南アルプス (結果的に)仙塩尾根 縦走 （北沢峠より 甲斐駒ケ岳〜仙丈ケ岳〜塩見岳〜三伏峠）
子連れ登山
azu2000
JG2TKF
- GPS
- 38:55
- 距離
- 53.8km
- 登り
- 5,222m
- 下り
- 5,508m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 5:10
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 5:15
- 山行
- 8:04
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 9:05
- 山行
- 9:00
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 9:55
- 山行
- 10:39
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 11:05
5:45 自宅発
6:40 名鉄バスターミナル 7:30
10:50 伊那B/T 11:00
11:45 仙水荘 11:50
12:40 北沢峠
12:50 長衛小屋
【1日目(12日)】
3:55 長衛小屋
4:20 仙水小屋
4:40 仙水峠 4:45
5:45 駒津峰
6:00 摩利支天・直登分岐
6:05 六方石
6:40 甲斐駒ケ岳 6:45
7:00 摩利支天分岐
7:15 摩利支天・直登分岐
7:20 六方石
7:30 駒津峰
8:20 仙水峠
8:45 仙水小屋
9:10 長衛小屋
【2日目(13日)】
2:45 長衛小屋
2:50 登山口
3:25 二合目
4:10 四合目
4:30 大滝の頭 4:35
5:00 六合目 5:10
5:40 小仙丈ケ岳
6:00 八合目 6:10
6:20 千丈小屋分岐
6:40 仙丈ケ岳 7:00
7:25 大千丈ケ岳
9:40 伊那荒倉岳
9:45 高望池 9:50
10:25 (2,499m)独標
11:25 横川岳
11:45 野呂川越 11:50
12:30 両俣小屋
【3日目(14日)】
終日雨の為沈殿
【4日目(15日)】
2:00 両俣小屋
2:50 野呂川越 3:00
6:10 三峰岳 6:20
7:00 三国平
7:30 熊ノ平小屋
8:00 熊ノ平小屋
8:20 三国平
8:55 大井川源流 水場
9:40 農鳥岳稜線分岐
9:45 農鳥小屋 9:55
10:00 農鳥岳稜線分岐
11:30 三国平
11:55 熊ノ平小屋
【5日目(16日)】
3:45 熊ノ平小屋
4:25 安倍荒倉岳
7:05 北荒川岳
10:00 塩見岳(東峰)
10:10 塩見岳(西峰)
11:05 塩見小屋 11:30
13:40 本谷山
14:35 三伏山
14:50 三伏峠
【6日目(17日)】
5:45 三伏峠
7:40 鳥倉登山口
9:00 鳥倉登山口
10:50 伊那大島駅
14:16 伊那大島駅
18:24 豊橋駅 18:31
19:22 金山駅
20:10 帰宅
| 天候 | 1日目 曇り後雨 (北沢峠-甲斐駒ピストン) 2日目 晴れ (北沢峠-両俣小屋) 3日目 雨時々曇り (沈殿) 4日目 晴れのち雨 (＜両又小屋-熊の平小屋) 5日目 雨 (熊の平小屋-三伏峠小屋) 6日目 曇り (三伏峠小屋-鳥倉登山口) |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス タクシー
名古屋〜<高速バス>〜伊那B/T 伊那B/T〜<タクシー → 途中で循環バスを捕まえて乗車>〜仙流荘 仙流荘〜<バス>〜北沢峠 【帰路】 鳥倉登山口〜<バス>〜伊那大島駅 伊那大島駅〜<JR>〜名古屋 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
・甲斐駒ケ岳の直登ルートの岩場(雨の日の下りは滑り易い) ・両俣小屋から右俣は降雨直後で増水の為入れず ・三峰岳からの下りの岩は降雨時は滑り易い ・塩見岳からの下りの岩場、足場が悪く、切れ落ちている個所も1か所あり |
| その他周辺情報 | 伊那大島駅からタクシーで約10分(約700円)の清流苑(大人400円、子供250円) http://www.seiryuen.jp/ |
写真
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装備
| 個人装備 |
アタックザック(1)
サブザック(1)
ザックカバー(1)
シュラフ(1)
ｼｭﾗﾌｶﾊﾞｰ(1)
ロールマット(1)
防寒着(1)
雨具(1)
半袖シャツ(1)
長袖シャツ(1)
下着(1)
靴下(1)
タオル(1)
水ポリ(2)
食器(1s)
ブキ(1s)
ビニール袋(1)
整理袋(1)
コンパス(1)
ライター(1)
細引き
靴紐予備
軍手(1~2)
サンダル(1)
ラテ(1)
ラテ予備電池(1s)
地形図(1s)
クマよけ鈴
筆記用具(1)
新聞紙(1)
トイペ(1)
保険証(1)
傘(1)
携帯電話(1)
ピンチ缶(1s)
帰宅用着替え(1s)
登山靴(1)
長ズボン(1)
腕時計(1)
|
|---|---|
| 共同装備 |
テント(1)
ポール(1)
フライ(1)
ペグ(1s)
ツェルト(1)
銀マット(1)
MSRｳｨｽﾊﾟｰﾗｲﾄｲﾝﾀｰﾅｼｮﾅﾙ(1)
フューエルボトル(2)
EPIヘッド(1)
EPIカートリッジ(1)
マッチ･ライター(1)
ローソク(1)
ブス台(1)
コッヘル(1)
おたま･しゃもじ(1)
ナイフ(1)
トイペ(1)
補助ザイル(1)
シュリンゲ､カラビナ(4)
ヘソの緒(1)
ラジオ(1)
カメラ(1)
トランシーバ(1)
天気図用紙(1s)
ガイドブック(1s)
医薬品
工具セット(1)
予備電池(単3)(1s)
予備電池(単4)(1s)
|
感想
【入山日(8月11日)】
台風一過の好天を期待したが、どんより今にも降り出しそうな空を見ながら出発、少し早く出たので、1本早い地下鉄に乗れた。
バスターミナルには出発1時間前に着いたが既に大勢の人。外国人（中国人、韓国人）も多い。バスは安いので外国人の節約旅行にはもってこいなんだろう。切符売り場にも長蛇の列。前もって切符は買ってあるので安心してザックに座って待つ。
伊那B/Tには20分位の遅で到着。タクシーをお願いしていたのだが、連絡が取れなかったので、既に帰ってしまったようだ。電話して再度車を手配。
タクシーで高遠B/Tに向かい、ソコから循環バスで仙流荘に向かう予定だったが、高速バスが遅れたので、仕方なくタクシーで循環バスを追いかける。途中で発見し、バスに乗り換える。マイクロバスには登山者半分、地元の人は半分くらいか。
仙流荘には広い駐車場があり、前夜に来た場合、縁の方でならテントを張って寝れそうだ。
バス停のベンチには番号が書いてあり、その番号が整理番号のようになっているようだ。バス乗り場の建物の自販機でチケットを買い、増発のバスに乗り込む。
1時間かけて北沢峠へ。鋸岳も上部の稜線は見えず鹿穴は見えず。。。
早朝に自宅を出てお昼過ぎには北沢峠に降り立つ。大学生以来だから27〜8年ぶりだろうか、覚えがないなぁ。
天場は、北沢峠のバス停から山梨県側へ5分弱歩いて標識を左へ。バス停から10分程度で長衛小屋に着く。思ったよりもテントは多くない。やはりこの天気で入山を控えた人が多いのだろうか。
天場は北沢の河原から1段高い平地に2面。上段には50張位、下段はもう少し多く張れそう。
夕方から、徐々に晴れ間が出て太陽の光も差しだした。明日以降の天気に期待しながら、18時半過ぎには早々にシュラフに潜り込んだ。。。
トイレは小屋横。水場は天場縁に。
天場代 500円/人
【1日目(12日)】甲斐駒ケ岳ピストン
3時、起床。雨は降ってはいないものの、どんより曇り。4時前にカッパの下だけを履いて出発。まだ周りでは出発の準備をしているテントは無いようだ。
小屋の前の橋を渡って左の沢沿い左岸を歩く。いくつか堰堤を越える、30分程で仙水小屋の前に出る。この小屋は完全予約制だとか。
樹林帯を抜けると左から落ちてきたと思われる大きな岩の堆積するガレ場。ガレ場の終わった地点が仙水峠。ココでカッパの上を着て先を急ぐ。
再び樹林帯に入り駒津峰に向かう。ここら辺りから雨が強く気分的に凹むが、危ない個所は全然く六方石に着く。
ここからは岩稜を直登するルートと摩利支天へ向かう樹林帯〜砂礫のルートに分かれている。雨が降ってはいあるが、直登ルートを選択。
登りはちょっと注意すれば大丈夫だろう。下り、特に今日のような雨の下りは危ないかもしれない。摩利支天ルートので下るのが無難。
頂上では雨は小止みになっていたものの、風が強く寒い。頂上には鋸から来たのだろうと思われる2人のみ。その後数名が駒津峰方面から上がってきた。
レーションを数個口に放り込み、寒いのでとっとと下山にかかる。
下りは摩利支天ルートをとる。砂礫の斜面を下るが、赤いペンキで塗られた高さ20cm程のプレートが所々の岩に刺さっており、ガスの晴れ間にのプレートを目印に下る。
摩利支天を諦めて下る。六方石のチョイ上で直登ルートと合流して大粒の雨の中を駒津峰〜仙水峠へ。天気さえよければ栗沢山、アサヨ峰も行こうと思っていたのだが、このまま下ることにする。出鼻をくじかれた思いだ。。。
仙水峠付近ではボチボチ登っている人に出会うが、一様に頂上の天気を気にしていた。
仙水小屋前を通り過ぎ、結局、甲斐駒頂上から天場まで休まずに下ってきてしまった。
天場でも雨。9時過ぎと早いのだが、テントでMSRを空焚きして濡れた服、靴下、体を乾かして過ごす。
小屋の情報では、この先ずっと曇/雨。先日下界で見ていた天気予報と180度違うではないか！ガッカリというよりもビックリ。
明後日、両俣小屋から左俣経由で北岳の予定だったが、直前の台風、その後の雨で通行不可。さて明後日はそうしたもんか・・・。
(1)明日は両俣小屋、明後日野呂川越まで登り返して熊ノ平へ
(2)明日頑張って熊ノ平まで歩く・・・。
今日は終日降ったり止んだり、時々雨足強く。テントの数は昨日よりも減ってきた。
雨でやることがない。ラジオの入りも悪いので、18時過ぎにシュラフに潜り込む。。。
天場代 500円/人
【2日目(13日)】北沢峠→両俣小屋
1時45分に起きると満点の星空。早く起きた甲斐がある。今日は頑張って熊ノ平まで突っ走ろう。小屋でキジウチをして2時45分に出発。起床してから1時間で普通に出発できるようになった。これまでの山行の成果かな。
この日は地元の高校山岳部18名＋引率2名の20名の団体と仙丈ケ岳まで前後しながらの行動となった。小仙丈尾根は長衛小屋から林道(南アルプススーパー林道)に出た対面の登山口から登り始める。取付からはそんなに急登ではなく、ペース良く順調に高度を稼ぐ。暗いうちに樹林帯の中、北沢峠ルート分岐、大滝の頭を通過し、午6時頃、六合目辺りで日の出を迎える(今山行では唯一の日の出・・・)。この辺りが森林限界のようで、背の低いハイ松の中を歩く。
沈み行く白い月と青空の下を小仙丈ヶ岳、八合目、千丈小屋分岐を過ぎるとじきに仙丈ケ岳に到着。山頂はさほど広くはないが、360度のパロラマ。富士山と北岳のワン・ツー共演、北ア(槍〜穂高)もよく見える。
20分程展望を楽しんだ後、高校生らと別れ先を急ぐ。南にはこれから向かうべき長大な仙塩尾根(通称バカ尾根)が横たわっている。さぁ長いぞ・・・。
左側は大仙丈沢のカール、右側は三峰川源流頭部ガレ場の砂礫の尾根を大仙丈に向かう。
大仙丈からはしばらくハイ松帯を下ると樹林帯に入る。何となく苳ノ平を通り過ぎ、樹林帯の中をダラダラ登り下りを繰り返すと三角点にプレートの置かれただけの伊那荒倉岳に到着。展望も利かないので、写真だけ撮ってスルー。
高望池は20ン年前に幕営した場所。幕営禁止と言わんばかりにトラ紐が張ってある。標識には「水場→」と書いてあったので、(前回分からなかった)水場を探そうとトラ紐をくぐって天場下へ見に行くが発見できず。天場の下(三峰川側)の方に沢が流れていたが、ソコのことなのか？結局水場は確認できず。まぁ今後、トラ紐を潜ってまで幕営する事は無いだろうから良いのだが。。。
ちなみに20ン年前は高望池の水をろ過して煮沸ついて使った覚えがある。
ここまで7時間。大体コースタイム通りだが、思った以上に時間がかかっている。もっと短縮できると思っていたのに。まだ10時前とは言え、三峰岳の登りでどれくらい時間がかかってしまうか。ちょっと心配だ。
更に樹林帯の中を上下を繰り返すと、ハイ松生えた岩峰の(2,499m)独標、横川岳と通り、出発から9時間でバカ尾根の最低である野呂川越(2,220m)に到着。
既に時計は12時前。ここから三峰岳を超えて熊ノ平まで4時間半。到着は17時か。完全に『ヤマの掟』に反する。そんな事したらヤマの神からのお叱りがあるだろうな。
まぁ仕方がない、ここから下って両俣小屋で幕営だ。野呂川越から下ること約30分、左俣出会いから5分位で両俣小屋に着いた。
明日からしばらく天気が悪いようだ。さてどうしたものか・・・。野呂川越から突っ込んだ方がよかったのかな・・・？
今朝も朝が早かったので18時過ぎにはシュラフに潜り込んで寝たのであった。。。
天場代 500円/人
【3日目(14日)】両俣小屋 チンデン
一応、2時半頃起きてみたが雨。。。続いて5時に起きたが、雨。。。
先に進みたいが、沈殿とする。
ここ2日間の天気図を読むと、太平洋の1012hPaの等高線が南寄りであるが、少しだけ西へ張り出している。弱まっていた太平洋高気圧が少し、盛り返してきて本州北部に停滞する前線を少しだけ北に押し上げてくれる。
南アから少しでも遠ざかってくれるとありがたい。でも東シナ海には低気圧が東へ向かって来ている。
明日は午前中は晴れ、夕方になるにつれて雲が厚くなって天気は確実に下り坂と予想。そういう時は朝早く出るに限る。
天場代 500円/人
【4日目(15日)】両俣小屋→熊ノ平（農鳥小屋までピストン）
昨晩はチンデンで昼寝三昧だったので、なかなか寝付かれなかった。21時頃キジ打ちにでると満点の星空。予想はバッチリ当たって明日(の残半)は良い天気とウキウキしながら再びシュラフに潜り込んだ・・・。
1時に起床し、気分良くテントから顔を出すと・・・。満点の星空のハズが厚い雲の覆われている。とは言っても雨は降っていないので予定通り前進することにする。
2時、まだ誰も動き始めていない両俣小屋を出発。まずは野呂川超えまでの急登。前日の雨の中を何十人も歩いたので、地面はドロドロ、ぐちゃぐちゃ。
河原から約300mを1ピッチで野呂川越に上がって一休み。 野呂川越からすぐに登りが始まる。原生林の中を尾根伝いに、いくつかの名も無いピークを越えながら登っていく。原生林の中からの展望は全く利かない。そんな上り下りを何度か繰り返すと道は平坦からだんだん急になる。
原生林の中で空を見ると、薄くなった雲を通して下弦の月がぼんやり見える。気のせいか上空も少し青みがかって見える。予想通り天気は回復に向かっているか？
日が昇ってからは中白根山の横には北岳も雲の中から見え隠れし、青空も見てきた。早朝に出発して大正解だ。
森林限界を超えたあたりから、小雨が降り出してきた。さっきまでの青空は何処へ行ったのだろうか?森林限界に出たころ、目の前に岩壁が出現する。野呂川側に針金とクサリがつけられているが、クサリを頼らずに岩の左側のしっかりしたステップから岩壁をひと登りすると、正面に三峰岳が険しい岩肌を見せている。
この三峰岳(2,999m)、以前は『みつみねだけ』と呼んでいた(ワシの参考にしている1998年5月発行「アルペンガイド 南アルプス」でも『みつみねだけ』と記されている)が、最近は『みぶだけ』と呼ぶらしい。
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%B3%B0%E5%B2%B3
でも”本来は『みつみねだけ』という。”と記されている。
ハイマツの合間の最後の登りを終えると間の岳との分岐に飛び出す。そこからは岩をよじ登って三峰岳(みつみねだけ 2,999m)に到着。野呂川超からは4時間。ちょうどCT通り。
風雨を遮る場所もないので、本日の天場、熊ノ平へ急ぐ。最初にガラガラの岩を滑らないように気をつけて下る。熊ノ平小屋の標高が約2,600m位なので、約300m程下らなければならない。傾斜が緩くなりハイマツの生えた広い尾根にジグザグに切られた道を降りてくると、三国平の標識が見えてくる。この頃から雲が薄くなり、切れ間から赤い屋根の熊ノ平小屋が見えてきた。
稜線から大井川側に樹林帯に入った所に小屋がある。天場は小屋下の2〜3か所に点在している。
トイレは綺麗に清掃されていて、トイレの出入り口に手洗い用の水が引かれています。水場は小屋とトイレの合間のタンク。天場沿いの沢の水もOKだそうだ。
7時半、ありえない時間に天場の受付をすませ、設営。さすがに『お早いですね・・・』と言われてしまった。両俣から来て、設営後に農鳥にピストンする予定と伝えると納得していた。
テントを設営し、荷物を放り込んだ直後に大粒の雨。雨の中での設営でなくてよかった。。。
8時、レーション、水、非常セットだけを持って雨の中を農鳥岳に向かう。三峰まで登り返さずに、農鳥小屋へのトラバースルートを選択。このルートの途中にはあの大河、大井川の源流を見ることができる。一筋の沢が数百キロ先にはあの大河になるのだと思うと感慨深い。
トラバースルートは傾斜の緩いアップダウンを繰り返す、場所により樹林帯に入ったり、ハイマツ帯を歩く。約2,750mの標高を水平移動しているので、ちょうど森林限界辺りをウロウロしているのだろうか。大井川の源流とその先にある沢の水場は、この天気なので全然有難味を感じさせなかった。カンカン照りだと感動と有難味がすごくあるのだが・・・。
しかし、歩けば歩くほど雨が強くなる・・・。農鳥沢に入ると更に風が強く、ガスも濃くなってきた。ペンキマークを頼りにいったん下り、ガレ場を登り返すが、ガスが濃い時はペンキマークを見逃さないように注意する必要がある。
農鳥沢を横切り、間ノ岳〜農鳥の稜線に出ると更に風が強く、ザックカバーが飛ばされそうになり、取り外してザックにしまう。子供も風にあおられてしまうので後ろから支えながら農鳥小屋に向かう。
熊ノ平から1時間45分、思った以上に時間がかかって農鳥小屋に到着。小屋の陰で少し休む。風雨は弱まる気配もないので、ここまで来て残念だけど強風雨の為、農鳥は諦めて熊ノ平へ引き返すことにする。
稜線上の分岐から少し下った、風の遮れる凹地でレーションを食べて休憩。いやいや、夏山では久々大変な風だった。幸いガスも薄くなっていたので、農鳥沢では迷わずに通過することができた。
12時前に熊ノ平に戻るが、雨は相変わらず。しかし風はすっかり弱まり、さすが3,000mクラスの風の凄まじさを感じた半日だった。
さて、明日はどうするか。ここで2泊して農鳥岳、北岳をピストンするつもりではいるが・・・。天気が悪い中でかけても今日のような暴風なんだろうな。景色も全く見れないし。こういう日の登山もあるものだと教えたい気もあるし、天気の良い楽しい登山を楽しみたい気も・・・。
と、考えながら17時半頃、早くもシュラフに潜り込む・・・。
天場代 600円/人
【5日目(16日)】熊ノ平→三伏峠
雨の音に混じってアラームの音が聞こえる。起きてみたが、ウチのアラーム音とは違う。隣のテントだ。時計を見ると午前0時。こんな早く何で・・・。隣からは小声とゴソゴソ動き出す音。
まさか、
しばらくウトウトしているとテントの外で人の気配。雨の中、どうも隣人は出発したようだ。今日中に三伏峠から下りるのだろう。時計は午前1時。これまで大学山岳部時代から30年、午前1時に出発したのは唯の1回だけ。ダウラギリ�喫�のアタックの日のみ。国内山行では経験が無い。
その1時間後、午前2時に我々も起床、3時45分、雨の中を熊ノ平小屋を後にした。せっかく寝ている間に乾かした靴下は靴を履いた瞬間にまたぬれてしまった。靴には新聞紙を詰め込んでいたのに歩き出して数分でグショグショである。。。
途中(出発から40分後)登山道から30秒程上ったところにある安倍荒倉岳で写真だけを撮って先に進む。安倍荒倉岳は分かったが、新蛇抜山もその手前の大井川へ下る道も気付かずに通り過ぎてしまったようだ(新蛇抜山山頂は2万5千図では頂上はルート上にある)。周りを気にしながら歩く余裕も無いくらい雨で心は折れていたようだ。
午前7時過ぎに着いた北荒川岳も雨の中。三峰川側からの風が強く、とても休める状況ではない。20ン年前は北荒川岳もルートから外れていたが、今は登山道がピークを通っている(但し2万5千図ではルートは頂上を通らずに大井川側の斜面を巻いている)。
北荒川岳から南東斜面に下ったお花畑の中には旧トイレが今も壊れずに建っている(ただし入り口は無く使用不可)。以前はココも天場として利用されていた時期があった(？)ようだが、今ではしっかり『キャンプ禁止』と書かれていた。
北荒川岳を超え、更に風雨は強くなり、雪投沢源頭分岐も三峰川側からの強風雨で休むことができない。北荒川岳から雪投沢源頭にかけての三峰川側はものすごい崩壊で、一気に三峰川に崩れ落ちている。風が三峰川から吹いているから良いが、大井川側からの強風で足元がフラついたらとても危ない。
樹林帯の中では、規則正しく50分で休憩を入れていたのだが、森林限界を超えた稜線上では三峰川側からの吹きっさらしの風を遮って休憩する場所もなく、もう2時間近く歩きっぱなし。子供も20Kg近いボッカ量、レーションも取らずにこの強風雨の中ではいつ突然ダウンするか心配。
子供は大人と違って徐々に疲れてくるのではなく、いきなりガクンと疲れが来てしまうとも聞いた。とてもじゃないが子供のザックまで持ってやることはできないので、どこかで休めないかと心配しながら後ろを付いて登る・・・。
更に塩見岳へは小さな岩場を越えたらスグだった。ここまで休憩できる場所は全然なく、結局2時間以上も風雨の中を歩く羽目になってしまった。しかし、ここでも休める状況ではない位風雨が強かった。10時、塩見岳(東峰)、10分弱離れた最高峰の塩見岳(西峰)で写真だけ撮って塩見小屋へ急ぐ。
塩見岳からの下りも案外悪い。全然記憶に無い。塩見小屋までスグだと思ったが、1時間近くかかった。岩のガレの上を歩いたり、足元のキレた岩をへつったり、浮石が多く落石に注意の必要な急な斜面。
実際、対向者が人の頭程の石を落としていた。下から上ってきているツアー登山者に当たらなかったのが不幸中の幸い。しかもその落石の張本人、自分で落としたにもかかわらずコールすらしない。急いでコールしてやったが、当時はややガスっており、ガスの中から突然石が落ちてくるとキケン極まりない。落石しないの事が当然だが、万が一落としてしまったらスグにコールして下の人に知らせてあげて欲しい。
11時チョイ過ぎにやっと塩見小屋に到着。小屋の軒先で休ませてもらう。約3時間ぶりの休憩だ。ここまでよく倒れずに歩いてくれた。よかったよかった。丁度雨も弱くなったのでお礼を言って三伏峠に向かう。
樹林帯に入り、本谷山、三伏山で写真を取り、15時前に三伏峠に到着。11時間15分、結構時間がかかってしまった。
幕営後、晴れ間が出てきたと思ったら突然の雷雨(今縦走初めての雷)。もう1時間遅く出発していたら確実に雷雨に捕まっていただろう。やはり早出は必須だな。。。
天場は三伏峠小屋の東側にキレイに整地され、紐で区分けされている。トイレは小屋横。手洗いの水も引かれている。但し、水場はお花畑を下って10分以上かかる。
今日、入山した人達であろうかとても賑やかだ。早く寝たいのに・・・。
天場代 700円/人
【6日目(17日)】
ここ4年間の北アルプス縦走では運が良い事に、全く雨に祟られていなかったので、そのツケが一気に今年やってきた。でもこういう天気も登山には付き物。しかし気分は凹みっ放し。すっかりヤル気もなくなってしまった。
しかも下山時にお願いしていたタクシー会社に連絡すると、連日の雨で車は北又橋までしか入れないとか。しかもこの先数日は天気も芳しくないとか。。。
そんなんで、三伏峠から下りることに決定。南部はまた天気の良さそうな年に再開しよう。
最後の日はゆっくり4時に起床。下るだけなので明るくなってから出発。雨は降ってはいないが、どんよりとした空。さてこの下山の判断が正しいのか、誤りなのか・・・。
ゆっくり歩いても2時間弱、午前7時40分には鳥倉登山口についてしまった。これから入山してくる人たちもけっこういるようだ。
登山口でパッキングをしなおして下界に下りる準備。お風呂道具を一番上に置いて、靴もサンダルに履き替える。
8時半過ぎには2台のマイクロバスが大勢の登山客を乗せてやってきた。定刻よりも10分早く第一便が9時に出発。2時間弱かかって、10時50分に伊那大島駅に到着。大半がココで下りていった。
我々もココで下車、タクシーで清流苑(http://www.seiryuen.jp/index.htm)へ向かい、1週間の垢と1週間ぶりのマトモな食事にありついた。
残念ながら高速バスはUターン客で満席で乗れないので、飯田線で豊橋経由で帰ることにする。たっぷりと飯田線秘境駅の旅を満喫し、20時に帰宅したのであった。
14:16 伊那大島駅
18:24 豊橋駅 18:31
19:22 金山駅
20:10 帰宅
バス 2,490円/人(鳥倉登山口→伊那大島駅)
タクシー 1,700円(伊那大島駅→清流苑)
温泉 400円/人
昼食 2,810円
タクシー 1,780円(清流苑→伊那大島駅)
JR 7,200円
■費用
食料 16,081円
医薬品等 2,053円
天場代 7,800円
交通費 31,000円
食事・入温料 3,830円
=====================
合計 60,764円
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