酒を背負って〜後立山[爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳]八峰キレットを越えて〜
- GPS
- 56:00
- 距離
- 24.7km
- 登り
- 2,639m
- 下り
- 3,219m
コースタイム
- 山行
- 6:05
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 6:55
- 山行
- 7:35
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 9:30
- 山行
- 4:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:00
天候 | 1日目 晴れ時々曇り 2日目 晴れ〜曇り 3日目 曇り〜晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
《毎日あるぺん号》6200円 新宿西口(都庁大型バス駐車場) 23:00発 トロリーバス扇沢駅舎前 04:40頃着 帰り: 《さわやか信州号》4850円 白馬八方 15:30発 新宿西口 20:19頃着 ※ 天候不良の為,白馬八方ではなく五竜スキー場に下山した後,花三昧バス http://www.vill.hakuba.nagano.jp/privilege/hanazanmai/ で白馬バスターミナルへ移動。500円と安くて便利で助かりました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
<扇沢〜種池山荘> 雪渓を渡るところは落石に注意です。 <種池山荘〜冷池山荘> 景色が良すぎるので足元に注意です。 <冷池山荘〜キレット小屋> 鹿島槍ヶ岳から先は終始緊張の連続です。 <キレット小屋〜五竜山荘> 岩が割れやすいので,手でホールドするにも注意が必要です。 五竜前のザレ場の登りも注意です。もろいので落石しやすい箇所が多くあります。 <五竜山荘〜ゴンドラ乗り場> 幾つかの登り返しがあって楽はさせてくれません。狭い道で両脇から襲いかかるクマザサには要注意です。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
1/25
000地形図
コンパス
ライター
ナイフ
保険証
飲料
ティッシュ
バンドエイド
タオル
携帯電話
計画書
雨具
防寒着
スパッツ
手袋
ストック
ビニール袋
替え衣類
入浴道具
シュラフ
ザックカバー
クマよけ鈴
食器
水筒
時計
日焼け止め
非常食
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感想
今年の夏は高気圧に元気がなく,お盆にぐずついた天気が続きました。
悪天候で涙の撤退の白馬三山縦走から1週間。今度こそ,いやまたダメだろうか,やきもきする思い天気予報とにらめっこする毎日でした。
お盆明けにまとまった休みがとれた今年の夏。
当初はソロで扇沢〜鹿島槍ヶ岳のピストンを計画していたところ,今度テン泊をご一緒しましょうと話していたhanaabi氏とデュオでの山行となり,更には「キレット越えて五竜も狙おう!」との話を頂いたことから,初めてのキレット越えに挑戦する今回の山行となりました。
アプローチは初めての夜行バス。ぐっすり寝て明け方には登山口という理想のとおりにはいかず,ようやく眠りについたと思ったら扇沢に到着という感じ。そういえば昔のスキーツアーのバスもそうでした。
柏原新道はとてもよく整備されており,急登や岩場のないなだらかな登りが続きます。早く稜線に登りたくてペースが上がってしまうのが難点といったところでしょうか。それでも最後の鉄砲坂は中々の登りが続くので,侮れません。
種池山荘付近まで登ると森林限界に。視界が開けて近くには爺ヶ岳,遠くには立山が見えました。いよいよ北アルプスに来た〜という感じです。心配していた天気はガスが多くて鹿島槍ヶ岳は顔を隠しているものの,青空が見え隠れしていて大きく崩れることはなさそうです。
爺ヶ岳へ登り冷池山荘へ下るなだらかな稜線は,左手に立山・剱岳を望み,雷鳥やオコジョを探しながらのんびり気持ちのいい稜線歩きが続きました。
冷池山荘は,山荘とテン場が離れていることで知られています。テン場からトイレのために山荘に下りると往復15分かかります。しかも下りと登りがなかなか厳しく,テン場で過ごすサンダルで往復するのはちょっと怖い位でした。
冷池山荘ではキレット越えのためにヘルメットを貸してくれますが,五竜山荘では返却できず,キレット小屋で返却するか唐松山荘まで行かなければならないとのことであり,今回は借りないこととしました。
二日目はキレット越えを狙います。雨で岩が濡れているようなら鹿島槍ヶ岳までで引き返すつもりでしたが,天気は上々でほぼ快晴。それでもテン泊装備を背負ってのキレット越え,コースタイム通りに歩いたとしても9時間半という長丁場,激しいアップダウンが続く稜線と,厳しい条件には違いありません。
冷池山荘のテン場からいざ出発。布引山,鹿島槍ヶ岳と登りが続きます。しかもこの後急降下してキレット小屋,更に口の沢のコルまで降下したのち,五竜岳の急な登りが待ち受けるという,心が折れる行程なのです。
苦しい登りを終えてたどり着いた鹿島槍ヶ岳からの展望は,素晴らしいの一言でした。
まず目に飛び込んできたのはこれから挑む五竜岳。岩の殿堂と称されるにふさわしい迫力のある山容です。左手には見ればずっと力を与えてくれていた立山三山と剱岳。振り返ると槍・穂高もハッキリ見ることができます。北アルプスを一望できるこの展望は本当に素晴らしかったです。
しかし,まだ今日の行程は始まったばかりで,むしろこれからが本番です。気を引き締めて鹿島槍ヶ岳をキレット小屋方面に下ります。キレット越えと長丁場を見越し,鹿島槍ヶ岳北峰登頂はパスしました。一歩踏み外せば谷底へ・・・そんな登山道を急降下。しばらくすると緊張感も麻痺してくるのか,怖さはあまり感じませんでした。それでもキレット小屋の直上にたどり着いたときは力が抜けるような安堵感がありました。キレット小屋では朝食なのか昼食なのか,五竜岳へ向けての大休憩をとりました。なにせ今日の行程はこれでもまだ半分程度で,ここからが長いのです。
五竜岳はいつでも目の前に見えているものの,その前にいくつかのピークが見えておりおり,それと同じだけ割れ目のような下りも見えているのです。長いハシゴや鎖もあればいい方で,なんでここに鎖がないの?とか,本当にそっちが○なの?という岩場が延々と続きました。BS−NHKの日本百名山の鹿島槍ヶ岳で,五竜岳を「岩の殿堂」と称していましたが,全くその通りだと何度も思いました。
一番苦しかったのは,北尾根の頭からの先の登りでした。今日の行程は五竜岳への最後の急登(岩登り)が待っているのが分かっているので,ペース配分には終始気を付けているつもりでしたが,足場が悪いザレ場が延々と続くところで,一気に体力を奪われてしまいました。逆に五竜岳の最後の壁のような登りの方が,短くてあっけなかったくらいでした。
五竜岳は,そこに至るまでの鹿島槍ヶ岳への登りと下り,キレットの鎖やハシゴ,長い稜線歩きなど全てを含め,「登り切った」という思いでした。全てを終えたような心の緩みから,五竜山荘への下りがとても辛く感じました。
3日目は,天気予報で曇り又は霧で雨も降りそうとのことであり,昨日の疲れもあることなので唐松岳への登頂を断念し,五竜のテレキャビンで下山することとしました。
今回のルートは,自分としても一ランク上の登山への挑戦であり,一人では計画すらしなかったであろうプランでしたが,hanaabi氏の協力があって無事に成功することができました。hanaabi氏本当にありがとう!
それとヤマレコなどを通じて長丁場になることや最後に厳しい登りがあることを知っていたので,「まだまだ先は長い」「最後に五竜の登りがある」と自分に言い聞かせて歩いていたことで,うまくペース配分ができたことが良かったと思います。
新しいシリオの靴もその性能を遺憾なく発揮してくれましたよ!
しかし上級者が集うキレット小屋とはよく言ったもので,すれ違う人にルートを聞いてみると「欅平から扇沢へ向かっている」,「朝日岳から来た。」とか,みんな凄いことを言っていて,しまいには「剱・立山を登った後,扇沢を経由して白馬に向かっている」という学生さん達までいて,まだまだ自分が未熟な事を思い知らされたのでした。
(長文にお付き合い頂き,ありがとうございました。)
「想い出の山」写真&レポートコンテスト 「山行記録部門」 by モリパーク アウトドアヴィレッジ(MOV)
おはようございます。
欅平から来たのは自分です。ヨレヨレの汚い姿をしていたと思います。
・五竜岳への最後の登り・ですが、自分は逆からのコースなので、
下りになるんですが、朝7時頃にそこに来ました。下はガスで真っ白!ほとんど
視界がなくて、これから下りて行く見えない谷底に恐怖でした。降りきるとガスは少なくなってきたんですが・・・
ということで、あの・五竜岳への最後の登り・が一番印象に残っています。
ヘルメット!必要ですね、自分はザックに入れていたのですが、結局、一度も使わずでした。いろいろ反省点はありました。
柏原新道ですれ違って、お話させて頂きましたね。
冷池山荘のお水引換券ありがとうございました。山行記録で「若い人にあげた」と書かれていましたが、四十も過ぎた身なので気恥ずかしい限りです。
あの五竜の岩場をガスの中降りて来られたんですね。
何も見えずさぞや恐ろしかったと思います。
五竜へ向かう際に、欅平から登ってくる長〜い稜線が見えました。しかもあのジャングルのような樹林帯、やはり藪を漕ぐような道だったんですね。
大変お疲れ様でした。
こんにちは!
凧上げしていた者です。写真UPありがとうございました(笑)
キレット越えお疲れさまでした!翌日とてもステキなお天気て良かったですよねー。
テン場は遠かったですが、一番好きなテン場だったかもしれません。
またどこかの山で!!
ご覧頂けましたか〜。
天気に恵まれたキレット越えとなり幸いでした。
お隣で稜線を吹き抜ける風で凧揚げされているお二人を見て、凄いアイディアと感心しました。コンパクトながら上手く上がってましたね。
テン場は小屋から遠いのが難点でしたね。これからはどこにテントを張ってもトイレが近く感じそうです。
またどこかの山でお会いしましょう。
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