ院を過ぎてもまだまだ難所は続き、岩場の急坂をハシゴや鎖を渡って下って行くと、台座の頭というピークから今日のゴール(の筈だった…)の硫黄岳山荘の青い屋根が見えてきました。この辺りからは道は穏やかになって、快適な稜線歩きになりました。そして14時30分、予定より30分遅れでしたが無事に硫黄岳山荘に到着しました。
ここで宿泊の手続きをしようとした時にとんでもない失態に気づきます。なんと財布を車の中に忘れて来てしまったんです!暫し呆然とする私たち。
どうしよう…
まさか山小屋で借りたり、後払いなんてできるとも思えないし、小屋前で野宿する訳にもいかないし…
考えた結果、もう下山するしかないという結論になりました。ここから下山して美濃戸までのコースタイムは約3時間半なので駐車場に18時に着く計算。日没ギリギリくらいでしょうか?どちらにしてものんびりしてる場合じゃなくなってしまいました。山荘の方に急な用事(財布を忘れたって言えませんでした…)で下山しますとキャンセルを告げて、硫黄岳山荘を後にします。
初めての山小屋に泊まって、夜の満天の星空や、朝のご来光を見る楽しみがあっけなく崩れた現実を受け入れられずにいる私を、相方がなんとかなだめて、とにかく硫黄岳山頂を目指します。
硫黄岳山荘から硫黄岳には一定の間隔でケルンが積み上げられていて、山頂までの目印になっています。ザレた道をケルンに導かれて登ると30分ほどで硫黄岳(2760m)に着きました。硫黄岳の山頂はとても広くて優しい雰囲気でしたが、北側の爆裂火口の荒々しい急斜面とのギャップが印象的でした。
硫黄岳ではおそらく硫黄岳山荘で泊まる予定の方々が、夕食までの時間を過ごされていて、とてものんびりしたムードでしたが、私たちは山頂で下山ルートを確認して、赤岳鉱泉から美濃戸に向けて早々に下山を開始します。
硫黄岳から尾根を下り、赤岩の頭と呼ばれる白い砂地の鞍部では、私たちの50mほど先にカモシカが居て、周りの皆さんが歓声を上げています。すぐに草地に入って見えなくなってしまったけど、時間がないので先を急ぎます。ここからハイマツ帯のザレた急坂を下りていくと、やがてダケカンバの樹林帯になり、ジョウゴ沢に架かる橋を渡ってから大同心沢、裏同心沢の二つの小さな沢を渡ると赤岳鉱泉に着きました。
赤岳鉱泉で時間を見ると16時45分。ここから美濃戸までのコースタイムは1時間30分なので日没は避けられそうにありません。ただ事前に調べた時に北沢コースは堰堤広場と呼ばれる場所から、車が通れる幅の林道が美濃戸まで続いている筈なので、そこまで行けばヘッドランプだけで充分歩けるだろうとの相方の言葉を信じて先を急ぎます。
赤岳鉱泉からは比較的なだらかな道を沢沿いに歩き、整備された木橋を何度も渡り返します。5時を過ぎると太陽は山に隠れて、少しずつ薄暗くなってきました。沢筋なのでゴロ石で踏み跡が明確じゃない場所もあり、日没後にヘッドランプの灯では厳しそうな場所もあったので、まだ明るさがある内に通れてよかったと思います。
やがて赤岳鉱泉から約1時間、最後の橋を渡って堰堤広場に着きました。ここからは確かに広い林道になって、車も停まっていたので一安心です。硫黄岳から休憩なしで下りてきたので喉もカラカラで、広場で休憩をしている内に完全に日は落ちてしまいました。ヘッドランプの灯でもう一度、地図を確認してから美濃戸までの道をゆっくり下りて行きました。
結局、美濃戸に着いたのは18時50分。辺りはもう真っ暗です。駐車場で自分たちの車に到着してホッとしていると、後から2組の方が美濃戸に帰ってきたので、途中で出会っていれば心強かっただろうなと思いましたね。春の六甲縦走以来の日没歩きになってしまって大反省でしたが、逆に忘れられない1日になりそうです。
山の魅力がいっぱい詰まったミックスジュースのような八ヶ岳。何より今回は泊まれなかった硫黄岳山荘に来年こそ必ず泊まりたい!そして財布はもう絶対に忘れません(笑)
登山道具は、マメにチェックしても
財布を忘れるって、僕も経験あります。
真っ青になりますね。
ダメモトで、小屋の方に、聞いてみても
よかったのかも?と思いました。
お金は、あとから振り込むとか。
暗くなってからの下山は、危ないですし。
ご無事の下山、何よりです。
お天気、すばらしいですね。
八ヶ岳は、すばらしい山ですね。
お恥ずかしい限りです。
普段日帰りで、あまり山にお金を持って入らないので、山小屋に着くまで気付きもしませんでした( ̄▽ ̄;)
後から振り込むこともできたのでしょうか?
確かに聞くだけでも聞いてみるべきでした。
初めての場所で日没歩きはダメですね。
komakiさんも、同じ日に近くの山に居らしたんですね。
八ヶ岳は来年も、またきっと行きたいです。
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