南プス 聖岳、赤石岳周回。極上の百高山締め括り
- GPS
- 40:28
- 距離
- 56.6km
- 登り
- 4,755m
- 下り
- 4,641m
コースタイム
- 山行
- 8:25
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 9:43
- 山行
- 12:05
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 13:09
- 山行
- 11:39
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 12:55
- 山行
- 4:05
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 4:06
天候 | 10月27日(水):晴れ 10月28日(木):快晴 10月29日(金):快晴 10月30日(土):快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
新静岡ICからはR27、R189、R60を通って、井川駅を通過しながら畑薙へと進むルートと、落合でR189へ直進せず、右折してR27を走り続け、口坂本温泉を経由してR60へ合流するルートがある どちらも峠越えで、道幅が狭く神経を使う。かつ早朝の暗い時間帯は、鹿や狸(アライグマ?)などの動物に要注意 駐車場は、畑薙ゲート横に10台ほど、そのすぐ手前の沼平駐車場に20台ほど、さらに手前の畑薙第一ダムを渡って右手に30台ほどの駐車場がある。トイレは畑薙第一ダムを渡った所にある |
コース状況/ 危険箇所等 |
畑薙ゲート、各登山口にポストあり(私はコンパスにてWeb提出) 季節の変わり目なので、積雪の状況は消えたり増えたりを繰り返す。最新の状況をご確認の上、出かけてください 聖沢登山口から聖平小屋: いきなり急登から始まる。その後のトラバース路では、傷んだ吊橋や損傷したトラロープの崩落地通過があるので要注意。標高差約1100mを地道に上げていく 聖平分岐から上河内岳: 標高約600mを上げるが、道は明瞭で危険個所はない 聖平分岐から聖岳: 標高約800mをひたすら登る。薊畑を通って小聖岳までは危険個所はない。聖岳への急斜面は、積雪でペンキの印が分かりづらい。登山道を外すと、ザレた斜面はズルズル滑って登りにくい 聖岳から兎小屋: 聖岳の北側斜面を下るので積雪量は格段に多く、ルートも分かりにくい。GPSを確認しながら、尾根筋やトラバース路を下る。聖兎コルからの登り返しは、危険個所はないものの急登 兎岳から中盛丸山: 小兎岳、中盛丸山、大沢岳とアップダウンを小刻みに繰り返す。兎岳からの斜面の下りが分かりづらい。もう少し積雪すれば、コルをめがけて登山道を気にせず一直線に下りられる。中盛丸山への登りは、トラバース路を進み、登り返して尾根に出る。積雪が進むとトラバース路が分かりづらく、かつ雪崩の発生リスクもあるので、尾根伝いに登ることになるか・・ 中盛丸山から百間洞: 大沢岳への登りは尾根伝いで比較的明瞭。百間洞への下りは山頂を通過して回り込むように下るルートと、登ってきた道を戻って分岐からトラバース路で小屋へ向かう2通りがある。選択は好みで 百間洞から赤石岳: テン場から百間平まで急登。しっかりとした雪があれば、本格アイゼンを推奨(特に百間平手前の最後の登り)。百間平とその後の馬ノ背は比較的平坦だが、雪の状態によっては沈み込み、踏み抜き、ラッセルなどがある コルからの大斜面は、トラバースしながら標高を上げる。積雪が増えても、基本的に夏道を辿るのが登りやすい。雪面が硬い時はアイゼンが良く効くが、滑落の危険度が増すので、しっかりしたピッケル・アイゼンワークが必要 赤石岳から赤石小屋: 稜線には雪が積もり、雪庇もでき始めているので端に寄りすぎないこと。分岐からの下りは比較的雪が少ない。途中でトラバースしながら隣の尾根に移動する。登り返しも繰り返しある。トラバース通過は注意を要する箇所が数か所ある 赤石小屋から椹島: 10月末時点で、小屋から下には雪はない。樹林帯を下るが、途中デコボコ岩の個所がある。積雪し始めたらアイゼンをひっかけないように なお、聖平小屋の前に「聖岳180分、椹島240分」の標識があるが、椹島に限って言えばありえない。私は通常CTの8割で下りるが、過去の山行でそれなりの速度で下って聖沢登山口まで3時間40分(220分)、椹島ロッジまで4時間20分(260分)かかった。聖平小屋から椹島までは、山と高原地図の5時間40分(340分)が一般的かと思う。逆回りの方は標識を鵜呑みにしないよう注意されたし。なお今回の聖岳への登りでは4時間を要しているが、重たいザックと加齢のためで、自分としてはCT+60分は受容範囲内と思っている |
その他周辺情報 | <コース上の山小屋> 聖平小屋: 大きくて立派な冬期小屋が開放されている。今後積雪すると1Fにある入り口が雪で埋まるので除雪が必要 水場:すぐ横の沢の水。涸れているときは聖沢登山口方面に数分歩けば沢がある トイレ:100mほど離れた場所。使用済みペーパーは持ち帰り テン場:利用可 兎小屋: ブロック積みの小さな避難小屋。外壁は穴だらけだが、内壁がきれいにしてある。入り口のドアが閉まらないので、写真のように締める 水場:50分程離れた場所 トイレ:ない。小屋内に携帯トイレが備蓄されている テン場:小屋前に数張り可能 百間洞小屋: 小屋の2Fに避難小屋スペースがある。10人くらい宿泊可能 水場:すぐ横の沢の水 トイレ:ない テン場:小屋から少し赤石岳方面に進んだところにあり。利用可 赤石頂上避難小屋: 小屋の2Fにきれいな避難小屋スペースあり。10人くらい宿泊可能 水場:ない トイレ:外に別棟があるが、ドア下部の雪の除雪が必要 赤石小屋: 本棟すぐ横の冬期小屋の看板の建物ではなく、椹島方面に50mほど進んだところに倉庫棟があり、冬期小屋として開放されている。新しくて綺麗。梯子を上って2Fから入る。内梯子で1Fに下りられるが、1Fスペースへのドアは開かず、利用できない。2Fスペースに4人ほど、1Fの梯子を下りたところで1-2人寝られるかな? 水場:冬期小屋から下ること数分。細いながらもパイプから出ている トイレ:本棟へ戻ると、少し先にトイレ棟がある。利用可。ペーパーボックス有 <コンビニ> 新静岡ICを下りてすぐにローソンが、少し先にファミマがある。その先はない <日帰り温泉> 赤石温泉白樺荘:温泉と昼食に利用した 510円、静岡市葵区田代1110-5、TEL 054-260-2021、10-18時。沼平Pから車で5分程。大きくて露天もあり。食事、宿泊も可能 http://ikawa.ooi-alps.jp/kanko/preview.asp?cd=7&no=82 田代温泉 井川オートキャンプ場: 350円、静岡市葵区田代449-2、TEL 054-260-2322、8-20時、水曜定休。小さい(数名で一杯) http://www.okushizuoka.jp/100sen/spot/000127.html 口坂本温泉: 東京方面の方は27号線沿いにある。300円 静岡県静岡市葵区口坂本652、TEL 054-297-2155、9時-16:30 http://www.kuthisakamoto-onsen.net/ ただし、入り口が鋭角的になっており入りづらい。少し先の擦れ違いスペースを利用し、何度かハンドルを切って方向を変え戻ってきて入る必要あり 接阻峡温泉会館: 大阪方面の方は小さいがこちらも利用可。300円。静岡県川根本町梅地 TEL 0547-59-3764 http://travel.biglobe.ne.jp/onsen/spot/22000825.html |
写真
感想
残すところ百高山6座でスタートした今シーズン。楽勝かと思っていたら、コロナ自粛でなかなか山に出かけられず、ヤキモキさせられた。ワクチン接種が進み、百高山ハントを再開したのは9月半ばだった
降雪しても粘れるように、雪が早く降り始める北ア北部から始めて順番に南下する作戦を取った。最後に残したのが南プス南部の2座、上河内岳と大沢岳。今回2座を一度に終えるべく、最後の賭けのタイミングを待っていた。出発2日前に天気予報が好転したことをもって計画を実行に移した
ほぼテン泊装備を担いでの縦走となり、直前に降った雪と相まって厳しい山行となった。そう簡単には終わらせてくれない。結果的には、自分が何とか対処できる降雪レベルだったこと、4日間の天候が打って変わって安定し登山日和になったこと、ヘロヘロになりながらもやり遂げようという意思を貫けたことにより、一つの大きな目標を達成することができた
平日とは言え、これだけの好天にもかかわらず、山で出会ったのは聖岳の御一方だけ。椹島に下山するまで、それ以外には全く出会っていない。もはや冬山シーズンに突入して、そう簡単には3000m峰を縦走できる状況ではなくなりつつあるということだろう。年も顧みず挑戦したのは無謀だったかもしれない。今回も神仏のご加護のようなものを強く感じる
さて、今回の余話。
写真家の西田省三さんに声掛けしたのは、雪山入門の本を参考にさせてもらっていたこと、ここ数年続いていたNHKの山番組を楽しみにして見ていたことなどがあって、撮影中の迷惑も顧みず話しかけてしまった次第だ。ドローン飛ばしの圧巻の映像番組は全て録画してあり、大ファンの一人だ。「最近はコロナで行けないのですか」と聞いたところ、「ディレクターが飽きてしまった」そうで、「いろいろ事情があるんですよ」とのこと。NHKさん、ディレクターさん、何とか続けてください。頼みますよ
林道アプローチに新兵器を導入したのは、寄る年波に勝てず、長い林道歩きが辛くなってきたためである。マウンテンバイクも悪くはないが、自力で上り坂を漕ぐのは登山前に体力を消耗してしまう。高齢者には電動アシストはマストアイテムだ。という訳で今回投入したのだが、登り坂ではアシストパワーが見る見るうちに落ちて、自分でもそれなりに漕がないと進まないことを体感した。それでも電動アシストの効果も実感できたので、しばらくは登山にも活用していきたい。XX製の不具合は、自分で改善するとしよう
東海フォレストの運営小屋に対する設備投資が頼もしい。南プスは企業のみならず、県営や市営の山小屋も改善が進んでおり、快適な山小屋が増えている。私が若い頃は山小屋の貧弱さがネックだったが、今や北アや八ヶ岳にも勝るとも劣らぬレベルになってきている。ちょっと擦れた感じのする人気の山域に対し、まだまだ素朴な南アルプスの魅力は今後急速に増していくだろう。南プスファンとしてはうれしい限りだが、一方で「俗化」されていくのも悲しい気がする
コメント
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百高山に狙いを定めてからは、コロナがあったものの精力的に登頂を重ねて、無事に達成ですね。
そして、今回の山行は、雪、青空、絶景ですね。
アイゼンやピッケルや寝袋など重装備になるでしょうが、青空のもとでの雪の稜線歩きは気持ちよさそうです。
厳冬期に縦走しようという気にはなりませんが、この時期の縦走は意外といいのかもしれませんね。
登山口までのアクセスが億劫で南アルプスにはあまり足を伸ばせていませんが、赤石岳からの富士山の絶景を拝むべく、来年以降南アルプスに行きたいと思います。
※最近へばり気味で、年内はあまり行けないか、行っても日帰りになりそうですので。
PS
私も西田省三さんの雪山入門の本を持っていて、NHKの西田さん出演の登山番組が好きです。
当面は収録予定がなさそうとのこと、残念ですね。
南プスは芦安や夜叉神はアクセスが良いのですが、仙流荘からの北沢峠や、鳥倉、椹島などのアクセスは確かに難儀ですね
その分、比較的に人が少なく、穴場的な存在です。来シーズンは東海フォレストの送迎バスも運行して小屋の営業も再開されるでしょう。是非お出かけください
お会いした西田さんは、今回は椹島周辺だけと仰っていました。他にも畑薙ゲートから紅葉を愛でながら歩き、椹島のテン場で幕営して翌日帰るというのんびりスタイルのカップルもいました
こういうのもありだなと思った次第です
自転車投入は大正解、この時期の聖沢登山口から沼平まで歩いたことありますが発狂しそうだわ肩が痛いわで散々でした。
二日目、まず南岳、上河内寄るとこは流石、展望秀逸ですもん。
聖、兎、赤石の上りの失速…シーズン中と違いザック重いでしょうから仕方ない…っていうか冗談抜きでキツいです。
4日間天候に恵まれたのもこの時期ならではかもしれませんね。
冠雪した赤石間近で拝めて羨ましいです。
自転車ですから赤石ダム湖やら東俣林道の紅葉も楽しめたのでは、って未舗装箇所はそれどこじゃないかもしれませんが。
久しぶりにこの領域に入りました。ヤマテンの予報では、直前の雨で山頂付近は50センチ前後の積雪予報が出ていましたので、何とかなるかということで決行しました
結果的には、シーズン最初の雪山としては手頃な積雪量で楽しめました
前回は赤石も聖も逆回りだったので、両方とも登りがあんなにきついとは思いませんでした
荷物が重いということももちろんボディブローのように効いてきました
帰りの自転車走行では、がたがた道を飛ばしたせいで、ヘッドランプや前輪カバーが外れ、サイクリングを楽しむどころではありませんでした。中国製にはまだまだ全幅の信頼を寄せられないです
体がボロボロで、しばらく休養です(笑)
このレコ読んで長年の夢の赤石ー聖を突っ込もうと計画しましたが今回もあきらめました。
赤石-聖間は長くて雄大ですよネ。
無事通過できて羨ましいです。
聖岳から兎岳間は下りでかなり時間かかっているようですが水作りなしで3時間くらいでしょうか?
兎ー聖の登り返しをサクッと抜ける体力つけてまたトライしたいと思います。
お疲れさまでした!
拙いレコをご覧いただき、祝コメまで頂戴しありがとうございました。
また、鳥倉から椹島へのロング縦走、お疲れさまでした。
聖岳から兎岳は3時間くらいで通過できます。水作りに加え、聖からの下りのルーファイを慎重に行ったこと、兎への登り返しで何度も休憩したことで、4時間を要しました。
小屋締め直後の無雪期に逆回りしたことがありますが、赤石と聖の間に限って言えば、赤石から聖の方が聖から赤石より楽ではないかと思います。
素晴らしい縦走路なので、ぜひ来シーズンお出かけください。
GWの残雪期に茶臼からの周回、お疲れさまでした
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