両俣〜熊ノ平〜間ノ岳〜北岳〜広河原


- GPS
- 33:14
- 距離
- 82.8km
- 登り
- 5,069m
- 下り
- 6,746m
コースタイム
- 山行
- 6:13
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 7:27
- 山行
- 8:27
- 休憩
- 3:00
- 合計
- 11:27
天候 | 1日目:曇→雨 2日目:曇のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
北沢峠に到着してから広河原行きのバスの待ち時間が30分ほどありますが、 野呂川出合までの歩行時間を考えると、バスを待っても野呂川出合到着時間は 変わりません。 |
その他周辺情報 | 仙流荘のバス亭で「さくらの湯」の割引券を配っていますが、帰りの道すがら 「高遠さくらホテル」という看板が目に飛び込みます。けれど、これは割引券 とは違う場所です。なかなかいい湯ですが、割引ではないって言われてガクッと くるので、ご注意を(笑 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
恒例?の夏の山行は、前回のリベンジということで、両俣を経由して熊ノ平を目指した。
先月、台風の影響による悪天候で、野呂川越あたりで撤退となってしまった山行を完遂したいと思った。
コースとしては、
(1日目) 北沢峠〜両俣〜三峰山〜熊ノ平
(2日目) 熊ノ平〜三峰岳〜間ノ岳〜北岳〜広河原
というものだ。
2日目がけっこうなロングコースになるけれど、まぁなんとかなるだろう。
間ノ岳以降は、白峰三山縦走路に歩いた道でもあるが、間ノ岳の標高修正が行われたから違う山ということにしよう
例によって、野呂川沿いをのんびりと歩く。天気はあいにくの曇り。先月ほどひどくないが。
両俣小屋はひっそりとしていて、私しかいない。
小屋番のおばちゃんも、のんびりとコタツで本を読んでいた。
曇りで景色が見えないので、花やキノコの写真を撮って暇つぶししながら歩く。
野呂川越以降の樹林帯は霧に包まれていた。
なんとなく不穏な天候だったが、三峰山の稜線に出たあたりで大粒の雨が降ってきたので、レインコートを着る。風がないのが幸いだが、また雨だ。
どうやら、今年の山行はハズレをひいているようだ。
誰もいない稜線をひたひたと歩いて、三峰山にたどり着いた。
正解なのかわからないが、名前の通り3つの峰を越えて、つまり何度も登り返しをして、たどり着ける山だ。
ガスで視界がないので、登り返すたびに「山頂?・・・違うか・・・」というがっかりを繰り返した。
やっとたどり着いた山頂には大きなケルンがあったが、ここからどちらに降りれば熊ノ平にいけるのか、とても分かりにくかった。
コンパスでだいたいの方角を見極めて降りると、すぐに岩に描かれた矢印がたくさんできて、ほっとする。
2時間くらい下っただろうか、念願の熊ノ平小屋にたどり着いた。2時半過ぎ。
とても落ち着いた小屋だ。先客の方が一人だけいらっしゃった。きけば、南ア全山縦走に近いルートを歩いていらっしゃる。
これまた念願のバッジを買って、ゆったりと読書をして過ごす。
コーヒーを淹れようと水場に行ったところ、プラティパスを落として穴を開けてしまった。
小屋のおねぇさんが親切にもガムテープをくれた。10年近く使っていたものなので、なんとかならないかと試行錯誤したものの、どうやら再起不能の様子。新しいのを買えば良いのだが、なんだかカラフルでミーハーっぽい感じが嫌に思うのは、年をとった証拠かなぁ。
外はしとしととした雨。ものすごく静か。
一緒に泊っている方も物静かな方で、なんだかゆるやかな時間が流れる。
夕食はなかなかこだわりの品だった。小龍包を専用たれでいただく。
夕食後もお茶をいただきながら、食堂で読書。
なんとなく山行に適した薄っぺらい本、ということで本棚から適当にとったら、三島由紀夫の午後の曳航。
このくらいの薄さの本を手に取ると、なぜだか中学校だか高校だかに読んだものの再読というかたちになる。
十年以上たってもストーリーをなぞりながら読める。不思議なものだ。
翌朝。雨はやんでいた。
4時に起きて、30分ほどで食事。手早く支度をして、5時前に出発。
地図上のコースタイムだと10時間程度かかる。それで15時の最終バスに滑り込み。
三峰山への登り返しからスタート。ウォーミングアップにぴったり。
陽が昇り始めて、農鳥の巨大な姿が見えてきた。その向こうには富士山の裾野が見える。
仙丈方面も美しく焼け始めた。
と思っていた矢先に、すごい勢いで雲がわいてきて、あたり一面霧。
雨がないのが幸い。
短パン、Tシャツの上にパタゴニアのフーディニ上下。防風性もあってなかなか行動しやすい。
けれども、間ノ岳山頂はすさまじい風だった。
さっとパンをかじっていると、北岳側から団体さんがやってきた。おばちゃんの一人に声をかけると、「ここまで来たことを後悔している」なんて返事がきた。それぐらいひどい風だった。
霧で何も見えないし。
なので、山頂をさっさと放棄して、北岳山荘を目指す。
小走りで駆けたので、コースタイムの半分以下で到着。
熊ノ平小屋で包んでもらったお弁当を開くと、これまた凝った作り。
おにぎりに黄な粉がついている。
甘くておいしかったけど、雨風の日は食べにくいだろうなぁ。
さて、北岳に向かう。
何年か前に白峰三山を縦走した際は大樺沢から八本歯コル付近を抜けてトラバース気味のコースをとったので、今回は肩の小屋から草すべりを抜けて白根御池小屋に行こうと思う。
そちらのほうがコースタイムは長いが、予定の半分ほどの時間で北岳山荘まで来ることができたので、念願の草すべりにいけた。
肩の小屋は味わいのある小屋だったし、草すべりを抜けて鳳凰三山をバックに見えてくる白根御池ノ美しかったこと。
白根御池小屋では、行きのバスで一緒だったカップルにばったり出会ったので声をかけた。仙流荘から北沢峠のバス、北沢峠から広河原方面のバスともに一緒だったのだ。
「??」という顔をされたけれど、「野呂川出合で一人だけ降りた者です」と言ったら「ああ〜!」と返事が返ってきた。
白根御池小屋に11時半についたので、ここからダッシュすれば12時50分のバスに乗れる!と思って、ひたすら駆け降りた。
が、待っていたオチは、バスの時間は12時半でした、、、ということ。野呂川出合を通過する時間が12時50分で、なぜか(関係ないのに)そればかり覚えていた・・・。
仕方がないので、せっかくのゆったりとした時間、川のほとりでぼーーっとして疲れを癒しました。
15時のバスに乗って北沢峠に登ると、臨時バスが出るということで、そちらに乗車。
親切な運転手さんがトマトをくれたが、これがものすごくおいしかった。
そういえば、以前の白峰三山縦走の際も、奈良田で前泊した時におばちゃんがくれたトマトがものすごくおいしかったことを思い出す。
16時半前、仙流荘に帰ってきて、そこでも白根御池で会ったカップルにばったり。自分の車の前に駐車されていた。
帰り道、高遠さくらホテルの日帰り湯に立ち寄る。なかなかいい温泉。
飯田のあたりで高速道路の脇に大きく花火があがった。何年か前にも山行の帰りに同じ事があったなぁ。飯田の花火大会だろうか。
ひたすらガスに覆われて何も見えなかったけれど、本目的地である熊ノ平小屋がとても静かで、すばらしい山行だった。これぞ、南ア。
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