下の廊下〜裏剱〜北方稜線はエスケープしたが…

2023年10月02日(月) 〜 2023年10月04日(水)

• GPS: 25:37
• 距離: 45.1km
• 登り: 7,016m
• 下り: 6,072m

コースタイム

1日目

• 山行: 6:52
• 休憩: 0:35
• 合計: 7:27

8:21 黒部ダム駅
8:46 8:46 ダム下
9:32 9:39 内蔵助谷出合
10:50 10:50 新越沢二股
11:28 11:47 黒部別山谷
12:15 12:15 白竜峡
13:01 13:02 十字峡
14:05 14:08 半月峡
14:39 14:40 東谷吊橋
14:53 14:54 仙人谷ダム
14:57 14:57 仙人谷駅
14:59 15:01 関西電力人見平宿舎
15:27 15:28 権現峠
15:48 阿曽原温泉小屋

2日目

• 山行: 8:42
• 休憩: 1:57
• 合計: 10:39

5:32 阿曽原温泉小屋
5:56 5:57 権現峠
6:24 6:24 関西電力人見平宿舎
6:26 6:26 仙人谷駅
6:28 6:31 仙人谷ダム
8:52 8:55 雲切新道最高点
9:12 9:12 仙人温泉湯元
9:24 9:24 仙人温泉小屋
11:42 12:13 仙人池ヒュッテ
12:26 12:26 仙人峠
12:52 13:52 池の平小屋
14:57 15:16 池ノ平山（南峰）
16:11 池の平小屋

3日目

• 山行: 7:09
• 休憩: 1:03
• 合計: 8:12

5:00 池の平小屋
5:26 5:30 仙人峠
6:00 6:00 仙人新道ベンチ
6:27 6:28 二股
7:16 7:19 三ノ沢
7:39 7:45 真砂沢ロッジ
8:13 8:16 長次郎谷出合
8:44 8:56 平蔵谷出合
10:07 10:22 剱澤小屋
10:30 10:32 剱沢キャンプ場
11:13 11:25 剱御前小舎
12:17 12:19 浄土橋
12:29 12:31 雷鳥沢ヒュッテ
12:39 12:39 雷鳥荘
13:00 13:00 みくりが池温泉
13:03 13:04 みくりが池
13:11 13:11 ホテル立山
13:12 ゴール地点

下の廊下は谷が深すぎるためかGPSが微妙にズレたり跳んだりしており、その分だけ距離と累積標高が盛られている。
去年行った大杉谷でも同じ事が起きたので、こればかりはしょうがない。

天候

1日目：高曇りのち晴れ
2日目：快晴、夕方以降ガス
3日目：深夜から大雨、7時頃から回復し高曇り時々晴れ、午後から下り気味

アクセス

利用交通機関：

電車 バス ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）

往路：松本前泊で信濃大町7:10発バス
復路：室堂13:15発で長野17:25着⇒帰京

コース状況／危険箇所等

一般登山道しか歩いていないので全行程問題無し。
沢沿いを行く事が多いので道が濡れておりスリップには注意。
※下山翌日から雪が付いたので今は冬山になっている。

その他周辺情報

室堂は平日でも中国人観光客でいっぱい。

写真

10/2 8:15

バスを降りたらダムに向かう集団と別れてトンネルの奥へ

10/2 8:16

案内は確りしている、ここを曲がった所にトイレと水道が有るので扇沢で準備していなくても大丈夫

10/2 8:22

施設から出た所

10/2 8:46

ダムを下から見上げる、手前に監視小屋があり入山者のカウントをしていた、この日は自分で29人目でピーク時には1日150人ほどがダムから入山するらしい

10/2 9:17

峡谷には左右岸壁から沢山の名も無き沢が流れ込んでおり滝をしょっちゅう見れる

10/2 9:18

気持ちのいい道

10/2 9:23

こんな感じ

10/2 9:31

真砂岳まで4時間で行くのは超上級者だけだと思う…

10/2 9:31

雪渓が残る時期はこれが道を塞ぐのかな？今は通行できるので脇に退けられてました

10/2 10:06

谷が綺麗

10/2 10:27

鳴沢小沢のナメ滝かな？地図で見るともっと上流だから違うかも

10/2 10:37

開ける所もボチボチあったりする

10/2 10:51

ほぼ水平道とは言え距離はある…

10/2 10:52

新越の滝(のはず)

10/2 10:55

今は滝だけどこういう所が最後まで雪渓が残ってるんだと思う

10/2 11:13

正面が別山の壁尾根、近づくにつれてゴルジュになってきて道もいよいよ下の廊下っぽくなってくる

10/2 11:18

こんな感じ

10/2 11:23

水平道の一部が崩壊して高巻していた、通れそうだったけど安全第一で頑張って高巻く

10/2 11:24

奥のルンゼの影が崩壊ポイント

10/2 11:28

別山谷

10/2 11:28

別山谷では渡渉します、よほど水量多くなければ飛び石で大丈夫

10/2 11:28

The 黒部

10/2 12:08

多分タル沢かな？この辺(赤ムケの壁区間)は歩いててメッチャ楽しい

10/2 12:50

絶対濡れるポイント

10/2 12:59

十字峡のつり橋

10/2 13:00

十字峡、綺麗だけどつり橋からだと十字に見えず微妙、手前のビバーク適地から下に降りられる事を後から知った、次の機会には必ず…

10/2 13:23

対岸の尾根上に建築物が！関電の従業員寮か何かだろうか

10/2 13:55

十字峡を過ぎるといよいよ水平歩道の高度が上がり、川面から離れる事で景色はあまり良くなくなる(木に隠れる区間も多いし)

10/2 14:09

S字峡は上から見下ろす、S字と言えばS字

10/2 14:24

黒四発電所、こんな所に造っちゃうんだからスゲェわ

10/2 14:38

東谷のつり橋までまあまあ下りました

10/2 14:41

発電所のトンネル、ツアーも年数回するらしい？

10/2 14:51

仙人谷ダム

10/2 14:53

ダム堰堤と高熱隧道を通る

10/2 14:54

あの滝は天然ではなくダムの放水口

10/2 14:56

建物内へ

10/2 14:57

これが高熱隧道、暑さと硫黄臭が結構あり通行禁止方面のトンネルから流れてくる熱気が物凄かった

10/2 14:58

文化遺産

10/2 14:58

丁度トロッコ停まってて撮れた、ラッキー

10/2 15:01

隧道から柵の通用門で外へ、熱気と硫黄臭から解放された時の空気の美味さよ

10/2 15:27

阿曾原との間にある権現峠は結構な急登を登らされた、峠にはトンネル、短いのでヘッデン不要(翌朝の通過時は付けた)

10/2 15:49

着いた〜、4時到着でテント場余裕でした

10/2 15:52

本日の温泉振り分け、設営して17時がちょうど良い感じ

10/2 16:50

自分の後に次々到着し混み始めた、平日なのにスゲェ

10/2 17:02

温泉へ、湯船の写真は他の人も多くいるので自重

10/3 6:29

2日目、仙人谷ダムまで戻り事務所の屋上を進み雲切新道へ

10/3 6:36

狭いダム湖沿いの道を進み仙人谷の橋を渡る

10/3 7:00

「※これより急登」…うん、知ってる

10/3 8:57

雲切新道はひたすら樹林帯の急登だけなので撮れ高無し、仙人温泉の谷が見える地点までダムから2時間半ほど

10/3 9:09

小屋が廃業(？)してしまったので多分もうほとんど入る人はいない温泉

10/3 9:10

お湯がボコボコ噴き出してたんだけどお湯飛沫が上がった瞬間を捉えてなかった…

10/3 9:15

仙人沢の渡渉あり

10/3 9:23

雪崩で崩壊した小屋、廃業とも聞いてるし再建予定が有るとも聞いてる、どっちなんだろ？

10/3 9:36

谷越しに後立山が見えるなかなかの立地、でもテント場が無いので営業再開しても泊まれないな

10/3 9:39

小屋から先は沢を詰めていく(と言っても沢沿いの登山道なので正確には沢を詰めるとは言わないかも)

10/3 9:52

つい先日亡くなった方が出たので真新しい警告看板が付いてた

10/3 9:56

なんてことは無いトラバース道だけど岩の具合で道が水平ではなく谷側に傾いて切られているので、確かに油断するとツルッと行くかも、右に映る支沢から先は湧水で濡れてるし

10/3 9:58

気持ちのいい支沢出合で休憩

10/3 10:22

下部の雲切新道とは一転、気持ちのいい道

10/3 10:28

渡渉も何回かあり

10/3 10:58

上部にも警告

10/3 10:59

良い感じのナメ滝

10/3 11:18

源頭近くで本流を外れて支流の涸沢から尾根へ

10/3 11:38

仙人池ヒュッテ到着、ダムから標高差1200m程度なんだけど結構疲れました

10/3 11:43

快晴！無風！紅葉もそれなり！初めての来訪、それも正午近くでこれだけ綺麗に池に映る八ツ峰が見れたのは超ラッキー

10/3 12:15

仙人峠からヒュッテ側はかなり紅葉していた

10/3 12:23

素晴らしい

10/3 12:28

越中側からガスが小窓越しに乗り越えてきて滝雲になった

10/3 12:34

白ハゲの方も滝雲

10/3 12:46

小屋が見えた、テントの数はそれなり

10/3 12:49

平の池と八ツ峰・チンネ・小窓の王

10/3 12:52

到着、ホスピタリティの素晴らしい小屋でした

10/3 13:17

テント場から黒部谷側、運が良いとこちら方面でauなら入るそうだが自分は駄目でした

10/3 13:17

テント場からの景色、この時は天気下り気味だけどロケーション抜群で人も少なくノンビリできて最高のテント場でした、ここは何度来てもいいと思わせる

10/3 14:08

設営後、ガスがもちそうだったので池の平山へ

10/3 14:52

登り切ったと思ったらさらに奥に山頂が…この感覚どこかで？と思ったけど高妻山だ…

10/3 14:59

到着、結果的に今回唯一のピーク

10/3 15:01

後立山一望

10/3 15:01

2500m峰をやるなら行かないといけない北峰、自分はロープ使用もそうだけど何より藪漕ぎしたくない

10/3 15:02

北方稜線のコースがハッキリ分かります

10/3 15:07

少し引きで

10/3 15:11

小窓氷河

10/3 15:31

下山中、仙人新道下るなぁ…

10/3 17:22

小屋に戻ると隣に張った方からテントの撤収指令が出たと教えて頂く、翌朝に予定されてたヘリ荷揚げが天候不良で飛べないかもという事で急遽日没前に飛ばす事に、ガスの中ギリギリ1便だけ飛んだ、これはレア体験

10/3 18:33

協力のお礼とお詫びでチョコ頂きました

10/4 6:04

日付が変わったあたりから雨が酷く北方稜線はエスケープして下山を決意、こちらは仙人新道途中から見た三の窓氷河

10/4 6:27

二股まで下り長かった！550mも高低差あるのか…

10/4 6:41

真砂沢ロッジまではなかなかアスレチックな道

10/4 7:03

梯子谷乗越との分岐の橋、交通費節約の為にダムに行きたかったけど雨による谷の増水具合が分からなかったので大人しく室堂に向かう

10/4 7:40

真砂沢ロッジに到着…7時過ぎから晴れてきた…

10/4 7:41

向かう剱沢方面…晴れてきた…

10/4 7:55

まあ、剣沢は雪渓が無くても綺麗です

10/4 8:04

雪渓出てきた

10/4 8:15

秋道でも1箇所だけ雪渓を横断する

10/4 8:30

まあこれはこれで歩く価値のある道ですよ

10/4 8:37

ボルトが打たれた一枚岩、先行者が行っているルンゼ状のくぼみは水が流れれるので危険ルート

10/4 8:44

長次郎谷、普段を知らないけどたぶん例年はここまで雪無くならないんだろと思う

10/4 8:45

源次郎尾根と手前が平蔵谷

10/4 9:19

美しい谷ルートではある、最初からこのルートで計画していればこの景色で満足できたと思う

10/4 9:39

滝もあるし

10/4 10:08

剣沢小屋到着、相変わらず素晴らしいロケーションの小屋

10/4 10:31

キャンプ地はなんと一張りのみ、時間的に剱にアタックした人が戻る前のはずなんだけど、多分あの天気で皆諦めて降りたんだと思う

10/4 10:31

記録的な少雪で水枯れが多い北アルプスでもここは流石に出てました

10/4 11:13

別山乗越から剱見納め、また来年来ます

10/4 11:25

11時半の別山乗越で3℃、天気は回復したけど北方稜線行ってたら寒さと風との戦いは待っていたはず

10/4 11:26

実は雷鳥平に下るのは初めて

10/4 11:26

大日岳も良い山だったな

10/4 11:38

立山はガスの中でしか登った事が無いので行こうかとも考えたが、もうエスケープでテンション下がってたので真っ直ぐ下りた

10/4 12:20

雷鳥平キャンプ場、ロケーション良いけどちょっと硫黄臭が気になるかな、自分は

10/4 12:33

地獄谷も間近で見たのは初めて

10/4 13:02

ミクリガ池まで来ると観光客で一杯でした

10/4 13:12

ゴール、3日目のこのルートは距離もアップダウンも有ったので下山は良いけどスタートが遅くなる入山で使うのはかなり頑張らないといけなそうなコースでした

撮影機器：

Xperia 1 SOV40 au SONY

装備

個人装備

Tシャツ ソフトシェル ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 日よけ帽子 着替え 靴 ザック ザックカバー サブザック 昼ご飯 行動食 非常食 調理用食材 調味料 飲料 ガスカートリッジ コッヘル 食器 調理器具 ライター 地図（地形図） コンパス ヘッドランプ 予備電池 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ナイフ テント テントマット シェラフ アイゼン ピッケル ヘルメット

感想

shige_verde

登山を始めた時、下の廊下はいつか行きたいと思っていたが、北方稜線は自分が行ける事は無いと思っていた。
そこから破線ルートやバリルートの経験を積み、北方稜線の情報を集めロープ不要を知り、行ってみようと思うまでになった。
なのでとても楽しみにしていたのだが…。

初日と2日目は天気に恵まれ大満足の山行だった。
下の廊下のハイライトと言える上流部、大人気の阿曽原温泉小屋、仙人池に映る八ツ峰、楽しみにしていたものを全て堪能でき完璧と言っていい2日間だった。

ところが入山時の天気予報では何とかもつはずだった3日目の天気が2日間山中にいるうちにどんどん悪化。
阿曾原ではかろうじて電波が通じたのでその予報を見て、正直そのまま1泊2日で欅平まで下りてしまおうかとも思った。
かなり悩んだ挙句とりあえず裏剱まで登ったお陰で仙人池の絶景は見れたが、その後は予報以上の天候悪化で北方稜線はエスケープ。

さらに悔しかったのが朝方までは最悪の天気だったのに7時頃から急速に天候が回復した事。
行けたじゃん…と…。
まあどの予報を見ても雨は少なくなる傾向でも止む予報ではなかったし、現地でもガスが取れると全く思えない濃さだったので判断ミスとは思わないが…。
ダメならダメで終日悪天ならまだ諦めも付くが、こういう天気が一番悔しい。

剣沢ルートも歩いた事が無かったのでアレはアレで堪能したとも言えるが。
未練がましく終始稜線を見上げながら歩いたのは今後も忘れられないと思う。

北方稜線は絶対来年リベンジする。
池の平小屋はあらゆる意味で素晴らしく何度でも行きたいと思える小屋だったし、下の廊下の下流半分も残しているので、来年はそのルートで行こうと思う。