ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 4777297
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
剱・立山

大荒れの黒部五郎岳(雲ノ平・鷲羽岳の周回から)

2022年10月08日(土) 〜 2022年10月10日(月)
 - 拍手
体力度
10
2〜3泊以上が適当
GPS
23:05
距離
43.4km
登り
3,491m
下り
3,476m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
5:08
休憩
0:05
合計
5:13
10:55
4
10:59
10:59
54
11:53
11:53
34
12:27
12:27
14
12:41
12:41
26
13:07
13:07
35
13:42
13:42
15
13:57
13:58
23
14:21
14:22
34
14:56
14:59
7
15:06
15:06
19
15:25
15:25
4
15:29
15:29
31
16:00
16:00
8
2日目
山行
9:09
休憩
0:27
合計
9:36
6:06
120
8:06
8:07
31
8:38
8:38
23
9:01
9:01
12
9:13
9:13
21
9:34
9:35
33
10:08
10:13
24
10:37
10:40
32
11:12
11:16
22
11:38
11:41
24
12:05
12:12
30
12:42
12:42
50
13:32
13:33
35
14:08
14:08
13
14:21
14:23
23
14:46
14:46
56
3日目
山行
7:55
休憩
0:04
合計
7:59
6:03
132
8:15
8:15
64
9:19
9:20
37
9:57
9:58
8
10:06
10:06
28
10:34
10:35
4
10:39
10:39
56
11:35
11:35
5
11:40
11:40
15
11:55
11:55
14
12:09
12:09
20
12:29
12:29
20
12:49
12:49
9
12:58
12:58
24
13:22
13:22
36
13:58
13:58
2
14:00
14:01
1
14:02
ゴール地点
天候 初日:雨、夕方に晴れ間
2日目:曇り。13:00から強風。13:30から雨、徐々に雨脚強まる
3日目:大荒れ。雨風ともに強い。太郎平小屋あたりまでくだってようやく小雨、時折強風
過去天気図(気象庁) 2022年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 自家用車
富山駅まで新幹線。カーシェアで折立へ
コース状況/
危険箇所等
初日:ぬかるみ
2日目:良好
3日目:登山道が川…序盤で靴の中までぐしょ濡れ。特に…黒部五郎岳のカール・赤牛岳山頂直下の登り、北ノ俣岳から太郎平、折立までの下りは足首まで浸かる場所だらけ。開き直って水溜りを気にせず歩く。
その他周辺情報 薬師岳山荘の秘境感、黒部五郎小屋の過ごしやすさが素晴らしかった
東京発、始発の新幹線に乗ってから4時間…折立到着。雨ですが駐車場はほぼ満車。
東京発、始発の新幹線に乗ってから4時間…折立到着。雨ですが駐車場はほぼ満車。
お昼頃から天候回復の予報は外れ。本降りの雨が続きます。
お昼頃から天候回復の予報は外れ。本降りの雨が続きます。
いつものぬかるみですが、それ以外は存外歩きやすかったです
いつものぬかるみですが、それ以外は存外歩きやすかったです
秋気分。今年は紅葉が遅いのか、折立付近はあまり紅葉が進んでいませんでした
秋気分。今年は紅葉が遅いのか、折立付近はあまり紅葉が進んでいませんでした
青淵三角点。ガスガスです
青淵三角点。ガスガスです
薬師岳も見えません
薬師岳も見えません
日本海も見えませんが、涼しく歩きやすいのを良しとして歩きます
日本海も見えませんが、涼しく歩きやすいのを良しとして歩きます
五光岩ベンチは水溜り
五光岩ベンチは水溜り
太郎平小屋が見えてきました
太郎平小屋が見えてきました
雨なので外には誰もいませんが、小屋からラーメンかな?美味しそうな香りが、、
雨なので外には誰もいませんが、小屋からラーメンかな?美味しそうな香りが、、
薬師沢小屋まで急ぎます。分岐を左へ。16:00着を目指します
薬師沢小屋まで急ぎます。分岐を左へ。16:00着を目指します
木道のスリップに気をつけます
木道のスリップに気をつけます
ちょっとした渡渉もして
ちょっとした渡渉もして
ひたすら薬師沢小屋へ。いつの間にか雨が上がってました。だんだん秘境感も出てきて、静かな良い雰囲気です
ひたすら薬師沢小屋へ。いつの間にか雨が上がってました。だんだん秘境感も出てきて、静かな良い雰囲気です
急な階段。ここの登り返しはしんどいだろうなぁ…
急な階段。ここの登り返しはしんどいだろうなぁ…
晩秋っぽい雰囲気に
晩秋っぽい雰囲気に
ガスも晴れてきました。北アルプスの奥にいることを実感します
ガスも晴れてきました。北アルプスの奥にいることを実感します
雨あがりのひんやり感がまた心地良い
雨あがりのひんやり感がまた心地良い
晴れ間がのぞいてきました。なんだか嬉しい
晴れ間がのぞいてきました。なんだか嬉しい
風もなく穏やか。これが最終日に暴風の大荒れに、、山の天気は怖いですね
風もなく穏やか。これが最終日に暴風の大荒れに、、山の天気は怖いですね
いつまでと歩いていたくなります
いつまでと歩いていたくなります
ところどころ登り返し。短いけど急登です
ところどころ登り返し。短いけど急登です
これです!これを待っていた!
これです!これを待っていた!
雲ノ平にアラスカ庭園ありますが、ここもなんだかそれっぽい
雲ノ平にアラスカ庭園ありますが、ここもなんだかそれっぽい
いやぁ、、気軽に来れない場所ですが…なんども来たい
いやぁ、、気軽に来れない場所ですが…なんども来たい
沢から心地よい風が吹いてきます
沢から心地よい風が吹いてきます
そして樹林帯のくだりへ
そして樹林帯のくだりへ
秋ですねぇ
薬師岳も!
どこの稜線かな?歩きたくなる傾斜です。きっとキツいんだろうけど…
どこの稜線かな?歩きたくなる傾斜です。きっとキツいんだろうけど…
薬師沢小屋!ひっそりとした秘密基地みたい
薬師沢小屋!ひっそりとした秘密基地みたい
一晩お世話になりました!シーズン終盤の雨だったので、私含めて4名のみでした。とても静かな山小屋泊でした。入り口脇の冷水に浸かったドリンクもサイコー🥤夏は命の水ですね
一晩お世話になりました!シーズン終盤の雨だったので、私含めて4名のみでした。とても静かな山小屋泊でした。入り口脇の冷水に浸かったドリンクもサイコー🥤夏は命の水ですね
薬師沢の水量も落ち着いてます。これが黒部川になるんですよね…いずれ下ノ廊下も歩きたいですね
薬師沢の水量も落ち着いてます。これが黒部川になるんですよね…いずれ下ノ廊下も歩きたいですね
2日目。秘境の入り口!吊り橋渡ってスタートです。
2日目。秘境の入り口!吊り橋渡ってスタートです。
平水なので河原から
平水なので河原から
沢沿いをずっと歩きたくなりますね。沢屋や釣り師の気持ちがわかります
沢沿いをずっと歩きたくなりますね。沢屋や釣り師の気持ちがわかります
高天原の温泉もいつか行きたいですね
高天原の温泉もいつか行きたいですね
長いハシゴから雲ノ平への直登スタートです
長いハシゴから雲ノ平への直登スタートです
こんなところに水源が。こじんまりとした美しい水源です
こんなところに水源が。こじんまりとした美しい水源です
ここまで来ると草木も晩秋のそれになります
ここまで来ると草木も晩秋のそれになります
こんな岩場がひたすら続きます。距離は短いけど2時間ほどぜぁはぁしなから登ります。朝イチに刺激的なウォームアップです
こんな岩場がひたすら続きます。距離は短いけど2時間ほどぜぁはぁしなから登ります。朝イチに刺激的なウォームアップです
直登するのと1時間45分。ようやく傾斜がなだらかなに。木道が現れました
直登するのと1時間45分。ようやく傾斜がなだらかなに。木道が現れました
それて広がる高原。ここら辺からずっと写真が止まりません
それて広がる高原。ここら辺からずっと写真が止まりません
池塘の表面は凍っていました。気温は2度くらい。風もなく穏やか
池塘の表面は凍っていました。気温は2度くらい。風もなく穏やか
薬師岳が見えてきました。このあと角度を変えて色んな表情を見せてくれます
薬師岳が見えてきました。このあと角度を変えて色んな表情を見せてくれます
黒部五郎岳。最終日…どえらい経験をさせてもらいます
黒部五郎岳。最終日…どえらい経験をさせてもらいます
黒部五郎岳からの稜線。晴れてたら本当にサイコーなんでしょうね、、最終日に暴風の中進むことになります
黒部五郎岳からの稜線。晴れてたら本当にサイコーなんでしょうね、、最終日に暴風の中進むことになります
水晶岳。今回は時間と体力からパスしましたが、来年こそは!
水晶岳。今回は時間と体力からパスしましたが、来年こそは!
奥日本庭園
庭園も良いのですが、奥に見える水晶岳の稜線ばかり眺めてしまいます
庭園も良いのですが、奥に見える水晶岳の稜線ばかり眺めてしまいます
ずっと続く木道がGOOD!左は祖父岳、右が祖母岳…たぶん
ずっと続く木道がGOOD!左は祖父岳、右が祖母岳…たぶん
晩秋の高原
水晶岳の手前に雲ノ平山荘が見えます。祖母岳への登り道
水晶岳の手前に雲ノ平山荘が見えます。祖母岳への登り道
水晶岳と祖父岳。祖父岳がけっこう曲者です
水晶岳と祖父岳。祖父岳がけっこう曲者です
雲ノ平山荘過ぎの分岐。交差点って感じでいいですね。多くの山好きが交錯してきたんでしょうね
1
雲ノ平山荘過ぎの分岐。交差点って感じでいいですね。多くの山好きが交錯してきたんでしょうね
祖父岳と手前に小さくテン場が見えます(茶色の看板ちょい上)
祖父岳と手前に小さくテン場が見えます(茶色の看板ちょい上)
水晶岳がどんどん近づいてくるんですよね…まるで誘うように
1
水晶岳がどんどん近づいてくるんですよね…まるで誘うように
スイス庭園への分岐。アラスカ、日本、スイス…たくさんあります
スイス庭園への分岐。アラスカ、日本、スイス…たくさんあります
スイス庭園から薬師岳…手前の峡谷の見事さよ
スイス庭園から薬師岳…手前の峡谷の見事さよ
振り返ると黒部五郎岳からの稜線
振り返ると黒部五郎岳からの稜線
祖父岳へはこんな道から
祖父岳へはこんな道から
祖父岳の登り途中から薬師岳。左の方に小さく雲ノ平山荘が
祖父岳の登り途中から薬師岳。左の方に小さく雲ノ平山荘が
祖父岳麓の分岐。ガスがあると道迷いしやすそうな場所。
祖父岳麓の分岐。ガスがあると道迷いしやすそうな場所。
祖父岳のアプローチはガレ場。矢印や丸へありますが、ガスがあると見落としてしまいそう、、
祖父岳のアプローチはガレ場。矢印や丸へありますが、ガスがあると見落としてしまいそう、、
雷鳥さんが!2日目の午後と3日目は雷鳥さんと出会いまくります
雷鳥さんが!2日目の午後と3日目は雷鳥さんと出会いまくります
もう一息
とちゅう数日前に降った雪が、、
とちゅう数日前に降った雪が、、
黒部五郎岳…この日行けていたら、、
黒部五郎岳…この日行けていたら、、
薬師岳(何回目だろう…)
薬師岳(何回目だろう…)
祖父岳、2825m。と薬師岳
祖父岳、2825m。と薬師岳
槍と双六岳、丸山、三俣蓮華岳。中央に小さく三俣山荘が見えます
槍と双六岳、丸山、三俣蓮華岳。中央に小さく三俣山荘が見えます
岩苔乗越。あちこちの分岐。画面奥、ワリモ岳北の分岐を目指します
岩苔乗越。あちこちの分岐。画面奥、ワリモ岳北の分岐を目指します
まぁまぁシンドい
まぁまぁシンドい
水晶岳と薬師岳
ワリモ北分岐。ちらほら雪が…風がどんどん強くなってきました。水晶岳はここを左に45分-60分ほど…来年こそ必ず!
ワリモ北分岐。ちらほら雪が…風がどんどん強くなってきました。水晶岳はここを左に45分-60分ほど…来年こそ必ず!
槍、燕、餓鬼かな?
槍、燕、餓鬼かな?
真砂岳、野口五郎岳
真砂岳、野口五郎岳
ワリモ岳、2888m
ワリモ岳はこんな感じ
ワリモ岳はこんな感じ
狭いトラバースも
狭いトラバースも
振り返りワリモ岳。鷲羽岳への登山道から
振り返りワリモ岳。鷲羽岳への登山道から
鷲羽岳まだもうひと息
鷲羽岳まだもうひと息
鷲羽岳、2924m。強風。
1
鷲羽岳、2924m。強風。
槍と鷲羽池
鷲羽岳からの三俣蓮華岳。中央に三俣山荘が見えます
鷲羽岳からの三俣蓮華岳。中央に三俣山荘が見えます
伊藤新道もまたいつか歩きたい道、、相当キツそうですが
伊藤新道もまたいつか歩きたい道、、相当キツそうですが
三俣山荘到着と同時に雨が降ってきました。このあと徐々に雨脚が強くなっていきます
三俣山荘到着と同時に雨が降ってきました。このあと徐々に雨脚が強くなっていきます
三俣蓮華岳をこえて黒部五郎小屋へ。巻かずに行きます
三俣蓮華岳をこえて黒部五郎小屋へ。巻かずに行きます
三俣蓮華岳は登りやすい好きな登山道でした
三俣蓮華岳は登りやすい好きな登山道でした
急にガスってきました…鷲羽岳、ワリモ岳、水晶岳もかげってきました
急にガスってきました…鷲羽岳、ワリモ岳、水晶岳もかげってきました
丸山と双六岳
山頂までもうひと息
山頂までもうひと息
三俣蓮華岳、2841m。すっかりガスガス雨脚も強くなっていきます
三俣蓮華岳、2841m。すっかりガスガス雨脚も強くなっていきます
薬師岳方面ま見えなくなっちゃいました
薬師岳方面ま見えなくなっちゃいました
雷鳥がたくさん!だのに後ろ姿しか撮れんかった…
雷鳥がたくさん!だのに後ろ姿しか撮れんかった…
五郎へは一本道
歩きやすい道ですが、雨が強い
歩きやすい道ですが、雨が強い
五郎小屋手前の大きな分岐。この後、樹林帯の急な下りが待っています
五郎小屋手前の大きな分岐。この後、樹林帯の急な下りが待っています
やっと黒部五郎小屋!樹林帯はかなり急だし、雨も強いしで写真ほとんど撮れずでした、、
やっと黒部五郎小屋!樹林帯はかなり急だし、雨も強いしで写真ほとんど撮れずでした、、
晩ごはん。トンカツのボリュームまんてん!
1
晩ごはん。トンカツのボリュームまんてん!
朝ごはん。夜半から猛烈な風の音が続いており、朝食でも皆さん不安げ。
朝ごはん。夜半から猛烈な風の音が続いており、朝食でも皆さん不安げ。
3日目。猛烈な風と雨ですが、ギリギリ行ける、と踏んでスタート。
3日目。猛烈な風と雨ですが、ギリギリ行ける、と踏んでスタート。
この日の黒部五郎岳。特に風が強く、山行すべきでないのですが…決行を決断したのは気温が高いこと。吹雪がなければ、稜線もハイマツを頼ればギリギリ行けるだろうと……ですが、このあと大変な目に遭います。2度とやっちゃいけない山行、もとい計画と猛反省しました、、
この日の黒部五郎岳。特に風が強く、山行すべきでないのですが…決行を決断したのは気温が高いこと。吹雪がなければ、稜線もハイマツを頼ればギリギリ行けるだろうと……ですが、このあと大変な目に遭います。2度とやっちゃいけない山行、もとい計画と猛反省しました、、
序盤、黒五のカールへの道。登山道が川です。最初っから登山靴が中までびしょびしょ。開き直ってこの後、じゃぶじゃぶ歩きます。
序盤、黒五のカールへの道。登山道が川です。最初っから登山靴が中までびしょびしょ。開き直ってこの後、じゃぶじゃぶ歩きます。
樹林帯の切れ目には猛烈な風…緊張感で喉が乾きっぱなし。稜線ヤバそう…っかヤバいんです
樹林帯の切れ目には猛烈な風…緊張感で喉が乾きっぱなし。稜線ヤバそう…っかヤバいんです
7:15 黒五のカール。この後、暴風と雨により写真撮る余裕なく、折立近くまで6時間以上、耐える山行となりました、、
7:15 黒五のカール。この後、暴風と雨により写真撮る余裕なく、折立近くまで6時間以上、耐える山行となりました、、
折立近くまで降りてきました。一昨日と違い、落ち葉が濡れてスリッピーに。登山道もずっと沢状態でした
折立近くまで降りてきました。一昨日と違い、落ち葉が濡れてスリッピーに。登山道もずっと沢状態でした
折立に生還、、黒五の肩からはホントにヤバかった、、
1
折立に生還、、黒五の肩からはホントにヤバかった、、

感想

薬師沢・雲ノ平・鷲羽岳など書きたいことが多いのに、3日目の体験が強すぎた。
無事下山したものの、今後「絶対にやっちゃいけない」山行となってしまった。
装備・計画ともに概ねGoodだったが、「やりたい気持ち」と「早く下山したい」を優先して、リスクヘッジのプランBを選択しなかった,,,ということで、自戒を込めたまとめです。

<<全体のまとめ>>
★強風(暴風)の稜線歩きはダメ
暴風は体力も気力も奪う…本能的な恐怖感を感じます。
山行中ずっと緊張で喉が渇きっぱなし。どうなるか分からない怖さ。
稜線で暴風の場合、、当たり前ですが万一怪我をしたら進退に窮します。身を隠すところもなく、救助も難しく、装備があっても低体温症になりかねない。
普通の山行では、ちょっと足を痛めたくらいなら下山できます。ですが、暴風ではわずかな足の痛みすら致命傷。踏ん張りが効かないと歩くことはおろから、立つことすらできない。顔を前に向けることさえ難しい…顔に吹き付ける雨のなんて痛いことか、、実際、突風で体が煽られたり、しゃがみ込んで耐えたりすることもしばしば。
1日過ぎてさえ、夢だったのか?というくらい非日常過ぎる体験。
歩くことに全神経を集中しないと前に進めないので、写真も一切とらず。記憶が風化しないうちに詳細を書き残さないといけない。

 ※山にもよるでしょうが、個人的に目安は風速15m以上なら回避かなぁと。今回は標高3100m付近で24m...これはダメですね

★装備と行動食、ハイマツに助けられた
適切な装備の重要性を痛感。ホント、装備に命を救われたと思う。
レイヤリング(finetrack)によってあれだけの雨・風なのに、いずれも完全シャットアウト。
濡れた登山靴と指先の冷えはやむなしとしても、それ以外は問題なし。
むしろ体幹は適度な暖かさがずっと保たれ、そこだけは快適な登山と同じ。
小分けにしたチョコや飴による糖分補給も大切。前日まで体力温存して歩いたことと相まって、エネルギー切れの気配なく最後まで行けた。
やはり僕の山行スタイルは、前半(上り)ゆっくり、後半(下り)を爽快に飛ばす...が気分も良いし、リスクヘッジにもなる。
ポールの使い方、歩き方の改善ができていたことも大きい。
そして、本当に実感したのがハイマツ。稜線のビバークはハイマツの陰で、と聞くがまさにその通り。
点在するハイマツ帯が暴風すら防いでくれたので、身も心も立て直すことができた。

★どうすべきだったか?(プランB)
ポイントは2日目午後の判断。
予報どおり天候が崩れ始めた午後、三俣山荘に泊まることもできた。
そうすれば雲ノ平経由で太郎平まで2時間強の短縮になり、小舎からのキツい登り返しもないので折立まで行ける。
だが、三俣山荘に着いたのが13:30、三俣蓮華岳にも黒部五郎の肩からの稜線も歩きたい...3つの要素から黒部五郎小舎まで行くことに。
小舎からだとプランBは選択しづらく、リスクの高い判断を誘発しやすく、実際そうしてしまった。

<<3日目の山行>>
(黒部五郎小舎~赤木岳~北ノ俣岳~太郎平~折立)
2日目夜半から荒れはじめ、小舎の外からはビュービュー猛烈な風の音。
ただし、天気予報で荒れることは分かっていたこと。
朝、予備日もあったので、黒部源流から雲ノ平(風の影響が少ない)、薬師沢小屋(行ければ太郎平)にするか迷うも、当初予定の稜線歩き決行(黒部五郎はカール)。
Goの決め手は「気温」。この時期だと吹雪もあり得るが、低気圧は南からで気温は高め。あらゆる天気予報でも雪はないと判断。

小舎にいた方それぞれも不安気な面持ちながら、シーズン終盤に雨の中ここまで来ているので、いずれも経験豊富な方々。
互いの無事を祈りつつ、小舎に留まる方、三俣方面に出発する方それぞれ。

・小舎 → 黒五の肩(2時間12分)
カール経由だったの風の影響は抑えられたものの、時折、頭上でゴォーと唸るような風の音。雨で登山道の大半が水没。一部、濁流のようで沢登り状態に。肩への取り付きは、急登を風が吹き降ろしてくるうえに、ガスで先が見えずルートミスしそうになる。風もあって傾斜が急だと休憩もできないので、気合を入れて一気に登り切る。

・黒部の肩 → 中俣乗越(1時間5分)
ピークを過ぎてからの下りが1番危険だったかもしれない。左から殴りつけるような風でポールでさえ風で持っていかれそうになる。さらに、顔に叩きつける雨粒が本当に痛い、、、目に雨粒が多く入り、コンタクトが流されそうになる...それこそ致命的。
晴れてたらめちゃくちゃ気持ち良いコースだろうなぁ、と思いながら歩く。

※30分ほどすると「歩き方のコツ」を掴む
重心落として体を半身に構え、足裏(母指球)で踏み込むように膝を意識して、ゆっくり力強く足を前に出す。
ポールは右手(風下)に持って流される体を支え(体重を預け過ぎず)、左手で吹き飛ばされそうな帽子とフードを抑えつつ、肘で雨・風から顔をブロック。
この動きで要領を得てからは、時折発生する突風以外なら、前に進めるようになる。
大前提として、岩場やザレ場など悪路の少ない、安定した登山道でないと厳しいと思うが、、、

※黒五のピーク
肩に出た直後、暴風とガスの向こうに「魔王の城」のように鎮座する姿が印象的。すごく楽しみにしていたピークで、こんなに近くにいるのに迷いなくパス。ここで無理して行っていたらどうなっていたか...来年、好天時に堂々と登頂するぞ!と誓って危険地帯を抜けるべく先へ急ぐ

・中俣乗越 → 赤木岳(45分)
ここから断続的に出現するハイマツ帯に救われるが、ハイマツの切れ目で2〜3回体が浮くような突風を受ける。
道迷いのリスクは低いルートだが、前が見えにくいし、時折広いスペースに出ることがあって地図アプリを確認する。万一、ルートミスして時間・体力を浪費するわけにいかないので、、
赤木岳は偽ピークが続く(体感で6個くらい)ので、「距離は短い、慌てず騒がず淡々と」と言い聞かせて歩みを進める。
赤木岳まで来たら、危険地帯の峠を越えているはず!ですが、テンションを上げもせず、下げもせず、平坦な気持ちで歩くことだけに集中するよう心がける。

・赤木岳 → 北ノ俣岳(30分)
ちょっとした岩場もあったが、幸い、ピークに守られて風は穏やか。
ただし、北ノ俣岳も偽ピーク(体感で3個くらい)ある上に、ハイマツが少ない or 膝の高さのため、暴風に吹かれながら進む。
体を風上に倒しながら歩く。体重を預けているのに、全然倒れない。風下にもったポールでバランスをとりながら真っ直ぐ進むよう心がける。

・北ノ俣岳 → 太郎平小屋(1時間5分)
北ノ俣岳山頂付近は風は強いが、そこを少し降りると一気に風が和らぐ。
神岡新道分岐に来た時に、ようやくホッとして一息。ここからはひたすら降るだけだし、今までより強い風が吹くことはない。
実際、風はどんどん弱くなり、登山道が川になってはいるが、今までとは比較にならないくらい歩きやすい。木道が出てきた時の安堵感も忘れられない。
だいぶ余裕も出てきたので、来年のリベンジ山行+今回の反省を思い描きながら降りる。
安堵感から足を挫かぬよう細心の注意を払いながら。

・太郎平小屋 → 折立(2時間20分)
ここまで来れば、、、時折強い風が吹くものの、今までに比べたらそよ風。
濡れて、というより水没した岩が滑りやすいので、最後まで怪我しないよう気をつけながら降りる。
青淵三角点を過ぎると雨が弱くなり、折立では雨が上がり、晴れ間すら覗いていた。

・帰り支度
雨と分かっていたので、着替えと濡れたウェアを仕舞えるよう準備していたので、手早く快適な服装にチェンジ。富山まで車内を暖かくして、安全運転で戻ることができた。

<<薬師沢・雲ノ平・祖母岳・祖父岳・ワリモ岳・鷲羽岳・三俣蓮華岳>>
ぜんぶ良かった!

・薬師沢の峡谷ならではの秘境感
・静謐でピークに囲まれた雲ノ平
・スルーされがちだけど360度名峰を見渡せる穴場スポットの祖母岳
・名峰前の小手調べのように存在する祖父岳
・水晶岳と鷲羽岳をつなぎ野口五郎岳から槍、穂高、黒五まで見渡せるワリモ岳
・百名山の鷲羽岳
・北アルプスをつなぐ三俣蓮華岳

,,,ぜんぶ良かったが、その思い出は後日写真を見ながらゆっくり味わうことにして。
いろいろな反省と学びを忘れず、様々な登山にチャレンジしたいと思う。安全第一で!

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:383人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [4日]
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [4日]
高天原と雲ノ平
利用交通機関: 電車・バス
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら